
18MAY.
ロレンツォ・ヴィオッティ東響音楽監督就任披露演奏会 ベートーヴェン、マーラー1番
東京交響楽団第740回 定期演奏会 (サントリーホール)指揮:ロレンツォ・ヴィオッティ《音楽監督就任披露》ベートーヴェン:交響曲 第1番 ハ長調 op.21マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」ヨーロッパの楽壇の若手指揮者で今非常に注目を集めているロレンツォ・ヴィオッティはスイスの指揮者で、現在36歳。父親は早世した名指揮者のマルチェロ・ヴィオッティ(1954〜2005)である。2028年からチューリッヒ歌劇場の音楽監督に就任予定であり、この若さでウィーン・フィルの定期演奏会に登場する指揮者であり(2026年6月、2027年4月のウィーン・フィル定期を振る)、6月19日にシェーンブルン宮殿で行われるウィーン・フィルのサマー・コンサートの指揮者を務める。これほどヨーロッパの楽壇で勢いがいい指揮者が東響の音楽監督に就任するというのは驚きである。よくぞこんな指揮者を連れてきたものだ。前任のジョナサン・ノットはかなり通好みの選曲をしつつ華麗な指揮をする指揮者だったので、重度のクラオタにも一般の音楽ファンにも好かれるタイプであったが、ヴィオッティはより一般受けするタイプの指揮者だろう。なんと言っても、ブルガリの公式モデルを務めるほどのイケメンである。2016年に初めて東響を振ってからすでに4つのプログラムを私は聴いているが、よく覚えているのが2019年に演奏したヴェルディのレクイエム。驚くほどの繊細さを見せた演奏だった。https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12432762909.html 2018年、新国立劇場のトスカも名演であった。https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12389483868.htmlヴェルディ、プッチーニというイタリア音楽に適性を発揮したことからも、やはり彼はラテン系の音楽が向いているのだろうと思う。さて、今回の就任披露演奏会はベートーヴェン、マーラーの1番ということで、東響とのスタートにふさわしいプログラムである。演奏はというと、ベートーヴェンは割と普通、マーラーは私の好みかどうかはさておき、濃厚な表現で非常に聴き応えがあったと言える。前半のベートーヴェンは10-8-6-5-3という小編成。とはいえピリオド系奏法ではなく極めてオーソドックスなアプローチで、颯爽としたテンポでキレの良い演奏である。ちょっと驚いたことに、第3楽章と第4楽章はアタッカで演奏された。後半のマーラーは16型。冒頭の弦のフラジオレットが、もう聞こえないくらいに微かな音で、非常に緊張感あるスタートであった。舞台裏のトランペットもかすかに聞こえる程度の小さい音量だったが、これは先日シャニ指揮ミュンヘン・フィルの演奏に共通する。非常に深遠な解釈であるが、わざとらしさは感じられない。第2楽章、冒頭のコントラバスとチェロの音色が非常に堅く引き締まっていて、今まで聴いてきた東響の音と違うなと思ったのだが、これはチェロが指揮者の右手手前に配置されていることもあるのかもしれない。この第2楽章は非常に濃厚な表現で、特にレントラー風の中間部は伸びやかな歌が感じられる。第3楽章冒頭のコントラバスのフレーズは、驚きのトゥッティ!通常ソロで演奏されるフレーズが8人全員で演奏されていた。これは10年以上前に割と流行ったやり方であるが、今はもうこのやり方で演奏する指揮者はほとんどいないと思われる。ちょうど本公演と同じ日、高関健指揮神奈川フィルもマーラーの巨人を演奏したそうなのだが、プレトークで高関氏が、この第3楽章冒頭のトゥッティは誤りだと指摘していたそうである。ただ、今回のトゥッティによる演奏、コントラバス8人の統一感があったので悪くなかったと思う。第4楽章、遅い部分が非常に遅く、細部を拡大鏡で見るようなところがあったが、終盤はなかなかの盛り上がりを見せた。満席の会場は大盛り上がりで、就任披露演奏会らしい華やかな雰囲気となった。会場に元音楽監督のユベール・スダーンさんもいたそうだ。来週はR・シュトラウス「最後の4つの歌」とラヴェル「ダフニスとクロエ」のプログラム、こちらも楽しみである。終演後はヴィオッティ就任記念パーティ。総合評価:★★★☆☆

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