
14DEC.
第14回1級CC論述【問4】過去問から学ぶ
12月に入り2日目ですね。今年もあと30日。日々お忙しくされている方も多いかと思います。12月14日の受検を控えている方、特に体調管理にお気をつけてお過ごしください。さて、前回に続けて第14回1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験過去問を活用し、事例相談者の相談者への対応の問題を考えてみたいと思います。問4 事例相談者Bの相談者Aへの対応について問題だと思うことは何か。事例に基づいて記述せよ。この問いを考えていく際、指導者なんだからきちんと適切な指摘をしなきゃならない…と考えるのは、学習者(事例相談者)の依存度を上げてしまったり、事例相談者が事例指導者に対して正しさを求めてしまうような関係性や態度になりがちです。つまり、指導的コンサルテーションやティーチング等を期待させる関係性を過度に生み出すことがあります。これでは評価されるかどうかに意識が向くため考える余地が狭くなりそうです。指導者に権威があるほどに、こうした関係が起こりやすいと、研究を進めていても実感することが多いものです。表層的な行動修正は背景の意味などが捉えられなくなる恐れがあります。事例指導は正しさらしさを求めるような場ではなく、単なる再現可能な技法を学ぶ場でもないはずです。事例相談者が考えたり感じたり行動にしていることや、事例相談者なりに受け止めた事柄と事柄を単なる問題の指摘にしないこと。事柄と事柄をつなげていくようなかかわりで、その意味を共に探求していく過程を創り出すことが大切だと考えます。ここに事例指導の意義が見出されていくのではないでしょうか。問4について、以下のような表現もあるのではないかと思います。『話を丁寧に聴くことに努めたからこそ、Aは苦手意識や不安、家族への想い等を語りや非言語でもあらわせる関係性があったのではないかと想定できる。一方、声を落としているAに対し、穏やかにかかわるということは、お互いのトーンが一致せず、わかってもらえている気がしない状態をつくりだす可能性もある。こうした点で「共感的にかかわった」との所感と実際にズレがあるかもしれない。また「自己開示をしつつ励ます」という対応内容は、B自身が持つ経験値(面接に失敗するケースの原因認識を神聖化)からのものであり、A自身が強みの整理をするという段階に至っていない心理的な状態が元気のない様子からも想定され、前職の経歴を否定的な経験として認識しているAにとって強みを整理する行為自体が受け入れられない可能性もある。Bの「自己PRの見直しを提案した」対応は、Aの状態とタイミングが合わなかったと考えられる。』上記の表現で大事にしたところは、事例相談者Bが記録の中で「話を丁寧に聴く」という姿勢や態度を記しており、本人がこの事例で特に気をつけているところだと感じました。ですから単に話を聴けていないだとか、関係性が悪いなどと、事例に記されているある特定の事柄だけを捉えて、指導者が指摘するのは避けたいところだと感じます。指導要点のひとつとして共感的態度とトーンの不一致な感じに注目しました。Bは「穏やかにかかわった」と所感していますが、Aは声を落とし元気がない状態。非言語的な一致度合い(ペーシング)も共感的態度に重要な要素です。穏やかさが必ずしもAの心理状態に寄り添うとは限らず、場合によっては距離感を生む可能性があります。また提案のタイミングとAの心理的準備段階への配慮にも目を向けてみたいと思います。Bは「自己PRの見直し」を提案しましたが、Aはまだ「不採用のショック」「自信喪失」から回復していない段階かも。強み整理は、自己肯定感がある程度回復してからでないと負担になることもあるかもしれません。心理的な安全性を高めるステップを設けたいものです。また自己開示の効果とリスクについて、多くの方がこの事例で気になっている点かと想像しています。Bの自己開示はどこか親近感を生む可能性もありますが、Aの状態によってはある意味プレッシャーになることもあったり、そもそも一緒にされたくない気持ちがわくこともあるかもしれません。例えば「私は克服しました」という言葉は、Aに「自分はできていない」という劣等感を強めるリスクもあります。自己開示はあなたもできるという励ましの意味では、どこか一般論のように感じられるかもしれませんね。また同じように悩んだ経験があるというかかわりは、共感というよりは、同調的な意味合いにもなることがあります。Aの課題は自己PRが苦手という表面的な問題に見えますが、根底には「自信喪失」「家族や元の職場への責任感」「将来不安」等があるといった事例かと想像しました。そのため、自己PR改善の提案がAに対して何をしたことになりそうか、例えば、「不安の整理」「価値観の確認」等から始めることもできたかもしれませんし、そのようなかかわりであれば、Bの面談のどんな点が成長できることになるかなど、指導者は事例相談者の育成的な視点を盛り沢山持っておきたいものです。今夜、オンラインで1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験直前対策講座前編を開催いたします。参加いただける方、どうぞよろしくお願いいたします。次回のこのブログでは問5について考えてみます。

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