
31DEC.
白檀香 18
黒を基調としたシックなチャンミンの部屋。チャンミンは自分のベッドルームへ運び、ジェジュンをそっとベッドに寝かせた。「オメガのフェロモン耐性剤を飲んでなかったんですか?」「…ラット期に発熱したから…一旦、薬を止めてたんだ…」「そう、ですか…」ラット期特有の強い性欲は抑えられたが、まだ頭がぼんやりして、体も火照っている。「ふっ…うぅン…」熱いのか服を引っ張りながら、悶えるように体をくねらせるジェジュン。とろんと蕩けた顔をして、チャンミンがどんな風に自分を見つめているか、想像もできなかった。「み、みず…水ちょうだい…」真っ白い顔から、濡れた赤い舌をのぞかせて、チャンミンに「ちょうだい」と強請るジェジュン。チャンミンの頭に、逞しい想像が膨らみ、ジェジュンを見つめる視線に熱がこもる。「ジェジュン…」チャンミンはベッドの脇に立ち、上から身をくねらせるジェジュンを見下していた。真っ白い肌がほんのり桃色に染まり、華奢な体を投げ出して、熱い吐息を漏らしている。その色気の爆発力は、ジェジュンを支配したいチャンミンにとって、到底耐えられるものではなかった。「はぁっ…あつい…」「暑いですか…」プツ…プツ…とチャンミンがジェジュンのシャツをボタン外していく。ハラリとはだけたシャツから、ジェジュンの真っ白い胸が垣間見えた。チャンミンはジェジュンの体をまたぐように、四つん這いになり、上からジェジュンの顔を凝視した。まるで波のようにジェジュンの体が右へ左へと揺れ、深い息に胸が上下している。じっとりと汗をかいた白い首筋に髪がはりつき、切れ長の目が潤んでいる。じわじわと顔を近づけ、せりあがった顎に優しくキスをした。仕事をしていたユノの元へ、秘書から電話が入る。「何?フェロモンハザード?それで?ジェジュン先生はどこに?…車を回せ!」有能な秘書の指示で、ユノがビルを出た時には、迎えの車が止まっていた。ユノはすぐに車に乗り込むと、ジェジュンに電話をした。4コールした所で思い直し、今度はチャンミンに電話をした。せりあがったジェジュンの白い顎先にキスすると、チャンミンはジェジュンの耳から髪に手を差し込んだ。汗をかいた頭がじっとりと熱く、むわっとジェジュンのフェロモンの香りが立ち上った。その手に合わせるように、右に顔を傾けたジェジュン、チャンミンはその白い首筋に舌なめずりした。pipipipipi…一瞬体を止めたチャンミンは、チラリと鳴っているスマホを見つめたが、無視をした。再びジェジュンの白い首筋を見つめ、優しく口づけし、マークを付けるようにきつく吸った。pipipipipi…再びなりだしたスマホに、チッと舌打ちをし、ジェジュンから体を起こした。ため息をつきながらスマホを見ると、相手はユノだった。王グループのユノの電話を無視するわけにはいかず、チャンミンは不満げに電話に出た。「もしも…」「開けろ」ドンドンドン!とけたたましくドアを叩く音。チャンミンがドアを開けると、そこにはユノが立っていた。「ユノさん?どうしてここが…」部屋にはジェジュンとチャンミンのS級フェロモンが溢れかえっている。だがユノはそれをものともせず、ズカズカと部屋に入り、次々ドアを開け、誰かを探している。「ちょ、ちょっと何を…」ベッドルームに入ったユノは、ベッドに体を投げ出して、苦しそうな息を吐くジェジュンを見た。シャツがはだけ、真っ白い肌が見えている。「貴様…ジェジュンに何をした…」「はぁ?あんたこそ、勝手に部屋に入って、なんなんだ!」ユノがジェジュンに近づいた時、その白い首筋に、赤い跡を見つけた。カッ…!とユノの眼光が鋭く光った。同時にユノの体から、噴水のようにブワッ!と威圧フェロモンが噴出した。たまらずチャンミンは、その圧に膝をついた。な、なんだ…?どういう事だ?この男はオメガのはずなのに…まさかS級?いや、これはS級より強い威圧フェロモン。体が勝手に、この男に屈服する…!ユノはジェジュンを横抱きにすると、そのまま歩き出した。「うぅっ…!ちょ…待て!」チャンミンの頭はユノのフェロモンでグラグラ揺れ、気を失う寸前だった。ユノはジェジュンを抱いたまま、くるりと振り返った。「ジェジュンは貰っていく。お前には渡さん」家のドアが閉まると同時に、チャンミンもその場に崩れ落ちた。ジェジュンの部屋に着いたユノは、ユノのフェロモンで朦朧としているジェジュンをベッドに寝かせた。「あぁ…」と色っぽい声を落として、ジェジュンは身悶えた。ユノはジェジュンの上から、赤く痕がついた首筋を凝視していた。「こんな痕を付けられて…悪い子だ…」ユノは、さらにフェロモンを漂わせながら、上書きするように赤い跡の上から、きつく吸った。「んっ…ふっ…」ユノのフェロモンにより、ジェジュンは体をくねらせ、下肢に溜まる熱にモゾモゾと足をすり合わせた。もうはっきり形になったジェジュン自身に、ユノはフッと満足そうに笑い、ジェジュンの髪を撫でた。「可哀相に。楽しにしてあげるからね…」ユノはジェジュンのベルトを外し、下着ごとずり下げていった……。ペロペロ目を覚ますと、そこはジェジュンの家だった。「ん…あれ?なんで?確かチャンミンの家に…」オメガフェロモンに引きずられ、ラットが来たようだったが…?なんだかすっきりしている。薬が効いたから?それにしても…なんで自分の家にいるんだろ。ベッドから起き上がり、頭を掻きながら、ふと鏡に映った自分の顔を見た。首筋に…赤い跡…え?なんで?ま、まさか…、俺…、ラットに任せてユノさんを…?慌ててリビングの扉を開け、どうかユノがそこにいない事を願った。だがユノは、リビングで静かにお茶を飲んでいた。「え…ユノ、さん…俺、俺…もしかして、あなたに…どうしよう!」「ジェジュン先生、気分はどうですか?」「ごめんなさい!ごめんなさい!俺、記憶なくて、いや、本当に、どうしよう!ごめんなさい!」「え?どうしたんですか?」ジェジュンは両手で顔を覆い、膝をついて首を振っていた。ユノを襲ってしまったと誤解して、何度も謝るジェジュンに、ユノは声を出さずに笑った。「ジェジュン先生、あなたは何もしていませんよ。ラットが治まったようだから、俺が迎えに行ったんです」「え…?ホントに?」「はい。ジェジュン先生、グーグー寝てたから、俺がおんぶして連れ帰りました」「よ、よかった……」ふにゃりと脱力したジェジュンを、ユノはソファに座らせた。ジェジュンはユノの両手を包み込み、自分の口元へ持って行き、祈るように言った。「ユノさん…。俺、あなたを傷つけたくないんです。本当に大切にしたいと思ってます。信じてくれますか?」「はい。俺はジェジュン先生を信じています」ジェジュンはユノを抱きしめて言った。「俺…ユノさんを傷つけたんじゃないかって…すごく、怖かった。こんな気持ち、初めてです。まるで自分が化け物になった気分だ。もし俺が恐かったら…ユノさん逃げてください。あなたを傷つけたくない…」「大丈夫。俺はジェジュン先生を怖いと思った事はありません。大切にしてくれている事も分かってます。そんなジェジュン先生が好きです」「ユノさん…」ジェジュンは体を離し、ユノにキスをした。唇を離し、やっとジェジュンは微笑んだ。ユノを見つめながら、絶対にユノを傷つけない、と改めて心に誓った。「開けろ」※※※チャミからジェジュンを奪うユノ♡ジェジュンはユノを本当に大切にしたいと、誠実な恋心を寄せています。それを信じて欲しいと、願っています。ジェジュンにとって初めての「誰かを守りたい」気持ち。この純粋な気持ちが裏切られた時、ジェジュンはどうするのでしょうか…。忙しい年末でヘトヘトな皆様に小さなプレゼント♡29日、30日、31日と3夜連続でアップします。大掃除やおせち作り等の合間に、ユンジェでホッと一息ついてね♡

ちょ〜〜短編!「大掃除」

テテへのお祝い☆Taehyung's Day♡【追記あり】

もと警備員さんから聞いた話