
29APR.
解決志向ブリーフセラピーを事例指導に適用する
『ウルトラ・キャンペーンのお知らせ』【ウルトラ・キャンペーン】のお知らせ福岡対面式講座とオンライン個別指導を同月内に受講される方へ第16回1級キャリアコンサルティング技能検定実技試験を受検予定の…ameblo.jp今回は、解決志向ブリーフセラピーについて記述します。解決志向ブリーフセラピーを、1級キャリアコンサルティング技能検定の実技面接試験に用いる場合、大切なのは、相談者Aを直接解決に導く技法として使うのではなく、事例相談者Bが自分の面談の課題に気づき、次の実践に向けた具体的な行動を見つけるための事例指導の方法として使うことです。現在公表されている1級実技面接では、ロールプレイ30分、口頭試問9分で、受検者はキャリアコンサルタントに対して事例指導を行う立場とされています。また、事例指導は、相談者へのよりよい支援と事例相談者の成長を目的に、面談過程、見立て、対応方針、組織への働きかけ、リファーやコンサルテーション、事例相談者に不足する態度・役割意識・知識・スキル等について気づきを促し、情報提供や助言を行うものとされています。1 基本的な考え方解決志向ブリーフセラピーは、問題の原因分析だけに深く入り込むのではなく、相談者が望む未来、すでにできていること、例外、資源、小さな次の一歩に焦点を当てるアプローチです。SFBT( Solution-Focused Brief Therapy)の説明では、望ましい未来、例外、強み、資源、スケーリングなどを扱うことが中心とされています。ただし、1級面接試験では注意が必要です。解決志向を使うからといって、「何ができていますか」「どうなればよいですか」だけで進めると、事例相談者Bの問題把握が弱くなるおそれがあります。1級で求められるのは、事例相談者Bを元気づけることだけではありません。評価区分では、事例相談者との育成的な関係を築き、事例の本質を把握し、事例相談者の問題を明確化・共有し、具体的な指導を行うことが求められています。したがって、解決志向を用いる場合は、問題を避けるためではなく、問題を共有したうえで、事例相談者Bが次に取り組める行動を見つけるために使うという位置づけが適切です。2 ロールプレイ全体の流れ① 導入:教育指導関係をつくる最初は、事例相談者Bを評価したり責めたりする雰囲気にしないことが大切です。たとえば、次のように始めます。「今日は、Bさんが担当された事例を一緒に振り返りながら、相談者Aさんへの理解と、今後の支援の方向性を整理していきたいと思います。うまくいかなかったところを探すだけではなく、Bさんが大切にされたことや、すでにできていたことも確認しながら、次の面談に活かせる具体的な手がかりを見つけていきましょう。」ここで解決志向の姿勢を入れます。つまり、「あなたの面談はここが悪い」ではなく、「何が起きていたのかを一緒に整理し、次に使える力を見つけていきましょう」という関係をつくるのです。これは、1級面接で求められる関係構築力にもつながります。3 事例内容を聴く段階事例相談者Bに事例の説明を求めたあと、すぐに助言に入らないことが重要です。ここでは、まずBが相談者Aをどう理解しているかを確認します。質問例としては、「Bさんは、相談者Aさんが一番困っていたことを、どのように捉えていましたか。」「Aさんの言葉や表情から、どのような気持ちが伝わってきましたか。」「そのとき、BさんはAさんをどのような人として理解していましたか。」この段階では、解決志向だけに寄せすぎず、まずは相談者Aの問題、感情、背景、価値観、意思決定上の葛藤を把握します。1級では、ここを外すと問題把握力が弱くなります。4 解決志向を使うポイント① 望ましい未来を問う事例相談者Bに、理想の面談像を考えてもらいます。「この事例で、次回BさんがAさんによりよく関われたとしたら、面談の中で何が違っていると思いますか。」「Aさんが『話してよかった』と思える面談になったとしたら、Bさんはどのような関わりをしているでしょうか。」これは、ミラクル・クエスチョンを事例指導用に置き換えたものです。ただし、試験では大げさに「奇跡が起きたら」と聞くよりも、自然な言葉で、「次回、よりよい面談ができたとしたら」と聞く方がロールプレイになじみます。② 例外を探す次に、Bの面談の中で少しでもうまくいっていた場面を探します。「Aさんが少し話しやすそうになった場面はありましたか。」「Bさんの関わりで、Aさんの表情や語りが少し変わったところはありましたか。」「そのとき、Bさんはどのような聴き方や応答をしていましたか。」ここでの狙いは、Bをほめることだけではありません。Bがすでにできていた関わりを明確にし、それを次回も意図的に使えるようにすることです。③ スケーリングを使うスケーリングは、1級面接でも使いやすい技法です。たとえば、「相談者Aさんの問題を十分に理解できていた状態を10点、まだ整理できていない状態を1点とすると、今回の面談は何点くらいだと思いますか。」「その点数にした理由は何でしょうか。」「では、1点上げるために、次回どのような関わりができそうですか。」この聞き方をすると、B自身が自分の課題を言語化しやすくなります。ここで大事なのは、点数を聞くだけで終わらせないことです。必ず、その理由、すでにできていること、次に増やすことにつなげます。④ コーピング・クエスチョンを使う事例相談者Bが落ち込んでいたり、自信を失っていたりする場合には、コーピング・クエスチョンが有効です。「難しい事例だったと思いますが、その中でもBさんが何とか面談を続けられたのは、何を大切にしていたからでしょうか。」「Aさんの話を受け止めようとしていたBさんの姿勢は、どの場面に表れていたと思いますか。」これにより、Bの自己効力感を支えながら、指導関係を安定させることができます。5 1級試験での中心は「問題の共有」解決志向を使っても、最終的には事例相談者Bの問題を共有しなければなりません。たとえば、次のように整理します。「ここまで一緒に振り返ってみると、BさんはAさんの不安を受け止めようとされていました。一方で、Aさんが何に迷い、何を大切にしていて、どのような意思決定の葛藤を抱えていたのかを整理する前に、対応策や情報提供に進んでいたところがあったように感じます。」「つまり、今回のBさんの課題は、Aさんの訴えを表面的な困りごととして受け取るだけでなく、その背景にある感情や価値観、意思決定上の迷いを丁寧に確認し、Aさん自身が自分の問題を整理できるように関わることではないでしょうか。」このように、Bの強みを認める → 面談上の問題を明確にする → 次の行動につなげるという順番で進めます。これが、解決志向を1級面接に適用するうえでの要になります。6 具体的展開の例問題を共有したら、最後は次回面談での具体的行動に落とし込みます。「次回、Aさんに関わるとしたら、まずどのような問いかけから始められそうですか。」「Aさんの気持ちを確認するために、どの場面に戻って聴いてみるとよさそうでしょうか。」「Aさんが本当はどうしたいのかを整理するために、どのような質問が使えそうですか。」「Bさんとしては、次回の面談でまず一つ、何を意識してみたいですか。」ここでは、事例相談者Bに考えさせるだけでなく、必要に応じて事例指導者として助言もします。たとえば、「一つの方法として、Aさんが不安を語った場面で、『その不安が一番強くなるのは、どのようなことを考えたときですか』と確認すると、Aさんの問題の背景が見えやすくなるかもしれません。」「また、Aさんが少し前向きに話した場面があれば、『そのときは何が支えになっていたのでしょうか』と聴くことで、Aさん自身の資源を確認できると思います。」このように、解決志向の質問を、相談者Aに対する次回面談の具体的な関わりとして提示します。7 ロールプレイの進め方の型実際の30分ロールプレイでは、次のような流れが使いやすいです。時間配分 ・進め方・目的の順番は、1〜3分:自己紹介、進め方の説明:安心感と教育指導関係を つくる3〜8分 :事例相談者Bから事例の説明を聴く、Aの問題、Bの理解を把握する8〜15分 :Aの問題とBの関わりを整理する、問題把握力を示す15〜20分 :Bができていたこと、例外、資源を確認する 解決志向的に強みを明確化する20〜25分 :Bの課題を共有する 事例相談者の問題を明確化する25〜30分 次回面談の具体策を一緒に作る 具体的展開力につなげる8 実際の応答例たとえば、事例相談者Bが、「Aさんが迷っているようだったので、転職情報を提供したのですが、あまり反応がよくありませんでした。」と言った場合、解決志向を使った事例指導では、次のように進められます。「Bさんは、Aさんのために何か役立つ情報を届けたいと思われたのですね。その姿勢は大切だと思います。一方で、Aさんの反応があまりよくなかったということは、Aさんの中では、まだ情報を受け取る前に整理したい気持ちや迷いがあったのかもしれません。」「その場面で、Aさんはどのような表情や言葉を返していましたか。」「もし次回、Aさんが少し安心して自分の迷いを話せる面談になったとしたら、Bさんは最初にどのような問いかけをしてみたいですか。」「今回の面談の中で、Aさんが少しでも話しやすそうにしていた場面はありましたか。そのときBさんはどのように関わっていましたか。」「では、その関わりを次回も意識して使うとしたら、どの場面で使えそうでしょうか。」この流れであれば、Bを否定せず、しかし問題を曖昧にせず、次の具体行動まで導けます。9 注意点解決志向を1級面接で使うときに避けたいのは、次のような進め方です。「できていることは何ですか」ばかりを聞き、Aの問題やBの問題を整理しない。「次にどうしたいですか」と聞くだけで、事例指導者としての見立てや助言がない。Bを励ますだけで、対応のどこに問題があったのかを共有しない。ミラクル・クエスチョンやスケーリングを技法として見せることが目的になってしまう。1級面接では、技法を使ったこと自体が評価されるのではありません。大切なのは、その技法によって、事例相談者Bが自分の面談上の課題に気づき、相談者Aへの次の支援を具体化できたかです。まとめ解決志向ブリーフセラピーを用いた1級面接ロールプレイは、次のように考えるとよいです。事例相談者Bを責めず、Bがすでに持っている力を確認しながら、相談者Aへの理解不足や対応上の課題に気づかせ、次回面談で実行できる小さな行動へつなげる事例指導である。したがって、ロールプレイでは、受容する、整理する、強みを見つける、問題を共有する、次の一歩を具体化するこの流れが重要です。解決志向は、1級面接において、事例相談者Bの自己効力感を守りながら、育成的に課題へ向き合わせるための有効な方法になります。

十年前の不眠症の叫び

JAL春ターム試験終了☆
Wren 先輩へ
Wren先輩本日はご多忙の中、貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。研究室やゼミの時間だけでなく、お昼や講義後にまでいただいたお話はとても刺激になりました。英語だけでなく、社会人として持つべき視点や考え方に関するお話は学ぶことが多く、大変有意義な時間であったと同時に、まさに「血肉になる」を体現されている Wren さんであるからこそ、強く胸打たれたのだと感じました。頂いたメモを何度も見返し、ゼミでの発表や社会人になってからも Wren さんにいただいたアドバイスを糧に、日々精進していきたいと考えております。改めまして、この度はお足元の悪い中、お越しいただき心より感謝申し上げます。(Kiki)