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  1.  70年代から80年代にかけて日本の音楽界を担った影の立役者の一人であるクニ河内。その活動の範疇は自身のソロ活動からニュー・ミュージック系歌手の楽曲の編曲、子供向け番組への曲提供、CMソングまでも。子供向けTV番組にレギュラー出演していた事もあるという。 そんな彼の原点は一般的な知名度は低かったGS『ザ・ハプニングス・フォー』での活動(67~72年)。ギタリストがおらずクニ河内のキーボードが中心の演奏という、異色中の異色GSである。ただその才能を多くの音楽関係者が早くから認め、内田裕也御大にも一目置かれていたらしい。 さっき聴いた『切狂言』は俗に言う「セッションアルバム」の類いだろうか。同じ年の10月デビューアルバム『エニウェア』を発表したばかりだった『フラワー・トラべリン・バンド』からジョー山中(ヴォーカル)と石間秀樹(ギター)、ザ・ハプニングス・フォーからクニ河内、ペペ吉弘(ベース)、チト河内(ドラムス。クニ河内の実弟)が参加してのレコーディング。驚きなのは「英語のロック派」だった山中&石間と、日本語詞を作るクニ河内が合体した事。だが山中も石間も元々はGS出身。同じ釜の飯を喰った仲間という事でクニ河内と通じ合う物があったと思われる。クニ河内が作詞&作曲した曲をジョー山中が歌唱する、これまた異色のアルバムとなった訳だ。 アナログA面1曲目のタイトルチューン『切狂言』は世界を芝居小屋、自分を狂言役者に見立てて世の中の不条理を嘆くというシチューションの詞。あのルックスのジョー山中が和風な歌詞を日本語で唄っているというインパクトだけで強烈。この時代ならではのハードロックのアレンジで石間のギターが冴え渡り、クニ河内のキーボードはまるでジョン・ロード? 2曲目『.人間主体の経営と工事』も激しいギターのリフから始まる。題名からも判る様に人間を企業に見立てた詞だが、山中の泣き節が入ったヴォーカルスタイルは、そのまんま生きる事の苦悩や選択、その他諸々の感情を顕していると言える。この曲もハードロック仕様でザ・ハプニングス・フォーよりもフラワー・トラべリン・バンド寄りの演奏。後にフラワー・トラべリン・バンドはこの曲を『MAP』というタイトルに改題しシングルとして発表。彼らにとっては唯一の日本語詞の曲となった。 3曲目『タイム・マシーン』はクニ河内のピアノ&キーボードのイントロが少々不気味。前2曲に比べるとプログレ色が前面に出た演奏。8分近くある組曲スタイルなのもプログレ仕様だ。歌詞は冒頭にあるだけで後は「タイム・マシーン~」と叫ぶヴォーカルとブルースハープが交互にフィーチャーされた後クニ河内の前衛的なキーボードプレイへと。そんなかなり遊びの部分もあるセッションが続く、当時の日本のロックの総決算的な曲?になっているのだ。これでA面は終了。 アナログB面1曲目『.おまえの世界へ』もイントロから石間の幻想的なギタープレイが冴える。珍しくしっとり唄う山中のヴォーカルとギターが拮抗して目立つミキシングになっており、ここでもフラワー・トラべリン・バンド色が強い演奏。歌詞は『ジャックス』ぽくもあり内向的な情熱を感じさせる。サビの絶叫ヴォーカルはさすがと言うしかない。名曲! 2曲目『恋愛墓地』での石間のアコースティック・ギタープレイはシタールを彷彿させる物が。山中の囁きヴォーカルを中心にして、石間のラーガ奏法とクニ河内のプログレ風キーボードが並走する、メロディーは『プロコル・ホルム』ぽい曲。ソロもアコースティックで弾く石間。彼のスキルが爆発している。 3曲目『.女の教室』では石間のボトルネック奏法(これもアコースティックギター)が聴ける。歌詞は男と、電車や喫茶店で見かけた見知らぬ女との思惑の攻防戦を描いた、かなり文学的な物と言えるかも。エンディングのギターソロはもっと聴かせて欲しかったが。 アルバム最後の曲『男から女を見た科学的調査』はタイトル通り女性の容姿を徹底解剖した、今で感覚で言えばセクハラソングの類いに入りそうだが…。アルペジオのギターにシンプルなリズムセクションが付き、何のかんの言っても人間見た目から入るのだという真理がこの曲にある。 A面は人生について、B面はラブソングと「女」に対しての考察とがテーマのコンセプトアルバムになっている。クニ河内の作る詞は本アルバムにおいてはかなり屈折しており「ロック」と呼んでいいのかどうか迷う部分はあるが、演奏面では石間秀樹の個性が十二分に発揮されており、デビューアルバムでは単なる洋楽ロックのコピーバンドの域を出ていなかったフラワー・トラべリン・バンドの、オリジナル曲への構想に繋がったのは確実。 ジョー山中は機会があれば日本語詞の曲をもっと唄うべきだったな。後年彼の生歌を聴く機会があったけど「ロックシンガー」というより、セレブなクラブで唄うクラブ御用達シンガーという感じがした。 当時の注目度は高くなかったかもしれないが、日本ロック黎明期の傑作アルバムの一つだと思う。クニ河内とかれのともだち『切狂言』(FULL ALBUM)- YouTubeYouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。youtu.be 

    さっき聴いた音楽その722~クニ河内とかれのともだち『切狂言』(70年 ロンドン)
  2.  映画『天井棧敷の人々』Les enfants du Paradisにおいて劇中劇でウィリアム・シェイクスピアの戯曲『オセロ』Othelloが上演される。 オセロ役を俳優フレデリック・ルメートルが勤める。 ピエール・ブラッスールがフレデリック・ルメートル役を勤め劇中劇『オセロ』においてオセロを生きる。 『天井棧敷の人々』 (てんじょうさじきのひとびと) Les enfants du Paradis (レザンファン デュ パラディ)  Le Boulevard du Crime (ル ブルヴァール デュ クリム) 「第一部   犯罪大通り」 L'Homme Blanc (ロンム ブラン) 「第二部   白い男」 映画 195分 トーキー 白黒 フランス公開    1945年3月9日 日本公開      昭和二十七年(1952年)二月二十日  製作国       フランス 製作         フレッド・ブラン 脚本         ジャック・プレヴェール 音楽         モーリス・ティリエ             ジョゼフ・コズマ 撮影         ロジェ・ユペール 美術         アレクサンドル・トローネル 出演          アルレッティ(ギャランスことクレール 無言劇の女神) ジャン=ルイ・バロー(バチスト・ドビュロー 無言劇のピエロ) ピエール・ブラッスール(フレデリック・ルメートル                無言劇のアルルカン                劇中劇『アドレの宿屋』のロベール・マルケール                劇中劇『オセロー』のオセロー) ピエール・ルノワール(古着屋ジェリコ) マリア・カザレス(ナタリー) ファビアン・ロリス(アヴリル)  エチエンヌ・ドゥグルー(アンセルム・ドゥビュロー) リヴェール・カデ(ブルジョアの中年男) ジャーヌ・マルカン(マダム・エルミーヌ) ジャン=ピエール・デルモン(バチスト坊や) ジャン・ラニエ(劇中劇『オセロー』のイアーゴー) アルベール・レミー(スカルピア・バリニ) マルセル・メルロー(巡査) ポール・フランクール(警視) ガストン・モドー(絹糸)  ルイ・サルー(エドゥアルド・モントレー伯爵) マルセル・エラン(ピエール・フランソワ・ラスネール) 監督 マルセル・カルネ ☆鑑賞日時・場所 昭和五十九年(1984年)四月二十日・二十二日 祇園会館後のよしもと祇園花月 平成十三年(2001年)四月二十八日 シアター1200(京都劇場)後の京都劇場 平成二十二年(2010年)七月十九日 TOHOシネマズ二条 令和二年(2020年)十一月八日 京都シネマ 4K修復版2K上映 ☆ 昭和五十九年(1984年)四月二十日。祇園会館においてマルセル・カルネ監督『天井棧敷の人々』を鑑賞した。 上映時間195分に全身全心が緊張し胸の底から熱いものを感じた。絶対の美に感嘆し感動を覚え心身全体で感激した。 演出・脚本・音楽・撮影・衣装・美術・演技の全てが美しい。 感激は心身全体に溢れて二日後の四月二十二日に再び祗園会館に行き、新たな感動を覚えた。 映画芸術は人間に生命への覚醒を呼び起こす。 天井桟敷の人々  Les enfants du Paradis 鑑賞三十一年  犯罪大通りにおいて芸人美女ギャランスとパントマイム俳優バチストとシェイクスピア劇を志す役者フレデリック・ルメートルは三角関係にあった。 ギャランスは強盗嫌疑から自身を助けたモントレー伯爵と結婚する。 フレデリック・ルメートルは主演作品『アドレの宿屋』の稽古で眼帯をして、三人の作者と対立する。 激怒した作者三人は激怒しフレデリックに決闘を申し込む。 フレデリックが楽屋に戻ると一人の男が簪に触れていた。昔の恋人ギャランスの髪からそっと抜き取った簪であった。    「触るな。私にとって思い出の品なんだ」 怒られた男は「俺にとっても思い出の品ならどうなる?」と問い返す。  フレデリックが名を問うと、男は「名もなき輩さ。用件に入ろう。俺は金がいる」と借金を申し込む。 決闘を控えているフレデリックは富くじで当たった金を渡し、役者という職業は毎晩同じ時刻に観客の心をときめかす事を確かめ、このことが冥利に尽きると強調する。 男の名前はピエール・フランソワ・ラスネールで借金を拒否されたら、抜いた刃を鞘に納めるつもりはなかったと述べ、潜ませた子分アヴリルを紹介する。 やくざのアヴリルは「フレデリックさんのファンなので殺したくなかったんです」と安心感を語り、ユーモアを喜ぶフレデリックは三人の食事を提案する。   ラスネール「決闘って相手は誰だ?」   フレデリック「馬鹿な相手さ」   ラスネール「馬鹿は殺すのが一番だ」 酩って千鳥足で決闘場に来たフレデリックは、作者達の銃弾を受けて右腕を負傷するものの、放った弾丸で作者を絶命させる。 一命を取り留めた彼はバチストの『古着屋』を見に行く。完売でチケットが買えない。切符係がお忍で見に来る貴婦人のお客様に頼んでお座りになっているボックス席の隅をお借りしましょうと提案する。 ベールを付けた伯爵夫人は快諾する。    「ギャランス」 フレデリックは貴婦人を見てその名を呼んだ。   「フレデリック様!」   「恋する二人にパリは狭しさ」 フレデリック様という仰々しい言い方を問うとギャランスは伯爵家に嫁いだのでこういう会話になりますと答える。   「デズデモーナよ。不実な女よ。ある日    突然姿を消して再会したら、『フレデリ    ック様』か!」   「変わってないわね」 舞台ではバチストのピエロが舞踏会会場に行き、恋する伯爵夫人を探すが警官に捕まれ放り出される。父アンセルムが演じる古着屋から礼服を買おうとするもピエロは金がなくて、古着屋に服を取られる。怒ったピエロは古着屋を刺殺する。 ギャランスはバチストが殺人の芝居で見せる凄みに悲しみを覚える。フレデリックはバチストの入魂の芸に圧倒される。   「まだ彼の事を?」   「旅立ってからあの人のことを思わない日は    一日も無かったわ」 フレデリックの胸に炎が燃える。   「嫉妬だろうか?不愉快だ」 ギャランスはすぐに治まるでしょうと語った。   「そう簡単に治まるか。これぞ天の助けだ。    この嫉妬こそ役に立つ。君らのおかげで    遂にオセロを演じることが出来る!」 今も恋している昔の恋人ギャランスはずっとバチストを愛している。 フレデリックは胸の中に沸々と起こり燃え上がった感情がオセロ役を演じる根拠になると確信する。 ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『オセロ』は中年の黒人将軍オセロが主人公である。若く美しい白人の女性デズデモーナに艱難辛苦の昔話を語った。デズデモーナはオセロの苦労多き過去に感動する。オセロは彼女と愛を確かめ合い結婚する。 旗手イアーゴーは、美男副官キャシオーと奥様が不倫を為しているのではと疑問を囁き、オセロは嫉妬を起こし妄想を抱き無実のデズデモーナを絞殺する。 フレデリックはオセロの嫉妬する感情を確かめ バチストにも礼を言いたいと考え、ギャランスに伝言を聞き、「すぐに発ちますが挨拶に来てくれたら嬉しい」というメッセージを聞く。  バチストとフレデリックは再会を喜ぶ。 ナタリーは今バチストの妻になり、二人には坊やバチストがいる。 フレデリックは今ギャランスは来ていて「挨拶に来てくれたら嬉しい」と望んでいるとバチストに伝えた。 『古着屋』の芝居中にバチストは演技が出来なくなり楽屋に帰る。 伯爵夫人役のナタリーは夫の心の異変に胸を痛める。 ギャランスが伯爵邸に戻るとピエール・フランソワ・ラスネールが来ていた。ラスネールはギャランスに「君が誰と暮らしているかは知っている」と述べ「俺の天使は豪華な檻に飼われている」と見る。   「昔は良かったわ。幸福な日々。甘い生活。」   「気をつけろよ。振り返ると過去は狂犬のよ    うに噛みつくぞ」 ギャランスの昔と変わらぬ優美さにラスネールの心は乱れる。   「せめて君が金に汚され身も心も腐り果て堕落    していてくれたならば、俺は心乱さず社交界    を憎むこともなかっただろう!」 帰り際の階段でラスネールは帰宅したモントレー伯爵とすれ違い対立する。 バチストは相談相手の中年女性マダム・エルミーヌの下宿で彼女に悩みを打ち明ける。「恋なんて簡単よ」と語ったギャランスに抱くこともなく部屋から去った自分の決断が幼いものだったと恥じ入り苦悩する。 エルミーヌは食事をとるようにと語り宥めて部屋から出る。秘かに知らされていたナタリーが一階に来ていた。 エルミーヌはバチストをそっとしておくことが大事ねと語りナタリーも同意する。  『オセロ』の舞台が開幕する。 オセロ役のフレデリックは全身を黒く塗ってムーア人の肌を見せ、妻を愛するあまり不貞の疑惑を真に受けてしまい、旗手イアーゴーの役者に気持ちを語る。   「俺は悔しいのだ」 オセロの台詞を、ボックス席の伯爵夫妻の妻ギャランスを見つめながら熱く語る。 伯爵は「シェイクスピア等くだらん」と冷笑する。ボックス席に花束が届けられる。「デズデモーナよ、ありがとう。オセロより」のメッセージを読み、伯爵はオセロ役者の妻への想いを察し決闘の覚悟を決める。  舞台ではフレデリックのオセローがデズデモーナ役者の女優に「死の床だ」と絞殺を宣言する。 デズデモーナ役者がせめて半時間待っての台詞を語り、フレデリックのオセロが「もう遅い」と叫び絞殺の場を熱演する。   伯爵は「名優に挨拶したいのです」と楽屋に向かい、ギャランスは「それなら貴方とお別れします」と告げる。夫殺意をどう冷やそうと迷うギャランスは沢山の観客の中からバチストの姿を発見した。二人はベランダに向かう。 伯爵とフレデリックは対面する。シェイクスピアを侮辱する言葉を伯爵は語り、演技に燃えているフレデリックを冷やかしからかう。   ベランダではギャランスとバチストが抱きしめ合う。  ピエール・フランソワラスネールは、カーテンを引く。ギャランスとバチストのキスの光景はベランダの人々に見られる。 伯爵は愕然とする。フレデリックとの決闘を主張しフレデリックも承諾する。 ギャランスとバチストは一夜の時間を大切にして思い出の場所グラン・ルレーで結ばれる。  ☆銀幕に燃えるオセローの嫉妬☆  フレデリックはウィリアム・シェイクスピアの戯曲を『オセロ』を熟読しオセロ役に命を賭ける。 第一部で『オセロ』におけるオセロのデズデモーナへの殺意の台詞をベッドで朗読するシーンがある。 この後ギャランスと結ばれる。 ピエール・ブラッスールのフレデリックが生きるオセロは熱い。  「俺は口惜しいのだ」の台詞のブラッスールのアップは鬼気迫るものがある。 ウィリアム・シェイクスピアの戯曲の『オセロ』の映像版では、短い場面ではあるものの、ピエール・ブラッスールのオセロに決定版を見た。 黒い肌のメイクで伯爵に喧嘩を売られ冷静に嫉妬を解説するロビー会話のシーンも、フレデリックであってオセロでもある。 シェイクスピア劇は読み聞き見る人間の命を燃やす。 フレデリック・ルメートルはバチストで恋の道で敗れ嫉妬でオセロ役の核心を掴む。 オセロの嫉妬が新たな映画において燃えている。 16歳だったわたくしは祇園会館客席で吃驚した。 ジャック・プレヴェールの脚色術・マルセル・カルネの演出は、戯曲の命をフィルムに燃やしていることを実感した。  アルレッティは1898年5月15日に誕生した。1992年7月24日に94歳で死去した。 ジャン=ルイ・バローは1910年9月8日に誕生した。1994年1月22日に83歳で死去した。 ピエール・ブラッスールは1905年12月22日誕生した。1972年8月14日に66歳で死去した。 ピエール・ルノワールは1885年3月21日に誕生した。1952年3月11日に66歳で死去した。 マリア・カザレスは1922年11月21日に誕生した。74歳誕生日翌日の1996年11月22日に死去した。 ルイ・サルーは1902年4月23日に誕生した。1948年10月12日に46歳で死去した。 マルセル・エランは1897年10月8日に誕生した。1953年6月11日に55歳で死去した。 マルセル・カルネ監督は1906年8月18日に誕生した。1996年10月31日、90歳で死去した。 ヴィシー政権のフランスにおいて製作された作品である。ナチスドイツに占領されている時代においてフランス映画芸術の底力を見せようというスタッフの心意気を感じる。    『天井棧敷の人々』において、ジャック・プレヴェールが書いた台詞と脚本は完璧な美しさを魅せている。 アルレッテイ、ジャン=ルイ・バロー、ピエール・ブラッスール、ピエール・ルノワール、マリア・カザレス、ルイ・サルー、マルセル・エランは銀幕に輝いている。 マルセル・カルネが語り見せた演出は絶対の美を示している。 ピエール・ブラッスールのフレデリック・ルメートルはオセロ役の魂を私に教えてくれた。 ☆ ピエール・フランソワ・ラスネールが大詰でアヴリルに語る台詞“La vie belle.“(人生は美しいぞ)が観客の心に迫ってくる。 ☆ 2020年10月31日発表記事・2021年9月5日発表記事・2022年8月18日発表・2023年4月20日・2024年4月20日発表記事を基にして加筆し、ウィリアム・シェイクスピアのテーマで投稿している。 ☆   ピエール・ブラッスールはフレデリック・ルメートルを演じ、フレデリックは劇中劇でオセロを演じた。 オセロがフレデリック・ルメートルになり、フレデリック・ルメートルと共にピエール・ブラッスールになった。 三者の呼応は嫉妬に身を燃えるオセロの生き方をフィルムに焼き付けた。 ◎ 『天井棧敷の人々』京都シネマ五回目鑑賞から祇園会館鑑賞から四年である。 自己の歩みを振り返ると遅々とした学びに恥じ入る。 『天井棧敷の人々』は1946年ヴェネツィア国際映画祭特別賞を受賞した。映画史上のベスト作品として数々の顕彰を受けている。映画雑誌の史上ベストとして選ばれている。 そうした顕彰があったとしても、それらは他者の評価である。 わたくしの讃嘆は、わたくしが映画館でフィルムを見聞し学んだことから語る讃嘆である。 映画批評家・映画評論家・学者・研究者・記者・作家・アーティスト等の讃嘆を否定している訳ではない。 しかし、映画賞やベストテン等は得票によって決まっていることが多い。 批評家・評論家・研究者が絶賛しているからといって自分が共鳴するかどうかは別問題だ。たまたま批評家・評論家・研究者が讃えた作品を、わたくしが讃えたとしても、讃嘆の言葉・文字はそれぞれに別である。観客も批評家も評論家もそれぞれの縁で映画館に入ってフィルムを見聞し映画館から退場し見聞した事を確かめる。 讃嘆している言葉・文字は鑑賞者一人一人が出会った縁によって語り書いている。 映画賞や映画雑誌ベストワン等の顕彰があったとしても一切迎合しない。『天井棧敷の人々』が数々の映画賞を受け、映画雑誌史上ベストワンに選ばれている。これこそ『天井棧敷の人々』ファンの一人一人が注意すべき事柄である。他者の意見を鵜呑みにしない。他者には他者の出会いがある。他者の意見を全否定する訳でもない。 自分自身が映画館で映写されたフィルムから何を学ぶかである。 そもそも『天井棧敷の人々』を最上最高の価値観で祀り上げる事自体違うんじゃないの?「上部や高位にあるものを讃え、下部や低位にあるものを否定する」という上是下非・高是低非のランキング固執から解放するものが『天井棧敷の人々』から学び得たものではないのか? 勿論藝術対娯楽の二元観念固執等吹き飛ばしてくれる。  「そう簡単に『芸術か』『娯楽か』のレッテルは貼れんで」という事を、わたくしはマルセル・カルネ演出とジャック・プレヴェールシナリオから学んだ。   「藝術」という単語を乱用することによって、分かったことにする営みとも全く違う。 「宗教」と言えば宗派や法人と錯覚している誤謬を多く見る。 釈尊が目覚めた仏教、イエス・キリストが学んだ事柄に帰るという学びが肝要なのだ。 「藝術とは何か?」「宗教とは何か?」という問題は広大無辺であり、自己の命の道をそこに賭け尽くすことで尋ねられるのである。 現代日本における自称演劇関係者達のウィリアム・シェイクスピア戯曲破壊改竄に悲憤の言葉を書いているが、「どうすれば良いのか」という方法論は、ピエール・ブラッスールが勤めたオセロの劇中劇シーンを観て学ぶべきだという事だ。  現代日本の一部の自称演出家たちは、自分にウィリアム・シェイクスピア戯曲を読む学力がないから、「観客にはわからないだろう」と思い込み、歪曲改竄した文字並べを現代最先端演劇と勘違いして上演する。 勿論横内正のような偉大な演出家も居る。 ピエール・ブラッスールが勤めるフレデリック・ルメートルがフィルムの中においてオセロの嫉妬を生きる。 劇中劇は短い時間でもあっても戯曲『オセロー』の生命を燃やしている。 マルセル・カルネやジャック・プレヴェールやピエール・ブラッスールや横内正の広大な演出・精密な脚本や重厚な芸に学ぶことは大変な道だが、歩みを志すべきだ。 広大無辺なW・シェイクスピア劇の尊さを舞台に現出したいという野心を燃やすべきだ。 『天井棧敷の人々』は確かに藝術なのかもしれない。しかし、「藝術」をも超えて生命を生きている事実を忘れてはいけない。  わたくしが何よりも嘆いているのは、『天井棧敷の人々』に出会いながらも、出会った美を文字にも言葉にも表せない自身の貧しき学力である。 無限の生命を生きている『天井棧敷の人々』は、有限の生命を生きるわたくしに、今日も甘美な感覚を呼び起こしてくれている。    フィルムの甘美に出会ったわたくしの心が甘美である筈がない。自己の汚さと鈍感さを痛感している。 ヴィシー政権のフランスにおいて、芸術愛に生きる人間の命の輝きをマルセル・カルネは映し出している。 アドルフ・ヒトラーの暴政・圧迫に押さえつけられても屈しない抵抗精神はフィルムに燃えている。  甘美生命の活動大写真である。来年2025年3月9日はフランス公開80年である。全世界でリバイバル上映をして欲しい。  永遠の命を生きる映画『天井棧敷の人々』の甘美さから学んだ事柄を言葉・文字にすることに自己の生涯を捧げたい。 あとどれだけ自分の命があるのか分からない。 五十七歳になるとこういう事柄も頭によぎってくる。 老齢になれるかどうかもわからないが、初老の現在においては、晩年と呼ぶべき時期になったら“La vie belle.“と確かめられる心境になりたいものと秘かに望んでいる。 生涯のベスト・ワンなんて不遜どころかとんでもない。 わたくしの小さな生涯は無限大映画『天井棧敷の人々』への学びが主題だ。                      合掌  

    バチスト/ジャン=ルイ・バロー F・ルメートル/ピエール・ブラッスール  五回目銀幕鑑賞四年
  3.  2024年11月8日の「金曜ロードショー」で『トップガン』が放映されるので、2022年年5月に掲載した「『トップガン』ネタバレの感想」を再々掲載する。 評価 4/5 ☆☆☆☆★ 2021年11月20日に「土曜プレミアム」で『トップガン』が放映されたので見た。続編の『トップガン/マーヴェリック』の当初の日本公開日は2020年7月10日だったが、コロナ禍のため米国本土での公開が度々延期され、そのため日本公開も度々延期されて、2021年11月19日に日米同時公開が一旦決まった。今回の放映はそれに合わせたのだろうが、またも延期され、2022年5月27日に日米同時公開が決まったそうだ。公開がまたもや半年も伸び、フジテレビも話題性のあてが外れて、視聴率に困っている事だろう。当初の日本公開予定より何と1年10か月も延びたが、公開が決まって嬉しい。さらに延期にならない事を祈る。 さて『トップガン』は1986年公開なので、本作を35年ぶりに見た。当時24歳のトム・クルーズが若いのに驚く。当時は米国海軍が全面協力し、本物の戦闘機を使って空中戦を撮影したのが話題になった。公開当時に見て、ミグ28との空中戦や、訓練での教官機との空中戦の迫力に興奮した。また、テーマ曲を聞くと、心が高ぶって来る。(実はその翌年、苫小牧発仙台行きのフェリー内での上映会を見たのだが、船の揺れが戦闘機の揺れのように感じ、かなりの臨場感だった) なお、ミグ28は架空の戦闘機であるので、F5を塗装してミグ28に見立てて撮影したそうだ。もちろん撃墜場面は本物ではなく、模型を破壊して撮影したそうだ。 さて、マーヴェリックは天才パイロットと言われるが、管制塔の脇をかすめ飛ぶのを繰り返すなど、規則違反の常習犯なのが楽しい。その度、管制官が服にコーヒーを溢すのも面白い。 マーヴェリックは、事故で同僚のグースを亡くし、自信を失い、戦闘できなくなる。しかし、その後インド洋での作戦でアイスマンの戦闘機を助け、1人でミグ28を4機も撃墜すると言う活躍を見せ、自信を取り戻すのも感動的であった。 でも、実際に自国機が1機、敵機が4機も撃墜されれば、映画では相手国は否定したが、国際問題となると思うのだがどうなのだろう。マーヴェリックの父親の死が極秘扱になっていたように、我々一般人が知らない所で、このような戦闘が行われていたりして。 また、マーヴェリックとチャーリーの恋も良かった。マーベリックが映画中で「1回目は墜落し、2回目は分からない。ここまでは良い調子だ」と言っているように、最初は、チャーリーは昇進して自信喪失したマーヴェリックを置いてワシントンD.C.に行く。その後、トップガンの教官としてマーヴェリックがミラマー海軍基地に戻って来たと知ったチャーリーがマーヴェリックの元に戻ってくる。 自信も恋愛も1回挫折し、その後復帰すると言う脚本が青春映画としても上手くできている。評価は「4」である。 マーヴェリックが「トップガン」の教官としてミラマー海軍基地に戻ってくる場面で終わったので、続編でその後のマーヴェリックの教官としての活躍や、アイスマン達との友情を期待したのだが、いつまでたっても作られなかった。やっと来年、36年ぶりに続編が見られるのが楽しみである。トップガン マーヴェリック [DVD]Amazon(アマゾン)トップガン スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]Amazon(アマゾン)トップガン スペシャル・エディション [DVD]Amazon(アマゾン)トップガン DVD2枚組 スペシャル・エディション マーヴェリック トム・クルーズAmazon(アマゾン)ドイツレベル 1/48 アメリカ海軍 F-14A トムキャット トップガン プラモデル 03865Amazon(アマゾン)(LOLO import) トップガン マーヴェリック INDIAN OCEAN CRUISE 63-4 BIGパッチ アメリカ軍 TOPGUN ワッペン 刺繍 PK23-TK パッチ (2_63-4) [並行輸入品]Amazon(アマゾン)トップガン マーヴェリック ドッグタグ ドックタグ DOGTAG PETE MITCHELL "MAVERICK" 仕様 再現 マーベリック ピートミッチェル ピート・ミッチェル TOPGUN MAVERICK TYPE-A シルバーAmazon(アマゾン)Avirex TOP GUN トップガン ダストデビル スウェットジップパーカー 783-3931012 (XLサイズ, 382:グレー)Amazon(アマゾン)[keychain] TOPGUN トップガン マーヴェリック キャップ ベルト式アジャスター 付き 男女兼用 フリーサイズ 帽子 ファン 航空 MAVERIC グッズ アイテムAmazon(アマゾン)[アヴィレックス] 直営店限定 TOP GUN CREW NECK SWEAT/トップガン クルーネック スウェット メンズ 2XL 020 グレー 783-3132019Amazon(アマゾン)

    『トップガン』ネタバレの感想 本物の戦闘機を使った空中戦が迫力満点(再々掲)
  4. ラピュタ阿佐ヶ谷「ORGASM的」偏愛ロマンポルノ より製作:マイルストーン配給:にっかつ監督:山本普也脚本:佐伯俊道撮影:志村敏雄美術:滋野清美音楽:林大輔出演:小松みどり 滝川真子 イヴ 九十九一 野上正義 福田健次 平瀬りえ 江崎和代 橋本杏子 大木正司 なぎら健壱1985年8月3日公開赤嶺紫雨子(小松みどり)は小料理屋の女将として、アルバイトの初美(滝川真子)を雇いながら、平穏な暮らしを送っていました。彼女は“仙道王呪教”の教祖である赤嶺岳堂(大木正司)の娘でもあり、父親が亡くなったことによって、葬儀のために8年ぶりに教団に戻ります。紫雨子は妹の霞(イヴ)に教主を譲る気でいましたが、霞は時たま狂ったように男を求める病魔にとり憑かれていたため、事務局長の野々村健蔵(野上正義)は配下の男たちを彼女にあてがっていました。そんな事情もあって、岳堂の死後、信者は紫雨子を教主として教団を盛りたてようとします。野々村の息子・幹生(福田健次)と頭の弱い湯番の六郎(九十九一)は、紫雨子を秘かに想いつつも、本心を打ち明けられずにいました。一方、野々村は六郎を使って大麻を栽培させ、その大麻によって実質的に教団を支配していました。そんな中、教主の覚悟を決めた紫雨子に魔の手が伸びるのですが・・・。表向きは神仏に仕える身の筈なのに、裏に回ればSEXと麻薬に塗れた宗教法人だったという筋書きには特筆すべきものはありません。当然、見どころは五月みどりの妹である小松みどりの裸と濡れ場になります。映画公開時、小松みどりは30代半ばということもあって、熟れた体とそこはかとない色気が漂っていて、それだけで元は取れたように思います。そのことに加え、個人的には巫女を演じていた平瀬りえも鑑賞動機のひとつでした。彼女はプロポーションが良い上に、とにかく乳房が綺麗。更に欲情を掻き立てる顔立ちをしており、当時彼女のヌードを男性誌のグラビアで目にしていた20代前半の若造には堪らないものがありました。そんなこともあって、あわよくば平瀬りえの裸と濡れ場が拝めないかと思っていたら、ちゃんと見せ場が用意されていて、こちらとしては願ったり叶ったり。彼女たちの他にはイヴ、滝川真子、江崎和代も出ていますが、この映画は小松みどりと平瀬りえに尽きました。それでも、滝川真子は映画の序盤、小料理屋の仕事が終わった後にマリファナを一服していて、小松みどりの後を追って教団に巫女として入ったのは、そっちが目的だったのではないかと疑いたくなります(笑)。それ以外では頭の弱い六郎を演じていた九十九一が儲け役でしたね。特に湯に浸かる紫雨子に「いやらしい目で見ないで」と言われた彼が、自分に課した罰は衝撃的でさえあります。また、僅かな出番ながら山伏を演じたなぎら健壱は役者やのぉと言いたく芝居を見せていました。山本晋也はどちらかと言えば艶笑喜劇を得意としており、笑いを封印したシリアスなドラマは不向きなようにも思えました。ストーリーではなく、女優目当てで観る映画と割り切ったほうが良いでしょう。

    平凡な暮らしを送っていた小料理屋の女将が教祖に担がれ・・・「小松みどりの好きぼくろ」を観て
  5. ロバート・ケネディJr 「戦争マシーンに終止符を」
  6. President Onlineの最新記事の抜粋がこちら!衆院選で過半数割れに追い込まれた石破政権は、これからどうなるのか。ジャーナリストの鮫島浩さんは「石破政権のままでは来夏の参院選は戦えず、政権の寿命はあと半年ほどになるだろう。石破氏の次を狙う動きはすでに始まっている」という――。■反主流派は「動くに動けない」状況  総選挙で惨敗し、自民党内には石破茂首相への怒りが充満している。石破首相が自ら掲げた「自公与党で過半数」を勝敗ラインを割り込みながら、平然と続投を宣言したことが憤怒を増幅させている。  けれどもただちに「石破おろし」の狼煙があがる気配はない。石破首相を忌み嫌う安倍派は裏金議員が大量落選し、党内抗争を仕掛ける力を失った。何よりも自公過半数割れのなかで石破首相に退陣を迫れば、自民党が分裂して政界再編を誘発し野党に転落しかねない。反主流派は動くに動けないのが実情である。  9月の総裁選の決選投票で逆転負けした高市早苗氏は、石破首相から提示された自民党総務会長のポストを固辞し、「党内野党」を宣言した。総選挙公示後は12日間の選挙期間のうち11日を地元・奈良2区を離れて全国を駆け巡った。石破首相や森山裕幹事長ら自民党執行部が非公認とした安倍派5人衆の萩生田光一氏の応援にも駆けつけた。  総選挙後に「石破おろし」を仕掛けて再び総裁選に挑戦するには、9月の総裁選で高市氏を支持した安倍派中心の「同志」がひとりでも多く国会に戻ることが絶対に必要だ。裏金事件で猛烈な逆風を浴びた安倍派の面々にとって、今回の総選挙の心の支えは、高市氏と安倍晋三元首相の昭恵夫人だった。■20年以上続いた「清和会時代」の終焉  ところが、結果は散々だった。安倍派は候補者50人のうち当選したのは22人だけ。裏金議員46人は18勝28敗だった。高市氏が応援に入った約40人のうち、実に6割が落選したのである。裏金問題に対する世論の批判は痛烈だった。最大派閥だった安倍派(清和会)は壊滅的な打撃を受け、自民党内に20年以上にわたって君臨した「清和会時代」は終焉した。安倍派の壊滅は、高市氏の支持基盤消失を意味する。高市氏は10月31日にXへの投稿で自民党執行部への恨み節を展開した。自ら「役職もない自民党のヒラ政治家」と名乗り、「12日間の選挙期間のうち、11日間は(自分の)選挙区外で過ごした」のに「党本部からガソリン代や高速道路の通行料金が支給されるわけでもない」と愚痴り、「選挙後も、特に党役員から慰労の御言葉を頂いたわけでもない」と不満を露骨に示したのだ。  読売新聞の世論調査によると、石破内閣支持率は衆院解散前の51%から34%に急落し、自民党内では「来夏の参院選は石破首相では戦えない」との空気が広がっている。  石破首相に今すぐ退陣を迫れば政局が混乱するため、来春の予算成立までは石破政権で少数与党の厳しい国会を耐え、予算成立後に退陣させて緊急総裁選を実施して新しい首相に差し替え、イメージを刷新して参院選を乗り切るという相場観が出来上がりつつある。■安倍派衰退で遠退いた「高市政権」  けれども、来春に「石破退陣→緊急総裁選」の展開になったとしても、高市氏の勝ち目は薄い。少なくとも9月の総裁選よりも苦戦を強いられる状況なのだ。  9月の総裁選は岸田文雄前首相の任期満了に伴うもので、党員票と国会議員票が半々だった。高市氏は無派閥で党内基盤が極めて弱く、推薦人20人を確保するのも苦労し、一時は泡沫扱いされた。  ところが、党員投票で躍進するとの見方がマスコミ調査で広がり、小泉進次郎氏、石破氏と並ぶ三つ巴の戦いに。菅義偉元首相に近い小泉氏や石破氏を警戒する麻生太郎氏が土壇場で高市氏に乗り、決戦投票へ進出したのだった。  だが、緊急総裁選は高市氏を押し上げた党員投票が行われず、国会議員投票だけで決する。ただでさえ、高市氏には不利だ。しかも、高市氏を支持した安倍派の多くが落選し、国会議員票が目減りするのは避けられない。形勢不利になれば、麻生氏が支持してくれるとは限らない。  しかも緊急総裁選は、自公過半数割れを受けて、どうやって野党の協力を得ていくのか、さらにはどうやって過半数を回復させるのかが、最大の争点となる。  高市氏は野党とのパイプは強くない。とりわけ、野党第一党の立憲民主党は高市氏の右寄りの政治姿勢を強く警戒している。少数与党の高市政権が誕生すれば、国会は与野党激突で混乱し、ますます混迷を深めるだろう。■軽傷で済んだ麻生派と茂木派  石破政権は総選挙で躍進した国民民主党を与党陣営に引き込むことに躍起だ。国民は自公連立入りを否定し、個別政策ごとに是々非々で対応する「パーシャル連合」で向き合う。まずは政治資金規正法の再改正を求め、年末の予算編成・税制改正で「103万円の壁」撤廃やガソリン税減税を受け入れさせる戦略だ。国民民主党は岸田政権下でもガソリン税減税を進めるために補正予算案に賛成した。この時、自民党側の交渉窓口になったのは、副総裁の麻生氏や幹事長の茂木氏だった。国会のキャスティングボートを握った国民と太いパイプを持つのは、麻生氏と茂木氏なのだ。ふたりは国民の支持基盤である連合とも密接な関係を築いている。  茂木氏は石破政権で無役に転じ、麻生氏と歩調をあわせて非主流派の立場を鮮明にしている。来春に石破首相が退陣すれば、緊急総裁選に再び名乗りを上げる公算が高い。9月の総裁選は党員票が伸び悩んで惨敗したが、緊急総裁選は国会議員票だけで決まる。  茂木派は今回の総選挙で候補者33人のうち27人が当選し、自民惨敗のなかで踏みとどまった。麻生派も候補者40人のうち31人が当選し、安倍派壊滅のなかで相対的には勢力を増したといえる。麻生氏が高市氏よりも茂木氏を擁立したほうが緊急総裁選で勝てると判断する可能性は十分にある。国民民主党との密接な関係も決め手になるかもしれない。■維新は交渉相手にならず  日本維新の会は総選挙敗北で馬場伸幸代表の進退問題が浮上して党内が混乱し、自公との協議どころではない。国民民主党と競い合って自公に接近するのか、対決姿勢を鮮明にするのか、新体制が固まるまでは見通せず、当面は主要プレーヤーから離脱しそうだ。  自民党ではこれまで橋下徹氏や松井一郎氏と親密な菅氏が維新との窓口役を担ってきた。菅氏は9月の総裁選で担いだ小泉氏の惨敗で影響力が低下しており、維新の新体制との交渉を誰が主導するのかは不透明である。  いずれにせよ、自公過半数割れを受けて野党との協議が不可欠となる国会情勢のなかで、高市待望論が高まる気配は今のところない。  少数与党政権は極めて脆弱だ。国民民主党に反旗を翻された時点で、いつでも内閣不信任案が可決されてしまう。石破首相には解散総選挙で対抗する力はなく、内閣総辞職に追い込まれるだろう。予算案も法律案も自公与党だけで成立させることはできない。国民との協議が整わず、立憲や維新を引き込むこともできなければ、石破政権はたちまち立ち往生する。  石破政権は萩生田氏ら非公認議員や無所属議員の6人を自民党会派に入れたものの、過半数にはなお12議席届かない。今後も野党議員の一本釣りを画策するだろうが、それだけで過半数を回復するのは難しそうだ。■打開策は「自公国連立」「衆参ダブル選挙」だけ…  抜本的な過半数回復策はふたつしかない。ひとつは連立政権の枠組みを拡大させること。当面のターゲットは国民民主党で、自公国連立を誕生させれば政権基盤は安定する。次のターゲットは日本維新の会だ。さらには立憲民主党との大連立も視野に入れていることだろう。けれども連立に加わった政党は「自公の補完勢力」と批判を浴び、来夏の参院選で惨敗必至だ。だからこそ、国民民主党も連立入りを否定し、パーシャル連合の立場をとった。他の野党も事情は同じである。参院選前に連立拡大によって政権基盤を安定させることは相当に難しい。  もうひとつの選択肢は、来夏の参院選にあわせて衆院解散を断行して過半数回復を目指す道である。衆参ダブル選挙だ。  国民に不人気の石破首相では、衆参ダブル選挙は到底無理だ。やはり来春に石破首相を退陣させ、国民人気のある新しい首相に差し替えることが、衆参ダブル選挙を仕掛ける大前提となる。小泉進次郎氏は9月の総裁選で「不人気」をさらけ出した。  高市氏は党員人気は高いものの、国民人気はそこまで高まらず、総裁選の決選投票では「高市政権では無党派層が右寄り政策を警戒して逃げ、小選挙区では勝ちきれない」との危機感が自民党内で強まり、石破氏に逆転を許した。  茂木氏や林芳正官房長官は国民人気が決して高くはない。この先、国民人気の高い「新しいスター」が登場しない限り、衆参ダブル選挙はハイリスクの賭けとなる。■萩生田氏の「反撃宣言」  自公与党は八方塞がりの状況だ。そのなかで弱小の石破政権が来春の予算成立までは国民民主党の主張を次々に受け入れながら、かろうじて政権運営を担うことになろう。  予算成立後は一気に参院選モードに突入し、与野党対決が強まる。国民民主党も「103万円の壁」撤廃やガソリン税減税を盛り込んだ予算が成立したのを機に反自公に転じるかもしれない。いざとなれば自公が受け入れ難い「消費税減税」を迫り、自公が拒否したことを理由に協調路線から離脱して、参院選で再び躍進を狙う可能性もある。  自民党の反主流派が「石破おろし」に動くのも予算成立のタイミングだ。予算案が衆院を通過し、年度内の自然成立が確実となる2月末に「石破おろし」の狼煙があがるだろう。最初に声を上げるのは、総裁選出馬をめざす高市氏や茂木氏ではなく、石破首相に恨み骨髄の萩生田氏ら安倍派5人衆ではないか。  萩生田氏は東京24区に無所属で出馬し、接戦を制して勝ち上がった。  総選挙後にネット番組に出演し、裏金問題で政治倫理審査会に出席しなかったことを理由に公認を外されたことについて「反論もせず(総選挙を)戦ったが、非公認にするにはそれなりの根拠が必要だ」「(政倫審に出席しなかったのは)党の判断。それを持って説明責任を果たしていないと言われたことは腑に落ちない」と露骨に不満を示した。「いろいろな意味で吹っ切れた。少しずうずうしく前面に出てやれることをやりたい」「『俺は後ろの方で守っているから、みんな前に出ろよ』というわけにはいかない」とも述べ、反撃宣言したのである。  石破首相については「就任して1カ月。支持率が低いからどんどん変えたら政権が不安定化する」として当面は静観する姿勢を示したが、来春に照準をあわせているのは間違いない。■来夏の参院選は石破氏以外で  裏金問題で離党に追い込まれ、森山幹事長と親しい二階俊博元幹事長の三男を和歌山2区で圧倒して勝ち上がった世耕弘成氏も手ぐすねを引いている。森山氏は世耕氏の復党を認めない姿勢だが、世耕氏は参院幹事長を務め、参院への影響力は今なお強い。  安倍派は総選挙で壊滅的打撃を受けたものの、世耕氏が束ねてきた参院勢力は残存している。来春の総裁選になれば、無所属であっても世耕氏の影響力は無視できない。世耕氏が推す候補が総裁レースで勝ち上がれば、復党はただちに実現するだろう。  石破首相は「党内野党」として正論を吐き続け、世論の人気を得て、9月の総裁選に勝利した。ところが首相就任後はブレまくり、総選挙では裏金議員の大半を公認し、国民の期待は一気に萎んだ。  総選挙で自ら掲げた勝敗ラインを割り込んだものの首相に居座り、内閣支持率は急落。党内基盤は弱く、少数与党の国会運営は混迷を深めていくだろう。来夏の参院選は石破政権では戦えそうになく、来春の予算成立を機に首相を再び差し替えるのが自民党の既定路線となりつつある。石破政権の余命はおそらくあと半年だ。■麻生派、安倍派、主流派の抗争は続く  反主流派はどんな戦略を描くのか。麻生氏は茂木氏と連携してキングメーカー復活を狙う。高市氏は総裁選への再挑戦へ基盤を固め直す必要がある。萩生田氏や世耕氏ら安倍派の面々は石破首相への恨み骨髄だ。  岸田文雄前首相や森山幹事長ら主流派はポスト石破に岸田派ナンバー2の林官房長官を担ぐ可能性が高い。林氏は麻生氏とソリが合わない一方、財務省に近く、立憲民主党との関係も良好だ。国民民主党を含め野党の出方も政局を大きく左右する。  来春の予算成立が大政局への号砲となる。さあ、自民党の跡目争いはいよいよこれから本格化する!石破さん、あと半年は頑張って!

  7. 連日のように石破総理が集中砲火を浴びている!昨日も両院議員懇談会で、議員から徹底的に批判され、まるで「針のむしろ」状態だ!こんな情けない状態に置かれるとは、石破氏自身も予想していなかっただろう。自民党は11月7日午後、党所属の全国会議員を対象とした両院議員懇談会を党本部で開いた。石破茂首相(党総裁)は冒頭あいさつで、衆院選で公明党と合わせた与党の議席が過半数を割ったことについて「誠に痛恨の極みだ。国民の皆さまがたのご期待に十分応えることができなかったことは、本当に深く反省をし、お詫びをしなければならない」と陳謝した。自民党両院議員懇談会であいさつする石破茂首相(中央)=11月7日午後、党本部で◆2000万円支給問題で「一挙に流れが変わった」懇談会には、所属国会議員の6割に当たる186人が出席。冒頭を除き報道陣に非公開で約3時間にわたって行われ、約50人が発言した。複数の出席者によると、石破首相にただちに辞任を求める声までは上がらなかったものの、2024年度補正予算や2025年度当初予算の成立など、しかるべきタイミングで責任を取るべきだとの意見が相次いだ。衆院選終盤には、裏金事件で非公認となった10人の候補者が支部長を務める党支部に、公認候補と同額の2000万円の政党交付金を支給していたことが判明。これによって「一挙に流れが変わって多くの仲間が落選した」と、多くの恨み節も聞かれたという。衆院千葉5区で落選し比例復活した英利アルフィヤ氏は、報道陣の取材に「最後の2日間、やはり2000万円の支給の問題で大幅に風が変わった」と振り返った。閣僚経験者も「バカなことしたなあと思った」と話した。懇談会は衆院選の当選者と参院議員が対象のため、「落選した候補者の声こそ聞くべきだ」「落選した人の方が言いたいことはあるだろう」との指摘も多くあったという。森山裕幹事長は懇談会終了後、報道陣に「落選された新人の方についても、また(落選した)現職であられた方々についても、ヒアリングをさせていただきたい」と述べ、説明の場を設ける考えを示した。◆森山幹事長「強く責任を感じている」衆院選で、政治資金パーティー裏金事件や旧統一教会問題などに関して厳しい批判を受けた自民党は、改選前の256議席から191議席まで減らし、24議席(8議席減)の公明党と合わせても過半数(233)に届かない惨敗を喫した。森山幹事長は冒頭あいさつで、選挙結果について「強く責任を感じている。多くの国民の皆さんから厳しいご批判をいただいたことについては、厳粛に受け止めなければならない」と話した。◆「まだ政倫審で説明していない議員がいる」裏金事件を巡っては、衆参両院が政治倫理審査会への出席を求めた議員のうち73人が応じていない。大岡敏孝衆院議員(滋賀1区で落選し比例復活)は、報道陣に「まだ説明していない議員がいる。ぼくらはそのせいで、全く説明していないとあちこちで言われた。組織の問題だ。しっかり政倫審を開いて、全ての議員が説明するようにしてもらわなければならない」と訴えた。西田昌司参院議員は、岸田文雄前首相や、総裁選で石破氏と決選投票を争った高市早苗前経済安全保障担当相には「(衆院選前に)政倫審問題はカタをつけて、ちゃんと弁明をさせる機会を与えておかないと、一方的に野党やマスコミに批判の対象にされてしまう」と進言していたと説明。だが石破氏に対しては、急な衆院解散のため「そういう話をする間がなかった」と悔やんだ。別の閣僚経験者は「われわれが(政治とカネの問題に)けじめをつけたつもりでも、国民にはそうは映っていなかった」と嘆いた。この日の石破総理のコメントは、この問題がどういうことなのか全然理解していないことを如実に示している。「誠に痛恨の極みだ。国民の皆さまがたのご期待に十分応えることができなかったことは、本当に深く反省をし、お詫びをしなければならない」こういう話ではないのだ。自民党の現職議員の多くが落選したのは、石破首相の選挙方針や具体的な方策が劣悪だったために、これまでの自民党支持者が野党に投票したからだ。自身の政治家としての基本的な戦術の「いろはのい」が分かっていなかったからだ。長年にわたって安倍晋三から距離を置き、一匹狼状態だった石破茂という男が、突然自民党の総裁になっても、党内に頼れる重鎮や同僚や部下も無いまま、最悪の環境下で選挙で勝利するはずもなかったのだ。裏金議員への2000万円支給など、実際の裏の手配は森山幹事長がやりくりしたのだろうが、それが全部共産党に漏れて、赤旗で暴露されてしまった。森山の大チョンボというのが実態なのだが、それを任せっぱなしにした石破茂という男の政治家としての稚拙さも無視できない。この男が、数か月以内に消えてゆくのは間違いない!どういうわけか、石破茂は、キリスト教のプロテスタントだという。大統領に返り咲いたトランプもプロテスタントだ。だから、石破とトランプは親しくなれるだろうという能天気なコメントをしている評論家がいるようだ。とんでもない!トランプは実質は無宗教の銭ゲバだ。ビジネス界で大成功してトランプタワーやゴルフ場など多くの不動産を手にしてきたが、そのセンスで大統領というもっと大きな財産を獲得しようと再選をトライして成功した。ビジネスも政治も基本は同じだ。トランプのような激しいビジネスマンに対応することは、石破にはできるはずがない。トランプと仲良くするには、まず英語で意思の疎通が図れるかどうかだ。今回の自民党総裁選に立候補した9人の中で、英語が話せないのは、石破と加藤だけだ。ほかの7人は全員なんらかの形で英語力を身に着けている。高市もそうだ。総裁選2024|自由民主党自由民主党 総裁選挙2024の特設サイトです。令和6年9月12日告示・27日開票。立候補者のプロフィール、自民党総裁選日程、演説会情報など、さまざまなコンテンツをご用意しています。www.jimin.jp前総理の岸田も英会話力抜群で、米国議会で演説して賞賛され、悦に入っていた。石破茂がトランプと日米安保について丁々発止やり合うような場面は残念ながら絶対に見られないだろう。こんな状態になってしまって、これから石破茂はどうするのだろう。まさにこの男は「スケープゴート」だ。さて、こんな状態の自民党の中で、ひとりほくそ笑んでいる悪がいる。それは誰か?小泉純一郎は息子の進次郎を首相にできなかったから、喜んでいるはずはない。森喜朗は、すでに蚊帳の外だ。令和おじさんこと、菅義偉も、小泉進次郎をバックアップして自身の政界でのポジションアップを狙ったが失敗した。いまはだんまりだ。最悪の自民党の中で、ひとり笑っているのは、だれか?それは、岸田文雄だ!前総理の岸田こそ、敵前逃亡した極悪人なのだ!だれもそれを攻めていないのはなぜか?裏金問題をきっちりと解決できなかった自民党の責任者は、まちがいなく岸田文雄なのだ!石破茂は、最悪のタイミングで「スケープゴート」にされたのだ。いまや日本の政界は、世界の先進国中、最低のレベルに落ちた!今回の衆院選では、日本の政治の貧困さがあからさまになった。これから、日本の政治における問題点を徹底的に洗い出して行きたい。

  8. またしても橋幸夫である。今回も全て松竹作品である。66年に入るが、まずは「雨の中の二人」。橋の75枚目シングルタイトルでもあるのだが、本作の主演は橋ではなく、田村正和と中村晃子である。橋は橋幸夫本人として出演しているのだ。橋が主演でないのは、久しぶりである。二人が働く「魚源」(魚屋ではなく仕出し弁当屋)には多くの店員がおり、その中に藤岡弘や新藤恵美もいる。共に前年のデビューで、本作では二人で駆け落ちする役だ。やはり店員役の田中晋二は子役出身で55年木下惠介が監督した「野菊の如き君なりき」の主演だったこともある。他に曾我廼家一二三、葵京子、佐藤英夫など。「汐風の中の二人」も、橋の80枚目シングルタイトルではあるが、主演は竹脇無我と田代美代子で、橋はやはり本人役で出演している。田代は前年にデビューした歌手でマヒナスターズとのデュエット「愛して愛して愛しちゃったのよ」が大ヒット。しかし、65年の紅白歌合戦にマヒナスターズは出場したが、田代は出場できなかった。これは、当時男女混合グループの出場ルールがなかったためである。田代のドラマや映画出演は少なく、松竹ではこの一作のようだ。共演は早瀬久美、細川俊之、柳沢真一、宇佐美淳也、ナンセンストリオなどである。「恋と涙の太陽」は橋の81枚目のシングルでもあり、本作は橋が主演で、相手役もお馴染みの倍賞千恵子であるが、このコンビでは最終作となる。やはり橋映画お馴染みの香山美子もセットのように出演しており、この二人と初名美香、山東昭子、呉恵美子らが橋を巡る恋愛合戦を繰り広げるといったストーリーだ。他に早瀬久美、柳沢真一、待田京介など。待田はヤクザの役だ。この年84枚目シングル「霧氷」が発売され、レコード大賞を受賞するのだが、この曲は10月の発売である。で、12月には大賞となるのだが、どうやらこの曲というよりは積み重ね実績(66年はシングル11枚)のような理由だったらしい。「霧氷」も68年には100万枚を突破したようだが、個人的には出だしから先は今だに覚えていない。67年に入るが、まずは正月映画「シンガポールの夜は更けて」。橋の85枚目シングルでもあり、主演は橋と初共演となる由美かおるだ。ちなみに当時16歳で、映画は前年に日活で初出演を飾っている。この年の橋は由美とのコンビが続くことになる。ジャンルは歌謡ロマンスとなっているが、あらすじを見る限りではサスペンス的な面もあるようだ。共演は菅原謙次、園井啓介、金子信雄、待田京介、ロミ山田、園江梨子などで、藤岡弘も「陳」という役で出演。ポスターに名前もある。菅原文太も「丁」というバーテン役だが、こちらは名前がない。「バラ色の二人」は、橋の88枚目シングル「夜は恋する」のB面に位置する曲のタイトル。前述のとおり、こちらも橋と由美のコンビが主演で、桑野みゆき、香山美子、岡田英次、石井伊吉(毒蝮三太夫)らが共演。由美の母親役で「カルメン故郷に帰る」の小林トシ子が顔を出している。橋の89枚目のシングルが「恋のメキシカン・ロック」だが、映画のタイトルは「恋のメキシカン・ロック 恋と夢と冒険」となっており、ポスターを見ると「恋と夢と冒険」がメインタイトル的な扱いになっている。こちらも橋と由美が主演。メキシコではなくグアム島が舞台で、由美の役はマリコ(混血娘)となっており、現代ではハーフと書かないと怒られそうである。共演は広瀬みさ、藤村有弘、亀石征一郎、園江梨子、藤ユキなどで、前に書いたが藤ユキはアン真理子のことである。

  9. 来る11月13日は、ジーン・セバーグの生誕86周年です。(1938年11月13日生誕 -1979年8月30日死去)それを記念して、ジーン・セバーグの作品を紹介します。『悲しみよこんにちは』(1957)監督 オットー・プレミンジャー共演 デボラ・カー、デヴィッド・ニーヴン、ミレーヌ・ドモンジョ、ジュリエット・グレコ撮影 ジョルジュ・ペリナール ※テクニカラー原作 フランソワーズ・サガン【あらすじ】裕福なプレイボーイのレイモンドは、天真爛漫な娘のセシールと同居している。彼が亡妻の親友だったアンヌと婚約していることを知ったセシールは、いまの生活が失われてしまうのではないかと恐れて、レイモンドとアンヌの仲を引き裂こうとする。■ジーン・セバーグの出世作です。いま観ても新鮮さにあふれる佳作です。ジーン・セバーグのセシル・カットの瑞々しさ。微妙に尖った唇に残るあどけなさ、整ったまっすぐな眉と、深い瞳。■その美しさは、ハリウッド崩壊期に生まれた、1つの奇跡です。深い紺碧色の海が広がる地中海のサントロペを舞台に、1人の生まれたばかりの女優を主人公に、現代版のギリシア悲劇が展開されているような錯覚を持ちます。同じく地中海で2年前に撮影された、ヒッチコックの享楽的な『泥棒成金』とは全く違う印象を残します。■共演しているのは、『王様と私』(1956)、『めぐり逢い』(1957)でトップスターに上りつめた、デボラ・カーと、デビューしたてのフランスの新進女優ミレーヌ・ドモンジョと、豪華です。■監督はオットー・プレミンジャーです。この前年の『聖女ジャンヌ・ダーク』で、ジーン・セバーグを映画デビューさせたのは、彼です。思い出されるのは、『ナイアガラ』(1954)で一世を風靡したマリリンが翌年出演したのが、オットー・プレミンジャーの『帰らざる河』だったことです。28歳という遅咲きのマリリンに、彼女の生涯で最高ともいえる役を提供したオットー・プレミンジャーが、その3年後に、19歳のジーン・セバーグに映画界に送り込み、その翌年に主演女優にまで押し上げたのです。■この『悲しみよこんにちは』は、フランスの若者たちの間で高い評価を得ました。エリック・ロメールは「シネマスコープで撮られた最も美しい映画」と言い、ジャン=リュック・ゴダールはこの年の最高の1作とし、その翌年に自分の長編デビュー作『勝手にしやがれ』の主演女優にジーン・セバーグを抜擢し、映画の歴史が変わったのです。それは、ロッセリーニとバーグマンによる『イタリア旅行』(1954)につづく、映画史/俳優史における記念すべき節目だったと言えましょう。#映画女優#女優志願#女優志望#女優好きな人と繋がりたい#エレガンス#最も偉大な女優#フランス映画#ゴダール#ジーンセバーグ#ヌーヴェルヴァーグ#cinemaclassic#classicmovies#vintagemovie#actress#elegance#actrice#jeanseberg#bonjourtristesse#sagan

    紺碧海岸に起きた奇跡 --- ジーン・セバーグ『悲しみよこんにちは』
  10. ヒロインのほこ美(奈緒)が自分も含め世の女性たちのために鉄槌を下すべく、クズな海里(玉森裕太)を殴るまで…ってテーマは良いし、ほこ美がボクシング上手くなっていく過程を見るのは面白いんですがね…TBS 火曜22時「あのクズを殴ってやりたいんだ」第3話(10/22)主演…奈緒脚本…鹿目けい子演出…石井康晴先週末、仕事がたてこんだため1週遅れの記事になってしまいました。秋ドラマもそれが無いようにしたかったんですが… 申し訳ありません。さて、第3話ですが、海里とゆい(岡崎紗絵)の関係性がわかるにしたがい、海里をめぐって三角関係になる流れが濃厚になってきました。海里に抱きつくゆいを、あとから来たほこ美が見てしまうという、今どきまだこんなベタな終わり方をする?って第3話のラストで、結局このドラマもこの枠っぽくなるのかとガッカリしました。良い意味で裏切ってくれたら良いんですがね。このドラマ、ちょっと残念なのは早い段階から海里がそんなにクズじゃないのがダダ漏れしている感じなんです。人たらしで、多くの女性と遊んでいるのは間違いないんですが…今回クズ男好きのほこ美の母親(斉藤由貴)も妹(鳴海唯)も食い付いてましたからね(笑)ただ、以前はボクシングに真摯に打ち込んでいたし、先輩(大東駿介)を死なせてしまったからボクシングをやむなくやめたようだし、今のカメラマンの仕事はちゃんとやってるし、この人を殴ってもな~なんですね。今回もせっかくボクシングの魅力を知り始めたほこ美が市民向けのイベントにボクシング体験をやることになり、海里がカメラマンとして撮るはずだったのに当日現れず、ほこ美がキレてパチスロやってるところへ怒鳴りこみに行きましたが、これは相手を死なせたボクサーだと分かり、公的な仕事NGが出ていたからとすぐにネタばらしされ、やっぱりクズっぽく振る舞ってるけど、クズじゃないんだなってなりましたね。普通の恋愛ドラマにはなってほしくないんですがね。どうなりますか。第3話の評価は…7

  11. 「ゴッドファーザー」シリーズについて、あれこれ書きながら、重要な要であった「音楽」についてあまり書いてないな、と思っていたところに、ちょうどディズニープラスで配信が始まった「ジョン・ウィリアムズ 伝説の映画音楽」を観る機会を得て。こういうドキュメンタリーは堪らないですね〜!本当に素晴らしかった!この中でも語られているが、音楽なしの映画は、まだ映画として半分で、音楽がついて初めて、映画になる。まさに、その通り!ジョン・ウィリアムズ。誰もが知っている「スター・ウォーズ」のテーマ音楽から、「未知との遭遇」「E.T.」「JAWSジョーズ」「ジュラシック・パーク」シリーズ「ハリー・ポッター」シリーズ「インディ・ジョーンズ」シリーズ「スーパーマン」他、数えきれない映画音楽を担当。その彼の足跡を辿る作品で、とにかく、見応えたっぷり!どのようにして作曲したのか、その前後について、スピルバーグやルーカス、JJエイブラムス、コールドプレイのクリス・マーティンなども登場して、(コールドプレイの舞台上のテーマ曲って、「E.T.」の音楽だったのね!)もちろん、ウィリアムズ自身も、その舞台裏を語ってくれる。それと同時に、彼が映画音楽を手がけるようになった頃って、すでにベテラン時代で、テレビ、映画でピアニストとして活躍していた、ことなども語られる。(「シャレード」「ウエストサイド物語」など多くの作品に参加)彼が手がけてきた数々の作品の中でも、さまざまな意見が飛びかうに違いないが、私的には、「シンドラーのリスト」が最高の作品だと思っている。このドキュメンタリーの中でも当然、登場する。最初に、できあがっているフィルムを見たジョンは、あまりに重い内容に圧倒され、うちのめされて、音楽を載せることに自信がなかったという。しかし、仮の音楽をようやく作曲して、それをスピルバーグと妻のケイト・キャプショーに聴かせるということで、ジョンの住まいを2人が訪れたと。そこでジョンがピアノで聴き始めるや、ケイトは涙を流し、スピルバーグも泣き、ジョンも泣いたという。さらに、イツァーク・パールマンに演奏を依頼したという話の裏側など、パールマンも登場して、語ってくれる。このテーマ音楽は、最初の出だしで、一瞬にして、聴く人の心を掴む。こんなにも繊細で人の心に訴えかける旋律はほかにない。音楽が言葉以上の力をもつことができるという、最高の実例ではないかと。他にも、「スターウォーズ」の作曲の裏話をジョージ・ルーカスが語ってくれるところもワクワクする楽しさ!ロンドンフィルの演奏で、ジョン自身が指揮してお披露目したときのことなど、その場にいる人たちがいかにエキサイトしたか、ここも見どころ。まあ、確かに、彼はこの音楽を生み出したことで、映画音楽界のレジェンドになったと思う。さらに、「JAWS」での、ダダ!ダダ!というサウンドがどれだけ斬新で、どれだけサメの恐怖感を煽ったか、この発想にどれだけ驚いたか、というスピルバーグのコメントも。ジョンは、電子音楽はまず使わず(「ミュンヘン」でシンセサイダーをちょっとだけ使ったとか)いつも、オーケストラで演奏する。生の人間たちが奏でる音こそに意味があるのだ。これって、実に素晴らしいことで、彼の手法を受け継いでくれる映画音楽の作曲家が増えてくれることを望むわ!それでもって、「ゴッドファーザー」の音楽について、戻るんですが、、、もう今では古典となっている「愛のテーマ」(ニーノ・ロータ作曲)はもちろん、「パート2」での、若きドンの時代を彩る音楽は特に抒情的で美しく、「パート3」での、全編を盛り上げる音楽の数々も印象に残っている。このシリーズはすべて、音楽が重要な役割を果たしていて、哀愁に満ちた美しい旋律が、壮大なストーリーをさらにエモーショナルに盛り上げてくれる。裏話としては、コッポラも製作のアルバート・ラディも、この映画は、シチリア人が主人公なんだから、音楽はイタリア人が手がけるべきと考え、ニーノ・ロータを口説いたという経緯があったらしい。実際には、彼だけでなく、コッポラの父カーマイン・コッポラも作曲に参加しており、「パート2」のときにロータとコッポラ2人でアカデミー賞音楽賞を受賞した。「ゴッドファーザー」の音楽については、過去の下記事にもありますので、(聴くだけで心に沁みる映画音楽)また、そのほか、過去にいろいろと企画をあげてますので、お時間があるときに、そちらも覗いてみてね!↓『聴くだけで泣ける映画音楽。』前々回、ワンハリの記事で、「ロイ・ビーン」のサントラ音楽が泣ける、って書きましたけど、それで、思いついた!あっ、泣ける映画音楽、集めてみようかな、って。。…ameblo.jp『聴くだけでアガる映画音楽』前回の「聴くだけで泣ける映画音楽」に続き、「聴くだけでアガる映画音楽」。この種の特集は、もう何千回もいろんなブログに登場してますので、カブるのはお許しを。…ameblo.jp『聴くだけで心に沁みる映画音楽』さあ、もう今年の残すところ、18日ですぞ〜!今年のマイ映画ベストとか、マイ韓流ドラマベスト、とかもやりたいのですが、まずは、こちらから。今回は、聴くだけ…ameblo.jp

    映画と映画音楽の関係。
  12. 『テンション Tension』1949年タイトルの「テンション」とは駆け引きという意味。悪女もの。悪女ものは悪女のキャスティングが肝だと思うが、大成功。非常に強(したた)かで、ぞくぞくするほどふてぶてしい。ウォーレン・クインビーは、妻のクレアを溺愛していた。(クインビー夫妻)(ウォーレンのドラッグストアで食事をするクレアとウォーレン。クレアはウォーレンを「私より頭が悪い」と下に見ている)ウォーレンは妻命で、妻をつなぎとめたいがために、週5日、1日12時間を薬剤師としてドラッグストアで夜勤をして、少しでも妻にいい生活をさせようと貯金をしていた。現在の夫婦の住居はドラッグストアの上のアパート。派手好きな妻はそのようなしょぼい生活が嫌で、常に不貞腐れていた。妻は男に誘われると、夫の部下に「夫には、部屋に戻ったと言っておいて」と言い、夫の目を盗んで男とデートに行ってしまう。真面目なウォーレンの部下は、そんな上司の妻に怒りが湧いている。しかし妻にぞっこんのウォーレンは、部下の「奥さんのあなたに対する態度は酷いです」という話に耳を貸さない。ウォーレンはある日、妻のクレアを車に乗せて郊外へ連れて行った。そして「金が貯まったからあの家を買う」と嬉しそうに言う。しかし都会で遊びたいクレアは反対、夫は妻の言いなりになり、家を買わないことにする。そんな中、クレアがいつものように男に口説かれ出て行った。丁度夫のウォーレンがそれを見ていて、相手を突き止めそれがデガーという金持ちだと分かる。その日クレアは帰宅しない。ウォーレンがデガーのマリブの海辺の家に行くと、デガーとクレアは海辺で寝そべっている。そこへウォーレンが「帰ってこい」と言うと、クレアは「帰らない。この暮らしがわたしに合っている」。なおも食い下がるウォーレンをデガーは殴り倒した↓。クレアはなおも帰らない。この屈辱に、ウォーレンはデガーを殺すと決めた。そして、デガー殺害計画の企てが始まる。デガーに殴られメガネが割れ、「このメガネ野郎」とデガーに言われたウォーレン。メガネを直しにいくと、コンタクトレンズを薦められた。ウォーレンはそれを買い、変身しようと思い立った。コンタクトレンズにし、帽子をかぶり、名前もポール・サザーンに変えた。もう一つの人格という感じ。ウォーレンはマリブの近くにポール・サザーンの名で家を借り、そこで週末のみ過ごす。すると隣家にメアリーという女性が入居。2人は恋人同士になる↓。いざ決行と、ウォーレンが夜中にデガーの家に侵入し、寝ているデガーを、以前自分が刺されようとしていた三又の銛で刺し殺そうとすると、部屋にあったクレアの人形が目に入り、胸ポケットからメアリーがくれたお守りが落ちてきてふと正気に戻り、殺意が失せる。しかしウォーレンはデガーの首を絞めるようにして、その殺したいほどだった憎しみを吐くように言い、帰った(殺してはいない)。翌日、クレアが帰ってきた。「出て行ってくれ」と言うが居座るクレアを初めて平手打ちしたウォーレンだったが、「デガーが死んだ。あなたが疑われるからそれを擁護してあげる」とクレアは恩着せがましく言う。ちょうどそこへ担当警部補2人が到着。クレアはウォーレンにしなだれかかり、仲の良い夫婦を演じる。警察は、脅迫電話をデガーにかけたきたポール・サザーンが犯人と思うが、ポール・サザーンは書類上存在しないということが分かった。しかしここで、恋人であるメアリーがポール・サザーンの失踪届を出し、彼の写真を出してしまう。警察は、ポールがウォーレンであると分かり、ウォーレンを刑務所に入れる。「僕はやっていない」と言うウォーレンだったが↓、警察は信じてくれない。ただ、デガーは銃殺されている。その銃がどこにあるかが問題だった。この過程で、警部補の1人が、クレアと男女関係になる。クレアは警部補から「ウォーレンは証拠不十分で釈放され、俺は担当を外された。凶器の銃は特定された。デガーの家にあったものだ。それがどこにあるかで犯人が特定される」と聞く↓。するとクレアは1人で車を運転し、銃を捨てた場へ行き、取り出し、それをポール・サザーンの家のソファーの隙間に隠す。家に入ろうとするクレアを見ていたメアリーは阻止しようとしたのだが↓、クレアは強引に入って鍵をかけてしまったのだ。そこへウォーレン登場、窓を割って中に入る。とそこへ、警部補2人もやって来る。「この部屋のどこかに銃があると思って捜しにきたの!」とクレア。じゃあ捜してみろと言う警部補(クレアと男女の仲である男)。クレアがわざとらしく、隠した場所でないソファーの隙間に手を入れ、ない、と演技し、自分が隠した隙間に手を入れ、さも今見つけたかのように「あったわ」と言うと、もう1人の警部補はウォーレンを逮捕しようとする。しかしクレアと男女関係にある警部補が「この部屋の家具はきのう全部取り替えたんだ。ソファーも新品だ」と言うと、クレアは降参し、自分が犯人であることを認め、不貞腐れてもう1人の警部補に連行されるのだった。この後、メアリーが「家具は入れ替えていないわ。同じものだわ」と言うと、クレアと男女関係にあった警部補が「ああ、全部取り替えるなんて大変だからな」とクレアへの鎌かけの種明かしをして、映画冒頭視聴者に向けて出していたゴムを伸び縮みさせて、ジエンド(このゴムが、タイトルにもなっている容疑者との「駆け引き」の比喩)。凄く好きなラストだった。クレアがなぜデガーを殺したか、だが、ウォーレンがデガーの首を絞め上げながら「何で殺す気が失せたか。お前を殺す必要がないからだ。お前は僕と同じだ。クレアはまた別の男に気が移るだろう。だからお前を殺しても仕方がない」と言ったことに端を発するのかと思った。このことでデガーのクレアに対する情熱が冷め、その夜クレアをビッチ呼ばわりでもしたのだろう。それに怒ったクレアがその場にあった銃で発作的にデガーを殺した、というところなのでは、と思った。途中、警部補はメアリーをウォーレンのドラッグストアに「町一番のコーヒーを飲もう」と連れて来る(ウォーレンに「自分がポールだ」と自白させるため)↓。メアリーは即ポールだと思うが、ウォーレンは「初めまして」と知らぬ人を装う。ここが良かった。この後メアリーはポール=ウォーレンであると確信し、隠れていて、警察のいないときに「あなたが心配なの」とウォーレンに言いにいく。するとウォーレンは「家で待っていてくれ。きみを巻き込みたくないんだ」と言う。ウォーレンは、クレアより愛するメアリーと出会ったからデガーを殺さずに済んだのだ(もっと上の幸福を守ろうとする心理)。しかし、この事件が起きなければメアリーには出会えなかったという、人生塞翁が馬的映画。★Wikipediaより★『テンション』は、ジョン・D・クローラーの原作を基に、ジョン・ベリー監督、アレン・リブキン脚本による1949年のアメリカの犯罪映画ノワールです。主演はリチャード・ベースハート、オードリー・トッター、シド・チャリス、バリー・サリヴァン。この映画には、作曲家アンドレ・プレヴィンによる初期の音楽が収録されています。彼のテーマや手がかりの一部は、『熱いトタン屋根の上の猫』(1958年の映画)、『デザイニング・ウーマン』、『ノース・バイ・ノースウエスト』など、後のMGM作品で再利用された。[2]監督で助演俳優のロイド・ゴフのキャリアは、後にブラックリストに載ることになった。[3][4]プロット殺人課のコリアー・ボナベル警部補は、事件を解決する方法はただ一つしかないとカメラに説明する:容疑者全員に圧力をかけ、彼らの長所と短所を弄び、そのうちの1人が緊張で折れるまで。そして、ウォーレン・クインビーが関わった殺人事件を引き合いに出す。フラッシュバックでは、カリフォルニア州カルバーシティにある24時間営業のドラッグストア「コースト・トゥ・コースト」の夜のマネージャーである眼鏡をかけたクインビーは、彼に不貞を働くクレアと結婚しています。貯金と犠牲を払った後、彼は郊外に素敵な家を買う余裕がありますが、彼女はまったく感銘を受けず、家の中を見ることさえ拒否します。彼女は最終的に彼を去り、最新の征服者である金持ちのバーニー・ディーガーに向かいます。クインビーはディーガーの海辺の家に行き、妻を取り戻そうとするが、彼女は彼と関わりたくなかった。クインビーが粘ると、ディーガーは彼を殴り倒す。彼は同情する従業員のフレディに何が起こったのかを話す。フレディは、もし自分だったら、その男を殺していただろうと発言する。深く屈辱を受けたクインビーは、フレディのアイデアを取り入れ、化粧品のセールスマン、ポール・サザンという新しいアイデンティティを構築する。彼はコンタクトレンズと派手な服を購入し、ロサンゼルスのウェストウッドにアパートを借りています。新しい場所に引っ越すと、隣人の美しくて優しいメアリー・チャンラーと出会い、付き合い始めます。ある夜、クインビーはポール・サザンと名乗り、ディーガーの使用人であるナルコに電話をかけ、不特定の間違いでディーガーを捕まえるというメッセージを残す。夜遅く、彼はヒッチハイクでディーガーの家に行き、バーベキューの串とフォークをつかみ、開いたパティオのドアを通り抜けます。彼はディーガーが椅子で眠っているのを見つけるが、殺戮をやり遂げることはできない。彼が武器を落とすと、ディーガーは目を覚ます。クインビーは武器を掴んでディーガーの首に当て、自分を殺しに来たと説明するが、突然クレアには価値がないことに気づく。そして、妻が不在なのを見て、彼はクレアが彼女が映画に行くと言っていると推測して、ディーガーを嘲笑します-彼女が彼をだましている間に使った言い訳。クインビーが去った後、ディーガーは自分の状況について考える。クレアは後にカルバーシティのアパートでクインビーの元に戻ることでクインビーを驚かせる。彼が彼女が愛から戻ってきたと信じることを拒否すると、彼女はディーガーが殺されたことを彼に告げる。クインビーがニュースを吸収する間もなく、ボナベルと彼のパートナーであるゴンサレス中尉が彼らを尋問するために到着します。彼らは、クレアが呼ばれる前に殺人現場を去ったことを知っています。彼女は、定期的に泳ぐために日帰り客としてディーガーの家に行っただけで、彼女と彼女の夫は2、3年前からディーガーの友人だったと言います。クインビーは、疑われるのを避けるために一緒に遊ぶことを余儀なくされます。警察は、第一容疑者であるポール・サザンを捜索しています。ボナベルはクレアをデートに連れて行き、どうやら彼女に惹かれているようです。警察は、メアリーがサザンの失踪を心配して行方不明者局に行くと、休憩を取る。彼女は写真を持ってきた。写真が爆破された後、ボナベルはサザンとクインビーが同一人物であることに気づく。しかし、ディーガーは撃たれ、彼らは銃を持っていません。ボナベルはメアリーをクインビーの職場に連れて行き、彼を特定するが、彼女はそれを拒否し、サザンへの信頼は揺らいでいないと述べる。警察はクインビーを逮捕する。尋問中、彼は自分の話をするが、彼らは信じがたいと感じる。翌朝、ボナベルはクレアを訪ね、証拠が不十分だったため夫を釈放せざるを得なかったと彼女に告げる。彼はまた、調査が行き詰まっており、新しいチームが事件を調査することを彼女に伝えます。彼はまた、銃は彼らがクインビーを有罪にするために必要な重要な手がかりであると言います。クレアは岩の下の隠れ場所から銃を回収し、サザンのアパートに仕掛ける。クインビーが到着し、すぐに警察がそれに続く。クレアは銃を探していたと主張し、ボナベルは続けるように励ます。彼女は椅子のクッションの下で銃を「見つける」が、ボナベルはすべての家具が交換され、クレアが自分に罪を犯したことを説明する。クレアは自分の運命に身を任せ、挑戦的にゴンサレスの身柄を任せる。メアリーは、アパートは何も変わっていないと抗議する。ボナベルは、それは大変だっただろうと答えます。クインビーとメアリーは自由に関係を再開できます。キャスト リチャード・ベイスカートウォーレン・クインビー、別名ポール・サザン オードリー・トッター- クレア・クインビー シド・チャリス(メアリー・チャンラー役 バリー・サリヴァン- コリアー・ボナベル警部補 ロイド・ゴフ(バーニー・ディーガー役 トム・ダンドレア- フレディ、コースト・トゥ・コーストのドラッグストアのカウンターマン ウィリアム・コンラッド- エドガー・"ブラッキー"・ゴンサレス警部補 ティト・レナルド - ディーガーの家政婦ナルコレセプションMGMの記録によると、この映画は米国とカナダで506,000ドル、その他の市場で270,000ドルを稼ぎ出し、229,000ドルの損失をもたらしました。[1]サンフランシスコ・エグザミナーの映画評論家ウォルター・アディエゴは、「彼らはもうジョン・ベリーによるこの1949年のメロドラマのように作っていない。それは残念だ...この映画で心に残るのは、バセハートというキャラクターがいかに古典的で受賞歴のあるサップであるか、彼の家庭での至福の夢がいかに哀れで軽率であるか、そして彼がいかに簡単に新しい全く異なるアイデンティティに移行できるかということです。全体として、ノワール的な戦後の幻滅の良い例であり、シド・チャリスとウィリアム・コンラッドが出演しています。」[5]★

  13. <img alt="悲しきヒットマン [DVD]" height="192" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20241104/13/eigasuki/5e/87/j/o0136019215505976553.jpg" width="136">先週、WOWOWで放送していたニューウェーブ・ヤクザ映画特集を追いかけていた…ラインナップ5作品のうち、「赤と黒の熱情」は、数年前に鑑賞する機会があり、今回は保存用の録画のみにとどめた。3作品は既に鑑賞済みで、感想もアップ済み、残る1作品、「悲しきヒットマン」をまだ見ていなかったので鑑賞してしまう。山口組の元顧問弁護士として有名な山之内幸夫が執筆したルポルタージュを原作にした…タイトルまんま、“ヒットマンになったヤクザの悲しい運命”を描いた話。主人公の暴力団員・高木昇を山口百恵の旦那(笑)三浦友和が演じている。昭和54年、バーでチンピラといざこざを起こした高木昇は、ひょんなことからチンピラたちの兄貴分、山川に気に入られる。その山川に連れられ、酒を飲み、背中に彫り物まで入れられてしまった高木は、そのまま山川の所属する松岡組系列の新井組にスカウトされる。しかし…山川が組とトラブルを起こし、姿を消してしまったため、今度は新井組から独立した元若頭補佐・吉田に拾われ、彼の下で働くことに。その頃…以前、顔見知りになった子持ちのホステス、良子と再会、後に結婚して娘をもうけるも、今度は吉田が博打で失敗して、再び別の組へと移る…。腕っぷしは強いが、堅気だった友和さんは…ヤクザの兄貴分、成田三樹夫さんに気に入られ、そのまま背中に紋々まで入れられ、気づけばヤクザに。しかし、その三樹夫さんが組の金を使い込んで姿をくらませてしまい、責任をとらされる!三樹夫さんの彼女が、池波志乃なんだけど…ろくでなしの三樹夫さんにソープに沈められている!でも、三樹夫さんに惚れてるから、全然苦になってない…居所を聞きに来た友和さんに“抱いていったら?”なんて言葉をかける余裕も…さすがヤクザの女。なんとも言えない表情の友和さん、もちろん抱かずに帰る…。さんざん他の先輩組員からボコられるも、決して兄貴分や姐さんを“売るようなことはしない”友和さん、その男気を買われて、今度は若頭の名高達郎に拾われる。名高達郎が独立して、新しい組を立ち上げ…元前のガッツで、他の組のシマにも切り込んでいって、本人および組の存在感をどんどん示していく友和さん。子持ちホステス、萬田久子といい雰囲気になるも、同じように萬田久子を狙ってる本田博太郎と奪い合う事態に。っていうか、友和と博太郎じゃ勝負は目に見えてるが…破れかぶれの本田博太郎とのロシアンルーレット勝負は名場面の一つだろう。ロシアンルーレットからの、一気に電話越しの告白タイムに突入…ヤクザだって惚れた女の前じゃ、メロメロになる。連れ子のパパになるという…直球なプロポーズで、見事ゴールイン!気づけば、友和さんを慕う弟分なんかもできていて、ヤクザ稼業、順風満帆か…って、見えたんだけど、知らないうちに博打にハマって大損している名高達夫。結局、組を潰して、逃げちゃうのよ。諦めないでくれと、熱く諭す友和さんの説得もむなしく…そのまま消えていく名高達郎。去り際にかなりカッコいい言葉を残すんだけど、あんた、ギャンブルで身を滅ぼしてるからな…。つくづく、兄貴分や親分に恵まれない友和さん…後半で、三樹夫さんとは劇的な再会を果たし、一瞬、窮地を救う救世主になるのかと期待させてからの、ダメっぷり。実際のヤクザの世界なんてこんなもん…他の映画みたいにぜんぜんカッコよくないのかもしれない。三樹夫さんが死んでからも足を引っ張られる友和さん…まさか、アレがアレだなんて思いもよらず、シリアスシーンなのに笑ってしまった。さすがに、いよいよ観念。“懲役10年”という決定が下ったところで映画は終わりを迎える…ヤクザにとって10年なんて屁みたいなもんだろって感じだけどな…。監督:一倉治雄出演:三浦友和 萬田久子 名高達郎 成田三樹夫 池波志乃 松村雄基 本田博太郎 誠直也【DVDソフトの購入】DVD 悲しきヒットマン人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!

    悲しきヒットマン(1989年)
  14. こういう所がダメなのです
  15. 10月8日から1週間、モンゴル旅行に行って来ました。まずはチェジュ航空(半L.CC)で韓国の仁川国際空港へ。数時間のトランジットにて空港内でピビンバランチ。久しぶりの仁川国際空港内には、レストランが沢山あり目移り。施設内もとても綺麗。広すぎてウロウロしたが、良い空港でした。帰りも立ち寄ります。韓国からはMIATモンゴル航空でウランバートルへ。チンギスハーン国際空港に到着。モンゴルのお金、トゥグルグへ少しだけ換金して、ホステルで予約した(有料25$)送迎タクシーのお迎えを受け、ウランバートル市内へ。空いている時間なら40分ほどで着くが、午後6時、驚くほどの大渋滞。車同士ぶつかる寸止め、ギリギリの攻防を駆使するジイさんドライバー。見ているだけでひやひやして疲れる。市内に入ると大都会ウランバートル。ビルが立ち並ぶ。韓国系のレストランやコンビニも多い。市内は次なる難関、大量の路上駐車。更なる大渋滞の中を走る。やっとのことでホステルに着いたのは空港を出て3時間後だった。着いたZAYAホステルは、エレベーターが使えず、3階までスーツケースを持ち階段で登る。しかし、お部屋は綺麗で、共同のキッチン、トイレ、シャワーがあり、スタッフも親切で快適だった。荷物を置いて、とりあえず夕飯。この日の夜のウランバートルは0度。ダウンジャケットを着る。大きなデパート「ノミンデパート」へ。明日は早いので1階のレストランにて食事。アジアンフードレストラン英語も殆ど通じなかったが、キリル文字のモンゴル語以外に英語のメニューを出してくれたので指差し注文。メニューの半分以上「出来ない」と言われながら何とか注文。ビールも無いと言うのでジャスミンティーとフライドライスフライドヌードルコムタンスープのようなもの全て中華のような韓国のような料理だった。営業時間ギリギリの滑り込み。腹拵えには充分だった。ご馳走様〜。デカいケーキもあったが遠慮した。ノミンデパート内には一番上の7階がモンゴルのお土産品、1階には食料品が売られている。ビールもお酒もここで買い出し。明日の朝食用のパンとヨーグルトも買ってホステル帰宅。飲んだらすぐに爆睡した。明日はゴビ砂漠。

    モンゴル旅行記①1日目
  16. 『アレクサンドリア』
  17. 今日も点滴打ってきて時間が無いのでザックリんちょ。■あらすじ●アーサー…アクアマン、豪快なアホの子●オーム…アーサーの弟●メラ…アーサーの妻、大人の事情…●デイビッド…オトンの復讐を誓う前作でアクアマンことアーサーに父親をKILLされたデイビッドは、南極で氷漬けにされてた「失われた王国」を発見。そこははるか昔、アトランティスに封印された国で、この温暖化により氷の層が溶けちゃって、デイビッドたちが発見することができたんだぜ~。失われた王国の「ブラック・トライデント」を手に入れたデイビッドは「おら、アクアマンに復讐するっぺさ」と決意を新たに。そして失われた王国も「オラたつも、アトランティスさ、ぶっこわしてぇだよ」ってなって、総攻撃の介。アーサーたちの王国は攻撃を受け大変な被害を被るでおじゃる。アーサーはこの緊急事態に前作で王位継承で争った弟のオームの助けを借りようとする。オームは砂漠の牢獄に閉じ込められている。「よっしゃ、助けに行くわ」むっちゃ役に立つタコをお供に砂漠に出向いたアーサーは、「過去は過去、今は今」と割り切ってオームに協力を要請。兄者のアホっぷりにあっけにとられるものの「兄者アホやからしゃーない」と協力に応じる真面目弟…泣けるぅ。兄者は地上のことを何も知らない弟を、「Gは地上のエビみたいなもんやから」とだまくらかしたり、兄者~~~デイビッドは失われた王国復活のために(いいように利用されてるけど気づいてない)アトランティス王家の血を生贄にしたろ。アーサーの息子誘拐したろ。息子を攫われたアーサーはバリ怒り。かつて戦った海の仲間たちとも協力し、失われた王国と戦う。しかしデイビッドが使用する近代兵器、超音波砲に苦戦。衝撃がでかすぎるんじゃ。そこでアーサーは考えた。「超音波には超音波をぶつけんだよ!」イルカやクジラやシャチや、超音波を使える海のトモダチ、集うんじゃよ~~~。超音波砲は衝撃で破壊された。戦ってたらアーサーの血が封印を解きはなってしもた。ブラックトライデントを手にしたオームは心を悪に支配されそうになるが、「おめさは、おらの弟じゃ」「兄者ー!」スーパーアクアブラザーズの共闘、海の仲間の共闘もあり、失われた王国は、またもや封印されちゃった。ちゃんちゃん。デイビッドは超ピンチの時にアーサーから手を差し伸べられるが「おめーの手助けなんか、いるけぇ!」言うて自滅していきはる。アーサーは名実ともに海の王となり、陸の人間たちと共に生きていくという道を選ぶ。王位から足を洗ったオームは、陸でのんびり過ごしてはる。ハンバーガーなるものを食そうとしたとき、机にGが…。オーム、Gを挟んでムシャァ。教訓。兄者の言うことを信用したらアカン。■おしまいアクアマン/失われた王国Amazon(アマゾン)https://www.amazon.co.jp/dp/B0CPRMKB7V■感想出典:(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. TM &amp; (C)DC 「DCエクステンデッド・ユニバース」終了のお知らせ。アクアの力身につけた~とかあほなこと書いてる『アクアマン』のレビューはこちら。『アクアマン(ネタバレ)』アクアの力、身につけた~。ちゃうわ!海の民の女王と、しがない灯台守が、出会い、恋し、生まれた子供がアーサー。でも女王は海に連れ帰られ、成長したアーサーは、…ameblo.jp新作を作ってもほぼコケるマーベルが、遂に「再びのアベンジャーズ」しそうなこの時に、DCは、どうしたいのか。とりあえず、内容は無いよう、なアクアマン2でしたが、モモちゃんが可愛いので、アタイ的には全然OKよ。フラッシュで生じた世界線のゆがみをキープしたまま、新たなDCワールドに突入すんの?かと思ったらフラッシュやらアクアマンやらシャザムやら、いろんなキャラ切り捨てじゃった。しかしのぅ、何度も何度も「初めてのスーパーマン」やら「初めてのバットマン」やらはあんま観たくないでござる。で、アクアマン2.メラ役、アンバー・ハードの「大人の事情」ってやつで、出番がむっちゃ減ってる、と聞いてましたが、まぁ減ってるけど、こんなもんじゃね?みたいなね。(大人の事情については各自調べるように)「DCEU」の最後、しんみりしないでガッハッハと笑ってバトゥして環境問題もちょっと加味して、兄者のアホの子っぷりを満喫しようじゃないかネ。オームもまさかのアホの子で、誰の遺伝子ぞ?ちな、モモちゃんは、『マインクラフト』の映画にも出るぽよよ~ん。アタイ、シュッとしてカッコいい人が好きだったはずなのに、なんで3大好き俳優がクリヘム(かっこいいのは絶対圧倒的世界一)、モモちゃん(可愛いのは絶対圧倒的世界一)、マブリー(おでぶーなおっちゃん、カワユス)になってしもたんやろ。わかってんねん。マブリーは『新感染』からやねん。この映画のテーマは。海が主戦場やと思ってたのに、なんでこんな虫ばっか出てくんねん!虫だらけ!これ!超音波に対抗するためクジラさんたちが集合するシーンは美しくて泣けた。アーサーの初めての育児が可愛すぎて萌えたポチ↓にほんブログ村

    アクアマン/失われた王国(ネタバレ)~アホの子もパパかいな~
  18. 午前十時の映画祭14 映画「プライベート・ライアン」1998年 アメリカ170分<監督>スティーヴン・スピルバーグ<キャスト>トム・ハンクス、エドワード・バーンズ、トム・サイズモア、バリー・ペッパー(今作で狙撃兵、また映画「異端の鳥」でも狙撃兵で出演していました)、ジェレミー・デイビス、マット・デイモンアカデミー賞監督賞、編集賞、撮影賞、音響賞、音響編集賞5部門で受賞(11部門ノミネート)<内容>第二次世界大戦のターニング・ポイントとなったノルマンディ上陸作戦の中、たったひとりの兵士を救うために展開された作戦があった……。実話にインスパイアされたR・ロダットのオリジナル脚本をスピルバーグが映画化した戦争秘話で、その圧倒的な戦闘描写が話題を呼んだ。1944年6月。連合軍によるフランス・ノルマンディ上陸作戦は成功に終わったものの、激戦に次ぐ激戦は多くの死傷者を出していた。そんな中、オマハビーチでの熾烈な攻防を生き延びたジョン・ミラー大尉(トム・ハンクス)に新たな命令が下された。ひとりの落下傘兵を戦場から救出せよ。その兵士、ジェームズ・ライアン二等兵(マット・デイモン)には3人の兄がいるが、この一週間の間に全員が死亡。兄弟全てを戦死させる訳には行かないという軍上層部はひとり残されたライアンをなんとしてでも故国へ帰還させようと考えたのだ。ミラーは中隊から7人の兵士を選び出し、生死も定かでないライアン二等兵を探すために戦場へと出発するのであった……。 映画が始まってすぐに観客はオマハビーチへと誘われ、そこで繰り広げられる阿鼻叫喚の地獄絵図を目撃する。上陸艇のゲートが開かれた途端、機銃の掃射によって崩れる体。海に没した者には海中までにも銃弾が襲いかかる。内蔵をぶちまけて母親の名を呼ぶ若者、吹き飛んだ自分の片腕を求めて幽鬼のごとくさまよう兵士。雨霰と降り注ぐ銃弾の中、生死を分けるものがほんのわずかの運命でしかない事が判る。この映画にはスポーツ感覚の戦闘は存在しない。戦死とは銃で撃たれたら倒れる事、という映画特有の約束事を完全否定し、戦場で死ぬ事がどれほど唐突で日常的かという事なのか、人間の肉体がいかに簡単に破壊されるものなのか。そして従軍カメラマンの視点以外の何物でもないハンディカメラによる撮影と、銃声に包まれる音響効果によっていや増される臨場感……。この戦闘シーンだけでもこの作品の存在意義はあるのだが、ライアン二等兵を探し求めるいうとメインストーリーももちろん用意周到だ。前線に送り込んでおきながら、兄弟の死を知るや一方的に帰還を命じる軍部。そのために多くの人命が危険にさらされるという事は無視されるという矛盾と皮肉。“戦場で死ぬ事”を執拗に活写した結果、そこから浮き彫りにされる“戦場で死なない事”の重みはプロローグとエピローグの描写を得て観る者の心に迫る。<allcinema参照にて修正、抜粋>*********************星条旗に始まり、星条旗で終わるたった一人の兵士を救出するために・・・・冒頭15分の凄まじい破壊力公開当時映画館で鑑賞していますが、ずっと脳裏に焼き付いていたのがあの冒頭15分にも及ぶオマハ・ビーチの銃撃戦。まさにリアルな地獄絵図のような映像が映し出さる。飛び交う銃弾の音は今ここで放たれているのではないかと思うほど、臨場感あるその音響に衝撃を受けたことが昨日のように思い出され、けっして記憶から消えることがなかったシーン。その音作りに関しては映画「ようこそ映画音響の世界へ」でも触れられていました。『映画「ようこそ映画音響の世界へ」』映画「ようこそ映画音響の世界へ」2019年 アメリカ 94分<監督>ミッジ・コスティン<出演>ウォルター・マーチ、ベン・バート、ゲイリー・ライドストロー…ameblo.jpただし、細かいストーリーについては忘れていた部分がけっこうありました。この作品は、今観てもけっこうリアルなシーンが多々あり、またそれまでの戦争映画の中ではひときわ悲惨さや現実をリアルに描いていた作品ともいえるでしょう。しかしそうはいっても映画、本当の戦争はもっともっと悲惨なものであるのはいうまでもありませんが。作品を鑑賞した方はまさに冒頭の十数分に及ぶ戦闘シーンに、得体のしれない緊張感を覚えたはずです。この物語は「ナイランド兄弟」の逸話がモデルになっているよう。3人の兄がいて、母親が息子3人の死亡通知を同時に受け取ったというできごとが実際あったようです。もう20年以上前の作品でありますが、音響技術がさらに発展した今の時代でも、その内容臨場感は色あせることはなかったですね。IMAXで上映されたら、臨場感はさらにアップでしょうね。そして危うい今の世界状況、戦争に対して考えさせられる作品とでもいえるかもしれません。できれば映画館で、一度はぜひ観て体感して欲しい作品のひとつでもあります。5点満点中4.1(画像すべてお借りしました)

    映画「プライベート・ライアン」午前十時の映画祭14 
  19. おそ松さん2022年3月25日公開アニメ『おそ松さん』がアイドルグループ・Snow Man主演で実写映画化されることが発表された。赤塚不二夫の名作ギャグ漫画『おそ松くん』を原作とした『おそ松さん』は、成人した松野家の六つ子が巻き起こす騒動を描き、大人気を獲得したアニメだ。実写映画では9人組グループであるSnow Manに合わせて、3人のオリジナルキャラクターも加えられる。あらすじ松野家の6つ子、おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松は20歳を過ぎても定職につかず、親の脛をかじるクズで童貞のクソニート。足を引っ張り合いながらも仲良くひとつ屋根の下で暮らしている。ある日、長男のおそ松は、ひょんなことからある老紳士(時価総額数十兆円の大企業アプリコッツの CEO!)と出会う。事故で亡くした息子と瓜二つのおそ松を養子にしたいという突拍子もない話が進む。抜け駆けが許せない5人の弟たち。自分が養子にもらわれたいと他を蹴落とす骨肉の争いが勃発。そんな彼らの前に超重要そうな雰囲気を醸し出す黒ずくめの3人が現れ、物語は思いもよらぬ方向へと進んでいく。果たして、養子に選ばれ勝ち組の人生を送るのは誰なのか―。原作:赤塚不二夫「おそ松くん」監督:英勉脚本:土屋亮一制作:シネバザール、はちのじ<キャラクター/キャスト>おそ松役:向井康二カラ松:岩本照チョロ松:目黒蓮一松:深澤辰哉十四松:佐久間大介トド松:ラウールエンド:渡辺翔太クローズ:阿部亮平ピリオド:宮舘涼太ヒロイン・トト子:髙橋ひかるキザ男・イヤミ:前川泰之チビ太:桜田ひより濱田マリ、光石研、栗原類、八木莉可子、厚切りジェイソン、忍成修吾、加藤諒、南果歩、榎木孝明

    おそ松さん
  20. 本日11月8日は、ヴィルナ・リージの生誕88周年となります。それを記念して彼女の作品を紹介します。■ヴィルナ・リージ/Virna Lisi1936年11月8日 - 2014年12月18日 1953年から映画に出演し始める。 イタリア映画やフランス映画で活躍していたが、ハリウッドにも進出。 1965年 ジャック・レモン共演の『女房の殺し方教えます』に出演。 晩年までイタリアのテレビ等で活躍した。 『王妃マルゴ』で第47回カンヌ国際映画祭の女優賞を受賞『エヴァの匂い』(1962)監督 ジョセフ・ロージー共演 ジャンヌ・モロー、スタンリー・ベイカー撮影 ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ衣装 ピエール・カルダン元坑夫という経歴の新進作家ティヴィアンは、婚約者フランチェスカのいる身でありながら、ベネチア社交界の花形であるエヴァの虜になり、彼女のために幾人もの男が身を滅ぼしたと知りながら、激しくのめり込んでいく。やがて、フランチェスカを死に追いやり、友人たちにも見捨てられたティヴィアン。結局は、他の男同様に彼も、魔性の女エヴァに捨て去られる運命なのだ……。『バンボーレ!』(1965)監督 ディノ・リージ共演 ニーノ・マンフレディ撮影 エンニオ・グァルニエリ第1話『電話』家に帰ってきた夫は、セクシーな妻とのひとときを楽しもうと考えていたところに邪魔が入った。妻の母親からの電話だった。その電話のあまりの長さに耐えかねて彼は・・・・。いずれも、ハリウッドへ渡ったりしている頃のヴィルナ・リージの作品です。『エヴァの匂い』では、主人公スタンリー・ベイカーの婚約者として助演女優で登場します。『バンボーレ!』では、オムニバス映画の1挿話の主演。■『エヴァの匂い』ではややブルネット寄りのブロンドですが、『バンボーレ!』ではブロンドです。あまりの美しさに今日は写真のみです。以下『エヴァの匂い』:以下『バンボーレ!』:■それにしても、イタリアは1930年代生まれの女優が豊作の感があります。 1930年生まれ シルヴァーナ・マンガーノ 1931年生まれ モニカ・ヴィッティ 1932年生まれ ピア・アンジェリ 1933年生まれ アドリアーナ・アスティ 1934年生まれ ソフィア・ローレン 1936年生まれ ヴィルナ・リージ 1938年生まれ クラウディア・カルディナーレ1950年半ばにネオレアリズモから、女優の美しさを必要とする娯楽映画や「芸術的な」作品が数々生まれたためでしょう。ヴィルナ・リージもその一人です。#ヴィルナリージ#VirnaLisi#イタリア女優#イタリア映画#イタリア

    イタリア女優躍進の世代 --- ヴィルナ・リージ