15APR.
【3月14日最新版】将棋小説「背徳の棋譜」~破竹の大記録③
※登場する人物・団体名等は、架空のもので実在しません。 意表をつかれたのか、後手は長考を強いられた。「本庄六段、残り十分です。」記録係の乾いた声が響いた。 一時間の考慮で、後手は同歩と応じた。間髪を容れず、三段目に歩を垂らす雲母。後手同香に、二段目に角を打ち据えた雲母は、十分な手応えを感じていた。秒読みに入った後手は、その後も粘りを見せたが、雲母の指し手は緩むことなく、一二一手で後手の投了となった。「いやあ、一筋からの攻めが予想以上に厳しかったですねえ。」開口一番、本庄六段が感想を伝えた。「角打ちからの攻めならば、切れないと思いました。」「ですねえ。成角が働く形からは、いいところがなかったですねえ。」 その後も感想戦は続いたが、約一時間でお開きとなった。この勝利で十連勝となった雲母は、初の十段戦本戦トーナメントに進出すことになった。 十段戦の本戦トーナメントは、前期ベスト4と予選を勝ち抜いた十二人の計十六人によるものだ。四連勝すれば挑戦権を得ることができる。しかし、本戦メンバーは強豪だらけで、勝ち続けることは至難の業といえるものだ。対局場を出ると、師匠の中根会長が待っていた。「雲母君、なかなか良い将棋だったねえ。一筋からの攻めは最高だったよ。」「ありがとうございます。本戦トーナメントは初めてです。一回戦で終わらないように頑張 ります。」「うん、大いに期待しているよ。ところで、ちょっと頼みたいことがあるんだ。」「何でしょう。私にできることであれば、何なりと。」「場所を変えて話そう。凛子君の店に行こうじゃないか。」「はい、承知しました。」 二人は、タクシーで凛子の店へと向かった。「凛ちゃん、お疲れ~」「あら、岳ちゃん。まあ、中根先生もご一緒なのねえ。」「はは。凛子君、相変わらず綺麗だねえ。」「先生、お上手言っても特別なものは出ませんよ~」「参ったなあ。ははは・・・」「さあ、お座りになってください。」「凛ちゃん、十段戦の本戦に行けたよ。」「え~、本当に!おめでとう。凄いことだわ。」「一回戦で負けないようにしないとなあ。」「まあ、そんな弱気なことを。」「そうだよなあ。四連勝して挑戦者になってほしいもんだよ。」「そうですよ。先生のおっし ゃる通り!」「二人とも他人事と思って・・・」その言葉に、会長と凛子は爆笑であった。【これまでの主な登場人物】 雲母 岳 35歳独身 ランキング外棋士四段 ランキング外所属10年目で引退が迫る 町田 凛子 30歳独身 女流棋士 雲母とは、錬成会の同期 雲母のランキング昇格を心から願う存在 居酒屋「凜」の女将 臥龍岡 拓磨 名人位、龍将位、十段位の三つを保持している棋界の第一人者 雲母とは錬成会の同期 水原 連 元錬成会三段 東都大学の准教授 将棋AIソフト「水蓮」の作者 雲母の後輩 中根 誠 将棋連合会会長 第20世名人 雲母の師匠 将棋小説「背徳の棋譜」バックナンバー破竹の大記録②破竹の大記録①将棋検討ソフト「スーパー水蓮」⑥将棋検討ソフト「スーパー水蓮」⑤将棋検討ソフト「スーパー水蓮」④将棋検討ソフト「スーパー水蓮」③将棋検討ソフト「スーパー水蓮」②将棋検討ソフト「スーパー水蓮」①人生を賭けた三番勝負㉗人生を賭けた三番勝負㉖人生を賭けた三番勝負㉕人生を賭けた三番勝負㉔人生を賭けた三番勝負㉓人生を賭けた三番勝負㉒人生を賭けた三番勝負㉑人生を賭けた三番勝負⑳人生を賭けた三番勝負⑲人生を賭けた三番勝負⑱人生を賭けた三番勝負⑰人生を賭けた三番勝負⑯人生を賭けた三番勝負⑮人生を賭けた三番勝負⑭人生を賭けた三番勝負⑬人生を賭けた三番勝負⑫人生を賭けた三番勝負⑪人生を賭けた三番勝負⑩人生を賭けた三番勝負⑨人生を賭けた三番勝負⑧人生を賭けた三番勝負⑦人生を賭けた三番勝負⑥人生を賭けた三番勝負⑤人生を賭けた三番勝負④人生を賭けた三番勝負③人生を賭けた三番勝負②人生を賭けた三番勝負①プロローグ⑥プロローグ⑤プロローグ④プロローグ③プロローグ②プロローグ①写真ブログもよろしくお願いします
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