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ボクシングライフW
7時間前
17ボクシング・メタボリック
昨日 16:36

6JUN.
【中編】宴の後
前回の続き。先般の井上尚弥VS中谷潤人、生観戦している最中は「どちらの強打が先に当たるか?」とハラハラドキドキしながら見ていた。そんなドキドキを与えてくれた両雄に感謝している。しかし、これが期待した試合かと言うと答えはNO。中谷は得意の左右アッパーを、井上は必倒の左ボディをほとんど見せなかった。相手にダメージを与える様なパンチは11ラウンドの井上の左右アッパーのみ。派手な打ち合いだけがボクシングではない。それは技巧派好きである私は理解している。ハイレベルな攻防………との声を見掛けるが、名勝負、年間最高試合候補、との声はほとんど聞かない。ディフェンシブな試合になったのは互いにKO負けと言うリスクを避けて、踏み込みが普段より半歩足りなかったからに思う。良く言えば互いの強打にリスペクトを持ち、言い替えれば勝ちに徹した。勝ちに拘るのは悪くはないが………それは井上をスターにしたスタイルではない。井岡一翔VS福永亮次戦を覚えているだろうか?試合後、井上は井岡に対し、勝ちに徹するスタイルを批判し、多数のボクシングファンは賛同した。その人達は今回の井上にどんな感情を持ったのだろう?本当に良いと感じた試合は何度も見返すが、私は井上VS中谷を生観戦と映像で各1回、計2回見ただけ。多分、3回目を見るのは先になるだろう。何度も繰り返し井上VS中谷を見た人はどれだけいるのだろう?ボクシングはどんな試合でも結果を知らずに見る方が面白い。この試合は特にその傾向が強い気がする。KO必至と思われたマッチメークが実際はテクニカルな試合になる事は珍しくない。それでも本当にレベルが高い試合は結果が分かっていても何度も見返してしまう。具体例は………ここで書くと話が逸れるので後編で書く。同日(日本時間は3日)、ラスベガスではヒルベルト・ラミレスVSデビッド・ベナビデスが行われた。井上もベナビデスもどちらもニックネームはモンスター。4ポンド下の元2冠王者 中谷相手に勝ちに徹した井上。25ポンド上の2冠王者に真っ向から打ち合いKOしたベナビデス。どちらがリアル・モンスターだろう?KOはボクシングの華………と昔は言われた。あれだけ倒しまくった井上がこの1年間、KO勝ち所かダウン一つ奪っていない。KOを予感させるシーンすらない。やはり、もう晩年なのだろう。ミゲール・コット戦以降の倒せなくなったマニー・パッキャオを見ている様だった。試合前、初めてボクシングを見る人が多いであろう事から、その層にアピールする旨の発言があった。井上VS中谷の一週間後に行われたWBOヘビー級タイトルマッチ ファビオ・ワードリーVSダニエル・デュボアとどちらが人々を惹き付けただろう?念の為に書いておくが………井上と中谷を批判したい訳ではない。真剣勝負なのだから期待された展開にならない事も多々ある。何より、期待した展開でなくても生観戦をして十分楽しめた。これは無条件で井上を持ち上げる風潮が気持ち悪くて書いている。続く。

【試合前雑感】矢吹正道VSレネ・カリスト(IBFフライ級)

井上拓真VS井岡一翔(WBCバンタム級)
【結果+観戦記】オレクサンドル・ウシク × リコ・ヴァーホーベン[WBCヘビー級タイトル戦]
5月23日(日本時間24日)ピラミッド・パノラマ2(ピラミッド隣接特設会場):エジプト・ギザ◇ WBC世界ヘビー級タイトルマッチ ◇WBAスーパー&WBC&IBF王者オレクサンドル・ウシク(39=ウクライナ:23戦全勝14KO)vs挑戦者リコ・ヴァーホーヴェン(37=蘭:1勝1KO/元キックボクシングGLORYヘビー級王者)ウシクは昨年7月、ダニエル・デュボア(英)との 4団体王座統一戦に 5ラウンドKO勝ちして以来の、WBCタイトル3度目の防衛戦。発表当初、ヴァーホーヴェンがノーランカーにもかかわらずWBCがタイトルマッチ承認WBCが承認したことに当然の批判が巻き起こると、幾らも経たぬうちにマウリシオ・スライマンWBC会長が通常のタイトル戦ではなくスペシャルイベントとして勝者に特製の記念チャンピオンベルトを贈る〝ノンタイトル戦〟で認定する方針を再発表…しかし、そこからまた翻してタイトル戦として承認することを決定し、そのまま変更なく実施されることとなった一戦。更に、WBCだけの愚挙かと思いきや、WBAもウシクが勝てばスーパー王座6度目の防衛と認定&ヴァーホーヴェンが勝った場合は王座を空位とするとし、IBFはウシクが勝利したら次戦は指名戦を指令&敗れれば王座を空位にすると声明し、似たような守るべきことをウヤムヤに黙認した形式で落ち着き。ヴァーホーヴェンは、元キックボクシングGLORYヘビー級王者(キック通算 66勝21KO10敗の他、総合格闘技 1勝1KO)の肩書きを持つものの、プロボクシングの試合は 14年4月に 0勝5敗(全KO負け)1NC のヤノシュ・フィンフェラ(ハンガリー)に 2ラウンドKO勝ちした1戦のみで、今回はそれ以来の12年1ヶ月ぶりとなる2戦目。 言うまでもなく、本来ならタイトル挑戦資格はないながらもウシク陣営のゴリ押しによって 2戦目での世界戦が現実となり、勝てば史上最短キャリアでの世界王者。WBCに加え、実質 WBAもタイトルマッチ認定する格好で行われた『 Glory in Giza(ギザの栄光)』興行メインイベント…結果は ウシクが 11ラウンド2:59 TKO勝ち。前傾姿勢で細かいジャブを突きながら前に出るヴァーホーヴェンを、サウスポーのウシクが迎え撃つ立ち上がりとなった試合は、小刻みに上体を振ってプレッシャーをかけて出るヴァーホーヴェンが動きの鈍いウシクを追うという、早々から意外な展開。頭を下げたクラウチングスタイルで前進するヴァーホーヴェンをもて余すウシクは、時おりパンチをまとめるものの殆ど下がらせられている状態で、ポイントは元キック世界王者がリードしている印象で進行。あまり手数が多くなかったウシクは、4ラウンドに右フック、左アッパーなどを当てて盛り返しかけるも、ヴァーホーヴェンも体ごと押し込んで反撃。中盤戦に入ると、ヴァーホーヴェンが前進プレスにサークリングしながらのジャブ主体のヒット&ランを交え始め、そのボクシングキャリア1戦とは思えない相手の試合運びに、つい最近までパウンド・フォーパウンドNo.1 だったウシクはペースを掴めず調子が上がらないまま。10ラウンド終盤、敗色が深まりつつあったウシクが、スピード&全体的なパワーが落ちて来ていたヴァーホーヴェンに左フック、左アッパーのヒットを起点にラッシュ、初めて明白に攻勢&ポイントゲット。そして続く11ラウンド、気力で前に出たヴァーホーヴェンにウシクが下がりながらの右アッパーを決めると、健闘していた挑戦者が前のめりに倒れ込んでダウン。ダメージと疲労の色濃いヴァーホーヴェンが立ち上がったところでレフェリーが試合を中断させ、ダウンした際に落としていたマウスピースをヴァーホーヴェンに入れ直させた後に続行…が、再開後すぐに一気にスパートしたウシクが連打を見舞うと、無防備状態で反撃の手が出ないヴァーホーヴェンにレフェリーが早めのタイミングでストップをかけて試合終了。ウシクが 10ラウンドのラッシュを機に、起死回生の右アッパーで辛くも歴史的な敗北を回避、という予想外な内容となりましたが…10ラウンドまでの公式採点は、96-94 ヴァーホーヴェンと 95-95 が 2者の 1-0 イーブンで、事実上ウシクの逆転TKO勝ちだった格好。先月、モンスター井上尚弥(大橋)選手にトップを譲るまで、殆どの専門メディアで長らくパウンド・フォー・パウンド1位の評価を受けていたものの、今回はそれを大幅に落とすレベルの大苦戦で、とにもかくにも現王者がキャリア1戦のキックボクサーに敗れて陥落、というボクシング界の威信崩壊を防いだことだけが救い。似たような図式だった 23年10月のタイソン・フューリー(英)vs 元総合格闘技UFC王者フランシス・ガヌー(カメルーン)で、ボクシングデビュー戦のガヌーが当時の WBC王者フューリーからダウンを奪い、善戦した末 2-1 判定で惜敗した一戦が頭をよぎると共に、ウシクの場合は本当に負けるかも… と思わされるほどの大拙戦でしたが、試合後はレフェリーストップのタイミングが早かったこと&ジャッジの採点に批判が続出。結果論からすると、ダウン後のヴァーホーヴェンのダメージ&疲労ぶりからして、あそこで止めていなくても結局ストップになっていた可能性が高く、ポイントもウシクが中盤戦から徐々にヒッティングの正確さで挽回していたことを踏まえると、少なくともヴァーホーヴェンがそこまで差をつけてリードしていた印象はなく( 個人的な採点は 96-94 ヴァーホーヴェン or イーブン )…レフェリーがラウンド終了直前の2:59 というタイミングで止めていなかったら、最終ラウンドにもつれ込んでウシクの12ラウンドTKO勝ち、若しくは判定勝ちになっていたんじゃ?と考えると、ストップがちょっと早かったのは批判されても仕方ない部分があったにしろ、他の採点等についてはそんなにも非難するほど酷くはなかったような気が。( 例えば、ウシクが劣っていたように見えたパンチ数は、公式統計によるとヴァーホーヴェン113発、ウシク112発だったとのこと )ただ、今回のウシクの出来の悪さは、これまで見受けられたクルーザー級上がりの体格面で圧される種類の苦戦だけでなく、実力面の低下が疑われる部分が目についた感じで…全体的に動きが鈍くスピードがなかったのは、前日計量でキャリア最重量の 233.3ポンド(約105.82キロ)を計測したウェイト面の影響もあったのかもしれません(ヴァーホーヴェンは 258.7ポンド=約117.35キロ)けど、何にしてももはやファラオの座は危ういイメージがチラつき、こんなウシクならアメンヘテプ2世の方が強いんじゃ?と。現役で闘うのはあと3戦と前々から語っていたウシクは、同時にその残りのキャリアをより稼げる相手との試合に限定することも公言していますが、一応 WBCは暫定王者 アギト・カバィェル(独)との団体内統一戦を指令済み。WBAは、下位のレギュラー王者 ムラト・ガシエフ(露)が 7月11日に トニー・ヨカ(仏)との防衛戦が決定していることもあり、引き続きウシクを特別扱いして団体内統一戦を命じることはなさそうで、残る IBFはこの同じエジプトの興行で指名挑戦権を獲得した フランク・サンチェス(キューバ)との指名戦をすぐに指令するのか、注目されるところ。 あと3戦にヴァーホーヴェンが入っているなら残りは2戦ですが、既に 4団体統一を2度達成&ファビオ・ウォードリー(英)との対戦指令を拒否して WBO王座を返上しているように、もうタイトルにこだわりはなく何よりもビッグマネー路線なのは明白ですから、また予想もつかない相手とのマッチアップに向かうかもしれません。一方のヴァーホーヴェンは、プロボクシングのキャリア1戦&それも14年前という前提でウシクに挑み、敗れたとはいえ世界ランカーレベルの大健闘を見せた末に、大魚を逃がしての惜敗。中盤戦あたりからステップワークを増やしたのは、戦術というよりスタミナ難の裏返しだったように映り、そのへんが優勢な流れのまま追い詰められずに勝負をひっくり返された要因だった感もありましたが、違う競技とはいえキックで培った格闘技のキャリアはダテではないことを証明。自分はボクシングファンの立場から、ボクシング1戦のキックボクサーに負けられたらボクシング界の威信・沽券にかかわる事態だったことで、今回は好きではないウシクを応援しましたけど…ヴァーホーヴェンにとってはリマッチをやるに相応しい試合を演じ、ウシクにとっても望みの大金を稼げる興行になることは必至だけに、再戦するのであれば観たいな、と期待。
7時間前
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