29APR.
勝敗は最悪の結末なるも、エンタメとしては最高の出来。そんな神宮劇場。(4/25燕4回戦8-9x)
野球観戦で一番面白いといわれる8対7のスコアの試合を「ルーズベルトゲーム」と呼ぶのはとても有名な話ですが、今日の神宮球場は更にその上を行く9対8のスコアでございますからね、そりゃ面白いのなんのって「野球エンターテイメント」の出来映えとしてはもう究極のカタチ、そりゃ最高の試合でございましたわ。しかしながら、とても当たり前で、かつ重要なことを申し上げると、ルーズベルトゲームが面白いのは試合に勝った方のチームでありまして、負けた側は奈落の底に突き落とされるということでございました(涙)。1回表から9回裏までこれでもかとばかりに次から次へとドラマが押し寄せるモノ凄い試合を神宮球場で観戦して参りました。小生も長いこといろんな鯉の試合を現場で見てきておりますが、いやぁここまでハートの振り幅が大きな試合も久々でございました。それこそ神宮でいうならばあの「七夕の奇跡」の新井さんの逆転3ラン級のイベントがひっきりなしに押し寄せてくる感じでございました(そりゃちょいと言い過ぎですかね、でもそんな体感でしたわ。笑)。初回の野間クンのタイムリーに沸き上がる薄暮の神宮球場、更には今日が野球人生の全てを賭ける試合だった筈の二俣クンのプロ初ホームランに思わず席を立ち上がり拳を突き上げ、赤い集団の歓喜の中に埋もれて涙するワシ(笑)、はたまたハッチさんの緩慢なバンド処理に落胆する中でオスナのグランドスラムが炸裂して6失点すると2回裏の段階で早くも帰り支度のヤケ酒状態に突入(笑)。それも束の間、代打宇草の四球をきっかけに菊池先輩の2ランで再び赤い熱が帯び始める神宮球場、パンチ矢野クンがファールで粘るごとに温度がどんどん上がるグラウンド、インチキな(照明に打球が重なる)タイムリースリーベースでの黒原クンが見せた3塁への懸命な全力疾走には観客席の赤い集団の各々が思わず立ち上がってその場でコーチャーのようにぐるぐる腕を回すかの熱量(笑)。菊池先輩のショート深い位置への同点タイムリー内野安打には、1塁ランナー上本クンと同じ気持ちで2塁ベースへ滑りんでいく感じ(笑)。ハッチさんのグラスラ被弾の後、黒原クンがロングリリーフで3回4回5回となんとかゼロを並べていく中で、打線の奮起で再び同点に追いついた試合展開。これはもしや黒原クンの初勝利の芽も出てきたんじゃないのかと思い始めた6回表、今日のホームランで野球人生の片道切符を掴みとったかの二俣クンが四球を選んで出塁すると、代打秋山先輩が勝ち越しタイムリーをかまし、野間クンが更にタイムリーを重ねていく。真っ赤に染まる神宮球場は宮島さん連呼のお祭り劇場。これぞ逆転の広島カープの真骨頂。いやぁ。素晴らしい攻撃でした。もうこのまま昇天したかったですわ。おめでとう二俣クンの初ホームラン、栗原クンの初勝利!鯉は3位浮上で貯金生活に突入じゃ!・・・もとい。プリンス堂林は常に全力プレーをする男であり勝手な打球判断で怠慢走塁をする奴じゃないということくらいよく分かっておりますし、打球判断や状況判断を間違えてダイブして打球を逸らし進塁を許した秋山先輩も二俣クンだって「攻めた守り」であった筈ですし、失点した中崎ドンも島内クンも必死のパッチの投球だった筈なのです。そして中崎クンのフォークを前に落とせずワイルドピッチにしてしまった坂倉クンが今季どれだけキャッチングで投手陣を救ってきたかも重々知っておりますからね、試合終盤にかけてジリジリと点差が詰まっていく中で、小生は祈るような気持ちで試合を見つめておりましたわ。9回裏、栗林クンが村上クンを152キロのストレートで見事な空振り三振に仕留めた瞬間、神宮を埋め尽くした赤い集団が拳を宙に突き上げ歓喜に沸きました。が、エアポケットのようになってしまった次の瞬間にサンタナの打球がライトスタンドに消えたのを見届けると、小生も呆然とワナワナと席に沈み込み、さすがにその場から動けなくなっちゃいましたわ。いやぁ。言葉が出てこない(泣)。まさにこれぞ野球の勝負の残酷さでございますな。グラウンドではサヨナラ勝利に狂喜乱舞の燕諸君の歓喜の輪が出来上がり、他方で俯きながらベンチに戻ってくる鯉諸君の姿といそいそと帰り支度を始める観客席の赤い集団の皆さん。どれもこれもがザッツ野球エンターテイメント!なのでございます。そんなことをヒシヒシと感じたエンディングでしたわ。そして「ルーズベルトゲームが面白いのは勝ったチームだけ」というあたり前のことを思い知らされた神宮球場の夜。本日は、銀行時代の先輩で「熱狂的な燕党」である方とネット裏の2階パノラマ席からの観戦。合わせて、広島在住の妹さんが熱狂的な鯉党で日頃から弊ブログをご愛読頂いている銀行同期の仲間も一緒に観戦しておりました。因みに前者の先輩は現在は某社のお偉いさんでして、なんと神宮球場のフェンスに大きな社名広告を出されております。いや誤解なきように申し上げると、ちゃんとした業務ですよ(笑)。その先輩もサンタナのサヨナラ弾に昇天されておりました(そりゃそうです)が、まぁ勝敗を別にして、これほど面白い試合展開もなかなかございませんからね、ここは野球エンターテイメントを堪能できたことを素直に喜んで神宮球場を後にすることに致します。でも勝ちたかった(泣)。↓クリックお願いします。にほんブログ村
【現地観戦】マツダスタジアムで2軍戦! C0-5D(4/27)
今朝の「球炎」記事が素晴らしかったです。これぞプロのライター視点でございます。
広島に住んでいる方は中国新聞で毎朝読まれている方が多いと思いますが、東京在住の小生はこの「球炎」の記事を読む目的だけのために「ケータイde中国新聞」をわざわざ有料登録して拝読させてもらっております。そりゃまぁお家元の新聞内の記事ですからね、見るからに詰まんないような「提灯記事」とか「忖度記事」もあったりするのですが(苦笑)、やはりプロのライターさんは素晴らしい視点でコンパクトな記事を書かれるなぁとリスペクトする内容が多く、楽しみにしております。今朝の記事も素晴らしかったです。小生、記事を読んだ後に、久しぶりに唸りましたよ。例のプリンス堂林の怠慢走塁?にフォーカスしている記事なのですが、きっちりとその責任を追求しつつも過度にヒステリックな論調になることもなく、昨日の試合で菊池先輩が見せた「あの走塁」を切り口にしながら、走塁の本質を問い正すような論旨の作り方。極めてコンパクトに纏まった文章ですが、冒頭の入り方から展開、構成がホントに素晴らしすぎます。そして最後の締め方も秀逸でした。現場で見ていなければ絶対に分からない見逃してしまいそうなシーンに、選手会長と新井監督の思いを集約させる。必死のパッチで懸命に走る堂林の顔と、ベンチでそれを見つめている新井監督の顔が浮かんできます。いやぁこれぞプロの文章です。敬服致しました。著作権の問題はありますが、広島在住以外の皆様にもぜひ読んで欲しくて、以下、勝手に掲載させて頂きます。五反田さん申し訳ありません。4月28日中国新聞「記者コラム球炎」より抜粋諦めない走りが生んだ追加点試合前のミーティングで選手は気持ちを締めた。コーチからの「やるべきことはやろう」との呼びかけ。指していたのは25日のヤクルト戦でのミス。六回2死一、二塁、堂林は二ゴロを放ち、走る速度を弱めた。一塁走者が二塁でセーフになった後、一塁でアウトになった。言い訳のできないミス。勝負事は相手がいることだから、打てる、打てない、という結果は問えない。わずかな可能性に懸け、走ることはできる。反省しなければならない。そして、下を向いたままではいけない。この日、菊池が体現した。3-1の七回2死、ボテボテの三ゴロ。いつものように全力で走り出す。直後、「まさか」が起きた。慌てた三塁手の送球がちょっとだけそれる。セーフ。そこから打線がつながり、2点を奪った。諦めない走りが生んだ追加点だった。開幕1カ月。いつも全力を尽くすのは簡単ではない。それでも、広島を応援する人々は祈るような気持ちで選手のプレーを見ているのだ。先発を外れた堂林は九回2死、一塁走者の代走で出場。会沢は捕手後方に打ち上げた。凡飛だった。ファウルゾーンへの当たりだった。顔をしかめ、全力で三塁まで走る堂林がいた。(五反田康彦)***五反田さん、最高でした。↓クリックお願いします。にほんブログ村
お父さんも長いのよ