27APR.
天使を見た記憶 いつか秒針のあう頃 88
潤「先生、どうやって・・・・」俺の質問に先生は笑った。「松本君、少し疲れているようだね。私は櫻井君じゃない。大野君の電話番号も知っているし、J事務所の関係者とも繋がりがある。」「あっ、佐藤さん!」柳田先生がチーフマネージャーだった、佐藤さんの先輩だということをすっかり忘れていた。「そうか、佐藤さんに聞けばよかったんだ。事務所にはあの人の連絡先があるはず。」「いや、彼はほぼ解雇に近い休業なのだろう?事務所が最新の情報を持っているかは、わからないな。」舞い上がる俺に水を差すように先生は冷静に言い放った。「松本君、事務所で調べるのはそこじゃない。彼の家族だ。たしか両親と姉がいたはず。とくに彼は母親と仲が良かったと聞いた。誰にも伝えていなくても、母親には教えているはずだ。」「たしかに・・」流石だな、先生・・「じゃあ、さっそく・・佐藤さんに電話して・・」「待ちたまえ、松本君。それはあくまで最後の手段だよ。まずは、私が彼に連絡をしてみるよ。電話番号と、メールアドレスは知っているから。あっ、番号を変えているとかは・・無いかい?」「いえ、大丈夫です。俺がかけた時通じたので。少し前ですが・・」俺は、あの日あんたに掛けた電話が通じたこと、あんたから折り返しがあったことを思いだしていた。思い出せば、そうか、もうだいぶ前のことなんだ。そうやって時間だけが、足早に過ぎていく。俺の気持ちだけが追い付いていけないのだろうか。あんたはどうなんだ?あんたの中でも時間は止まっているのだろうか・・・もしそうならば、余計に、櫻井翔には会って欲しくない。ダメだ、絶対に・・時間が動き出すのならまだいい・・巻き戻ってしまったら・・あんたは壊れるかも・・・・
【頑張る】というエネルギーを手放してみよう。
優しい香り、恋の時間(side O) 33
大宮妄想小説ですBL要素含みますパラレルですside O玄関ドアが閉まり、二宮さんの儚げな後ろ姿が見えなくなって。さっきまでうだうだ考えていたはずなのに、気づいたら二宮さんを追って玄関を飛び出していた。エレベーターまでの長い通路を足早に歩いている二宮さんを追いかける。後ろ姿で顔が見えなかったけれど、震える肩と腕で顔を拭っている姿を見て泣いている事に気づいた。俺が泣かせた。信じられないって言われた時の辛さを知っていたのに、俺は自分が傷つかないために同じ言葉で二宮さんを傷つけた。グイッと手を引いて引き留める。「えっ、智くん?」涙でぼろぼろになった顔で驚く二宮さんを引っ張るように部屋に連れ戻して玄関ドアを閉めた。「入ってください」嫌だと言われてもそのまま強引に部屋の中へ連れて行こうと思って手を引いたら、二宮さんは慌てて靴を脱いだ。ぐいぐいと引っ張ってリビングへ。「最後の新作って、どうしてですか?」理由が分からなくて、眉間に皺が寄ってしまった。二宮さんが懐かしそうな顔をして、俺の眉間に触れようとしたけど、すぐにハッとして手を下げた。ああ、良く皺を伸ばしてくれていたなと、俺も懐かしくて切ない気持ちになる。「最後だよ……。だって、もう作れないんだもん」苦しそうに笑って二宮さんは言った。「作れない?」あんなに美味しいパンをたくさん作っていたのに、どうして作れないのかと首を傾げる。「作ってあげたい人がいないと、作れないんだ」その言葉で、前に二宮さんが言っていた言葉を思い出した。店の厨房でパンを捏ねながら話した事があったんだ。『パンを捏ねるのって大変ですよね』『大変だけどね、最近は楽しくなってきたんだよね』『えっ、どうしてですか?』『作ってあげたい人の事を考えながら捏ねてるの。美味しいパンを食べさせてあげたいなぁって。その人の喜ぶ顔も想像してさ。そうしたら楽しくなってくるしパンも美味しく出来るんだ』『それって……』『なーんてねっ、あ、ほら智くんも早く捏ねて』二宮さんは、真っ赤になった顔を自分の手で扇ぎながら誤魔化してしまって。すぐに訊こうとしたら、お父さんが来てしまったから訊けないままになってしまっていたけど……。「それって、俺の事だと思って良いんですか?」二宮さんの心の中を探るように、じっと瞳の奥を覗き込む。その俺の視線をしっかりと受け止めながら二宮さんは言った。「そ、だね。信じてもらえないかもしれないけど、俺、智くんが本当に好きだった」話しながら段々と表情が歪んでいって。二宮さんは俺に背を向けた。「ごめん、も、帰るね」そう言った二宮さんの声は涙声だったんだ。読んだ後に良いねいただけたら大変励みになります
どんな君でも僕は・・・116
それから1ヶ月ほど経った時智さんの店に集められた。「えっ?松本さんもですか?」「いやいや。俺は拉○られたんだぞ。そりゃあ真相を聞きたいだろ」確かにって思いながら5人が集まり何となく緊張した。「2人共来てくれてありがとう。何より今まで黙って何も言わず待ってくれてありがとう」「今日は納得出来る話をして頂けるんですよね?」「うん。ただ1つだけ約束して欲しい。それは今から話す事は決して他の誰かに喋ら無い事」そんなすげぇ話を聞かされるのかと少し背筋が伸びた気がした。「約束守ってくれるよね?」俺と松本さんは頷いた。「まず何から話そうか。そうだな...俺らの事からにしたらいいか?」「何で俺に聞くのよ。智の好きにしたらいいじゃん。許可を貰ったのは智何だし」そうだけどそんな突き放すように言わなくてもと唇を尖らす智さんに雅紀が痴話喧嘩は後にしよ?と言ってくれてうんうんと思わず頷いてしまった。俺らはさ...。えっ?何て言った?マジで言ってます?雅紀は雅紀は……。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。さぁ皆さんの予想が当たりますでしょうか?当たった人マジで凄い!!そして絶賛下痢っぴーな私。お薬のせいなのは分かってるけどとにかくお腹が痛くなると我慢がほぼ出来ないのでほんま困ります。