
24MAY.
【L】Love Letter
【L】Love Letter(会えない夜にきみ想う)ニューヨークの夜は深く、窓の外では、摩天楼の灯りが濡れたように瞬いている。遠くで鳴るクラクションも、眠らない街のざわめきも、この時間になるとどこか遠かった。テリィはダイニングテーブルに片肘をつき、スケジュール表を睨んでいた。舞台稽古、雑誌取材、スポンサーとの会食、さまざまな打ち合わせ。書き込まれた予定は隙間なく並び、その中から三日、いや、二日半でも空けられないかと、もう三十分以上格闘している。「これは、無理だな」低く呟いて、椅子へ深くもたれた。けれど数秒後にはまた身を起こし、もう一度策を練る。自分でも呆れる。誰かに会うために、こんなふうに必死になる自分を。その事実に、ふと手が止まる。テリィはゆっくりと天井を見上げた。「俺って、こんなにマメだったっけ」思わず溢れる言葉。ダイニングテーブルの端には、書きかけの手紙が置かれていた。インディアナ州、ポニーの家……宛名を見るだけで、胸の奥が静かに熱を持つ。再会してから、文通は途切れさせることはなく、むしろ忙しくても、眠くても、必ず便箋を広げている自分がいる。伝えたいことは、たくさんある。けれど、つい他愛のない近況が多くなる。便箋へ向かうたびに、もっと別の言葉が胸の奥へ溜まっていく。会いたい、声が聞きたい、抱きしめたい……だが、それをどう書けばいいのかわからない。セントポール学院にいた頃から、テリィはときどき詩を書いていた。長々と言葉を並べるより、短い一節のほうが、かえって胸の奥を正確に射抜くことがある。キャンディとの交換ノートにも、気まぐれのように詩を書きつけたことがある。あの頃は、今ほど素直ではなかった。真正面から「好きだ」と言葉にすることが照れくさくて、どこか負けた気がして、だから遠回しな比喩や、芝居じみた一文に想いを隠した。朗読劇『Still』を演じてからは、再び詩を書くことが増えた。誰かに見せるためではなく、自分の中に溜まっていく感情を整理するために。眠れない夜、ふと短い言葉を書き留める。舞台のあとに残る熱、言葉にならない孤独、忘れられない景色。そういうものを、詩は静かに掬い上げてくれた。会えない夜に、キャンディを想って書く。ふと、テリィはペンを止まる。テリィは苦笑し、小さく息を吐いた。まるで今さら恋を覚えた少年みたいだ、と思う。だが、それも悪くなかった。長い別れの時間では、もう二度と味わえないと思っていた感情だったから。あまりにも率直に書いてしまえば、彼女を困らせる気もする。いや——本当は知られるのが怖いのだと思う。自分が思っている以上に、彼女を求めていることを。長い別れのあいだ、必死に押し込めていた感情が、再会してから少しずつ形を取り戻していることを。彼女が知ったら、どう思うか不安だからだ。そこまで考えて、テリィは小さく息を吐いた。窓の外では、夜の雨が降り始めていた。細い雨筋がガラスを滑っていく。テリィはテーブルの上の便箋を引き寄せ、再びペンを持つ。書き始めた言葉は、いつの間にか文章の形を変えていた。きみを想う夜はどうしてこんなに長いのだろう街は眠らず舞台は明日を急かすのに心だけがあの日の丘へ戻っていく俺はもう昔の自分には戻れない……ここで手が止まる。テリィは数秒、その紙を見つめ思わず顔を覆った。「恥ずかしすぎるだろ……」苦笑が漏れる。三十を前にした男が、真夜中に一人、好きな女を想って詩を書いている。しかも割と本気で。視線は再びスケジュール表へ落ちる。インディアナまでは丸一日以上はかかる。数日の休みがなければ会いに行けない。その現実が、静かに胸へ沈む。会いたい。その気持ちは、手紙を書けば書くほど強くなる。文字にするたび、足りなくなる。「……参ったな」長い別れのあいだでは、考えないようにしていた。届かないものとして、胸の奥へ閉じ込めていた。なのに今は違う。会えると知ってしまったし、触れられると知ってしまった。だから、もう止められない。テリィは椅子へ深くもたれ、雨音を聞いた。こんな夜更けに、好きな女を想って、休みをどう捻り出すか頭を抱え……けれど——悪くない、と思った。むしろ、生きている気がした。テリィはゆっくり目を閉じる。脳裏に浮かぶのは、あの丘の風景。夕暮れ、草の匂い、そして、笑うキャンディ。その姿を思い出しただけで、胸の奥が静かに疼く。「……会いたいな」その声は、雨音の中へ静かに溶けていった。
#よく食べるごはんのお供
『ぶたこまともやしのミルクちゃんぽんスープ』のレシピ材料(2本分)豚こま切れ肉……250gもやし……1袋(約200g)牛乳……1/2カップ小麦粉……小さじ2ごま油……大さじ1〈A〉水……1カップ 塩……小さじ1/2 こしょう……10ふり オイスターソース……小さじ4好みで万能ねぎの小口切り……適宜紅しょうが……適宜作り方(1)下ごしらえをする豚肉は大きければ食べやすくちぎってボールに入れ、小麦粉を加えてまぶす。(2)炒める口径約20cmの鍋にごま油を中火で熱し、豚肉を入れて2分ほど焼きつける。もやしを加えて1分ほど炒め合わせる。(3)煮る〈A〉を加えて煮立て、2分ほど煮る。牛乳を加えて温め、器に盛り、好みで万能ねぎと紅しょうがをのせる。

朝の光の、その先で⋯。ベルばら2次創作小説 書き下ろし
外見至上主義 600話 一姟会潰し(13)
…です。日本語版からネタバレになりますのでご注意を。以下600話訳です。(ぶーちゃんに殴られて車にぶち当たる匡紀)ぶ蛍介:これからはもう少しウマくなるよ。(驚くペクゴン)ペクゴン:〔あり得ない!いくら道を歩いてるとはいえ!子供相手に迫田甲竜の息子が!〕(匡紀がゆっくりと立ち上がる)匡紀:不快だな。意図を読むというのは本当に不快だ。避けるだけじゃなく攻撃も出来るわけか。だが認識は変わらん。ガキが分不相応な道を歩いている。お前はウマくねえ。(打った匡紀の渾身のパンチをよけるぶーちゃん)匡紀:〔避けたか、さっきと感じが違う。はるかに回避が精巧になった。そうか、成長したか〕(ニヤリと笑いパンチを打つ。それも回避し逆にボディに拳を打つぶーちゃん)匡紀:〔俺を養分にしたのか〕だが、それでは体が持たないだろう?(ぶーちゃんの顔を血が伝い落ちる)ぶ蛍介:!!〔壊れる、体が壊れたらどうする?ここまですることはないのに〕(激しく打ちあう二人。ぶーちゃんは甚郎を思い浮かべる)ぶ蛍介:〔ただ見てしまっただけだ。大切な人を失い粉々に崩れ落ちた姿を。僕が戦う理由はただ一つ。いつか彼らのせいで失うかもしれない、僕の仲間たち、大切な人たち。そう彼らを守るために!〕(匡紀に激しい攻撃を打ちながら自らも体にダメージを受ける)ぶ蛍介:〔感じる瞬間の光。迫田匡紀はすでに大きなダメージを受けている!これで終わりだ!〕(匡紀の後頭部に光を見つけ拳を打とうとするが、匡紀のパンチをまともに受けて吹っ飛び叩きつけられる)ぶ蛍介:〔倒れちゃだめだ!〕(意中を読み次の攻撃を避けつつ、匡紀のこめかみに光を見てパンチを打つが、頭に決定的なパンチを受け、ついに地面に倒れ動かなくなる。ぶーちゃんを見下ろす匡紀)匡紀:やはりお前は味がしない。お前の道は、回避より攻撃のリスクの方が大きいようだな。(斧を手にする匡紀)ぶ蛍介:〔ダメだ、体が動かない〕匡紀:こんな乳臭いガキにやられた趙覇天の実力は知れてるな。よしじゃあ殺す前に楽しんでやろう。(ぶーちゃんの髪を掴み救急車のほうに引きずっていく)匡紀:坊主、よく見ろ。お前が守れずに死んでいく奴だ。(救急車に座る結城と亜城。結城は亜城とチューブをつなぎ輸血してぐったりとしている)匡紀:双子の輸血か、自分なりに助けようと賭けに出たな、美しい兄弟愛だがしかし思い知るだろう。兄弟愛など何の意味もないことをな。ぶ蛍介:〔ダメだやめろ!〕(二人に斧を振り上げる。その時、チャンスがそこに吹っ飛んできて倒れ込む)匡紀:…オ・チャンス?チャンス:耐力には自信があったのにダメだな。(萩間に吹っ飛ばされてきたのだった)萩間:認める、ここまで耐えられるとは思わなかった。幼いカラスのヒナよ。(山崎信玄の構えの萩間)【山崎流極真空手 鬼神聖剣】(ヘバりながらおどけて匡紀の手に指でタッチするチャンス)チャンス:しまったしまった、バトンタッチしてしまった。匡紀:叔父さん。(匡紀に歩み迫る萩間)萩間:自分の父親を殺しておいて、よく叔父さんなんて呼べるな。メシは食ったか?メキシコなんかに逃げて、そんなに叔父さんが怖かったか?(匡紀が斧を投げ捨てる)匡紀:叔父さん、言いがかりはよしてくれ。俺は生まれてこのかた逃げたことなんざねえよ。(地面に倒れたチャンス)チャンス:クソ…死ぬ。萩間:…逃げたことはないか、死んだお前の母さんが笑うぞ。うちの問題児。父親を殺した罰当たり者。叔父さんが代わりにお仕置きしてやろう。匡紀:代わりって誰のことだよ?萩間:お前が逃げ回ってる、迫田甲竜のことだよ。(萩間の背後に迫田甲竜が見える)600話 終わり。