
31MAY.
5/29 ポーガ指揮 NHK交響楽団
今日はラトビアの俊英、アンドリス・ポーガ指揮・N響によるショスタコーヴィッチの問題作「交響曲第4番」を聴きに行きました(同じラトビアのアンドリス・ネルソンスとファーストネームが同じです)。この曲は演奏される機会は少なく、Timpは2組で編成が大きいのが特徴です。今日のゲスト・コンマスはジュリアン・ズルマンです。前半はラトビアの現代作曲家ヴァスクスによる「感謝の歌」(日本初演)です。この曲を理解するには下記のプログラム・ノートの作曲家によるコメントが役に立ちます↓。弦楽だけの演奏で、冒頭から穏やかな自然の風景がゆっくりと描かれ、大地への感謝を表しています。映画音楽のような情景的で聴きやすい曲です。中間部では音量を上げ、エモーショナルな美しさを保ちながらクライマックスを迎えます。再び冒頭の静かな自然に戻り、徐々にトーンを下げ、プログラムノートで作曲家が書いている「星明かりの静寂」へと導き、消えるように曲を閉じます。日本初演のこの素晴らしい曲は、明日も聴きたいほどですが、残念ながら諸事情で行けません。後半のシュスタコーヴィチ「交響曲第4番」は3楽章構成が、第1楽章と第3楽章は25分を超える長大な楽章、第2楽章は8分ほどと短いため歪な構造です。グロテスクな表現が多く、第1楽章は木管と金管による強烈な破裂音で始まり、破壊力のある音楽を展開します。ショスタコーヴィッチらしい行進曲となり、ポーガはN響から分厚いスケールの大きな音を引き出し、混沌とした音楽を丁寧に構築しました。Fgのソロによって第2主題に入り、弦楽による一層陰気な音楽へと変化していきます。展開部では様々な曲想が噴出し、30歳の頃のシュスタコーヴィチの頭の中にあるアイディアが凝縮されています。ポーガはきちんとしたフォルムで整えながら、コーダではマーラーの「カッコウ」の動機と第1主題の要素が融合して曲を締めくくります。整然とした第2楽章は木管陣の活躍が目立ち、様々な曲想が明確に表現されました。今日のN響の木管(特にFlの4本、Picc2本は圧巻)は快調でした。第3楽章は葬送行進曲のようなテーマで始まり、様々なテーマがクリアに提示されます。骨太の弦楽によるTuttiも秀逸で、大ロシアの情景が浮かび上がるのがショスタコーヴィッチらしいです。「魔笛」や「カルメン」のパロディが無造作に挿入されることで破茶滅茶感が増し、多くのテーマのオンパレードで、聴いている側が迷子になりそうな不思議な感覚に陥ります。ポーガはスコアに齧り付くことなく明確なタクトで曲を切り抜き、2組のTimpとTrpによるコラールを迎えると、再び葬送行進曲へと戻り、コーダでは奈落の底に落とされたような陰鬱な音楽で静かに曲を終えます。久しぶりにショスタコ4番快演を聴けましたが、50種類以上の具材が入った幕の内弁当を出されたような、お腹いっぱいの濃厚な音楽体験でした。明日のN響定期公演はおすすめしますし、行かないと損するかもしれません。行くことが難しい方はNHKのOA(6月21日21時〜Eテレ)を是非ご覧になられてください。ちなみに、帰りの代々木公園では明日から行われる「ベトナム・フェスティバル」の準備中でした↓。明日のNHKホールに行かれる方は早めに到着された方が良いでしょう。(評価)★★★★ 前半の日本初演、後半のショスタコーヴィッチ共に快演でした—*勝手ながら5段階評価でレビューしております★★★★★: 一生の記憶に残るレベルの超名演 ★★★★:大満足、年間ベスト10ノミネート対象★★★: 満足、行って良かった公演★★: 不満足、行かなければ良かった公演 ★: 話にならない休憩中に帰りたくなる公演 —(★五つ星は年間10回以内に制限しております)指揮アンドリス・ポーガ曲目ヴァスクス/感謝の歌(2026)[NHK交響楽団、ラトビア国立交響楽団、ミュンヘン室内管弦楽団、オーストラリア室内管弦楽団 共同委嘱作品/日本初演]ショスタコーヴィチ/交響曲 第4番 ハ短調 作品43

SCANDAL「5/30 1日店長」開催!

Emerson, Lake & Palmer/Ladies And Gentlemen

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