
23APR.
スピンオフ作品②北へ向かう名も無き盾 第2話:懺悔と救済
女王と王配の名の元に行われた大規模公共事業が終わりましたヴァルターは再び仕事を失いましたが、猛烈に働いたお陰か生活に困らない程度の蓄えは出来ました親方とは親友の盃を交わし、同年代や若い友人も出来ましたそして、始めは世間話をする程度だった親方の一人娘アビーとも仲良くなり、互いを名前で呼び合い砕けた言葉で話すほど親しくなりましたそれでも過去の事はセンシティブな話として避けており、就職のため必要に迫られて親方にだけかい摘んで話していました親方は父ヨハンの親友でもありましたので、ヨハンからも事情を聞いていた事もあり、深くは追及されませんでした然し決して優しく寄り添ってくれる事が無い代わりに余計な事も言わないアビーであれば、全容を話しても感情的にならず全て聞いてくれるのではないかと思い、意を決して全容を話す事にしましたとある春の昼下がり 街角広場ベンチに腰掛けたヴァルターは、アビーに洗いざらい話しました近衛騎士隊や魔銃師協会など職を点々とした事、一度結婚に失敗している事、マリアには姉レナータがいた事、レナータはマリアが生まれる前に不慮の事故で亡くなった事、元妻には国王と言う強大な後ろ盾が有るため家族の安全を考えて全員での出国と故国との国交が無いミリー国への亡命を決断した事、レナータの遺灰を入れた壺を出国時に持ち出し入国後この国での埋葬許可を得ている事、現在も毎日祈りを捧げている事、マリアにはレナータの事を伝えていないが何れ伝えるつもりでいる事…アビーは長い話に対して、相槌や寄り添うような言葉こそ無かったものの、ただ静かに頷き辛抱強く聞いていました「僕は仕事も家族の事も全て中途半端なまま投げ出して逃げ出した。僕は両親から長年培った友人関係と生活基盤を奪った、娘から母親と幼馴染との友人関係を奪った…僕が3人の人生を変えてしまったんだよ。今は3人に対する償いの人生だと思ったているんだ」ヴァルターが話し終えるとアビーは大きな溜息をついて言いました「ヴァルターさん、アンタ、過去の『責任感』に縛られて今の『命』を無駄にしているわよ。誰でも逃げ出したい瞬間は有る、アンタの場合は外からの力でそうなっただけ…究極、自分の人生以外のものからは逃げてもいいと思うの」「!」「あと家族の事は切り離して考えよう。ご両親もマリアも自分で判断して決断した結果アンタに付いて来たんだ。家族の人生はアンタのものじゃないし、アンタの人生も家族のものじゃない。その境界を曖昧にするのは良くない。」「そうか………そうだよね」「アタシの考えを押し付けてごめん」「いや、寧ろありがとう。アビーさんのお陰で、何だか心が楽になった気がするよ」「そうか…それは良かった」その後もヴァルターは親方の家に足繁く通い、アビーと頻繁に出掛けるようになりました夏至ヴァルターはマリアの誕生日に合わせて両親と4人でピクニックに出かけました水源の遊歩道に向けて流れるエルネア川上流の辺りで水遊びや釣りに励み、自作のサンドウィッチを食べながら他愛も無い話をしていると、エンマが徐に話を振りました「ヴァルター君、最近は凄く楽しそうだね。好きな人でも出来たの?」親から唐突に切り出された恋バナに、ヴァルターは驚きで肩を強張らせながら応えました「え、まあ…」「ブライアン(親方)の所のアビーさんか?」ヨハンの豪速球に、ヴァルターは飲んでいた紅茶を吹き出しそうになりました「アビーさんは、仲の良い友達だよ。何でも話が出来る親友のような人だよ」「パパ、アビーさんと居る時だけ、ちゃんと呼吸できてるよ?早く言っちゃえば?」マリアまで参戦してきた事に驚きを隠せないヴァルター「マリアちゃん、パパは人間だから生きている限り呼吸してるんだよ」「いや…ヴァルター君、今のは額面通りに受け取る話じゃないのよ。マリアなりに背中を押してくれているんじゃ無いの?」「あんな素晴らしい女性、お前の前にはもう現れないかもしれない」「それは…確かに。僕もそう思う」「じゃあ行動に移さないとな。お前の強い責任感はお前自身の手枷足枷にするんじゃなくて、素晴らしいパートナーの為に使いなさい。責任と言うのはな、自分を縛る鎖ではなく愛する人を支える柱なんだ」「お母さんも、お父さんの意見に賛成よ。さっ、もうお開きにしましょう!ヨハン君、今日は丘に行かない?」「いいよ、昨日はアトリウムだったからな」「此処からだと、丘が一番近いものね」「わたしも、素敵な人と結婚したいなぁ…」それでも一向に告白する勇気が出ないヴァルターアストリトとの交際は酒場の勢いでなし崩し的にと言う事も有り、告白は未経験でした4日後思い悩むヴァルターを見兼ねて、親子の親友で元親方のブライアンが食事に誘ってくれました「ヴァルターの考えている事なんて目を見れば分かる好きな人が出来ただろう?」「…ゴフッ!……何?急に」「図星か、まさかアビーじゃないだろうな」「………」「うわ………そうか」「いや、まだ何も言ってないんだけど」「アビーは正直…優しくは無い」「存じ上げております」「昔から活発で頭の回転が早くて、一本筋の通った女だ。ヴァルター、お前は一見軟弱そうだが責任感は頗る強い…アビーにはお前が相応しいと思う」「え…じゃあ」「娘の事を宜しく頼む。せめて告白とプロポーズくらいは、お前さんがリードしろよ?まあ、あれだ…頑張れ」「…僕の方こそ、宜しくお願いします」その日からヴァルターは朝食後毎日アビーに会いに行き、採取や釣り…時にはマリアも交えて探索に出掛けるようになりました更に4日後、星の日ヴァルターはアビーを幸運の塔へ連れて行きました「あのさ……僕、アビーさんの事が、好きなんだ……良かったら付き合ってほしいんだけど」「うん、アタシもヴァルターのこと好きなんだ」「本当に?良かった、嬉しい!」「ふふ、これからも宜しくね」「こちらこそ、宜しく」2人は毎日のようにデートへ行き、毎日キスを交わしました…そうした中でヨハンとエンマに死亡フラグが立ち、落ち込むヴァルターをアビーは勇気づけました10日後、年末ヴァルターはアビーを神殿アトリウムに連れて行きました雪がちらつく神殿アトリウム、ウィーリアの花の香りがヴァルターの緊張を和らげてくれました「僕は嘗て家族を守れず逃げ出した男だけど、君とならもう1度『盾』になれる気がする…だから、あの…これ!僕と結婚してください!」これ…と言うのは銀の指輪です嘗て喉元に突きつけられた訓練用の剣と同じくらい眩く輝くその指輪を、アビーに差し出しました「これ…凄く嬉しい!ありがとう」「これからも一緒にいよう、2人で幸せになろう」「うん………これからも宜しくね」復興プロジェクトが成功したからか、住民数が急増した王国では結婚ラッシュ2人の結婚式は翌年にお預けとなりました

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