15APR.
【Italia紀行】⑮ドゥオーモ463段の階段 〜苦難と栄光のフィレンツェの空〜
~限界を超える挑戦と予期せぬ出会い、そして隠れた天使たち~前回の記事はこちら『【Italia紀行】⑭フィレンツェの祈り 〜メディチ家の軌跡とミサの感動〜』~歴史の息吹と魂の共鳴が織りなす、フィレンツェ2日目の物語~前回の記事はこちら『【Italia紀行】⑬フィレンツェの黄昏時 〜教会と時計と、明日への期…ameblo.jpドゥオーモへの挑戦 - 463段への決意しくしく痛むお腹を不安に思いながら、ドゥオーモに登る時が来た。2時半までまだあと5分あるのに走り出したパパ。大聖堂の周りは観光客の人混みで溢れかえって、走り出したパパと息子を簡単に見失った娘と私。一瞬焦るが、ドゥオーモの階段の入り口にさえ行けば合流できると先を急ぐ。階段の入り口がわからず、警官らしき人に英語で身振り手振りで話しかけ尋ねたが、なかなか通じず焦っていると、ちょうどそこにパパと息子が合流した。内心めちゃくちゃ安心して、パパたちの後ろについて行くと、長い行列の先に階段の入り口があった。本当に登れるんだろうか?途中でお腹が激痛になったりしないだろうか?足が乳酸で上がらなくなったらどうしよう...とか一瞬思い浮かびながら次々と消えていく。結局何とかなるだろうと思いは無になっていく。リュックサックの危機 - 国境を越えたイラストの力入場チケットをパパがそれぞれに渡していく。名前とパスポートを配り、スリに気をつけて注意深く待っていると、娘が突然言い出した。「リュックサック、ダメだって!私、リュックサック背負ってる!どうしよう?」何のことかと思いきや、パパから渡されたチケットの裏側にリュックサックのイラストが書いてあり、その上にバッテンが記載されていた。イラストは目に入っていたはずなんだけど、そのイラストからのメッセージを受け取っていなかった大人の私たち。娘は文字からのイタリア語からのメッセージを全く受け止めれない代わりに、イラストからのメッセージをしっかりと受け取った。何とかなるだろうとたかをくくっていたパパ。しかし途中から不安に襲われたように、そこで待てと言ってどこかに行ってしまった。ほどなくして帰ってくると「行列から離れるぞ」と言って遠くの方に走り出した。私たちは何がなんだかわからず、一緒に走ること3分。ドゥオーモにはやはりリュックサックを持っていくことは禁止されているらしく、入り口の近くに荷物の無料預かり所があった。そこで娘がリュックサックを預け、番号札をつけられ、引き換え用の番号の札を受け取る。ハリー・スタイルズのようなかっこいいお兄さんが「チャイニーズ?」と話しかけられた娘は「Japanese!」と張り切って答えていた。無事リュックサックを手放した娘と皆で元いた場所に戻ると、行列はそのままの形状にとどまっていて安心。さらに先ほどまでは私たち一家の後ろにどこかの国の高校生の修学旅行の集団が来ていたので、私は後ろから急かされる緊張感にさらされていたが、リュックサックを預けたことで最後尾に着くことができて、なんかすごく全てがうまくいった気がした。もちろん、息子は朝の「無駄な」ホテルの往復でリュックを置いてきたのだが、それが功を奏したと胸を張っていた。確かにリュックを置いてきたことは正解だった。さらにその数時間後、あの一連の出来事が私の人生を救ってくれることになるのだから面白い。「冷静と情熱の間に」への憧れ - 旅のサウンドトラックとうとうドゥオーモの階段を上る時が来た。私がこの旅で一番楽しみだったのは、フィレンツェのドゥオーモの屋上だ。「冷静と情熱の間に」という竹野内豊が出ていた映画が大好きだった私。何よりあの映画でかかる音楽、エンヤの曲もそうだが、それ以外のBGMで感極まる私。私は泣き虫なんだろうか...知らなかった。こうしてブログを書くとよく泣いている。そして、食べ物ではなく建物に感動するし、映画の画像ではなく音楽に感動する。そして、イタリアの音楽は私の涙腺を一番弱くする。イタリア・シチリア島を舞台とする「ニューシネマパラダイス」という映画。あの「愛のテーマ」という音楽は、エンニオ・モリコーネが作曲した美しい旋律で、映画の中で主人公の少年と映写技師の深い絆を表現している。 この曲は、別れのシーンで流れる切なさと、それでも続いていく愛の普遍性を伝えています。初めて聞いた時、物語は泣くところではないのに、私は1時間ぐらいずっと泣き通しだった。不思議な体験だった。20年ほど前の話ではあるが...ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 普及版 [Blu-ray]Amazon(アマゾン)3,418〜6,750円その数年後、「冷静と情熱の間に」の映像を見て、物語以上に音楽に浸って、やっぱり泣いていた記憶がある。オリジナルサウンドトラック「冷静と情熱のあいだ」Amazon(アマゾン)222〜4,852円463段への挑戦 - 自分の限界との対話その憧れのドゥオーモの頂上に登るのは、ドラマを再現している楽しみがあった。実はここよりも心を射貫かれた場所がこの後に控えていることを私はまだ知らない。こことミラノ中央駅が、この映画に纏わる旅のクライマックスかと思っていたが、実はこの他にあったのだけれど、それはまた後の話...さて階段を上り始めるとほどなくして天井に楽しみだった「最後の審判」が見えてきた。何枚も写真を撮るけれど、手前にあるフェンスが邪魔で満足のいく写真は撮れない。歩くことよりもフレスコ画を見ていることに全集中しているから、私は足の疲れが全くない。天井吹き抜け部分を通り抜け、いよいよ螺旋階段を上がっていく。体力を残しながら上がらないと...と思いながら、自分の力の3割程度の力で登り続けようと心に誓う。前の方でパパと息子が旅行の興奮で少し声高に話しており、神聖な気持ちで佇む私の集中を乱してしまう。この特別な空間にはそぐわない会話だったので、私は少し距離を置き、1人の時間を楽しむことにした。フィレンツェの空へ - 思いがけない感動そして私の疲労度がまだ40%にも満たないうちに、あっけなく頂上に着いた。そしていよいよ屋上からの景色を眺める。パパと息子はまだ観光客の行動に対して少し熱のこもった批評をしているので、少し離れて、携帯で「冷静と情熱の間に」のオープニングの曲をかけ、完全にフィレンツェに浸った。多くの人が写っていたのでカットしたら2秒になってしまった…。憧れていた場所に今いることが実感できない。実は今このブログを書いて初めて「私はあの映像のこの場所に立ったんだ」と、そのことにやたらと今感動している。いつかはそこに立ちたいと願いを放った10年前ぐらいの記憶。そしてあっけなくその夢が叶う時の幻想のような感覚。それをもう一度思い出す時に、ようやく確かにそれがあったと気づく感動。夢が叶う瞬間は意外にもあっさり淡々と来る。それはいつも同じ。主人と出会って1回で結婚を決めた瞬間。社長秘書になりたいという願いが叶った時のあっさりとした瞬間。世界一周旅行をしたいとなんとなく思っていた私が、新婚旅行でそれが叶っている時の無の感覚。「それが叶っている」は嬉しいんだけど、ふわふわしていて「やった!」という感覚ではなくて、淡々と希望が達成されてしまう感じ。今回のドゥオーモもあまりにも楽に階段が登れて、あまりにも綺麗な景色に感動して、そして「冷静と情熱の間に」のオープニングの音楽に心打たれて、夢を見ているようにその時間は過ぎて行った。このブログを書いている今が一番感動している。私はそこに立ってあの景色を見たんだ!ヒロインはあそこには行けなかったけど、竹野内豊はあそこで彼女を見上げたんだね。(すいません、実は物語あまり覚えていなくて、暇になったらゴールデンウィークにでも見直したいと思います)ウフィツィ美術館への単独行動 - ひそかな挑戦十分すぎるほど写真を撮り、そろそろ降りるようにと指示が入り、階段を降りる。もちろん登るよりも下りは楽で、あっという間に1階まで降りた。私はまだまだ体力が残っているから、隣に立っているジョットの鐘楼も今登ろうとパパに声をかけたけれど、他の家族3人はもう疲れたとホテルに帰りたいと漏らしている。「嘘でしょう?まだ3時半だよ!ホテルに戻るなんてありえない」パパはカマをかけて「だったら私1人でウフィツィ美術館に行ってきたら?」と言う。多分私がビビリで1人で行動なんかできないと思って適当に言ったはずの言葉は、私にとって神の響きだった。ウフィツィ美術館にはどうしても行きたかった。今日のスケジュールでは行けると思わなかった。私の足がボロボロになると思っていた階段も、降りたら夕方、もっと遅い時間になると思っていた。意外にもあっけなく登れて、あっけなく降りてこられた。そして今は3時半。歩いて4時には美術館に着く。もし長蛇の列でチケットが買えなかったらすぐ帰って来ればいい。もし混んでいても1時間は見れるなら是非見ておきたい。「ならば行ってくるよ」とパパに言うと、1人で行動するという私に内心驚いた表情をするパパ。そんなことお構いなし。だって私、1人でサンフランシスコを旅行したことだってあるし。こう見えて意外に大胆なのよ。「じゃあね」と話が二転三転しないようにあっさりと家族3人と離れた私。意気揚々とヴェッキオ宮殿へ向かう。意外に私は方向音痴ではない。どこに向かったらいいかはすぐに分かった。思いがけない運命 - ウフィツィ美術館の静寂↑夜明け前の美術館昨日ここを通りかかった時は、その行列が何かわからなかったけれど、たくさんの行列の先にはウフィツィ美術館の入り口があったんだね。ようやく地理的位置関係が把握できた。が、今日はその人混みを探しに歩いていても誰もいない。入り口がわからないくらい閑散としている。ようやく入り口を見つけると、チケットが必要だと言われて、「チケット売り場はどこ?」と聞くと「あそこだよ」と教えてくれたけれど、そこにも誰もいない。カウンターまで行くと3人ほどチケットを買っている人がいたが、数分で自分の番になり、あっさりと入場チケットを購入した。再び先ほどの場所に戻り、そのチケットを見せるとすぐ中に入れた。荷物検査をして、日本語のイヤホンをレンタルしようと別のカウンターに向かったところ、思いがけないことになった。「Japanese please」と言ったら「ID please」と言われた。素で「持ってない」とリアクションすると、カウンターの中の女性は「信じられない」という恐怖の顔をした。その恐ろしい顔を見て、海外で証明書を持ち歩かずに歩いてる私はちょっと異常なんだということが理解できた。そして、ちょっと不安に思ったけれど...2時間後にはホテルに帰るんだから気にしないと、ちょっとモヤモヤした気持ちを振りほどき、この件に関してはなかったことにして先に進む。内なる声の導き - 回廊に広がる夢階段で2階に上がれと指示があるが、先ほど階段を嫌というほど上がったのでちょっと辟易した。しかし...登りきった先の景色が「冷静と情熱の間に」の冒頭のシーン、美術館を回る人たちの回廊だったことに気づき、その景色に心打たれた。私はこの旅でここに来ることになっていたんだ。ここは外せなかったんだ。なのにスケジュールには入れていなかったなんて...それでも来ることになっていたから。そして一人で来るべきところだったから。家族3人は来る必要、必然性はなかった。私が来る必要があった。だから逆に私だけでも来れてよかった。それほどこの廊下、渡り廊下を眺めた瞬間の感動と言ったらなかった。ウフィツィ美術館は15世紀にメディチ家によって建てられた宮殿で、世界でも屈指のルネサンス美術コレクションを誇る。特に見逃せない名作としては、ボッティチェリの「春」と「ヴィーナスの誕生」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」、ラファエロの「金のこま雀を持つ貴婦人」、ミケランジェロの「聖家族(トンド・ドーニ)」が挙げられる。電池の危機感 - 現代人の宿命との闘い多くの美術品を写真に収め、色々と調べたかった私はある一つの問題点にとらわれていた。実はパパと子供たちと離れたすぐ後に気づいたことがある。先ほどのパスポート不携帯と同じほどの問題だ。私は充電器を持っていない。その私の携帯電話の残量は23%になっていた。その時に私もホテルに一緒に戻って充電しようかと思った。だけれども充電をしていたら美術館には戻れない。充電をとるか美術館を取るか...充電はあと20%はある。帰るまでのホテルの地図アプリは確保しておきたい。であれば13%分の写真を撮ろう。10%を切ったらホテルに戻るために地図アプリに切り替えよう。そして充電を守るために携帯を一番暗くして写真を撮ることを決めた。本来ならばわからない絵のタイトルを検索して調べてみたかったけれども、だいたいわかるということで写真を撮る方法に重点を置き、検索することを二の次にした。そして何枚も写真を撮り続けるとやはり詳しい内容が知りたくなる。タイトルもよくわからないものもある。検索して調べたい気持ちがムクムクと湧き上がった時、自分の命のことを優先するような感覚があった。そして携帯電話では写真だけに納め、調べたいものがあればここでお土産コーナーで買った美術館のカタログを買って帰ってから調べればいいという言葉が来たので、それに従う。予測不能の展開 - 電池残量との戦い10%もあれば暗い画面でとっていれば意外にたくさん撮れた。本当は「回廊」を通って宮殿迄の「自画像」のコーナーまで進みたかった。もしかしたら、その回廊は必須のルートだったかもしれない。けれどその入り口に差し掛かった時に9%に残量がなっていた。仕方ないからそこで諦めてお土産コーナーに移る。予定通り英語版のカタログを買い(これ、今思えばイタリア語のカタログを買えば良かった。雰囲気があまり出ない)、残り9%でホテルに向かう。まずはヴェッキオ宮殿からドゥオーモに戻ればいい。そこからホテルに移動した。あの広場を通って...ここで1回Googleマップを見よう。ここまでで残量7%だった。そこまでは案外スムーズに来れた。そしてここからはメディチ礼拝堂を目指せばいい。メディチ礼拝堂が見えてきた。残り4%ある。多分大丈夫!と思った瞬間、私の携帯が突然シャットダウンした。4%から一瞬だった。メディチ家礼拝堂から私はホテルに帰れるのか...こんなところで電源が切れるとは思わなかった...(続く)次回【Italia紀行】⑯では、電池切れの携帯を抱えた私の「帰路」の行方を追います。果たして無事にホテルに帰ることはできたのか?もちろん、このブログを書いている時点で結果はお分かりですが...フィレンツェの街で迷い子になった私が見つけた「天使」たちと、最後の夜に訪れた特別な場所についてお届けします。過去記事『【Italia紀行】⑫ローマからフィレンツェへ 〜新たな芸術の都との出会い〜』〜イタリア高速鉄道で巡るルネサンスの聖地、待望のフィレンツェ初日〜前回の記事はこちら『【Italia紀行】⑪ 古代ローマの遺跡と輝く夜景』〜雨に煙るコロッセ…ameblo.jp💫今なら公式LINEより60分の無料個別セッションを開催しています。なんでも質問してください。ご希望の方は『個別セッション』とお書き下さい。💫5月も一斉無料遠隔ヒーリングを開催予定。公式LINEのヒーリング希望ボタンをタッチしてお待ちください。日程は追ってお知らせします。☘️Miracle Chronicles.メニュー一覧☘️ 💫 お悩み相談室メニュー -個別のお悩みや人生の課題に対するコンサルティング 💫 ヒーリングメニュー -アルクトゥルスクゥオンタムヒーリング®で心身をパワフルに 💫 オタズネメニュー -シャーマンによる神仏へのお尋ねやカルマ消滅祈願など
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