
5JUN.
「ケーブル・ガイ」テレビじゃなくて本物の友だちがほしい
…友だちはテレビ。恋映画から女の扱いを学び、法廷劇で法律をかじり、友情も冒険もヒーローもストーカーの手口もTVが教科書。純粋培養されたテレビっ子の俺。だけど…人と話すとき舌がもつれる。誰か~!俺の親友になってくれ。お礼はたっぷりするからさ。ケーブル・ガイベン・スティラー監督1996年ジム・キャリーマシュー・ブロデリックジャック・ブラックレスリー・マンオーウェン・ウィルソンジム・キャリーお下劣なジョークとお下品なパフォーマンス炸裂のジム・キャリーが素晴らしい顔芸というより全身芸!ジャック・ブラックも真っ青!親友の座を射止めるため奮闘します。「明日も遊ぼう」約束することが生きがいであの手この手で友をおもてなし。ソーシャルディスタンスゼロの息苦しいほどの距離感!ジム・キャリーの独壇場をマシュー・ブロデリックの受け身演技が絶妙にアシストしているのが良いなぁ。ハイテンションの圧!怖いやら、可哀想やらどこか憎めない。めちゃ笑えて、ゾクッとするストーカーぶりが見事です。映画ネタ満載「オクラホマ」「めぐり逢えたら」「恐怖のメロディ」「羊たちの沈黙」「スタートレック」「13日の金曜日」「奥様は魔女」「ウォーターワールド」「男と女」「ゴールデンアイ」たくさんの映画やドラマがケーブルガイに沁みついているので台詞や映像で登場します。映画ネタが出るたびニヤニヤストーカーというと、「ルームメイト」「危険な情事」「恐怖のメロディ」を思い浮かべます。でも、まったく異なる結末なのでほっこりしましたよ。「懲りない奴やなぁ~」とクスッ感想友だちを敵に回すと怖いぜ彼女と別居中のスティーブン。引っ越し先に配線工がやってきた。ケーブルを壁ごしに愛撫。「ベイビーここが感じるのかい?」それを見て思わずバスローブの襟をよせる。(何かされそうでヤバイかも)ケーブルガイは言う。「他人と出会ってもチャンネル設定がおわればサインをもらってサヨナラ。会った途端に別れるって侘しい商売だ」ところが、スティーブンに「ちょっと待って」と呼び止められ、胸きゅん大抵のヤツは俺に鼻もひっかけないのに。「君が気に入った」有線映画チャンネルを繋いでやり、電話番号を教え、秘密の場所へ案内する。「ここは何百万という視聴者と繋がる無限の可能性を秘めた場所だ」彼もケーブルのように”人と繋がりたい”TVの中継アンテナに寝そべる2人。俺たち、父親の存在が薄い者同士は寂しさを分かち合える友だよな。スティーブンから「君、名前は?」と聞かれると昇天しちゃう愛の告白をされたような気分で瞳をキラキラさせながら答える。「友達はチップと呼ぶよ」お礼に大型TVとカラオケセットをどうぞ。ドン引きするスティーブンだが「君はもっと高価な物をくれた。それは友情だ」女心の扱い方を教え、彼女との仲を取り持ってあげる。スティーブンが落ち込むとコールガールの出前を頼みカラオケパーティを開催して慰める。恋人にバラされたくなければ友達でいてくれよなっスティーブンのパーカーを着て朝食作り。スティーブンの彼女に急接近し、彼女に近寄るヤツをボコボコに撃退。いつの間にか家族の輪に入り込む。ケーブルガイは信じていた。相手の全てを理解して愛を注げば10倍になって戻ってくるに違いない。でも、あまりにも執拗なつきまといに「トモダチを解消するよ」さぁ大変!スティーブンは警察に捕まり、会社での立場も悪くなるハメに。友人ニックがチップの正体を突き止め、ついに彼女ロビンにまで魔の手が及ぶ!はたして友情のゆくえは?サスペンスなのに救いのある、ハートフルな展開からホラーコメディのオチへ着地するジャンルレスの娯楽作品。いやぁ~楽しかったなぁ

新聞小説 あおぞら(11) 作:柚木麻子

午前十時の映画祭『スティング』/名古屋でシネマ⑲

「ロングウォーク」歩くことが闘いであり勝たなければ死が待っている。それは人生を歩むことと一緒。