9OCT.
近鉄8A系
…の新製が途絶えてい近鉄。特に車齢50オーバーの抵抗制御車はもう限界が近付いている(…いやもう超えてる?)こともあり、2024年にようやく新型一般車両が登場しました。それが、8A系。これまで数字のみでルールを作ってきた近鉄でしたが、一般車両の付番に限界が来たか、英数字併用かつ5桁表記となっています。イメージパースでは青も入ったトリコロールカラーの塗装でしたが、実車は伝統の近鉄マルーンにアイボリーで登場しています。これで、シリーズ21が完全に浮いた存在になりましたね(^^;; ドア横に配置されたコーポレートマークがカッコいいです。記号番号はステッカー式になりました。足掛けには転落防止を図ったか突起が付いていますね。10月7日から運用を開始しましたが、奈良線の快速急行で2本を併結した8両編成が一般初運用となりました。併結の様子はこんな感じでございます。立体的な前面デザインが近未来的ですね。前面上部が盛り上がった形状に赤塗装、JR九州813系1100番台のシルエットに通じますね(笑) 奈良線系統で運用を開始しており、今後他線区系統にも入っていくとのこと。丸屋根車両も、ようやく引導を渡せそうですね。車内です。20年代に入り「有料車両」という存在が流行りつつありますが、関東ではクロス/ロング各シートに変換可能なデュアルシートを採用するケースがまま見られます。他社はクロスシートモードでは有料車両として扱うケースがほとんどですが、近鉄では有料列車の存在は近鉄特急に任せているため、料金不要列車ながら「L/Cカー」というブランドで需要に合わせてクロス/ロング各シートに変換をしています。8A系でもこの機構を搭載しており、平日はロングシート、土休日はクロスシート(もちろん何かしら例外あり)と言った具合で使われることでしょう。今回は初運用が平日だったためか、ロングシートモードで取材を行いました。ドアです。色調としてはこの系列が出る前からスタートしたVVVFインバータ車両のリニューアルメニューに準じたカラーコードを使っています。薄いベージュ色の化粧板に、黒い窓の押さえ、イエローラインがアクセントです。ただ、両側の握り棒が付いた柱が金属仕上げなのが少々残念です。ドア上にはLCDディスプレイ、恐らく通勤電車では最大級とも言える大きさで、運行案内と広告案内を1画面でこなします。LCDディスプレイは千鳥配置、向かい側のドアには防犯カメラが設置されています。そうそう、この系列からは半自動機構が備えられています。初運用では通過待ちを含めて使っているところを見ませんでしたが…。車端部です。とにかくオレンジ色が溢れていますね…。仕切り扉はここ最近の流行り、全面ガラス張りとなっています。持ち手はアシスト機構付きかつ長く取られているため、ある程度多くの人々が使えるようにしています。フリースペースを有する車端部です。ここには今までの車両になかった機器スペースがあります。最前面です。近鉄は元々仕切り窓の大きさがしょっぱ目な印象を持っていたのですが、いよいよ仕切り窓が仕切り扉のみになり、しょっぱいを通り越して海水舐めてるくらいの塩辛いものになってしまいました。い、一応その窓は大きく取られていますが、前面の貫通扉の大きさがまた小さいので、特に小さなお子様の前面展望に向かないんですよね。もう少し貫通扉の窓は大きくしてくれてもよかったんじゃないですかねぇ…。仕切り扉は併結時の使用感を考慮して横引き式となっています。運転台側に避難はしごと非常ボタンが備えられています。今までは床置き式だったので、仕切り窓の消失についてはこういうところでメリットにはなったようです。運転士さんとしては夜間に遮光幕を降ろさなくてよくなったことにオフィシャルで触れてましたが、車掌さんとしては車内の確認がしずらいんじゃないですかねぇ…?天井です。近畿車輛製らしいと言いますか、外観にすればかなりシンプルに仕上がっていると思います。照明は反射式のLED灯で、反射させる部分の両側をギザギザにすることで、光を直接的に反射させないようにもしています。吊革は一見ただの丸型ですが、円の下部が少し太くなっており、クルクル回せなくなっています。先代L/Cカーで五角形の吊革に挑戦したこともありましたが、近鉄としてはこれが落とし所になったようですね。荷棚に注目。よく見ると荷棚の支持部分に、近鉄マルーンの化粧板が貼られています。クロスシートモード時の頭上注意喚起だと思いますが、他社だと黄色とかにしちゃってそうなものを近鉄マルーンにした辺り、こだわりなんでしょうね。窓です。UVカットガラスながら日除けもフリーストップタイプのロールカーテンがしっかり備わっています。アルナ末期の阪急車両や山陽5030系辺りに採用されていた自動上昇機構を搭載しており、日除けを止め位置から少し降ろして離すと勝手に上昇します。座席です。ドア間は基本6人掛けで、クロスシートモード時は3列配置となります。モケットはVVVFリニューアル車と同じ赤い花柄、近鉄としてはこれを一般車両の標準モケットにしていく方針なんでしょうね。肘掛けは相変わらず出入りを考慮してか「肘を置けりゃそれでいい」長さ、袖仕切りはVVVFリニューアル車でも見られた弧を組み合わせたもの、クロスシートモードでは窓側もジャム感を覚えることでしょう。従来車は窓側だけとは言えしっかり仕切っていたのに…。座り心地ですが、座面は従来タイプよりも硬めながら、クッションが詰まった硬さを感じるそれです。デビューしたてということもありますが、しっかりしたクッションでこちらの方が安心感はあるでしょう。背ズリについては、下部、腰が当たる部分がやや張り出し気味で、奥深く腰掛けるとほんの少しとは言え仰け反るような姿勢を強いられます。で、臀部を座面先端寄りに降ろして座るとちょうどいい感じに座れるのですが、脚を投げ出すような姿勢となるためロングシートモードでは完全に失策とも言える形状です。まぁ、L/Cカーの限界ってのもあるでしょう…。で、ヘッドレストは相変わらずの硬さで論外の域を出ませんが、従来のタイプは緩い凹の字形でしたが、それよりはおおらかな形状にはなっております。ケガをするリスクは減ったでしょう(笑)で、この系列の目玉のひとつが「やさしば」というフリースペースです。「優しい場所」と「芝」をかけた造語で、誰でも利用可能ですが、主にはステッカーのような利用客を想定しているようです。シリーズ21のドア横座席に設けられた「らくらくコーナー」を発展させたものと言った感じで、何かしらハンディを持っている方への配慮が近鉄らしさなんでしょうね。その「やさしば」がこちら。緑のモケットの座席と、芝をイメージしたシートが足元に貼られています。このスペースは、ベビーカーだの大きな荷物だのを自由に置いていいんですよ、ということなんでしょうね。座席についてですが、座面はクロス方向・ロング方向どちらでも使えるようにするためにバケット形状にはなっておらず、かなり柔らかめのものになっています。そして背ズリですがこれがまた形状が絶妙、正直L/C座席よりもいいんじゃないかと思うほどです。L/C座席がロングシートモードでもクロスシートとして使えますし、使わない背ズリにもたれることが出来る、大変申し訳ないですが「やさしば」という準優先座席ポジションでは勿体ないくらいです。戸袋部分には荷物ストッパーがあります。4輪のキャスターの内のひとつをストッパーにはめることで、手をうっかり離しても逸走を防げるということですね。よく考えられております。優先座席はオレンジ色のモケットと黒のヘッドレストで区別しています。握り棒も濃黄色になっていますね。そうそう、「やさしば」の握り棒も緑に塗装されています。「やさしば」は各車両の2、3枚目の扉に設定されており、クロスシート向きで使う場合、進行方向を向けるのはどの車両・向きでも前から3枚目のドアから入ったところにある区画です。今回の取材はロングシートモードだったので、外から背面をチラリ。ヘッドレストには頭上なり足元なりに注意せよという表記があります。その下に見えるのはフックでしょうか。ちなみに、この系列では一部区画をクロスorロングにするという機構を備えているようですが、いつ使うねん…。車端部のロングシートです。この系列からは車端部は全て優先座席になってしまいました。かねがね思うのですが、最近の車端部を全て優先座席にする風潮、もちろんどの車端部にいても優先座席があるという分かりやすさはメリットですが、優先座席に座ることに抵抗を覚える方もいるということを分かってあげてほしいなぁ、とポツリ。改めて袖仕切りはガラスとパイプを組み合わせたものです。パイプ部分は握ることが出来る人を多くしようとした努力と、傘が掛けられるというメリットを感じてみたりしていますが、弧を描いたガラスに視覚上の面白さ以外にメリットを見出だせません。ガラスは皮脂などで汚れると目立つしキズが入るとメンテが大変、そして強化ガラスを使っているでしょうが、最悪破損して割れると命に関わるというリスクを考えても、最近の袖仕切りへのガラスブームは一体何なんだという思いです。あと弧を描いているので立ち客との分離もイマイチなんですよねぇ…。機能性を追求してはいるものの、それをデザインが目減りさせてる印象です。フリースペース向かいの座席は機器スペースの関係で3人掛けです。機器スペース下にはさりげなく消火器が収納されています。座席自体は同じ近畿車輛の南海8300系の「マイトレイン」仕様車の近縁とも言えるシルエットをしていますが、座り心地は全く異なります。座面が柔らか目ながらしっかり受け止めてくれるクッションとなっており、あちらとは雲泥の差です。この座席が、近鉄におけるロングシートの集大成とも言えるものなのでしょう。本当、この狭間にあるシリーズ21 のロングシートの駄席っぷりは一体何だったんでしょうか。フリースペースです。握り棒、非常通話装置、そして立ち客用のクッションが備わります。ヒーターは側面に埋め込まれておりまして、シリーズ21が握り棒とヒーターのユニットを付けていたとこからすれば大幅な進化ですね。新車詳解近鉄8A系次世代一般車両【1000円以上送料無料】楽天市場1,980円${EVENT_LABEL_01_TEXT}↑ ↑ ↑
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