30SEP.
極秘でおねがいします その91
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。 ご注意ください。 チョソンという女性と話すことで、ユニはまた違う世界を知っていった。知識だけでない、生身の人間の経験を教えてもらった。正直なところ、私の小説の中身は、本から得た知識がほとんどです、とユニは苦笑したが、それは他の人だって変わらない。皆が皆、波乱万丈の人生を送っているわけでなく、皆が同じ不幸なのでもない。勿論全く同じ幸福な人生だってない。一人一人が違う感情で生きている。誰一人同じ人生を生きている人などいない。 ユニも自覚はある。自分が絶望した家族への感情は、他の人から見れば贅沢でしかないものでもあると。娘が豊かな人の下で何不自由なく暮らせるならいい、そうすれば自分たちだって苦労することなどない、そんな少々の欲望に目くじらを立てるなんて、という人だっている。価値観の違い、などと言うのだろうが、そんな違いを皆持っていることなど百も承知でユニは我慢が出来なかったのだ。人に話せば、親への不孝をまず責める人だっているだろうと分かっている。だから相談できる人は限られた。ほんの一握りの人の助けで、ユニは頑張れた。世の中にはその一握りの人だっていない、そんな人が大勢いることをユニはチョソンの活動の一端を通して知った。 「私も拗ねてたんです・・・。母はあの世代では珍しくずっと働き続けてきた・・・教師ですけれど、教師だからこそ働けたのだと・・・女だから一番それが安心で安定の職業だったと信じています。実際そうだったと思います。私が大学に入ったとき、両親は教育大ではないことにまず首をかしげました。あからさまではなかった。でも、国語の教師にはなるのだろうと思っていたのだと思います。教職課程も取ってはいましたから。大学三年生の秋ごろから就活が始まって、それが家で話題になった時、あなたは先生になるんでしょ、と言われました。それが一番正しい、と言わんばかりに。私は教師という職を否定したいわけではありません。けれど私のなりたいものの中に教師は入っていなかった。話し合い不足でした。でも、母の顔を見、父を見て、私の味方はいないと思い込んでしまいました。弟は・・・ユンシクはのんびりとご飯を食べていましたね・・・。女の子はね、なかなか続けられる職業がないから、なんて自分の時代のことを振り返る母を見て、何も言えませんでした。でも、他の職業も考えてはいる、とだけは抵抗しましたけど。ええ・・・作家だって私の夢だから、いずれは書こうと思っていました。いくつか小説で描きたい題材は今みたいにメモしてましたし・・・。あの時、それが発奮材料となって書いたのが、編集長さんやオンニの目に留まったんです。・・・だから、私が作家になる背中を押したのが、実はうちの両親だったのかもしれない、と今は思ってるんです。」 ユニはよく自分のことを話すようになった。ジェシンは案外いろんなことを教えてもらっている。だからユンシクが後悔するようにこぼす事柄も、ユニ側からの視点でなんとなく把握していた。だからもう驚くようなこともないだろう、と安心できた。ユニのゆく道を狭めかねなかった自分たちに気づいてくれているのなら、それでいい、そう思った。 「俺は、当日、ユニさんと連絡はとれるようにしておく。家をまた飛び出したくなったらすぐに迎えに行くって。そんなことは起こらないと俺は信じてるがな。ただ、まだ少しの不安を残しているユニのために・・・。」 つい部屋でのようにユニの名を呼んでしまった。だが、もういいか、と開き直った。 「ユニのために、『ハヌル』という絵本作家が職業だという事にしてくれ。お前なら調べられるだろ、昨年発売された『ハヌル』の絵本『双子のウサギちゃんシリーズ』の販売冊数。これからはそこにキャラクターの使用料なんかが上積みされていく。今年も何冊か出版予定だ。児童書のドル箱なんだぜ、『ハヌル先生』は。何の心配もない、立派な一社会人だってことを、ご両親に納得させろ。」 はい、と頷くユンシクを促して、今度は楽しい飲み会への待ち合わせ場所に行こうとジェシンも立ち上がった。にほんブログ村
情熱スペクトル 395
※ 妄想小説です実在する人物・地名・団体とは一切関係ありませんBL的表現を含みます。智sideキャップを目深に被り、マスクをしてマンションを出る。エントランスを抜け、出入り口の自動ドアを出ると、ギラギラした日差しが辺りを照りつけていた。「うわぁ~、あぢぃ~!」マスクをしているから、余計に蒸し暑さを感じる。身体からは汗がブワっと噴き出るし、まだ数歩進んだだけだっていうのに、肌がヒリヒリする。「やべ…、日焼け止めで追いつくかな、これ」今は新作映画の撮影中の為、日焼けは厳禁だ。シーンの繋がりもあるから、髪型とか肌のコンデションとか、もちろん体型も維持しなきゃいけないんだよな。体調管理はもちろん、役者をしていると細かい事にも気を配らないといけない。一応、日焼け止めは塗って出てきたけど、あまりに強い日差しに対抗出来るのか心配になってきた。こういう日は、長く太陽の下に居てはいけない。予約して呼んでおいたタクシーに乗り込み、表参道に向かった。目的地は、最近出来た話題のスイーツ店。なんでも、濃厚チョコレートケーキが看板メニューらしい。近くでタクシーから降ろしてもらい、少し奥まった場所にある店を目指す。表参道の裏道は、複雑に入り組んでいる場所が多くて、若干道に迷ったが数分後目当ての店に辿り着けた。炎天下の中、すでに数組のお客さんが列を作っていて、俺もその最後列に並ぶ。15分ほど待って、店内に案内されると、ひんやりした空気が身体を覆い、一気に汗が引いていく。シンプルでクラッシックな店内は、いかにも大人のスイーツ店といった佇まいで、一人で入るのは若干躊躇われるほどだった。周りを見ても女性客やカップルが多いし…。ラフな出で立ちの俺は、客観的に見ても浮いている感じだ。ショーケースに並ぶケーキを幾つか注文し、テイクアウトの包装をしてもらいお会計を済ませた。はぁ~ヤレヤレ…。慣れない場所に来ると、やっぱ落ち着かないな。そんな事を思いながら、店を出て行こうとした瞬間、背後から「あの…すみません」と女性の声が聞こえた。かなりの小声だったので、自分に言われていると思わずそのまま立ち去ろうとしたら、再度「あの!すみません!」と声が掛かった。振り返ると、俺と同じくらいの年の女性2人連れが顔を赤らめて「キャッ」と声を上げた。「あの…?何か?」「えっとぉ。大野智さん…ですよね?」ああ、そういう事か。芸能人がいたから声を掛けてきたって事だな?「はい、そうですけど…」「あのッ!私たち大野さんの大ファンなんです~!!」「あ、それはありがとうございます」「うわッ、どーしよー!本物だよ~!」テンションの高い1人は、ワーキャー言ってるし、この高級感あふれる店には迷惑になっているよな?「すみません、僕はこれで」ごめんねのポーズをしながら、ドアを開け、外に出るとその2人が追いかけてきた。そこまでされると、圧が強くて警戒してしまう。一言も話さなかったもう1人は…って!!両手を口に当てて、号泣してるじゃん!テンションの高かった方も友人の涙に釣られたのか、泣きながら俺のファン歴とか、あの作品が素晴らしかったとか懸命に訴えてくる。あまりの熱の入りっぷりに、なんだか俺まで感化されてしまう。「そうなんだね~。嬉しいよ。いつもありがとうね…」「あの…プライベート中に話しかけてしまって申し訳ありませんでした」「んふふ、大丈夫だよ。写真とかは撮れないんだけど…、俺も応援してくれてる人に会えるなんて嬉しいしね」「や~ん!やっぱり智くん素敵すぎっ!増々ファンになっちゃいました!!これからも応援し続けますね♡」「うん、ありがとう~。じゃ、僕もう行かないといけないから…」「あ、そうですよね。足を止めてしまってごめんなさい。映画楽しみにしてます!撮影頑張ってくださいね!」不意に出逢ったファンだったけど、思ったより熱心に応援してくれている人達だったな。東京にいると、芸能人を見かけても知らぬフリをする人が多いけど…。まあ、たまにはこんな出逢いも悪くないな。
マジカルストーム 87
メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話です。最初のお話はこちら ⇒ 「マジカルストーム 1」*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:゚・:,。*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆゚・:,。*ドサッ!ベッドに降ろされた勢いそのままにアイバさんが覆い被さってくる。「んぅっ!」片手で頭を押さえられ唇を塞がれる。どこにも逃れようがなくて、暴れまわる舌を必死に受け止める。「んっ・・ふぅっ。」ベッドに深く沈められ、アイバさんしか見えない。くるし・・・。必死に胸を押し返す。クチュッ。「は~・・・。」やっと解放されたと思ったら、今度は身じろぎもできないくらいに抱きしめられる。ドクン・ドクン・ドクン・・・こんなに密着したら激しい鼓動が伝わっちゃう。ドクン・ドクン・ドクン・・・あれ? これってアイバさんも?「アイバ・・さん?」心臓はいつも以上に忙しく動いているのに血液が行き渡らない。だから苦しいって。アイバさんの背中をドンドンと叩く。「あ、ごめん。 つい嬉しくて。」嬉しくてって(笑)。も~、力加減がバカなのよ。少し体を離すと、俺の部屋着の裾から手を差し入れてくる。「ふぁっ?」さわさわと脇腹を撫でられて、くすぐったいのと同時にゾワッとした悪寒のようなものが背筋を這い上がる。こんな風に人に体をさわられたことなんてないから、なんか変な感じ。脇腹から腹の方へと回った手が一瞬止まる。あっ、俺のポニョ腹に驚いてる? 女の子の時はボン、キュッ、ボンだったのに、なんか恥ずかしい。そのまま手のひらが撫で上げるように上がってきて胸をかすめたとたん、「ひぁっ!」びくっと体が跳ねて変な声が出ちゃった。「くふっ。 敏感なんだね。」嬉しそうに言うと、親指でクルクルとなで回す。「あっ! ちょっ・・待って。」咄嗟にその手を掴む。男でも胸を触られる変な感じになるんだ。なんか初めてのことばかりで感情が追いつかない。「ごめん。ゆっくりね。」俺の背中を支えて抱き起こすと、「はい。ばんざ~い。」小さな子供に言うみたいに掛け声をかけて部屋着を頭から抜きとる。ったく。 なんかさ、今一つムードがないのよね。この人。半ば呆れながら見上げると、ん? どうした?俺の部屋着を持ったまま固まっている。「ニノ・・・綺麗。」可愛いの次は綺麗?も~、やめてよね。「そんなじろじろ見ないでよ。」「だってほんとに綺麗なんだもん。」自分も腕を交差させるとさっと上着を脱ぎ捨てる。前に怪我の手当をした時にも見たけど、細マッチョっていうのかな。細身なのに筋肉がしっかりついてて、腹筋なんて6つに割れてるし、そっちこそ綺麗じゃない。≪to be continued≫*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:゚・:,。*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆゚・:,。*なんかこういうシーンって朝にアップするのは合わないよね(笑)。さて、どこまで行きます?ドッキリクラッシャー相葉、ほんとに勘がいい。「ドッキリやるならもっと丁寧にやってくれない?」(笑)始球式の裏側も見られてすごくよかった。相葉さん、めちゃくちゃ上手。昔みたいに野球大会とかやってくれないかな。
蒼の隠れ家 7