
22MAY.
5/18毎日俳壇・歌壇
5/18毎日俳壇・歌壇◎小川軽舟選★宝石屋に褒められし首日脚伸ぶ ドイツ 広谷朝子★朧夜の波音低し倉庫群 神戸市 松元一師★周防灘見晴らす下校山桜 芦屋市 瀬々葱坊主★海見えて遠足の列走り出す 浜松市 久野茂樹◎西村和子選★風音は嘆きの声か梅若忌 志木市 谷村康志 ※謡曲や浄瑠璃の「隅田川」は、平安時代、京都の貴公子、梅若丸が人買いに誘拐され、奥州へ下る途中に隅田川のほとりで病死した(旧暦の3月15日)。わが子を尋ねて京都からやってきた母親が、子の死を知り狂乱する物語。毎年4月15日に墨田区の木母寺(もくぼじ)で、梅若丸とその母を慰めるため「隅田川」が奉納される。★早起きの夫を待たせて筍飯 小田原市 林 梢★のどかなり夫婦二人で立つ厨 仙台市 鎌田 傑★豌豆を剝く妻母に似てきたり 神戸市 岸下庄二★風光る同じ歩幅のペアルック 伊丹市 稲本真由美◎井上康明選★昔男ありて恋せし杜若 相模原市 はやし 央 <評>伊勢物語には「昔男ありけり」で始まり、都の恋人をカキツバタにかけて詠うくだりがある。眼前の花にいにしえの物語を思う。「からころもきつつなれにしつましあればはるばる来ぬるたびをしぞ思ふ」★黄の柾(まさき)赤の柏の芽吹きけり 横浜市 斎藤山葉 <評より>マサキとカシワ、その芽はそれぞれ、ほのかな黄色と赤である。★句作りは命の光老春の春 富士市 後藤秋邑★眼裏に炎残りし野焼かな 西海市 まえだいっそう★陽炎や海へ十里の道祖神 須賀川市 伊豆周治★惜春や缶蹴りのカン忘れられ 川越市 大野宥之介◎片山由美子選★若布干す光の中の遍路道 和歌山市 藤池芳子 <評>干したワカメが風に吹かれて光っている光景はいかにも鳴門の春らしい。しばらくは海に沿う遍路道。主たる季語は「若布」。★うずうずと蒲公英の絮風を待ち 甲府市 奥野節子 <評>ふわふわのタンポポの穂綿が飛び立ちたくてうずうずしているという発想が楽しい。★山頂へエスカレーター風五月 和歌山市 武友朋子★若草やジーンズの裾折り曲げて 前橋市 木下美樹枝★若駒の駆くる河畔や川下り 那須塩原市 谷口 弘★石庭の石に日のある遅日かな 北九州市 宮上博文★葉桜や石垣だけの岡城址 奈良市 上田秋霜★万緑や水面に映る彦根城 那珂市 小宅 進★病室の窓にみおろすさくらかな 周南市 池田代志美◎伊藤一彦選★いつからが晩年だろう庭へ出てひかりを描くモネの白髭 東京 富見井高志 <評>視力低下や家族の死に出会いながら80代のモネは見事に絵筆をふるった。そんなモネへの作者の感慨が上二句である。★ペタンコに潰れしうさぎのぬい包み大人になってもわたしの親友 さいたま市 シャルマ惠理★許せると許せないとのせめぎ合い治りかけてる傷は痒くて 松戸市 小林里純★悪人が悪人の顔であらわれるドラマにならないドタバタをみる 名古屋市 田中靖人★百万のはなびらふれば百万の声なき声の響きわたれり 垂水市 岩元秀人★バス停のベンチに座る制服の少女の手話のはずむ花時 三条市 甘辛◎米川千嘉子選★君の形をしたまま雲が流れてくなぞれなかった右手の後悔 三重 中山由賀子 <評>忘れがたい人の横顔に似た雲だったか。雲にも、そして「君」にも、心を隠さずに手を伸ばせば良かったのに。★初夏の渓間で揺れる釣り橋は若葉の海を漕げるゴンドラ 取手市 武村岳男★ブダとペスト合併せる首都 プライドに〈ペストブダ〉とう店名残る 横浜市 大建雄志郎★若い頃不正のニュース読むときのゆらぎ思ひ出すとアナ深夜便 生駒市 奥田充子★老いて今かくも生家の恋しきは帰巣本能なのかもしれぬ 米子市 永田富基子★山里にジャズ流しいるカフェがある大病をした仙人が住む 日南市 宮田隆雄◎加藤治郎選★ゆっくりと杖つく老いとすれちがうがんばれ前へ さみどりの風 東京 青木公正★あとがきのようにミルクをあたためて何もない日に幕をおろした 長岡市 三月とあ◎水原紫苑選

*雨に降られて*

常連の俳句ー山田 蹴人

福井に旅行に行って来た その6 帰宅