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  1. メールを送ったのか映画からは、どちらとも決め切れない。どちらの可能性もあるように、巧妙に描かれています。ターがフランチェスカに対してとっている行動…副指揮者に取り立てることをちらつかせて愛人にしているという行為を思うと、クリスタを愛人にしようとしたとしても不自然ではないと思えます。一方で、劇中の描写からはクリスタに関しては、ターの側よりクリスタの側から、ターに執着しているように見える描写になっています。「事実」はわからないのだけど、おそらくはそのどちらの要素もある、入り混じったものなのだろうと思います。クリスタの奇行やストーカー行為は、たぶんあったのでしょう。ターやフランチェスカがシピボ・コニボ族から受けている影響を見ると、それは多分にスピリチュアルな体験で、クリスタが精神のバランスを崩すこともあり得ることに思えます。一方で、ターがクリスタに何らかの関係を求めたり、それが決裂したような経緯も、やはりあったのでしょう。ターはクリスタに対して罪悪感や後ろめたさを感じ、実際にメールを消して証拠隠滅しようとしている。そこからも、ターがメールを送った行為がただ正義感からだけではなく、クリスタを「罰する」意図があったのではないかと、推察されます。そしてどちらにせよ、細かな機微などは表立って見えてはこない。人はイメージで判断するし、そうなると「日頃の行い」が大きく物を言ってしまうのですね。メトロノームその夜、ターはメトロノームの音で目を覚まします。書斎の棚の中でメトロノームが動いており、その蓋にはシピポ・コニボ族の迷路模様が描かれています。この現象は謎です。迷路模様はクリスタを連想させますが、まさかクリスタがベルリンの家に忍び込んでメトロノームを動かす…なんてことは不可能です。だとすれば、ターの幻覚か夢か…と思うけれど、翌日にターがペトラに「書斎に入った?」と聞いているので、まったくの夢でもないようです。クリスタの幽霊がやった、と言ってしまえばそれまでなのですが。あくまでも現実的に捉えるなら、犯人の候補となるのはフランチェスカしかいないですね。迷路模様を知ってるのもクリスタ以外では彼女だけ。フランチェスカなら合鍵を持っててもおかしくないだろう…けれど、さすがに夜中に忍び込んでメトロノーム動かすのは非現実的かな。フランチェスカはペトラにやらせたんじゃないでしょうか。あれだけ何でも雑用させられていたのだから、ペトラの子守りをすることもあっただろうし、なら迷路模様を教えたり、いたずらを唆したりすることもあり得そうです。後に、ペトラの部屋に粘土で作った迷路模様があるのも出てきます。冒頭の飛行機などでフランチェスカがチャットしていた相手がクリスタなのであれば、フランチェスカはターには隠して、クリスタとずっと連絡を取り続けていたことになります。フランチェスカはかなり早い時期から、ターを破滅させることを考えていたのかもしれません。メトロノームの意味を考えると、講演会で司会者が指揮者をネガティブに捉える表現として「メトロノーム」と言っていたのを連想します。ターはそれを否定して、指揮者は時間をコントロールできると言っていました。いやお前なんてメトロノームだ!というのが、このメッセージの意味かもしれません。セバスチャンターは副指揮者からの解雇を告げるために、セバスチャンの部屋を訪れます。セバスチャンの部屋は、様々なオーケストラやクラシックにまつわる記念品に満ちています。ターは彼を「フェティッシュ」「コレクター」と評していました。アンドリスとセバスチャンは、ベルリン・フィルの歴史を体現する存在です。ナチスからの解放からベルリンの壁崩壊を経ての歴史の中で演奏してきたことを、セバスチャンは誇りに思っています。それに対して、初の女性首席指揮者であり、同性愛者であり、コンサートマスターにも女性を起用したターは、新時代を象徴する存在です。セバスチャンは過去に生きていて、未来へ向かうターからは取るに足らない存在に見えます。しかしセバスチャンと対比すると、ターには歴史の重みが欠けているという見方もできます。それが潜在的なコンプレックスとなって、ターはセバスチャンやアンドリスを嫌うのかもしれません。解雇を告げられたセバスチャンは、「彼女のせいだろ?」と言い出します。「若い女が来て、私は長くないと確信していた」若い女というのは、フランチェスカのことですね。ターのお気に入りの指揮者であるフランチェスカを、ターは副指揮者にすえようとしている…というのが、団員の間で流れている噂でした。ターには既に、パートナーであるシャロンをコンサートマスターに取り立てるという「前科」があるのだから。激昂したターはセバスチャンのアンドリスへの執着を指摘するのですが、これは八つ当たりですね。セバスチャンが口にした問題は、ターのアキレス腱と言えるポイントであり、急に慌て出したターはフランチェスカを副指揮者に選ばない方向に傾いていきます。それまでは、ターはフランチェスカを選ぶつもりでいたはずです。ターを中心に、副指揮者にフランチェスカ、コンサートマスターにシャロン、花のあるソリストにオルガ。お気に入りを散りばめて、まるでハーレム。まさに楽団の私物化が進んでいると言えます。フランチェスカのメール巧みな嘘と演技を使って、ターはフランチェスカのパソコンを借りることに成功し、クリスタからのメールを盗み見ます。「すべてのオケに断られた!」「もう限界。私には明日がない」動揺したターは、ボクシングにストレスをぶつけます。ターはフランチェスカにセバスチャンの退団を伝え、副指揮者候補のリストを作るよう指示します。「リストには自分も入れていい」と言いますが、この時点でターにはフランチェスカを選ぶ気はなかったはずです。これは、オルガを選ぶためにオーディションを受け入れさせるのと同じやり口ですね。ここまで、ターはある種の信念を持って行動してきました。たとえ周囲から意図を邪推されても、自分がふさわしいと思った人を起用する、という信念です。シャロンにしてもフランチェスカにしても、またオルガにしても、「好みの女性」であることは否めないにしても、ただそれだけで選んだわけじゃない。非常に高いレベルで音楽的に優れているという事実があって、選んでいるのだ…という自負があったはずだと思います。(シャロンやオルガが、ター以外の人に実力を見せて唸らせるシーンも描かれています)その信念が、クリスタの死と告発によって、揺らいでしまっている。やはり邪推されるのはヤバイ…と急に不安になってしまって、フランチェスカを切り捨てる方向に舵を切ってしまう。でもこれでは、「ただ好みだけで人を選んでいた」と認めることになっちゃう。ターは墓穴を掘ってしまっています。オルガ・メトキーナ伝統あるレストランで、ターはロシア人の新人チェロ奏者オルガ・メトキーナと会食します。オルガは女性解放運動家クララ・ツェトキンの名を口にしますが、ターはその名を知りません。彼女が提唱した国際女性デーについても、ターは無知でした。講演会では女性指揮者の歴史について語っていたターですが、女性解放運動についてはまったく無知です。ターが興味を持つのは、やはり音楽だけなのでしょう。オルガはチェロ奏者ジャクリーヌ・デュ・プレを憧れの人にあげますが、オーケストラの指揮者は知りません。レコードでなくYouTubeでのみ演奏を聴く、現代っ子です。ターはセバスチャンを旧時代の遺物と馬鹿にしていましたが、オルガを前にするとターが同じ立場になってしまいます。オルガが13歳の時に演奏したエルガーのチェロ協奏曲の動画を見たターは、その若々しくエネルギッシュな演奏に感心します。ターはオルガをお気に入りにしてえこひいきするのですが、しかしそれは音楽家としての実力を度外視したものではありません。音楽家として優れているという評価があっての…えこひいきなのですね。オルガも、シャロンも、フランチェスカも。だからと言ってそれが許されるのか…は難しい問題ですが。不快な隣人とノイズ動画はノックに邪魔されます。階下の部屋に住むエレノアです。彼女は介護を要する老いた母親と二人で暮らしています。「母の新聞がない」と訴えるエレノアに、ターは冷たくドアを閉じます。深夜、ターはノイズを聞いて目を覚まします。キッチンで冷蔵庫を開けると、ノイズは止まります。このシーンは何度か繰り返されますが、いずれの場合も、ターと一緒に寝ているシャロンは何も気づかず眠っています。やはり、音はターの内面的なものなのかもしれません。エルガーとオーディションターはマーラーの5番と組み合わせるもう1曲に、エルガーのチェロ協奏曲を選びます。コロナ禍を経て楽団員からソリストを選びたいというターですが、首席チェロ奏者のガーシャを差し置いて、オーディションで決めると言い出します。これはもうはっきりと、オルガを選ぶための陰謀ですね。オルガにとってこの曲は、13歳から演奏している得意曲なのだから。シャロンは、ターがオルガに気があることに気づいているようです。そしてもちろんオルガも、ターが自分に気があることに気づいているでしょう。オルガはそれを、できる限り利用するつもりでいるはずです。クリスタの発見と告発この後、ターはクリスタが自殺したことを聞かされます。そしてまた、ターがそれに関して告発されたことも。ターは弁護士を用意することを薦められます。死亡記事から、クリスタがマンハッタンの自室で11月4日に死んだことがわかります。クリスタは25歳でした。この年齢を見てちょっとびっくりしたのだけど、ターとフランチェスカとクリスタがウカヤリ渓谷に行ったのはそんなに昔の話じゃないんですね。数年前、どんなに前でも5年前くらいの話。ターはアンドリスと話し、「意図が誤解されて問題が起きたことは?」と尋ねます。この聞き方が、ターの現在の心境を物語っていますね。決して過ちを犯したわけじゃなく、「意図が誤解されたのだ」という。フランチェスカへの裏切り顔が見えない状態でのオーディションが行われ、満場一致でオルガがソロに選出されます。ターはオルガの「エルガーのチェロ協奏曲」を聴いたことがあるし、それはオルガの得意な曲だし…で、これはオルガに有利なオーディションですね。とはいえ、他のメンバーも全員一致なので。オルガが高い実力を持っていることも事実なのです。その後、ターはフランチェスカに副指揮者は別の「もっと経験のある人」に決めたと伝えます。もっともらしい言葉ですが、これはフランチェスカにとっては決定的な裏切りです。彼女がターの雑用係に甘んじていたのは、指揮者としての彼女のキャリアを約束するという暗黙の「取り引き」があったこそだろうから。それはもちろん大っぴらな契約ではないけれど、ターとフランチェスカの間では「暗黙の了解」だったはずです。というか、これこそがターが他人を支配する「やり口」でした。あるいは、ターにはそこまでの計算はなかったかもしれない。しかしターに現実に権力があり、もう一方がその権力で自分のキャリアを切り開くことができると信じている以上、そういう関係が生じてしまうのは避けられない。ターはクリスタの件で動揺して、目先の批判をかわすために、フランチェスカとの間の暗黙の了解を一方的に反故にしてしまいました。フランチェスカは、自分もクリスタと同じか、と思ったことでしょう。この裏切りこそが、ターの転落への決定的なきっかけとなったのだと思います。オルガとターターのピアノ部屋で、オルガと一対一の練習。ターはついつい、浮ついて嬉しそうな様子になってしまう。こういうところ、素直な人でもあるんですね。しかしオルガは、ターの作曲に「アドバイス」したり、コーヒーいれさせたり、家まで送らせたり、何かにつけて態度がデカイ。恋愛感情は抜きにしても、ここまで高名な人物を相手にしたら、もうちょっと緊張したりかしこまったりしそうなもんですが。オルガは「高名な人物だからと言って特別視しない、権威にへつらわない」という「思想」を持っているんですね。マックスが「バッハを聴かない」という「思想」を持っているように。しかしそれは反面、客観的に見ればただ単に「失礼」だし、楽団のメンバーとしての調和を乱す態度でもあります。ターは年長者としてとがめるべきじゃないかと思えますが、しかし恋してしまってるのでね。何も言えなくなってるんですね。アンジェラとペトラシャロンの母アンジェラが家を訪れます。ターがペトラを探しに行くと、ペトラはぬいぐるみを床に並べ、カーテンに隠れています。ペトラのテーブルには、粘土で作ったハピポ族の迷路模様があります。これも、メトロノームと同じくこの映画において説明がつかない謎です。ホラー映画なら、クリスタの幽霊がペトラに取り憑いたと言いたくなるところです。それ以外の解釈としては、先に書いたようにフランチェスカがバックにいて、ペトラに模様を教えたというもの。もう一つは、ターにそう見えたというだけで、実は何でもない…という可能性です。本作では、公園の悲鳴や寝室の幽霊など、ターだけに見えているはずの光景が映画の中にさりげなく登場しています。粘土もその一つかもしれません。フランチェスカの失踪ターは弁護士からクリスタの告発に関して証言しなければならないことを聞かされ、更に動揺します。フランチェスカが出勤せず、彼女が夜中のメールで辞表を提出したことを知らされます。ターはフランチェスカのアパートを訪ねますが、そこは既に空でした。残されていたのは、迷路模様が落書きされた書類。そして、「TAR ON TAR」を「RAT ON RAT(ねずみ)」と書き換えたアナグラム。フランチェスカもウカヤリに行ったのだから、迷路模様は知ってて当たり前なのですが、あちこちに落書きする偏執的な態度は、クリスタと共通するものになっています。この描写の意味は、2通りに​考えられます。1つは、フランチェスカがクリスタと同じようになってしまった、というもの。もう1つは、これまでにあった迷路模様を使った挑発は、フランチェスカによるものだった…というものですね。ターを「まだ愛している」けれど、ターはシャロンと家庭を築き、その愛はもはや叶えられそうにない。クリスタがターによって破滅させられるのを、目の前で見ることになった。そんな中で毎日ブラック企業並みにこきつかわれるフランチェスカが、やがて病んでいき、破滅するならターもろとも…と思いつめたとしても、不思議はありません。アナグラムはターと共通する行動で、シピボ・コニボ族に由来する占いのようなものでしょう。「TAR」は「RAT」ですが、もう一つのアナグラムは「ART」ですね。人間の感情よりも音楽を優先する、ターはアート(芸術)を体現する存在でもあります。燃えるベッドターの夢。ジャングルの中、泉の上に置かれたピアノ部屋のソファベッド。水中を泳いで近づくアナコンダ。ベッドで眠るターの胸が、燃え上がる。これは…シピボ・コニボ族の伝承や儀式に基づくビジョンでしょうか。あるいはもっとシンプルに、「炎上」を恐れるターの心理の現れなのかも。聖なる蛇はシピボ・コニボ族の中ではローニンと呼ばれます。迷路模様はローニンの鱗を象ったものであり、薬草を通したビジョンとしてもたらされます。激しいノックでターは起こされ、エレノアに部屋へと連れて行かれます。全裸で排泄物にまみれたエレノアの母が転んでしまっていて、ターは抱き起こす手伝いをさせられます。用事が終わると、エレノアは「しっしっ」自室に戻ったターは裸になって、穢れを払うように手足を洗います。エレノアの母は実際に汚物にまみれていたので、ターが不潔に感じて慌てて体を洗おうとするのは、ごく当たり前の反応だろうと思います。誰でもそうする。でも、こうして映像として見せられると、ターの不寛容さ、高慢さ、差別心などが強調されてしまいます。こういう映像を見ると、人は人を断罪してしまうのです。自分のことは棚に上げて。黒い犬続いてやってきたのはオルガ。一転して、くつろいだ時間が流れます。オルガを送ったターは、彼女の忘れ物のぬいぐるみを届けようとして、オルガの住居である荒れた落書きだらけの建物に入っていきます。そこでは、どこからかオルガの歌声が聴こえます。ターの作曲した曲を歌っている声です。声をたよりに地下へ降りると、そこは床に水が溜まった廃墟のような場所。唸り声に振り向くと、廊下の先には黒い犬がいます。ターは逃げ出し、階段を駆け上がって転び、激しく顔を打って怪我をします。この犬のシーンは不気味なホラー調のムードですが、特に超自然的なことが起こっているわけではありません。興味深いのは、転んで顔を打っただけなのに、なぜかターが「男に襲われた」と嘘をついたことですね。男に襲われたことを隠して、軽く言うのであればまだわかるけど。なぜわざわざ複雑さを増すような嘘をついたのか。ターはこの機に乗じて、自分が「女性であること」を強調したいのではないでしょうか。クリスタに関する告発を受け、いかにも男性的なセクハラ、パワハラを疑われているター。だから、怪我をしたことを利用して、自分は男性でなく女性であり、加害者ではなく被害者の側なんだとアピールしているのだと思います。「転んでもただでは起きない」とはこのことですね。ターすごい。幽霊について怪我をした夜、ペトラが泣いてターを呼び、「足を持って欲しい」と頼みます。これは以前も度々あったことで、ペトラのような小さな子供の場合、ありがちなことだろうと思えます。でも、ターには意味ありげに思えるでしょうね。クリスタの亡霊が近くにいるかのように、思えるだろうと思います。映画の中のいくつかの場面で、映り込んでいると言われるクリスタの亡霊は、そのようなターの「影に怯える心理状態」を映像的にも表したものなのだと思います。なので、心霊現象をそこまで真に受ける必要はないんじゃないかな。ネタバレ解説3に続きます!『「TAR ター」 ネタバレ解説1 底なしに深い映画を時系列に沿って解読・考察!』TÁR(2022 アメリカ)監督/脚本 :トッド・フィールド製作:トッド・フィールド、スコット・ランバート、アレクサンドラ・ミルチャン撮影:フロリアン・…ameblo.jp『「TAR ター」 ネタバレ解説3 人生で迷子になるということ、ラストシーンの意味』この記事は「TAR ター ネタバレ解説1」ならびに「TAR ター ネタバレ解説2」の続きです。この記事は「TAR ター」について、時系列にそって、自分なりの解…ameblo.jpTAR/ター (SHM-CD)Amazon(アマゾン)2,750〜6,075円TwitterはこちらDiscover us「みたい」がみつかる Discover us(ディスカバー アス)。映画好き映画好きによる映画マガジンサイトです。community.discas.netDiscover usという映画マガジンでも映画の記事を書いています。よろしかったらこちらもどうぞ。

    「TAR ター」 ネタバレ解説2  クリスタと何があったのか? メトロノームと犬の謎
  2. Full Movi感想今年の最新作を観たが、思えばこのシリーズは1作もレビューしてなかったので、遅まきながら・・・・カーショップ店員で、ただのクルマオタクのブライアンが、実は潜入捜査官だという設定。そんな業務の中でカリスマレーサー「ドム」の妹ミアに恋をする。業務遂行する中でも悩むブライアン。映画で言うNOSは別名「ニトロ」ニトロとは言ってもニトログリセリンではなく Nitrous Oxide System亜酸化窒素供給によりエンジン冷却と酸素供給を行うもの。シリーズ通じてこのNOSがたびたび活躍するのも、クルマ好きにとっては楽しみ。レティ役のミシェル・ロドリゲスは「バイオハザード」や「アバター」で引っ張りダコだが、この作品がメジャー初登場。あまり細かい事を考えずにアクションを楽しむべきだろう。ブライアンがヴィンズを助け出す場面はほんと、ハラドキ。ただ、この映画の公開当時はここまで長大なシリーズになるとは思っていなかったのだろう。オマケ後半で活躍するスープラのメイキング映像(楽しい♪)あらすじロサンゼルスの港で、高級家電を積んだトラックが数台の黒塗りホンダ・シビックに襲撃される事件が起きる。カーショップ「レーサーズ・エッジ」で働くブライアン・スピルナー。行きつけのカフェでいつものツナサンドを注文(目当ては店員のミア・トレット)彼女の兄ドミニク・トレット(通称ドム)はロスでも有名なストリート・レーサー。そのドムと、恋人のレティもそこに居た。ドムの仲間ヴィンズと揉めたブライアンは店を追い出される。その後店のオーナー ハリーに頼み自車 三菱・エクリプスにNOSを搭載したブライアン。その夜行われたストリート・レースでドムに挑戦するブライアン。NOSのバルブを開ける。NOSを使って一時は先行するが、一枚上手のドムに敗北。だがそこへ警察が乱入し、検挙を始めた。警察にマークされているドムを乗せて脱出するブライアンだが、ジョニー・トラン率いる中国系ギャンクの縄張りに入り込む。彼らと従来から敵対していたドムだがこの場を納めるため、来月砂漠で開催される「レース・ウォー」で決着をつける事に。ブライアンの車はジョニーらに破壊される。その後ドムの自宅へ招かれ、ミアと楽しく過ごすブライアン。ある建物に入るブライアン。そこは警察の秘密アジト。彼の正体はロス市警の潜入捜査官 ブライアン・オコナーだった。上司のタナー巡査部長から、ドムをマークせよと指示される。廃車寸前のスープラをドムのガレージに持ち込んで、レース参戦のための修理を頼むブライアン。メカ担当のジェシーらと親密になり、ドムからの信頼も得て行った。ジョニーらの出場車両を下見する名目でガレージに潜入したブライアンはそこで、盗まれたものと同等の高級家電品を発見。その後ドムのガレージで父の形見だというダッジ・チャージャーを見せられるブライアン。レース中の事故死だったがが、原因となった相手を殴ってライセンスを剥奪されたドム。ロス市警はブライアンの情報を受け、ビルキンス捜査官の勇み足でジョニー一味の検挙を行ったが、製品は皆正規の購入品であり即釈放された。36時間以内に真犯人を見つけよと厳命されるブライアン。修理したスープラで「レース・ウォー」に参戦するブライアン。ジェシーがジョニーとレースをしたが負け、賭けた車ごと逃げ出す。その流れでジョニーとドムの乱闘が始まり、全体に拡大。夜、トラック襲撃に出発するドム、レティ、ヴィンズたち。まさに彼らが強盗団だった。遅れて駆け付けたブライアンは、ミアに自分が潜入捜査官だと明かし、彼らを助けたいと言って行き先を訊き出した。シビックでトラックに襲撃をかけるドムたち。だが運転手はショットガンで応戦。乗り込もうとしたヴィンズは、助手席ドア外でワイヤーに腕を巻かれて出血。レティの車は横転。ドムが助けようとするが失敗。追い付いたブライアンは、ミアに運転を任せて身を乗り出し、ヴィンズを救出。そこにドムとレティが駆け付けるが、ヴィンズは出血多量で危ない。電話でドクターヘリを呼んだブライアンは警察官と名乗った。ミアの車で去って行くドムたち。ロスに戻り、ドムと会って誤解を解こうとするブライアン。そこにジェシーが戻って来るが、ジョニー一味のバイクに襲撃され射殺される。バイクを追い倒すブライアン。その後ジョニー一味との決着をつけたブライアンとドム。信号の前で並んだ時、目を合わせる二人。信号青でレースの開始。互いに譲らず、列車が通過する寸前の踏切もクリヤー。だがトレーラーにぶつかりドムのチャージャーが大破。パトカーのサイレンが響く中、スープラのキーを渡すブライアン。

    ワイルド・スピード  2001年
  3. と言い出す始末…最感想これは本当にしんどかった人と暮らす(生活)って色々ありますそれでも、モヤモヤしようとイライラしようと、妻と母という「役割」を責任感から、皆全うします3食料理を作り、部屋を清潔に保ちその他数多くの家事という仕事を依子が毎日丁寧に、こなしてきた事が画面から見て取れました。頑張ってたしかしそれを最初から標準装備で、当然の事と勘違いし家事を負担してくれている人間が存在する事すら想像できない、旦那や息子のような人の為に家事をするなど虚しいし生き地獄で、しんどい事ですだからこそ、我慢を重ねてきた主人公が静かにキレていく反応が、わかりすぎる最後、棺に入った故旦那が運び出される時葬儀屋がバランスを崩し、遺体が庭に転げ落ちます。絶対あり得ない事ですけどその故旦那氏を見て、思わず吹き出し笑いが止まらなくなった主人公。その気持ちが、私はわかってしまった他の方が、依子を批判するようなレビューを書いていて、読んで思ったのは影で支えてくれている人の優しさの上に、自覚なく立つ、己の傲慢さに気づいていないからこの作品を鑑賞後に、依子を貶せるのだろうなと。つまり自分が誰かに似たような事をしているとは、露程も思っていないから、わからないのだろうなと思いましたしかしされた側は一生忘れないし、こういう怒りは消えませんから、お気をつけ下さいシニア手前、ミドルエイジの既婚女性は共感できて、鬱憤が晴れる作品です

    映画「波紋」報われない、妻と母という役割
  4. 完璧なビジュアル、ヒョンビン30日午後、ソウル中区長忠洞バンヤンツリークラブ&スパソウルクリスタルボールルームで行われたヘルシーライフビューティーブランド「TIRTIRティルティル」のグローバルキックオフイベント「GO! WOULD WIDE TIRTIR! 」に参加してフォトタイムを持っている。今日のイベントはメディアが多く来たみたい画像が沢山上がっています🎵まずは指♥️手を上げてるヒョンビンさん(某皇族のような感じw)カッコいい斜め45°💘イベントフォトの時はごく控えめな笑顔が好きこの" TIRTIR印籠が目に入らぬか‼️"いえ、目を引く赤さです全身のお姿黒、サテン生地部分は紺色に見えるから濃紺❓久しぶりのフォーマル感のあるスーツやっぱり似合いますね鼻血もののカッコ良さYouTubehttps://youtu.be/wP6gFitlL60현빈(Hyunbin), 숨만 쉬어도 조각! 손만 들어도 화보!(티르티르 포토콜) #Newsen'뉴스엔' 채널 구독하세요! 'Newsen' Subscribe! 클릭! ☞ https://bit.ly/2GZhivT[뉴스엔 홍밝음 기자]배우 현빈이 5월 30일 오후 서울 중구 장충동 반얀트리 클럽&스파 서울에서 열린 티르티르(TIRTIR) 포토콜 행사에 참석해 포즈를 취하고 있다...youtu.beTIRTIRのファンデーション買おうと思って韓国ショップに行ってミシャのファンデーション勧められて、そっちにしてしまった😅地元でも買えるから次はTIRTIRにしてみようかな❓(年齢肌にはどうなんだろう)思いがけず堪能できたヒョンビンさんまた、明日から頑張れる😊追記TIRTIR社長のInstagramにも動画が出ました🎵こっちはスクショ😌https://www.instagram.com/tv/Cs3Gk2oqo0X/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==티르티르대표 이유빈 on Instagram: "브랜드 행사#티르티르#현빈"1,453 likes, 21 comments - 티르티르대표 이유빈 (@88bbong) on Instagram: "브랜드 행사#티르티르#현빈"www.instagram.comやっぱりスーツは黒色だったね🎵イベントは招待制だったんだろうなぁヒョンビンさんとツーショットされてるラッキーな方々は皆さんドレスコード👗でした‼️美しいヒョンビンさん記録これでもかーでお腹いっぱい、胸いっぱい😆週末ドライブ🎶🚗💨🎶どこに行くにも移動距離が長い滝ノ上の芝桜最近の週末は夫とランチorカフェ花屋さん巡りなど…ランチに行きたくない私と今まで花や観葉植物にあまり興味示さなかった夫来年に向けての双方歩みより姿勢です😂😂😂

    今日のTIRTIRイベント画像
  5. す 最初に世界各国映画祭や映画賞で話題になったようでして鑑賞しました鑑賞のプロの方が称賛してい印象をフライヤー(ちらし)や劇場のバナーポスター等展示物から受けました個人的にまず思ったのは、余計な情報がない作品、と取るか必要な情報が少ない(わからない)と取るか観る側に委ねる作品です簡単な話の内容…娘(主人公)手前(11歳)が父(30~31歳)と過ごした夏休み旅行の回想旅先のホテルのプールサイドレストラン、海、部屋でリラックスして過ごす、親子の映像が、最後まで続きますアフターサンとのタイトル通り親子で日焼け止めクリームを塗り合うシーンが何回もありますそれで…20年後、当時の父(31歳)の年齢になったソフィ(主人公)がホームビデオ映像をみて記憶ををたぐり回想しているのです「11歳の頃、30才の自分は何してると思ってた?」そんなことを父に聞いたソフィ父にはそれがどう響いたのか意味深なサブリミナル時折、唐突に、何回も父カラムが真っ暗闇のクラブで激しく踊る様子が、光るフラッシュの中映し出されますこれが何を意味するのか、色々考察があるようです、父カルムは良い父親です最初は、年齢が若すぎるからステップファザーかと思いましたが、実の父のようですし、娘に悪戯を働くなどもないただ、ソフィーを一人にしてどこかにいきホテルの部屋の中で裸のまま気絶したように寝ていたり一人夜の海の中に飛び込んだり誕生日(旅行中に31歳になる)ホテルに滞在している客に祝われて、無言で泣いたり様子がおかしいというか心に何か問題を抱えていたようですしかしそれは、観る側が断片的な映像から想像して推測するしかなくただ考えもなく「面白そうかも」と映画から、楽しさだけを与えてもらう事が前提にあり、表面的な見方をする、考える習慣がない人(私の凄く苦手な職場の人みたいな)にはおそらく、この映画の良さは伝わらないだろうなと思いました

    映画「アフターサン」観る側に委ねる
  6. じゃなかったですか原作からしてそうなのか、ドラマ化にあたって大人の事情、もしくは配慮が入ってそうなってるのかは分かりませんが、どうも生ぬるい感じがしてなりませんね。今回も鐘羅を厳しく追い込むというよりは、割と好きにさせて、ちゃんと犯人を捕まえられるアシストをしてあげたって感じでした。なので、白石麻衣ものびのびと萎縮せずに演技できていましたが、何というか演技の軽さが演出の重厚感とチグハグでしたね。そんなモヤモヤを払拭してくれたのは、最近怪演する役が多い犯人麻由佳役の瀧本美織の毒々しい演技でした。今回は瀧本美織に辛うじて救われましたね。あれぐらいツッコんで演じてくれた方が、この大仰な演出には合うんですよね。今、富田靖子や斉藤由貴がやってる怪演枠は将来、この人のものになりそうです。鐘羅は自分もヒモみたいな男に弱みを握られてるからか、麻由佳のことをよく理解できたようですが、男女の機微には通じていても、得意技が致命的な欠点になると言われた通り、ヒモの友人がヤク中で捜査されてるらしく、その捜査情報を聞き教えるという、とんでもない行動に出てしまいます。次回はそれがバレそうですが、風間にはお見通しなんでしょうね。今回の評価は…6

  7. 深みにはまる、すご映画でした!最初は普通にレビューを書こうとしたのだけど、この映画は解釈次第でどういう映画かがまるっきり変わっちゃうので。自分の考えを整理するためにも、ネタバレ解説を書くことにしました。時系列に沿って、自分なりの考えを書いていきます。違ってることも多々あるかと思います。気づいたことがあれば、ぜひコメントで知らせてください。最後までネタバレしていますので、要注意。飛行機の中冒頭、飛行機の座席で眠るターを撮影しながら、チャットしている二人の会話。時系列から考えて、これはベルリンからニューヨークへ向かうターのプライベートジェットの中なのだろうと思われます。ということは、撮影しているのはフランチェスカ。チャットの相手は不明だけれど、ターのことをよく知っていて悪口を言う相手なので、おそらくクリスタでしょうね。ターが眠ってるのをいいことに、悪口を言う二人。これはまあ、上司と部下の関係ではよくある構図でしょう。(後にオルガも同じことをやっています)一方で尊敬もあるにせよ、いろいろと振り回されて疲弊して、文句が溜まっていくのは普通の上下関係でもよくあることです。ただ不穏さを孕むのは、チャットの相手が前は近くにいたが今は離れていること。そして、フランチェスカが表面的にはターへの不満を(それに愛も)一切見せていないこと。クリスタは「まだ愛してるのね」と書いています。そして、フランチェスカは否定しない。フランチェスカは以前はターと恋仲で、今は恋愛関係ではないけれど、内心ではまだ愛している、ということがわかります。短いプロローグシーンですが、これは「ター」という映画の構造を端的に表していると思います。すべての場面には、見えている表面と見えない裏側、2つの面があること。情報がすべて開示されず、想像を交えなければならない場合…「ター」という映画はほとんどすべてのシーンがそうなのですが…見る側は、一般的な構図をそこに当てはめるということ。このプロローグなら、「抑圧的で傲慢な上司と、それによってストレスを受けている部下の構図」ですね。でもそこには見えていない一面があって、クリスタの呟きがそれを象徴している。人は往々にして、足りない情報を想像や既成のイメージで埋めて、分かったつもりになって相手を判断する。場合によっては批判し、非難し、断罪する。本当は、そこまで決めつけるには情報が足りていないはずなのに。いとも容易く人は人を決めつけ、「炎上」「ネットリンチ」「キャンセルカルチャー」といったことにつながっていく。そういう、人間と社会をめぐる現代の風潮。それを、この映画映画の構造そのものを使って、観客に実感させるんですよね。ぼんやりと見ていたら、ターはただ傲慢な権力者に見えるし、その転落も「自業自得」としか思えないものになる。でも注意深く見ていると、本当にそうか?と思えてる…という。観る側の気持ちの置き方によって、ターという人物の見え方が変わり、映画全体の様相がガラッと変わってしまう。そして、自分の見方の中にあった先入観、思い込み、偏見といったものに気づかされていく。そういう、巧妙な仕掛けが施された映画なのです。シピボ・コニボ族の歌真っ黒な画面で通常なら映画の終わりに流れる「エンドクレジット」を流しながら、シピボ・コニボ族の歌が流れます。講演会の経歴紹介でわかりますが、ターはウィーン大学の大学院で先住民音楽を研究し、そのフィールドワークとしてペルー東部のウカヤリ渓谷を訪れ、先住民シピボ・コニボ族の間で5年間を過ごしました。これはそこで録音された歌です。その旅には、フランチェスカとクリスタも同行していました。講演会で、ターはシピボ・コニボ族の歌を「歌い手が歌を創造した精霊と同期した場合のみ、歌を受け取ることができる」と説明しています。それがこの民族の歌への考え方です。この考え方はターに大きな影響を与え、今でも、クラシック音楽を指揮する上でも、実践しています。作曲家をよく知り、曲に込められた意図をよく知ることが、シピボ・コニボ族に学んだターの音楽へのアプローチ方法です。シピボ・コニボ族はペルー東部のアマゾン奥地、ウカヤリ川流域に暮らす実在の先住民族です。彼らの作る布や壺などは、独特の「六角形を組み合わせた迷路のような幾何学模様」が描かれています。これがシピボ・コニボ族を象徴するものです。この模様は、シャーマンが薬草を摂取することで見るビジョン、あるいは聖なる蛇アナコンダの鱗模様に由来するとされています。講演会本作は場所や時制などを説明する字幕などがまったくないので一見分からないのですが、よく見ると分かる…という構成が全体に貫かれています。冒頭の講演会も、司会者が「我らがニューヨークフィル」と言うところから、ここがニューヨークであることがわかります。深呼吸して、水を飲み、手の震えを止めて舞台に上がるター。呼吸法は、たぶんシピボ・​コニボのメソッドですね。自信満々に見えるけれど、やはり緊張と大きな重圧を感じていることがわかります。司会者はアダム・ゴプニク。彼はアメリカの作家/エッセイストで、本人役で出演しています。ターの経歴紹介のバックで、レコードを床に並べて裸足の足で選り分ける様子が映されます。これは、予定されているライブ録音で発売される予定のマーラーのジャケットを検討しているんですね。場所はターのピアノ用の部屋で、一緒にいるのはフランチェスカと思われます。「クラウディオ・アバドのレコード」を裸足の爪先が指し示したところで、もう一方の足が愛撫するように重ねられます。ここから、ターとフランチェスカの間にはまだ微妙にエロチックな関係が存在していることが伺えます。ターの経歴紹介。多くの名門で音楽を学び、アマゾンで民俗音楽の研究をし、指揮者としてプロの経歴をスタートし、数々の楽団で指揮をとり、クラシックだけでなく現代の作曲家も取り上げて話題を呼び、作曲家としても活躍してEGOT(エミーグラミーオスカートニー)を総なめにし、もうすぐ自叙伝「ター・オン・ター」が刊行される……錚々たる経歴。その様子を、観客席後方で見ている赤毛の女がいます。これはクリスタですね。クリスタはニューヨーク在住なので、ここにいるのは自然です。フランチェスカは司会者の経歴紹介を暗唱しています。おそらく、その原稿は彼女が書いたのでしょう。ターはアンドリスの後任として女性で初めてベルリン交響楽団の首席指揮者となり、マーラーの9つの交響曲のうち、8つを既に録音しました。今、最後に残った9つ目、​第5番のライブ録音を控えており、月曜日からリハーサルが始まる、そういう状況です。対談はまずジェンダーについての話になり、ターは過去の女性指揮者が差別を受け、締め出されてきたことについて語ります。聞いているクリスタはどんな気持ちでしょうね。彼女は今まさに、ターによって音楽業界から締め出されているというのに。指揮者はメトロノームのようなものではないかという司会者に、ターは時間が重要であると語ります。ただし、指揮者は時間を支配している。指揮者は時間を止めることができ、指揮者がいなくては時間は動き出さない。時間さえも支配しコントロールするのが指揮者である、という認識は、彼女を「すべてをコントロールしようとする人」にせざるを得ないのかもしれません。ターはまた、師であるレナード・バーンスタインについて語ります。バーンスタインから学んだもっとも大事なことは「カバナ」。ヘブライ語で「注意」を表します。マーラーの意図に注意を払う。そこでターが注目したのは、楽譜の表紙に書かれた妻アルマへの献辞でした。マーラーの5番を理解するためには、マーラーの複雑な結婚生活を理解することが必要だとターは言います。作曲家の意味や意図に注意を払うこと。これとシピボ・コニボ族の考え方が結びついたものが、現在のターの流儀ですね。バーンスタインは自分のアプローチで「過去を変える」ことができると信じていましたが、ターはシピボ族にならって、「過去と現在の融合」を目指しています。講演会から始まる意図この講演会のシーン。舞台の上で椅子に座ったまま、司会者とターのペダンティックな難しいクラシックの話が延々と続く。ちゃんと聞いてないと意味がわからないし、聞いていてもだんだん上滑りしていくような。ここで表面的に伝わるのは…劇中の観衆も映画の観客も、クラシックの専門家でないほとんどの人に伝わるのは…「何やら意識の高い難しい話を得々とするターの印象」ですね。「頭良さそうですごい」でもあるし、それは同時に「なんだか意識高くていけすかない」でもある。「偉そう」とかね。そういう印象。どうせ一般人はクラシックの詳細な理論などにさほどの興味はなく、そのような印象だけが残る。これ、映画をエンドクレジットで始めて、本編が始まっても座って難しい話を喋ってるだけという、あえての構成も狙ってやってますね。あえて、観客がターに​ちょっとフラストレーションを感じる…「嫌いとまでは言わないまでも、なんか偉そうだし、ちょっと感じ悪いなあ…」くらいのバランスに、持っていってる。それによって、「劇中の一般人にとってのターの受容のされ方」と、観客の見方が同期されていきます。自信満々で、あらゆる質問に博識で答え、場を支配していくターからは、「すごさ」と同時に「怖さ」のようなもの、それこそ「こんな人が上司だったらしんどそう…」と思うような、圧力がどうしても伝わってしまいます。でも、実際の会話の内容をよく考えてみると、別にターは真摯に質問に答えてるだけなんですよね。別に誤魔化したり、煙に巻いたり、適当にあしらったりしていない。無意味にマウントをとることもない。一つ一つの質問をよく考えて、真剣に答えている。そしてそのために、大変な緊張と重圧に耐えている。ここから見えてくるのは、ターのむしろ愚直なまでの「真面目さ」ですね。でも結局、彼女は「真面目で好ましく見えるには、偉くなりすぎている」から、そんなふうには受け取ってもらえないのです。ホイットニー講演会の後の交流会で、ファンの女性ホイットニーと楽しげに話すター。それを時間を気にしながら見守るフランチェスカ。この時もフランチェスカは携帯で何か打っており、クリスタとチャットでターの悪口を言ってるのかもしれません。なんてことのないシーンのようですが、ここから伝わるのは、レズビアンであるターが、自分好みの女性を前にすると機嫌が良くなり、リラックスする…ということですね。そのことを、ターをよく知る人はよくわかっている。フランチェスカもわかっている。後で、ターがオルガを前にした時の態度や、それを見守るシャロンにもつながっていく。音楽の話をしながら、さりげなく相手のバッグを褒めたりして、親しみやすさを演出していく。その辺りはもう、無意識でしょうか。このシーンはホイットニーが「メールしてもいいですか?」と聞くところでブチっと終わり、その後に何が起こったか…起こらなかったか…はあえて曖昧にされていますが…。ターは、この後であらためてホイットニーと会ってると思われます。カプランとの会食エリオット・カプランはユダヤ人の実業家で、ターの有力な後援者の一人です。彼は女性指揮者のためのバックアッププログラムを支援しており、ターは(フランチェスカ、それにかつてはクリスタも)そのメンバーです。カプランとターは「問題があったメンバーの一人」について話しています。おそらくこれはクリスタのことでしょう。「具体的にどのような問題か」は話されないのですが、カプランはそれを共有しています。クリスタの父親が銀行家で、クリスタの問題は融資に影響を与えているようです。カプランは自身も指揮者です。しかしその実力は怪しいようで、観にこなかったことを問われたターは娘ペトラの行事を言い訳にします。ターは、明らかにカプランの指揮者としての能力を認めていない。だからこそ、自分の代わりにカプランが…という終盤の展開は許せなかったわけですね。ターはカプランに「近くのテーブルの男が見ている」と言い、「席を外そうか?」と言います。カプランはゲイであるようなんですが、これもちょっと示唆的です。レストランで居合わせただけの見知らぬ相手と交流することを提案するということは、ター自身も普段から、似たようなことをやっているのかもしれません。ホイットニーのことが頭にあったから、ターはカプランにそんな提案をしたのかも。「最終楽章の弦」について、カプランはターのやり方を知りたがるのですが、ターは「人真似に栄光はない」と手厳しい。「人真似をする人」をターは「ロボット」と呼んで軽蔑します。パトロンであっても、音楽に関しては忖度しない。ターの「音楽への真面目さ」が伺えるシーンです。ジュリアードジュリアード音楽院はニューヨークに本部を置く名門音楽学校です。ターは知人に頼まれ、特別ゲストとしての講義を受け持つことになったようです。マックスという学生がアンナ・ソルヴァルドスドッティル(アイスランドの女性現代音楽家)の楽曲を指揮していて、そこからターとマックスの対決になっていきます。この長回しのシーンでは、マックスがターに徹底的に論破され、追い込まれていきます。マックスは自分は「BIPOC(黒人および先住民および有色人種)」であり「パンジェンダー(男性でも女性でもなく、第3の性)」だから​、生涯に多くの妻と20人もの子供を作った家父長制の権化のような白人男性であるバッハは受け入れられない、だから聴くつもりもない、と言います。それに対して、ターは音楽家を出自や属性によって評価すべきでないと言います。音楽家を音楽以外のことで評価するなら、自分自身もやがて性別や性癖などの、音楽以外の要素で評価されてしまうことになる。だから、自分がどんな人物かに関わりなく、バッハも学ばなければならないと。ここは、表面的には、非常に一方的で抑圧的なハラスメントに見えてしまいます。圧倒的に実力と権力を持った年長者が、まだ何もわかっていない子供のような若者を理詰めで追い込み、説得し、友達の前で恥をかかせ、論破してやり込めていくのだから。更には、民族や性自認に関わる属性を否定したり、今日的な目では「政治的に正しくない人物」を受け入れることを強要しているようにも見えてしまう。でも、ここは「学びの場」であるわけで。教師と生徒に上下関係があるのは当たり前だし、学生が一方的に教えを受ける立場であるのも本来当たり前のことですね。それに、もしターが不真面目なら、ハイハイって言って適当に流していただろうと思うんですよ。音楽を学びに来た学生が音楽を学ぶことより自分らしさを優先するのであれば、勝手にそうさせとけばいい。その結果、その学生が大事なことを何も学べなくても、指揮者になれなくても、そんなことは自己責任なのだから。実際、ターは高名な指揮者であって、本領は全然別のところにあるわけで。この講義にそんなに真剣にならなくても、別にどうでもいい…という立場であるはずです。それでも、放っておけない。あそこまで真剣になって、マックスの考えを変えさせようとするのは、彼の将来の利益を考えての優しさだし、学びの門戸が閉ざされないようにせねばならないという生真面目さ…ですよね。しかし結局マックスはターを受けいれず、ビッチと呼んで立ち去る。ターはマックスを、「魂がSNSに形作られたロボット」と呼びます。このシーン、僕は結構初見からターに全面的に感情移入して、「絶対ターが正しい。こんなアホ学生はさっさと追い出すべきだ」と思いながら観ていたのだけど。でも、観る人によっては、違う感想を持つかもしれないなあ…と思います。若い人とか、実際に今学生である人とかは、どんなふうに感じるだろう。同じように教師に「抑圧された」経験を持つ人は、トラウマのように感じるかもしれない。ここ、ターとマックスは違う側面を見ていて、その見方はまるっきりすれ違ってるんですよね。ターは、音楽を見ている。音楽を学ぶにあたっての心構えの話をしていて、優れた音楽家になるにはそれは不可欠なことだと経験的に信じているから、それを若者にも伝えなければならないと思っている。そういう、使命感で行動している。マックスは、自分の気持ちを見ている。音楽を学ぶどうこうはさておき、今、ここで自分の気持ちがどうであるかの話をしていて、受け入れ難いものは受け入れられない、と言っている。ここが音楽を学ぶ場であり、彼らが教師と生徒であるという側面からは、ターが正しい。でも、それ以前の一人の人間としては、心が感じたことに忠実であろうとするマックスにも、正しさはあると言える。だからこれはもう、どこまでもすれ違いにしかならないわけです。ニューヨークの夜その夜、カーライル・ホテル。フランチェスカはターと一緒に夜を過ごしたいように見えますが、ターはさっさと一人でピアノに向かい「夕食もここで済ませる」と言います。ターはいかにもフランチェスカを追い払って一人になりたいように見えます。これ、後にターとオルガで立場を変えて繰り返されることになります。フランチェスカはターに、フロントに預けられていた誰かのプレゼントを渡します。バスルームで、ターはテレビのアナウンサーの声を復唱しています。彼女はニューヨークの下町出身なので本来は訛りがあり、きれいな言葉を話すのは訓練のたまものなのです。(後に、リディアという名前も本名ではないことが明かされます。)この時、ターは先ほどのプレゼントからの「不吉な気配」を感じています。ここで既に、ターはプレゼントとクリスタをつなげて考えていたのかもしれません。後での繰り返しの時、オルガはターには寝ると言って、おめかしして出かけていきました。この夜のターも、同じだったのだと思われます。後で、シャロンが「電話したけど出なかった」と言っています。フランチェスカは気づいているし、シャロンも薄々気づいているんでしょうね。ターは出張のたびに、こういうことを繰り返しているんでしょう。この夜、ターは外出してホイットニーと会ったのではないかと思われます。家に帰ったターは、ホイットニーが持っていた赤いバッグを持っていました。シャロンには「カプランからのプレゼント」と言ってたけど、そんなシーンはなかった。ターがそのバッグをお気に入りだったと知ってるのは、フランチェスカを除けばホイットニーだけ。自分で買ったのであれば、シャロンに「カプランから」と嘘をつく必要もない。赤いバッグはホイットニーが講演会から夜までの間に買ったバースデープレゼントでしょうね。二人はこの夜、どこかで会っているのです。「挑戦」翌朝、移動中の車の中で、ターとフランチェスカは昨日の講演について話します。マーラーと妻アルマについて、フランチェスカはマーラーがアルマに作曲の仕事をやめさせ、主婦にしたことを思い出させます。これは、ターとフランチェスカの関係と同じですね。フランチェスカも指揮者だけど指揮者の仕事は許されず、ターの​雑用ばかりやらされています。フランチェスカは、クリスタからまたメールが来たことを知らせます。ターは「返事はしないで」と命じます。「今回は特に必死」と言われても、「Hope dies last」とそっけない。ここ、フランチェスカがメールでやり取りしていたのがクリスタなら、フランチェスカは自分がクリスタと今もやり取りを続けていることをターには隠していることになります。飛行機のトイレの中で、ターは薬を飲みます。それはシャロンの持病の心臓の薬を、自分用の抗不安剤としてちょろまかして来たものです。昨夜受け取ったプレゼントを開けるター。それはヴィタ・サックヴィル=ウェストの「挑戦(Challenge)」という本です。ヴィタ・サックヴィル=ウェストは1892年生まれのイギリスの詩人・作家です。ヴィタは両性愛者であり、ハロルドという夫がいる身でありながら、ヴァイオレット・ケッペル=トレフューシスという女性と駆け落ちしています。ヴィタはオープンマリッジ(夫婦が互いに夫婦以外の性関係に無干渉)主義者で、夫ハロルドとの関係を精算する気はなく、ヴァイオレットがハロルドとヴィタを共有することに耐えられなくなったことから、二人の関係は破局しました。「挑戦」はこの関係をもとに書かれた小説です。クリスタはこの小説の内容に、ターへのメッセージを込めたはずです。ターの周囲の人間関係を小説に当てはめるなら、ヴィタ=ター、ハロルド=シャロン、ヴァイオレット=フランチェスカということになります。ターはフランチェスカと恋愛関係になりながら、シャロンとのパートナー関係を解消するつもりもない。フランチェスカはそんな関係に耐えられず身を引いたのでしょうが、今でもターを愛していて、苦しんでいる。この本には、そのことを当てこする意味が込められているのでしょう。本の扉ページには、シピボ・コニボ族に由来する六角形を組み合わせた迷路のような幾何学模様が描かれています。そこから、ターは本の贈り主がクリスタであると確信して、本を破って捨てます。本の贈り主が本当はどうだったかも、実は曖昧です。フロントに預けられていたというフランチェスカの発言からは、クリスタが贈り主であると思えます。しかし、それが嘘である場合、贈り主はフランチェスカかもしれません。本の内容からは、贈り主がフランチェスカである方が、メッセージとしては自然であるように思えます。そのページを破って捨てた後、ターはクリスタの名前の文字を並べ替え、アナグラムを作ります。KRISTA TAYLORから「AT RISK(危険)」に。この名前のアナグラムは、劇中で何度か登場し、フランチェスカがやっているシーンもあります。これもおそらく、シピボ・コニボ族から学んだ占い的なものなのだろうと思われます。その2に続きます!『「TAR ター」 ネタバレ解説2 クリスタと何があったのか? メトロノームと犬の謎』この記事は「TAR ター ネタバレ解説1」の続きです。この記事は「TAR ター」について、時系列にそって、自分なりの解釈を書いているものです。長いです! 興味…ameblo.jpTAR/ター (SHM-CD)Amazon(アマゾン)2,750〜6,075円TwitterはこちらDiscover us「みたい」がみつかる Discover us(ディスカバー アス)。映画好き映画好きによる映画マガジンサイトです。community.discas.netDiscover usという映画マガジンでも映画の記事を書いています。よろしかったらこちらもどうぞ。

    「TAR ター」 ネタバレ解説1  底なしに深い映画を時系列に沿って解読・考察!
  8. おなじみ、昔紹介し映画の記事を編集ありで再録!マズル刑事クラシックだ!」「今日はちょうど2年くらい前のもの!では、お楽しみください!」たまさん、マズル刑事見なかったっすか?」「あら、さっき向こうでマドンナと喋ってたけど?」「マドンナ、マズル刑事は?」「ボスのところへ行ったみたいですよ」「あ~、入れ違いっす」「ボス、マズル刑事は来なかったっすか?」「マズルなら鑑識のパグ山さんのところへ行ったぞ」「そうなんすか?行ってみるっす」「パグ山さん。マズル刑事は?」「さあ?デスクに帰ったんじゃないのか?」「う~ん」「ああ!マズル刑事!やっと巡り会ったっす!」「んん?なんか用か?」「なんか言いたいことあったんすけど、すれ違いで途中からムキになって探してて、なんだったか忘れたっす」「なんなん?」「ありますよ!菅田将暉君と小松菜奈のすれ違いドラマ」「レンタルDVD店スタッフ君!すれ違わずにすぐ来たね!」「すぐ借りてくよ!じゃあ!」「ええっ!説明を聞いていかないんですか?」「じゃあね」「マズル刑事、菅田将暉君と小松菜奈の映画よかったっすね」「この映画の共演も、結婚のきっかけなのかと思うと感慨深いな」「子供の頃好きだった二人が離れ離れになって、8年後に友達の結婚式で再会。そしてまた離れ離れで、さらに10年後に再会できるのか、、、」「映画館で見たら涙ぽろんだったかもっす」「一つだけ注文があるとしたら主題歌の「糸」は、最後の渾身のシーン一回だけにしてほしかったな」「確かに、その方が、キタ~って感じで盛り上がるっすよね」「運命の糸ってあるんすね。俺とマズル刑事も運命の糸でつながってるっすよね?」「おごりでつながってるんじゃないのか?」「ああ!なるほどっす!」「納得するんじゃないよ!」.................マズル刑事のオススメ映画.................「糸」平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育った二人は13歳の時に出会い、初めての恋をする。そんなある日、葵が突然姿を消した。養父からの虐待に耐えかねて、町から逃げ出したのだった。真相を知った漣は、必死の思いで葵を探し出し、駆け落ちを決行する。しかし幼い二人の逃避行は行く当てもなくすぐに警察に保護されてしまう。その後、葵は、母親に連れられて北海道から移ることになった。漣は葵を見送ることすらできないまま、二人は遠く引き離された。それから8年後。地元のチーズ工房で働いていた漣は、友人の結婚式に訪れた東京で、葵との再会を果たす。北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵。もうすでに二人は、それぞれ別の人生を歩み始めていた。10年後、平成最後の年となる2019年。運命は、もう一度だけ、二人をめぐり逢わせようとしていた、中島みゆきの歌を映画化したすれ違いドラマに、マズル刑事も涙ぽろん予告編はこちら菅田将暉&小松菜奈 映画『糸』MUSIC VIDEO( 中島みゆき「糸」フル )【8月21日(金)公開】<お知らせ>8月12日(水)1日限定・全国350館で特別先行上映を実施!さらに#映画糸でつながろう 感想投稿キャンペーンを実施します!抽選で8月29日(土)に行われるオンラインイベントにご招待/映画オリジナルグッズが当たるキャンペーンとなっております。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー詳しくはこちら htt...www.youtube.com糸Amazon(アマゾン)400円糸 DVD 通常版Amazon(アマゾン)1,000〜7,219円あ!お知らせがあるっす!マズル刑事のツイッターっす!更新は、すっかり滞ってるって思いきやこっそり更新してるっす!https://twitter.com/mazuru299keijiついに新しいスタンプ登場!マズル刑事のラインスタンプ第4弾!https://store.line.me/stickershop/product/5229010/ja第4弾に好きなのがなくても安心!ここで見つかるかも!第3弾も好評発売中!https://store.line.me/stickershop/product/1642685/ja第2弾も試してみてねhttps://store.line.me/stickershop/product/1457663/ja第一弾も、まだまだ売り出してます!https://store.line.me/stickershop/product/1448152/ja

    マズル刑事クラシック! 「糸」みたいに、すれ違っても、つながっているのか、いないのか?
  9. 始まりだった。後は映画を観てくださいね。この映画、すっごい気分が悪くなるお話でした。全編ワンショット、リアルタイム進行というんだけど、あまりにも内容が衝撃的なので、それに目が行きませんでした。こういう極端な人達って、本当にいるんだろうなと思うと、海外に移住とか、恐くなります。いつも自分は正しくて、最高なんだと思っているんだと思うけど、アメリカの元々の人々(先住民)は、有色人種だし、白人は後から入って来たんだから移民なんですよ。もっと、先住民に敬意を払うべきだし、そもそも、自分たちも移民なんだから、移民は許せないなんて言ったら、自分たちだって、そこに住む権利は無いのにね。最初に、教会で集まって、不満をぶちまけるんですけど、ケーキに鍵十字が書いてあって、ナチスっぽい敬礼とかをしているんです。おいおいって思ったら、白人至上主義の集まりだったんです。ナチスはユダヤ人迫害なのに、ユダヤ人って白人がほとんどですよね。私、この辺の違いがよく解らないんだけど、とにかく、自分たちが優位だと思いたいんだろうけど、白人なら良いの?ユダヤ人でも?それとも、白人のアーリア人だけが優位なの?この違いの訳が分からなかったです。話を進めると、自分たち白人は優位であるべき人種であり、移民や有色人種は低い人種なのだと思っているみたいで、酷い差別用語を羅列していくんです。ある人は、自分より先に有色人種の人間が昇進したと文句を言っていたのですが、有能なら当たり前ですよね。仕事は能力主義だし、大体、差別をする人間は昇進出来ないでしょ。もう、言っていることがめちゃくちゃでした。そして、牧師に見つかって、帰れと言われるんですが、教会を借りて、こんな集会をすること自体が間違っているでしょ。キリストさんが怒りますよ。人類は皆、平等だと言っているんだから。キリストだって、イスラエル生まれのユダヤ人だと言われているので、有色人種ですよね。イスラエルは中東ですから。なんか、やっている事が酷いんです。そして、二次会でエミリーの家に行こうという事になり、教会から、スーパーを営んでいる仲間の店でワインを買おうとすると、そこへ、アジア人がやってきます。休みだと言っているのに、無理矢理、売って欲しいと言って、入ってくるんです。このアジア人も、ちょっと酷いよね。中国系に見えました。そこで口論となり、エミリーは、この姉妹を知っているようで、その家に行って、いたずらをしてやろうとするんです。不法侵入ですね。で、家に入って、色々と物色していると、姉妹が帰って来てしまい、大騒ぎになっていきます。最初は、ちょっとしたいたずらをするだけだったのに、差別主義者の集団だから、エスカレートしちゃうんです。もう、ここからは、気持ちが悪くなるような展開でした。女性の集団って、こんなにも酷いことをしちゃうんですね。もう、観ていたくないくらいの酷い行動でした。きっと、この映画は、偏った思想を持っていて、そんな人々が集まると、こんな風に酷い事件が起きてしまう事があるんですよって言っているんだと思うけど、あまりの事に、驚きました。これは、ダメでしょ。というか、よく映画にしましたね。恐いと思いました。私の中にも、それなりに差別してしまう要素はあると思うんです。自分では気が付いていないだけで、子供の頃から培われてきた自分の標準が、誰かを差別してしまうこともあるんだろうと認識しています。だからこそ、出来るだけ気を付けるし、相手を尊重しようと心掛けていて、もし間違っていたら、ごめんなさいと謝ることは大切ですよね。それが人間ってものだと思うんです。間違いは誰にだってありますから。でも、それを、自分は正しいとずっと曲げずに、差別していくと言うのは、社会に生きる人間としては、不適合だと思うんです。こんどは、そういう人が差別されるべきなんです。そんな事を思う映画でした。私は、この映画、お薦めしたいと思います。気分が悪くなる映画ですが、差別主義者がどんな末路を辿るのか、観て欲しいかなと思いました。自分の考えを曲げない人間が、どうなってしまうのか、この映画で確認して欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。ぜひ、楽しんできてくださいね。(楽しめないけど。)「ソフト/クワイエット」映画『ソフト/クワイエット』公式サイトブラムハウスが放つ全編ワンショットの衝撃 それは、しずかで、やさしい“怪物” 5/19(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国順次公開soft-quiet.comKKKをぶっ飛ばせ! [DVD]Amazon(アマゾン)2,302〜6,975円ブラック・クランズマン [Blu-ray]Amazon(アマゾン)619〜5,930円

    「ソフト/クワイエット」差別は良くないけどそれを良しとする人々もいることを知りました。恐いです。
  10. 0B8Q6Y7CS感想(C)2022「流浪の月」製作委員会原作既読。と言うか。これは原作を読まないと、文と更紗の心の機微が分かりにくい。映画だけだと文ってやっぱただのロリコンじゃん…と思う人が出てくるんちゃうやろか。特に最後のケチャップのシーンは、そう思わせるような撮り方だし。『『流浪の月』【読書感想】と#学生時代の夢』司書辻村さんじゃないけど、「図書館で暮らしたい」ってくらい本が好きでした。今も好きです。司書になったら、本読み放題ちゃうん?(子供だから浅はか)…ameblo.jp文は病気で大人になれないの。誰とも性的な関係を結「べ」ない。原作はかなりぼかしてる。映画はラストで文が更紗に自分の身体を見せるんやけど、「もうええから、そんなん見せんでええから(気の毒すぎて)」という気持ちになってしまった。文と小学生の更紗が引き離されるシーンでは落涙。文と大人になった更紗の何気ない日々にはほっこり。映像はとてもきれい。そこそこエロッティな描写があるのでお子様と観るときは注意してくださいね。観ないか。つか地上波で放送できるんか?カットするんやろうなぁ。誰かを傷つけたくて生きている訳ではないのに。生きていることが、存在が、誰かを傷つけてしまう。そんな文の辛さを松坂桃李君がすごく上手く表現。文のお母さん、内田也哉子さんなんですが、お母様にそっくりでびっくりした。更紗は自分が文に縋っていると思ってるけど、文もまた更紗に縋ってはるんやなーが、原作ではとてもよくわかる。「更紗」という名前がキーになってるねん。そして原作には梨花ちゃんがいる。脇役じゃない梨花ちゃんがいるこの映画のテーマは。原作読んでください。ミステリ&ホラー至上主義のマダムがおススメするんやから、マジでいい作品やねんて!これ!愛を力でしか表現できない亮と。文を俎上に載せて嘲る人々に怒りを覚える。文に文句言っていいのは、文の仮初の彼女だったあゆみさんだけ。更紗の勤務先の店長さん、いい人で泣ける。後、キッチンのシンクで土付き野菜洗ってたのは、「あんた、排水管詰まるで?」とちょっと思った。ポチ↓にほんブログ村

    流浪の月(ネタバレ)~こちらは映画の感想です~
  11. 映画感想「土を喰らう十二ヶ月」
  12. 雨ふり、月曜、晩ごはん
  13. が起こるのか。後は映画を観て下さいね。いやぁ、凄い映画でした。この映画、観ていて途中でいたたまれなくなって、依子を助け出してあげたくなるほどでした。でも、こういう事があるのだと思います。最初は、福島の原発事故で、水が汚染されているかもという噂だけなんです。でも、水道水が飲めなくなり、この地に住むのが怖くなって、夫は失踪してしまいます。まず、酷い男ですよね。家族を捨てて、自分だけ逃げ出すって、どういうことなのかしら。何か、こういう事故などが起こると、人間の本性って解りますよね。自分だけ助かれば良いという自分本位の男なんて、いなくなって良かったです。突然に全てを背負った依子は、義父の介護をし、息子を育て、働いてと、本当に大変だったのだと思います。夫への憎しみを抱いて頑張っていたのだと思いますが、それでも耐えられずに宗教にハマったんじゃないかな。何かにすがらないと、耐えられなかったのでしょう。気持ちは解りますよね。人間って、我慢の限界がありますもん。詐欺だと解っていても、宗教に頼らないと生きられなかったんだと思います。それにしても、この映画に出てくる宗教、胡散臭かったですねぇ。でも、どの宗教もこんな感じなのかな。特別に、この水を売ってあげるとか、教祖の念が入っている水だとか、もう、何言ってんの~!って感じの事を、平気で言っていて、それを信じる人がいるってところに驚いてしまいます。それ、水道水でしょって言いたくなっちゃった。そして、息子が障碍者の彼女を連れてくるという話です。これ、よく言いにくい本心を描いてくれたと思いました。依子が感じた気持ち、凄く良く解りました。障碍者の方は何も悪くないんです。心の狭い自分が悪いんだけど、でも、どうしても思ってしまう自分がいるんです。差別的なことはいけないと解っていながらも、自分の家族が結婚するとなると、苦労するだろうなという事を考えて、賛成出来ないんです。依子の気持ちが痛いほど解りました。みんな一緒なんだからということは解っているんですよ。でも、それが人間なんです。綺麗ごとばかりじゃないんです。そんな人間らしい依子は、夫の事でも、息子の事でも、行き詰まってしまい、宗教に助けを求めても、自分の怒りは収まらず、スッキリしない。その上、更年期障害で身体は火照るし、イライラは収まらない。女性のこの年齢の頃は辛いんです。私も、今、真っ最中ですから、気持ちが解ります。薬で火照ったりは収まるのですが、突然に感情がコントロール出来なくて、悲しくなっちゃったり、イライラしたりはあります。もちろん、理性で抑えるのですが、映画とかを観ていると、些細な事で悲しくて号泣してしまう事があります。ホルモンバランスだと言われましたが、身体って難しいですね。この映画を観ると、女性の中年期というのかしら、この年代は辛い事が多いなぁと思いました。子供も手を離れて、やっと好きな事が出来るかと思うけど、その分、老後の心配や介護の問題、夫婦間の問題と、色々と出てきてしまいます。特に、このまま夫婦を続けていてもイイのかなという気持ちにもなりますよね。だって、そろそろ100年の恋も冷める頃でしょ。汚い部分も知り、我慢出来れば良いけど、これだけは我慢出来ないということも出てくるでしょう。この部分については、男性にも言える事でしょ。きっと我慢出来ない事もあると思います。この映画の中で、夫が突然に失踪したのも、何かが我慢出来なかったからだと思うんです。きっと、何か理由があったんですよ。でも、面と向かって言えないし、だから消えたのかなと思いました。誰もが、自分を中心に考えてしまうので、いつも相手が悪いと思いがちですが、実は、自分にも沢山悪い所があるんだと思うんです。でもさ、それって素直に受け入れられないでしょ。だからさ、あいつが悪い!相手が間違っていると言ってしまうけど、一人になったら、ちょっと自分が悪いのかもと反省する事も必要なのだと思っています。私、結構、お風呂に入って、反省しています。これ、ホントですよ。(笑)なんか、この映画、主人公の依子が同じ年代なので、とても共感できたし、考えさせられました。私は、宗教には入らないと思うけど、趣味に没頭してに逃げています。それでとりあえずは回っているので、良いのかなと続けていますが、いつか、何か起きたら、大きな波紋が起きるのかもしれません。その時、自分を保っていられるように、普段から、気持ちをしっかりして、色々な準備が必要なのかなと思いました。出演者が素晴らしいです。よくこれだけ集まったなというほど、名優ばかりです。荻上監督の元に、これほど集まるというのは、やっぱり監督の力なのだと思います。監督の映画、面白いですもんね。この映画も、間違いなく面白いです。でも、今までのように”ほのぼの”はありません。私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この映画、若い人よりも、中年の方に観て欲しいな。男性も女性も、色々と考えてしまう部分があると思います。今、社会には、不満を溜め込んだ人が沢山いて、ちょっとした事で事件になったり、怖い事が沢山あります。そうならないように、自分は爆発しないよう、普段から空気抜きをしておく必要があるのかなと思いました。この映画、ぜひ、観に行ってみて下さい。ぜひ、楽しんできてくださいね。「波紋」映画「波紋」公式サイト 5月26日(金)公開!荻上直子監督オリジナル最新作。絶望を、笑え。映画『波紋』2023年5月26日(金)公開hamon-movie.com川っぺりムコリッタ スペシャル・エディション(特典DVD付) [Blu-ray]Amazon(アマゾン)5,655〜11,958円めがね[Blu-ray]Amazon(アマゾン)3,680〜11,907円かもめ食堂 [DVD]Amazon(アマゾン)727〜8,438円彼らが本気で編むときは、 [Blu-ray]Amazon(アマゾン)2,065〜27,552円

    「波紋」ただ水が気になり始めただけなのに、こんなに波紋が広がってしまうんです。
  14. ズニーアニメーショ映画史。時代は輝かしい黄金期・ディズニールネサンスと言われた1990年代を終えて、【ディズニー第3の暗黒期】とも言われている2000年代に突入中です。前作のダイナソーでは初のCGメインのアニメーションに挑戦し、収益では成功を収めながらも課題も残る結果となったディズニースタジオ。元々ダイナソーと別ラインで平行して制作されていたアニメーション作品をなんと間髪入れず同年に公開するという積極さを見せます。(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)ラマになった王様(原題:The Emperor's New Groove)2000年監督マーク・ディンダルデータウォルトディズニーアニメーションスタジオ40作目の長編アニメーション。監督は「リトル・マーメイド」や「アラジン」の制作にも携わり、後に「チキン・リトル」を手掛けるマーク・ディンダル。脚本は後に「ファインディング・ニモ」を手掛けるデヴィッド・レイノルズ。日本では東京ディズニーシー開園記念作品として翌年2001年の公開。原作なしのオリジナルストーリー。大昔の南米のとある国(おそらく)を舞台に、ワガママな王様を中心として繰り広げられるコメディアドベンチャームービー。黎明期のクラシック作品を除くと、ここまで(制作側が意図して)コメディに振り切ったディズニーアニメーション映画はおそらくこの作品がはじめてとなります。挿入歌を大物シンガー、トム・ジョーンズ(日本語版は西城秀樹さん)が務めたり、楽曲制作を同じく有名ミュージシャンのスティングが担当し話題になりました。主役のクスコ役はデヴィッド・スペード。日本語版を藤原竜也さんが務めています。興行収入は、特殊な形の上映だったファンタジア2000を除くと久々の大敗。なんと3年後に公開されるトゥーン・スタジオのジャングル・ブック2に敗れるという逆転現象を引き起こしてしまう程、数字は伸びませんでした。しかし、そのコメディ主体の独特な雰囲気と丁寧に作られたそのクオリティには定評があり、今も尚熱心なファンから支持を集め続けています。あらすじとある大昔の王国。わがままで自己中心的な国王・クスコはこの日もいつものように自分勝手に振る舞い、国民や家来達困らせていた。とある丘の上の村に住むパチャという村人を呼び出し、村を潰して自身専用のリゾートを作ると宣言。村人達の立ち退きを宣告したかと思えば、上昇志向の強い相談役を突如解雇したりと、やりたい放題。突然解雇されたクスコの元相談役・イズマは、手下のクロンクと共に復讐のため動き出す。自前の魔法の薬を使いクスコを殺そうと企むが、クロンクの失態による数々のハプニングの末、クスコは薬でラマの姿に変えられ袋詰され、とある荷車へ放り出される。そこは、先程クスコに立ち退きを宣告され失意の中村へ帰ろうとしていた村人・パチャの荷車の上であった。感想個人的にはディズニーアニメーションの真髄は夢でも魔法でもプリンセスでもなくコメディだと思っているので、この作品は実は凄く期待して観ました。ファンからの評価も凄く高い作品ですし、何せあのディズニーコメディの個人的傑作「チキン・リトル」を後に手掛ける面々による作品なので。結果から言うと、期待を越えては来なかったというのが正直なところですかね…好きか否かと聞かれれば間違いなく好きなタイプです。とても丁寧に拘って制作されたのも作画やアニメーションのレベルの高さを観ても一目瞭然です。ただなんていうか、それこそ全てにおいて越えてこないんですよね。勝手なイメージで、もっと破天荒してる映画だと思っちゃってたので。突飛な事をやっているようで、実はかなり沢山のセオリーを詰め込んだオーソドックスで堅実な映画ってかんじでしょうかね。いやちゃんと面白いですけどね。詳しくは↓以下↓で!プロットのマンネリ感結構言われてるのが「美女と野獣」にプロットが似ているということ。ただ個人的にはそれだけじゃなくて、割とありとあらゆるディズニー作品に似ているというか…「王の座を狙う悪い魔女がいて、一度降ろされてどっかに飛ばされて、冒険の果てに帰ってきて魔女を倒して奪還する」ってプロットは、ライオン・キングとかアラジンとか、結構色んなディズニー作品の寄せ集めなプロットに感じてしまいました。別にそれが悪いとは全然思わないんですけど、問題なのはこの作品においてそれはだいぶ観ていてテンションが盛り下がっちゃうってこと。この作品ってやっぱり作風的に「他のディズニーとは一味違う」突飛さが売りなわけじゃないですか。ギャグとか小手先でそれはアピール出来てるんですけど、肝心のストーリー本筋のプロットが既視感バリバリだとなんか盛り下がっちゃうんですよね。ストーリー自体は落ちも含めて最初の15分くらい観たら全部読めちゃうし、しかもそれが結局何から何まで予想通りで終わっちゃうんで、、。で結構致命的別れ道だと思ったのが…折角メタ要素を取り入れてるのにこの「ストーリーがマンネリであること」に関しては一切イジらないんですよ!いやぁ、これね、これやってくれてたら多分180度感想変わってましたね…間違いなく。いやだって本当に色んなところで【ディズニーの異端児】みたいに扱われてるから、期待しちゃったんですよ…。同じ監督が数年後に手掛けたチキン・リトルでは本当にこの点が改善されてて、プロット自体もオチもディズニーアニメーションにほとんどなかった奇想天外な物になってて、最高だっただけに…ね。突き抜けないギャグと多言語のジレンマそれと肝心のコメディ部分ですけど、これも「台詞回し」と「メタ設定(微妙な)」以外はまぁ結構オーソドックスギャグがメインなんですよね。後半のレストランのシーン辺りから台詞回しとテンポの良さが効いてきて急激に良くなるんですけど、正直前半は「ストーリーもありきたりだしギャグも笑えないしどうしよう…」て思っちゃいました。メタ設定や時代考証無視な世界観もやるならもっとガッツリやって欲しかったです。ちょっと中途半端なんですよね…。あとこれもディズニーの定番ではあるんですけど、やたら高い所から落ちるシーンばかり多用されてて……。正直この手のシーンてハラハラもしないし笑えもしないので、あっても一本に一シーンで充分だと思うんですよね…。そして今作で一番良く出来てると思った台詞回しですが、アラジンのジーニーもそうでしたけどこれはやはり吹き替えや字幕で大きくニュアンスや面白さが変わってしまうってのが欠点ですよね。吹き替え相当苦労したんだろうなって跡が見えてかなり頑張ってたとは思うんですけど、結構別物になっちゃってるのは否めないです。まぁワリと吹き替えならではのギャグも面白かったりもしましたけどね。「芋虫はイモじゃないし、サナダ虫は真田さんじゃない。」は結構笑ってしまいました。これはこの作品だけじゃなく、あらゆる海外(特にコメディ)映画の悩みだとは思いますが。細かな工夫と作品としてのクオリティの高さんーなんか厳しい感じになっちゃいましたけど、素晴らしい部分も沢山あって。まず最初にも触れましたが作画とアニメーションは素晴らしいです。キャラのモーションとか独特なのに滑らかで凄かったです。動物描写もリアル路線とは正反対を行くアニメ的誇張描写がとても研究されていて作風にピッタリマッチしてましたね。それとヴィランであるイズマの手下・クロンク。これは素晴らしいキャラクターでしたね。続編ではまさかの主役を張る事になりますが、そんな大抜擢も頷ける非常に魅力的なキャラでした。ヴィランコンビの出来損ないの手下ってのはこれもまさに使い古された手法ではあるんですが、この作風にピタッとハマって大化けした感じしますね。それと個人的に良いなと思ったのは、【主人公を陰ながら支えるコメディリリーフ兼名脇役】枠が無いことと、【ロマンスストーリー】を一切排除していること。この二つに頼らないでここまでの物語を創り上げたことは本当に素晴らしいと思います。普通だったらパチャの役所を女性にして、ロマンスも絡めて…とかやっちゃいそうですけどね。それをしなかったのは凄い勇気だと思いました。それと何気にこのパチャの家族が良い味出してて、前半家族キャラの存在意義がパチャのバックボーンでしかないなと思ってたんですけど後半の急な躍動は予想外でとても楽しかったです。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーまとめ【軽そうに見えて実は堅実な直球作品】その型破りなイメージとは裏腹に中身はかなりこれまでの伝統とノウハウを活かした、型にしっかりハマっている堅実的な作品だと思います。ギャグもシュールと見せかけて王道な物が多く、その特徴的な人を選ぶデザインとは対象的な、子供も大人も笑って楽しめるコメディ作品に仕上がっていることは間違いないです。個人的な期待値がちょっと高過ぎて、もっともっと振り切ってぶっ飛ばしちゃっても良かったんじゃないかという気持ちはありますが、総合的に観ればやはり質のかなり高いディズニー流のハイセンスコメディムービーです。 ただまぁ、、ヒットはそりゃし辛い作品だろうなというのは感じますね。大きな要因はこの時代特有のキャラクターデザインの特異さにあるとは思いますがちょっとパッと見が取っ付きにくいところは否めないです。特に日本人はこの手の映画は取っ付きにくいだろうなとは思いますね。凄く丁寧に作られた良い作品なんですけどね。一作一作の振り幅というか定まらない感じも含めて、暗黒期とも言われるこの時代の試行錯誤というか藻掻いてる感じをヒシヒシと感じる一本でもありました。ディズニーの試行錯誤は、この先もう少し続いていくことになります。はい、というわけで。今回はこんな感じで。お付き合いいただきありがとうございました。しーゆーねくすとたいむ。にほんブログ村

    ディズニー映画語り ラマになった王様
  15. 「はーい!韓国映画感想を忖度なしにしゃべりまくる、自由人たまです。今日はね、実は期待してなかったけど、おっとびっくり、意外に良かった、死を告げる女をご紹介します」「期待してなかったっすか?」「そうなの、私は、文句満載だったホラーの事故物件、、あれと同じ感じだと思っていたのよね」「あれには文句言ってましたね。全然怖くないホラーだって」「あと、長男が幽霊かと?とか伏線を回収してないとか、、」「まあね、でもこの死を告げる女もなんとなく似てる匂いがしたのよね」「まずストーリーをどうぞ!」「そうね行くわよ。テレビ局の看板キャスター、チョン・セラがこの映画の主役。チョン・ウヒちゃんがセラを演じてるんだけど、私は彼女の作品は結構好きです。なんたって、あの名作火山高に出てるのよ!近年では雨とあなたの物語や愛を歌う花、コクソンや、デビューはなんと私の大好き映画恋する神父なのよ。タバコを吸ってた高校生役らしいけど、記憶ゼロです。とにかく彼女は昔から知ってるし」「たまさん、また脱線すか?主役の説明よりストーリーを!」「こら」「ううううう!たまの映画紹介はね、その俳優、女優が大事なのよ。この人がこんな役をやってる、あんな役しかやってなかったのに?とか!それが醍醐味じゃない!」「飛行機テロ役?え?チョングレなのに?とか、お気楽上司の役がお似合いなのになぜ、オオカミ狩りでソイングクを映画の前半で殺したの!許せん!とか。映画はね、その単体だけ見てるうちはただの映画好きなのよ。俳優好きはね、映画もドラマも作品はみんな繋がってるの。映画は続くよどこまでもよ!」「また始まった、、、オオカミ狩り」「もう、監督がたまさんに謝ってくれるまで、この怒りは収まりませんよ」「たまさん、たまさん、今日の映画はオススメなんですよねストーリー話してくださいっす」「むう」「そうね、、全然進んでなかったわ。続きを行きます。テレビ局の看板キャスター、チョン・セラはね、旦那もいるけどマザコンっていうか、実のお母さんの言いなりなの。キャスターだってお母さんが、キャスターにさせたくてなった感じだし、いちいち、家に帰ったら今日の放送は良かったわね、とか今日はダメとかいちいちうるさい。彼女も大人だし、いい加減母親をウザいって思い始めてる。旦那さんはいるけどなぜか別居しててそれも喧嘩してるんじゃないくてお互い仕事が忙しいしお母さんが家に入り込んでウザいから旦那も外にいるみたいな」「セレブなんすか?」「そう、住まいはすごくお金持ちでキャスターだし、旦那はトレーダーかなんかで稼ぐし、いい生活よ」「じゃ、まあ、お母さんがウザいってこと以外はいい生活で幸せ?」「ところがよ。テレビの世界は旬とかね、いろいろあるし、自分はアナウンサー出身のキャスターだから、記者とか現場とかに比べたら体当たりって感じじゃなくて、、、」「ああ、、綺麗なだけの、、」「滝、、が、、」「こら」「それよ!名前は伏せとくわ!足を斜めにして綺麗を売りにしてる感じ」「で?」「でね、彼女は中堅になってきて内心、焦ってるのよ。もっと現場も踏んでるできる記者みたいになりたいとかね。番組編成で、どんどん別のキラキラした女が自分の椅子を狙ってるし、メインの番組を狙ってるし。」「おおお」「で、そんなある日、番組前に彼女宛に電話があるの、「殺されるかもしれない」「私が殺されたらあなたが報道してほしい」とか。本番前だし、いたずらと判断して電話を切るんだけど、住所や電話は聞いてるの。で、番組終了後に家に帰ってやっぱり気になって。同居のお母さんもスクープをつかむチャンスちゃう?と言うしね、なんと一人で夜中にその電話をかけた女の自宅に向う!」「ええええ」「すると!そこに彼女の子供の遺体と電話をした女の遺体が!」「ギャーーーーーー」「怖いけど、第一発見者になったセラ!大スクープよね!次の日からテレビ局は彼女をメインにその報道を繰り返す!さらに調子に乗って勝手にまた現場に行く看板キャスターセラ!そこで、同じく勝手に現場に来てた男と知り合う、彼は死んだミソの主治医だった精神科医イノと!なんとなく怪しい彼に疑いを抱くようなって独自に彼を探ります」「犯人逮捕まで?」「いや、この精神科医役は、私の大好きな俳優シン・ハギュン!彼はもうね若い時からイケメン路線ではなく、演技派よ!やっと歳をとっていい感じに脂乗ってきたの」「後半は、この精神科医が催眠療法をしてたと知ったセラが、自らも催眠をかけてもらい、ここからはもう、この映画の醍醐味」「おおおおおどうなるんすか?」「それは映画を見てのお楽しみじゃない」「そうでした」「でも面白そうですね」「ちょっと喋ると、この催眠療法がすごいのよ。私もやってもらいたいぐらいよ」「ええ!たまさんが」「そう、、眠って何が見えますか?船が見えます、、乗り込んでみてください。はい、、あ、、床が血だらけです、、もっと奥に、、何が見えますか?ああ!イングクが殺されてます!ううううううううう!許さん!うううううううう!」『たまさんのおすすめ韓国映画!「オオカミ狩り」は大注意です!怒ってネタバレ満載で吠えまくります。』「むううううううう」「たまさん!」「たまさん!」「おかえりなさいっす、映画いかがでしたか?」「大好きなソイングクの、、」「お腹すいたっすよね?俺たちもぺこぺ…ameblo.jp「たまさん、たまさん!恐ろしい、、もう、オオカミ狩りの映画に取り憑かれてる、、」「あのう、、お肉は?」「そうね、お肉ガツガツ食べてオオカミ狩りの怒りをぶちまけたいわ」「まだ!?」「さあて皆さんとはこの辺で。この映画、大どんでん返しもあるし、セラが事件を追ううちに驚きの展開が!かなりのサスペンススリラーです。物語のキーマンはセラの母ソジョン!この役はイ・ヘヨンなんだけどどっかで見たことあるけど名前が覚えられないタイプよ。とにかく韓国では、心療内科や、精神科に通う人も結構いるし、心を病んで自殺してしまう若いアイドルもいる。」「自分はどこも悪くないと思ってる強いタイプの人も実は心理的に追い詰められて自分とは違う別人格を作り出す可能性だってある。だからね、私は言いたいの。別に無理に頑張らなくても朝は来るのよって。そして独り言って結構私はします!これって意外にストレス発散よ!引退した芸人さんが、昔こんなことを言ってました。嫌なことをされたら殴りたいノートに全部書くんだって。でも、時が経てば、そのノートを見返して笑ってるかもしれないしね。この映画はただのホラーサスペンスじゃなくて人生の生きづらさが詰まってる!いろいろ考えさせてくれる。絶対見て欲しいな。私はこの映画4マズル、見たらみんな語りましょうよ!それでは来週までちゃお!」死を告げる女Amazon(アマゾン)400円死を告げる女 [DVD]Amazon(アマゾン)2,802〜4,152円「マズル刑事のツイッターっす!密かに更新がされてるっすw!https://twitter.com/mazuru299keijiついに新しいスタンプ登場!マズル刑事のラインスタンプ第4弾!https://store.line.me/stickershop/product/5229010/ja第4弾に好きなのがなくても安心!ここで見つかるかも!第3弾も好評発売中!https://store.line.me/stickershop/product/1642685/ja第2弾も試してみてねhttps://store.line.me/stickershop/product/1457663/ja第一弾も、まだまだ売り出してます!https://store.line.me/stickershop/product/1448152/ja

    たまさんのおすすめ韓国映画!「死を告げる女」はホラーサスペンスじゃなく人生の縮図が詰まってる!
  16. 達家お家騒動を描い名作原作:山本周五郎『樅ノ木は残った』(もみのきはのこった)脚本:八尋不二監督:三隅研次キャスト: 長谷川一夫-原田甲斐 高田美和- 宇乃 藤村志保- 三沢はつ 宇津井健- 久世大和守 成田純一郎- 中黒達弥 天知茂- 柿崎六郎兵衛 林与一-伊達綱宗 加藤嘉-伊達安芸 柳永二郎- 酒井雅楽頭 藤原礼子- みや 近藤美恵子- おくみ 阿井美千子- 律 矢島陽太郎- 塩沢丹三郎 細谷新吾- 宮本新八 舟木洋一- 村瀬久馬 浅野進治郎-伊達兵部 花布辰男-茂庭周防 荒木忍- 阿部豊後守 十一代目 嵐三右衛門- 奥山勘解由あらすじ:徳川四代家綱のころ。幕府の外様大藩取潰しは伊達六十二万石に及ぼうとしていた。大老酒井雅楽頭(柳永二郎)は当主綱宗(林与一)の叔父伊達兵部(浅野進治郎)を甘言で篭絡し、兵部の陰謀のために綱宗は隠居を命じられ、近臣らは暗殺団に襲われた。このために父を失った幼ない宇乃姉弟は、伊達家重臣原田甲斐(長谷川一夫)に引き取られた。彼の宿所良源院には国許から移植した一本の樅の木があった。伊達家世継は二歳の亀千代が選ばれ、兵部は雅楽頭の推薦で後見役に立てられた。甲斐は失意の綱宗を訪ね、伊達安芸、茂庭らの同志と密会した。御番あきで仙台の青葉城下へ帰った甲斐は、茂庭家との不和をはかり兵部の信任を得たが、安芸一派から裏切者と憎まれる結果になった。ある日、宇乃(高田美和)が塩沢丹三郎(矢島陽太郎)と共にはるばる訪ねて来た。甲斐は宇乃を恋する丹三郎の告白に、宇乃が自分を想っていることを知り愕然とした。数日後、甲斐が江戸を訪れた折しも亀千代の毒味役丹三郎は血を吐いて倒れた。甲斐の苦心も空しく、安芸はこの事件を兵部の陰謀として訴え出たので、雅楽頭は取潰しの口実を掴んだと狂喜した。幕府の裁判が近づいた時、雅楽頭が書いた「伊達家改易の場合兵部に三十万石を与える」という証書を手に入れた甲斐は、深夜将軍お側衆久世大和守(宇津井健)を訪れた。そして酒井邸で行われた裁きの日、内紛を理由に改易を申し渡される寸前、甲斐は証書を示し、その責任を問うて雅楽頭の顔色を失わせた。秘密を知られたからはと雅楽頭は刺客を放って伊達家の者を斬らせた。数人の刺客たちを切り伏せたものの、瀕死の重傷を負った甲斐は喧嘩両成敗になることを恐れ、苦しい息の中から一切を自分の乱心の結果と訴えた。彼の苦衷を知る大和守は六十二万石は安泰だと告げてやったが、甲斐はかすかに微笑を浮かべ、「宇乃……」とつぶやいた。間もなく、雪の良源院、孤独な樅の木を見つめる宇乃の目には一杯の涙があふれていた。コメント:原作は、山本周五郎の代表作である歴史小説「樅ノ木は残った」。江戸時代前期に仙台藩伊達家で実際に起こったお家騒動「伊達騒動」を題材にしている。『伽蘿先代萩』などで従来は悪人とされてきた原田甲斐(原田宗輔)を主人公としているが、江戸幕府による取り潰しから藩を守るために尽力した忠臣として描き、新しい解釈を加えている。4部からなり、本編の合間に藩の乗っ取りを企む伊達兵部(伊達宗勝)とその腹心・新妻隼人の密談を対話形式で描く断章が幾度も挿入されている。1954年7月20日から1955年4月21日まで、中断の後に1956年3月10日から1956年9月30日まで『日本経済新聞』に連載され、書き下ろしを加え、1958年に講談社(全2巻)で刊行された。1959年に毎日出版文化賞を受賞した。この映画は、1962年に大映が公開した。かなり込み入っている原作の筋立てを、八尋不二脚本は手堅くまとめており、三隅演出は的確極まりない画面構成と得意のテンポ良いカッティングで、政治的陰謀渦巻くサスペンス劇を組み立てている。「青葉城の鬼」は、クライマックスの刃傷沙汰での原田甲斐=長谷川一夫は、刀を預けているという設定なので、大老酒井雅楽頭=柳永二郎が送り込んだ刺客との立ち回りはごく少なく、長谷川映画にしては例外的にチャンバラが殆どない映画だが、政治的攻防のサスペンスフルな展開には殺陣以上の興奮を覚える。同じ伊達六十二万石を揺るがすお家騒動を扱った作品として、東映も「伊達騒動 風雲六十二万石」(1959年、佐伯清監督)を作っており、こちらの方がかなりドラマチックだったのに対し、本作は静的で淡々とした印象である。説明的な台詞が多く、その割に幕府の思惑や仙台藩のお家事情がいまいち掴みにくいが、終盤の展開は上手く緊張感を出せていた。命をかけて藩を救おうと奮闘する原田甲斐扮する長谷川一夫の圧倒的な存在感、迫真の演技に惚れ惚れしてしまう。一方で狩りを楽しみ、山娘と戯れる様子も描かれ、武士である以前に純粋に人間として生きたいという思いを吐露する辺りも印象に残る。武士として生きる者のある種のはかなさが滲み出ている名作である。山本周五郎原作+八尋不二脚本+三隅研次監督+長谷川一夫主演という、これ以上ない最高の布陣により完成した、時代劇の傑作として残したい作品だ。この映画は、TSUTAYAでレンタル可能:ツタヤオンライン青葉城の鬼のレンタルDVD ビデオ ブルーレイは【TSUTAYA 店舗情報】です。store-tsutaya.tsite.jpなお、「樅ノ木は残った」は、何度もテレビドラマ化されている。 樅の木は残った(1964年、東京12CH、主演:実川延若) 樅ノ木は残った(1970年、NHK大河ドラマ、主演:平幹二朗) 樅の木は残った(1983年、フジテレビ、時代劇スペシャル、主演:仲代達矢) 樅ノ木は残った(1990年、日本テレビ、里見浩太朗時代劇スペシャル) 樅ノ木は残った(2010年、テレビ朝日系ドラマスペシャル、主演:田村正和)大河ドラマ 樅ノ木(もみのき)は残った 総集編 第1部 -NHKオンデマンド万治3年(1660)、仙台藩主・伊達綱宗(だてつなむね)に突然、逼塞(ひっそく=隠居)の命が下ります。遊郭に出入りして不行跡だという理由ですが、それほどの失態とも思えず、家老の原田甲斐(かい)らは徳川幕府の理不尽な命に憤りを覚えるのでした。さらに翌日の夜、綱宗の側近たちが次々に暗殺されるという事件が起こります。その陰には、老中・酒井雅楽頭(うたのかみ)と綱宗…www.nhk-ondemand.jp

  17. 皆様、お待たせしました!『カズヤ☆いちごジャム』をまもなく販売開始します!