18JUL.
お世話になりました
翌朝。私はこの日休みを取っていた。夫の朝食とお弁当を作った。これでこの人の食事を作るのは本当に最後だ。夫「あれ?今日はゆっくりなんだな。」私「役所に行くから有給取ったの。」夫「ふーん。じゃ行ってくる。」よし!出かけたから準備しなきゃ!残りの荷物をスーツケースに入れた。二度とここに来ることはないから忘れ物しないように気をつけよう。洗い物を済ませ所定の位置にしまう。あ、私の食器はどうしよう。ま、誰か来た時に使って貰えはいいか。要らなければその時捨ててくれたらいいしね。とりあえず歯ブラシだけ処分した。午前9時。【お世話になりました】とメモを置いて出発した。鍵を閉めて郵便受けに入れた。スーツケースを引きずりながら役所に向かった。
【新米夫婦】初めての結婚記念日をお祝い
カウントダウン
来月、待ちに待った結婚記念日だ。夫に記念日の翌日に離婚届を出そうと提案した。ごねるかと思ったら意外にもいいよとの返事が。勝手に出しといてねと軽い感じで言われた。ご馳走作るよ、何がいい?って聞いたら、ぶりの照り焼きが食べたいと言ったのでそうすることにした。離婚したらとりあえず実家にお世話になるって言うと、夫は1人でここに住むと言った。今更引っ越しも面倒だし、ここの駐車場は屋根付きだし、会社まで直ぐだし気に入ってるからとのこと。私が厳選して拘りまくった家具家電はこのまま夫が引き継ぐことになった。財産分与もなし。なんか損してる気もしないでも無いけど、なら離婚をやめようかと言われたら困るので言う通りにした。少しずつ実家に荷物を送った。実家から会社に通うのが大変なので転職することにした。引き継ぎもしなくちゃならないのでしばらくは2時間かけて通勤することになる。有難いことに割とすんなり次の仕事が決まった。あとは離婚するだけだ。その日を指折り数えた。
金の亡者
…からいつまでたって貯金ができないんだよ。」私「関係ないから。それよりこの袋、1つ持ってくれない?」夫「甘えるな。俺と会わなければ2つとも家まで持つつもりだったんだろ?」私「そうだね。お願いした私が馬鹿だった。」夫「この時間にここにいるってことはメシができてないってことだよな?」私「ご飯はタイマーで炊き上がってると思う。帰ったらすぐに取り掛かるね。」夫「待てないから。ここでメシ食って帰る。後で飯代請求するからな!」そう言って1人でお店に入って行った。私が夕食を食べていると帰ってきた。夫「俺がいないからって肉なんか食いやがって!」私「今日はこのメニューって決めてたから。勝手にあなたが外食したんだよね?」夫「外食代8000円」私「‥‥レシート見せて?」夫「ないよ。大の男がいちいちレシートなんか受け取らないから!」私「いつもそう言うけど、レシートないならお金渡せないから。てか、いつもいつも同じ会話してない?私達。」夫「俺が稼いだ金だ!早く出せよ!」私「この話も何度も何度もしてるけど、あなたじゃなくて私が稼いだお金なの。ただレシートがあれは渡すっていつも言ってるよね?分からない?」ここで夫は舌打ちをしてくしゃくしゃになったレシートをテーブルに放り投げた。私「はい、1250円ちょうど。」夫「お前は金の亡者だ!」いや、それはお前だよ‼︎‼︎