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  1. 「道頓堀川」「道頓堀川」 予告編1982年6月12日公開。深作映画の代表作にもなった松坂慶子の美しさ。ハスラーの道を巡る山崎努と佐藤浩市との父子対決。深作欣二監督による傑作。道頓堀川の夜の世界。原作:宮本輝「道頓堀川」脚本:野上龍雄、深作欣二監督:深作欣二キャスト:まち子演 -松坂慶子小料理屋『梅の木』の女将(ママ)。邦彦より数歳年上。『梅の木』の2階で暮らしており、1階の一室で右の前足に障害のある“コタロー”と名付けた犬を飼っている。両親は既に亡くなっており天涯孤独の身だが、スポンサーの男性がいる。好きなものはレモンで、下戸らしくお酒が苦手。乱暴な人や嘘つきな人は嫌い。普段は人当たりが良いが、家族がいないということで人知れず寂しさを抱えている。やすおか邦彦演 -真田広之19歳。あだ名は『くにちゃん』。父を早くに亡くし母子家庭育ちだったが、先日母が病死したばかり。1ヶ月前から喫茶店『リバー』のウェイターをしながら、母が残してくれた学費で美術学校に通っている。面倒見のいい優しい性格で誰かが困っていると助けたくなる性分でお人好し。一応絵描きの卵として絵の勉強をしているが特に決まった目標はなく将来を迷っている状態。武内てつお演 -山崎努道頓堀川沿いにある喫茶店『リバー』のマスター。政夫の父。邦彦の雇い主で、彼の父親代わり。妻は既に亡くなっている。15年前までハスラーとして日本一になるほどの実力を持っていた。10年以上前から半ば引退状態で現在は喫茶店で客と雑談しながらのんびりと接客しており、ビリヤードとは無縁の生活を送っている。武内政夫演 -佐藤浩市、坂内真基(幼少時代)武内の息子。邦彦の友達で彼から『まーちゃん』と呼ばれている。唯一の取り柄がビリヤードで日本一のハスラーになることを夢見ている。自身がハスラーになることについて否定的な父に反発し、最近は自宅に帰っていない状態。基本的に自己中心的で甘ったれな性格のドラ息子だが、ビリヤードのことになると野心家で強気な言動をする。ビリヤード関連ユキ演 -加賀まりこ、紗貴めぐみ(10代のユキ)ビリヤード場『紅白』のママ。ハスラー界で名の知れた玉田の孫。10代の頃に玉田のビリヤードを間近で見ていたことから自身もビリヤードの技術などに長けており、武内とも何度か交流した過去がある。気っ風のいい芯の強い姉御肌な性格で、考え方が甘い政夫に率直な意見を口にする。玉田演 -大滝秀治ビリヤードの名人。故人。過去にハスラーとして名を馳せた。16年前に武内がビリヤードで対戦した相手。現在は既に亡くなっており生前武内について「彼は天才。自分が死んだら次の日本一は彼になるに違いない」と評していた。渡辺演 -渡瀬恒彦ハスラー。政夫によると大阪で一番の凄腕。根は真面目な性格だが、覚せい剤を常用して影響でさとみの金をシャブ代に使ったりしている。ハスラー時代の武内を知っており、彼の実力に脱帽している。野口演 -片桐竜次ヤクザ。組のシマにあるビリヤード場などでショバ代を取るなどしている。渡辺と政夫の賭けビリヤード対決を見届ける。裏では渡辺に覚せい剤を売っている。金にがめつい性格で汚い手を使う。木村演 -成瀬正ハスラー。ユキのビリヤード場の客。新人ハスラーの政夫の強さを聞きつけて彼と試合をするために神戸市から大阪までやって来る。しかし試合の賭け金が用意できなかった政夫に「大したことあらへんな」と悪態をつく。風間演 -加島潤木村の知人。具体的な関係は不明だが木村からは敬語を使って話されている。政夫に曲玉(きょくだま。球をジャンプさせるなどの高度な技を使ったショット)を見せられて驚く。その他勝さん演 -名古屋章『梅の木』の雇われの板前でまち子と2人で店を切り盛りしている。曲がったことが嫌いで政夫がまち子から大金を借りようとした時に彼女に助言する。まち子が2階にいる時に1階の店内に呼び出す時は、いつも階段の柱を叩いて知らせる。田村演 -安部徹まち子のスポンサー(支援者)。70代の男。淀屋橋にある大きな不動産会社の社長。5年前まで芸姑をしていたまち子を引き上げて『梅の木』の開店資金を出したり、彼女の両親が亡くなった時に世話をするなど彼女にとって恩義のある人。武内から「貫禄のある立派な人」と評されている。かおる演 -カルーセル麻紀ゲイボーイ。『リバー』の常連客で邦彦とも顔見知り。今で言うニューハーフバーのような店で働く。普段は自虐を含めた辛口な言葉を用いて陽気に振る舞っているが、時にしおらしい態度を見せたり心ない言動に心を痛めることもある。恋人の石塚に惚れ込んでいるが彼に振り回されていることに悩んでいる。石塚演 -柄本明かおるの恋人。仕事は流しらしく、着流しを着て三味線を持って夜の街をうろついたり、かおるの部屋でお座敷唄らしき歌を歌っている。一見すると大人しそうに見えるがどことなく凄みがあり、時にかおるに手をあげることもある。嘘つきでしたたかな性格。さとみ演 -古館ゆき渡辺の妻。高校3年生の頃の邦彦のクラスメイト。現在は、踊り子でキャバレーを回って各店のダンスショーで踊って生活費を稼いでいる。ビリヤードだけが取り柄だが、違法薬物に手を出した渡辺に振り回される。鈴子演 -岡本麗武内の妻。政夫の母。故人。政夫が子供の頃に亡くなっている。ハスラーをしていた頃の武内が家庭よりビリヤードを優先するあまり自身は辛い時期を過ごした。リカ演 -横山リエ『リバー』の常連客。ホステスらしき女性で、昼過ぎぐらいに喫茶店に訪れかおるたちと顔を合わせる。かおるとは水商売の良きライバルで冗談や嫌味を言い合うが仲は良い。ゲイボーイ演 -アミー、花井優、美露かおるの仕事仲間で『リバー』の常連客。かおると似たように明るい性格で歯に衣着せぬ物言いで場を盛り上げる。ドヤの中年男演 -浜村純ドヤ街にある簡易宿所に寝泊まりする同性愛者らしきおじさん。ある日客として泊まりに来た邦彦とベッドが近くにあったことから彼に声をかける。あらすじ:邦彦(真田広之)がまち子(松坂慶子)に会ったのは、母の納骨の日の早朝だった。彼が大黒橋の上で道頓堀の絵を書いている時に、足の悪い犬を追ってきた彼女と会ったのだ。邦彦は道頓堀川に面した喫茶店「リバー」の二階に住み込み、昼は美術学校に通い、夕方からは店で働いていた。「リバー」のマスター武内の一人息子・政夫(佐藤浩市)は、邦彦の高校時代の同級生であり、日本一の玉突きの名人になるといい武内(山崎努)と衝突、家を出ていた。武内は納骨を済ませたその日、精進落としだといって、邦彦を行きつけの小料理屋「梅の木」に連れていった。邦彦はそこでまち子に再会した。彼女は店のママで、もとは芸者だが今は不動産業を営む田村(安部徹)がパトロンだった。その日から邦彦はカンバスにまち子と足の悪い犬の絵を書くようになった。しばらくして犬がいなくなり、邦彦とまち子は道頓堀川筋を探したが見つからなかった。まち子はさがしてくれたお礼にと邦彦を夕食に誘い、その夜「梅の木」の二階で二人は結ばれる。ビリヤードで次々と勝っていた政夫は試合に必要な金を作るために、まち子にたのんだ。邦彦が学資を払うために高利の金を借り、返済に困っているとまち子をだましたのだった。政夫の裏切りを知った邦彦は「リバー」に置き手紙を残して店を出た。息子の不始末を知った武内は、政夫を探して、千日前のビリヤード「紅白」を訪れ、そこの女王人・ユキ(加賀まりこ)から政夫が東京まで勝負に出かけたこと、そして、ユキがかつてビリヤードをしていた武内にどうしても勝てなかった玉田(大滝秀治)という老人の孫娘であることを知らされる。武内は息子と未来を賭けて勝負しようと思い「紅白」で特訓を始めた。その頃まち子はパトロンと別れアパートを借り、邦彦と生活しようと邦彦を探し、口説いた。邦彦が学校を卒業するまでの二年間だけでいいから一緒にいたいというまち子に、邦彦は大きくうなずいた。「紅白」では東京から勝負に負けて帰った政夫と武内の試合が始まった。試合中に武内は、政夫が幼ない頃、ビリヤードのために妻の体を他の男に売り、金を作ったという悲しい過去を告白した。父と子の争いを見ていられなくなった邦彦は外へ出ると、「リバー」の常連のゲイ・ボーイ・かおる(カルーセル麻紀)が、情夫の石塚(柄本明)に包丁を振りかざしているのを見る。邦彦はそれを止めようと二人の間に入るが、一突きに刺されて命を失ってしまう。帰りの遅い邦彦を待ちながらまち子は窓の外を見ると、いなくなったあの犬がエサを漁っていた。犬を抱き上げ頬ずりするまち子の後を、赤く点滅させたパトカーが、道頓堀の方向へ消えていった。コメント:原作は、宮本輝の同名小説。筑摩書房より1981年に出版されている。この小説には多くの橋が描かれている。特に道頓堀川には多くの橋が架かっている。「戎橋の次が道頓堀橋……、西道頓堀橋、幸橋となるんやけど、そのへんの橋に立って道頓堀川をながめていると、人間にとって何が大望で、何が小望かわかってくるなァ」「邦ちゃんも、いっぺん幸橋の上から道頓堀を眺めたらええ。昼間はあかんでェ、夜や、それもいちばん賑やかな、盛りの時間や」当時は真っ暗で人影もまばら、ぼんやりと道頓堀のネオンが見える寂しい所だった。「川には光はなく、それは歓楽街に伸びて行く底深い一本の道に見えた。道は橋々をくぐって後方の、遠い高層ビルのほうにまで続いている。なるほど、自分はあんなところで生きているのかと邦彦は思った。あんな眩い、物寂しい光の坩堝の中で生きているのか。 実際に邦彦が幸橋から道頓堀川を眺めると、人気のない一艘の満艦飾の船みたいに見えた。確かに、人ごみや喧騒などはまったく聞こえない別世界に見えた。自分には関係ない場所のように見えた。しかし、その場所から離れる事はできない。」大阪に生きるさまざまな庶民を描いた名作である。映画は、以下の3つの物語を描いている。1.松坂慶子が演じる幸せ薄い美人女性と、向学心のある真面目な真田広之との純愛。2.ハスラーの世界に生きた父と、新たに同じ道に向かおうとする息子との間の激しい情愛。3.道頓堀川に沿って生きる夜の世界での猥雑さと危うさ。サブストーリーとなる、ハスラーの世界が素晴らしい。こっちの話の方が迫力があり、面白い。山崎努の演じる父親が、佐藤浩市扮する息子のビリヤードを見て、血は争えないことを痛感して、自分がかつて地獄を見たハスラーへの道に進むことを許すくだりはグッとくる。この映画における佐藤浩市の演技は、父・三國連太郎の血筋を感じさせるものがある。いよいよこの俳優も一人前の役者になってきたなと思わせてくれる。ビリヤード場のママを演じている加賀まりこが良い。ハスラー界で名の知れた玉田の孫で、10代の頃から本物のビリヤードを間近で見ており、自身もビリヤードの技術などに長けている。気っ風のいい芯の強い姉御肌な性格で、山崎努と佐藤浩市の争いに的確なアドバイスをする。普段の加賀まりこそのままの感じがあって、すがすがしい。この人は、数多くの文芸作品に出演しているが、宮本輝原作の映画でも素晴らしい存在感を示している。ついに本作で完全にオールヌードを映像化させた松坂慶子。深作欣二監督が松坂慶子をいよいよ本格的に演技指導して、濡れ場を堂々と演じさせているのが出色である。画面にはっきりとバストトップを晒したのはこれが初めてといって良い。山崎努が演じる元・プロハスラーの武内の昔と今の姿、佐藤浩市扮するその息子・政夫の父と同じ道を突き進もうとする姿は、凄まじい修羅の道を感じさせる。この親子の殴り合いと、ビリヤード対決は、まさに圧巻だ。この映画での佐藤浩市の熱演ぶりは、その後の彼の役者人生を決定的にしたのではないだろうか。映画の醍醐味を味わいながら、命懸けの演技を見せている。山崎努は、本作の直前までは、若い女の子をものにするエロい中年男の役が続いたが、本作は打って変わって、ハスラーのなれの果てを熱演していて、素晴らしい。これぞ山崎努の世界だ。この映画は、Amazon Primeで動画配信可能:https://www.amazon.co.jp/%E9%81%93%E9%A0%93%E5%A0%80%E5%B7%9D-%E6%9D%BE%E5%9D%82%E6%85%B6%E5%AD%90/dp/B00FCARXJ4

    宮本輝の映画 「道頓堀川」 松坂慶子と真田広之の純愛と、山崎努と佐藤浩市との父子対決!
  2. 1979~80年に放映されたTVアニメ「機動戦士ガンダム」を再編集した劇場3部作の1981年製作の第1部です。宇宙世紀0079年、人口の大半が宇宙空間に建設されたスペースコロニーに暮らし、人類が生まれ育った地球で暮らせるのは限られた人々だけ。そんな地球から人類を統治する地球連邦政府に対し、辺境のスペースコロニー群「サイド3」がジオン公国を名乗り、独立を宣言。人型の機動兵器=モビルスーツ(MS)を用いて連邦政府に対し独立戦争を仕かける。サイド7に暮らす内気な少年アムロ・レイは、連邦軍の技師である父テム・レイが開発にかかわった最新鋭MS「ガンダム」をめぐって巻き起こったジオン軍と連邦軍の戦闘に巻き込まれ、成り行きでガンダムに乗り込み…「ニュータイプ」編集者井上伸一郎さん、「機動戦士ガンダム」プロデューサー植田益朗さんのトークショー付きで観ました。劇場版はTVの再編集だったことについて。ヒットするかわからず、リスクを回避して再編集になった。元々TVアニメも4部くらいの展開を考え、映画化も意識して制作していた。井上さんは学生で「アニメック」の編集募集を見て、応募して、アニメックの売り子に採用された。編集長がガンダムにのめり込んでいた。アニメ新世紀宣言について。発案は松竹の宣伝。時代の幕開けを形にしたいとイベントを企画。松竹の担当者はヤマト派でガンダムを観ていなくて、小説版を読んだ。さらにサンライズで記録全集を買って読んで勉強したと。アルタ前に徹夜組も来ていたと。お客さんは高校大学生くらいでアニメサークルの人が集まっていた。富野監督が事故を恐れてお前ら動くなと一喝した。前売りが売れたので夏に続編公開を決めていた。ガンダム終了時にガンダムのプロデューサーがみんなサンライズを退社していた。井上さんはイデオン以降富野担当になっていた。角川文庫で担当していた。植田さんは井上さんにインタビューでスタッフを連れていかれて仕事が止まって困ったと。アニメ誌は最大6誌あった。セキュリティが甘くて、現場に謎の人がいたりした。バンダイは放送時にスポンサーではなく、終了後にガンプラを売り出したらバカ売れした。ガンプラがプラモデルを革新したのは事実。メインはオモチャを考えてトリコロールカラーが基本にしたけど、白をベースに、ジオンはリアルさを意識した色彩になった。

    トークショー付きで観た「機動戦士ガンダム」
  3. 映画 「猿の惑星/キングダム」 2024(令和6)年5月10日公開 ★★★★☆(英語; 字幕翻訳 牧野琴子)シーザーの亡骸に花を手向けるエイプたち。彼が荼毘にふされ、伝説の英雄となった後、それから何世代もあとの世のはなし・・・山水画に描かれるような渓谷。滝が流れ、ワシは魚をとらえて舞い上がり、猿たちは切り立った崖を軽快によじ登っていきます。かつて人間が作った設備もすでに廃墟となり緑に覆われているようです。イーグル族は猛禽を飼育するチンパンジーの種族。一族の若者、ノア、アナヤ、スーナは大人の仲間入りをするために猛禽類の巣の卵を狙っていますが、ノアはひときわ高い崖の上までのぼり母鳥に見つかって攻撃され、滑り落ちるも、なんとか1つの卵を確保。村に帰る途中、不審者の気配を感じたことを、村の長老である父に相談します。父は、偉大なイーグル遣いの匠でもあり、イーグルのボス、サン・イーグルを操れるのも父だけです。布についていた血液の匂いから、侵入者はエイプではなくひょっとしたらエコー(絶滅したはずの人類)かもしれない・・・その夜ノアは、再び現れた侵入者を追っているうちに、大事な卵を割ってしまいます。卵は明日の式典にどうしても必要なもの。夜明けまでにかわりの卵を捕ろうと村を出ている間に、タイマツを掲げて馬に乗った仮面の集団に村が襲われ、焼き払われてしまっていました。長老である父は殺され、仲間たちは拉致されてしまったのか、村は空っぽです。どうやら、仮面の集団は村に現れた侵入者(人間?)を探していたようなのです。ひとり残ったノアが仲間をさがしているうちに穴に落下。オランウータンのラカが姿を現します。伝説のリーダー、シーザーを知る最後の生き残りが、このラカでした。「あのマスクの連中のボスもシーザーを名乗っているが名前を利用しているだけの独裁者だ」「シーザーの時代にはエイプと人間は共存していた」「本に書かれている記号には意味があり、これで知識を保管するのだ」ラカは若いノアに「学ぶことをやめてはいけない」といい、物陰に人間の気配を感じても、威嚇て追い払ったりせず、食べ物や毛布を与えて優しくしろ、といいます。姿を現したのは、若い女性の人間。ノアは母の残した大事な毛布を譲ってやります。3人で行動を共にするうちに、この人間(ノヴァと名付けます)には知性が残っているように思えてきました。彼女の本名はメイといい、実は、野蛮なふりをしているだけで、会話もでき、高い知能と判断力をもった女性でした。「3人とも孤独だが、今は仲間だ」と、ラカ。ところが、またあの仮面部隊に見つかり、ラカは濁流にのまれて流れてしまい、2人も捕らえられてしまいました。連れてこられた「王国」にはたくさんのエイプたちが肉体労働をしており、そのなかには母やスーナやアナヤもいました。一方、メイは、本棚のある部屋に通されますが、そこはトレヴェイサンという人間の学者が住んでおりプロキシマスにやとわれて、歴史や文化の講義をするためにそこにいたのでした。彼はメイにお茶を淹れ、着替えを用意してやります。王国を率いるのはプロキシマス・シーザーという独裁者。巧みな演説でエイプたちの心を虜にし、力でねじ伏せる暴君でもありました。                  (あらすじ とりあえずここまで)前作「聖戦記」をみてないことが心配だったのですが、どうやら、今回からはまったく新しいシリーズのようで、特に問題はなかったようです。ただ、説明的なセリフやテロップは全くないので、しっかり見ていないとダメですね。ぼんやり見てたら置いていかれるかも。「プロキシマス・シーザーというのが悪のカリスマ」と聞いていたので、集落を焼き払ったりすごい勢いで追いかけてくるボス猿みたいなのがそれかと勘違いしていました。しっかり服も着てるし、ものすごい存在感。デカくて凶暴で、大変な迫力でした。これはローランドゴリラの「シルヴァ」で、「司令官」みたいな地位なんでしょうか。出番はプロキシマスよりも多いくらいでした。プロキシマス・シーザーはこちら↓プロキシマスはボノボだから、サイズは小さいですがカリスマ性のある帝王で、独断専行の現実の政治家に実際いそうなタイプです。(あの人やあの人に見えました)今回は、ほんとに彼ら目線のドラマで、セリフのある人間は、メイ(フレイヤ・アーラン)とトレヴェイサン(ウィリアムHメイシー)だけ。2人以外は誰?って感じ(笑)つづきです(ネタバレ)↓↓↓↓プロキシマスは自らシーザーの後継者を名乗り群衆の心をひとつにしていきます。「歯向かったらダメ、受け入れるのが掟よ」と母「彼が今の支配者だ。服従して恩恵を受けるのが得策だ」と、トレヴェイサンも言いますが、ノアもメイも納得できません。「王国」のなかには人間の偉業である巨大な格納庫が残されており、プロキシマスはなんとかしてその中身を手に入れようとしています。「かつて人間は空を飛んだり海の向こうと交信したりしていた」「ここの宝から私はそれを学びたい」群衆を焚きつけて扉を壊そうとしますが、いくら力をあわせて引っ張っても、鎖は切れ、扉はびくともしません。メイもここに収められている「なにか」を手に入れようとしており、そのほかの武器類はプロキシマスに奪われないよう、エイプたちを避難させたあと、海水に沈めようと考えていました。扉を破壊するのではなく、屋上から侵入するためにメイもノアの背につかまって、上へ上へと昇っていきます。                 (あらすじ ここまで)話はこの先もつづくのですが、ネタバレ回避というより、自分がちゃんと理解できなかったのであらすじとして書くのは、ここまでにしておきます。とにかく、後半は、弱くてかわいそうだから守ってあげようとしてた人間の女性がどんどん本性を現してきて「何なんだ、コイツは!」っていう展開です。ラカの最後のことばは「一緒にいれば強い」メイと力をあわせるように言いおいて消えましたが、結局彼女はノアたちを利用して、邪魔になったら殺そうと思っていたのか?同じ人間のトレヴェイサンまで、考えが違うとなると即絞め殺してしまいます。ノアをいつでも殺せるように、銃を隠し持っていましたよね。最初の登場シーンではチンパンジーたちの食料や毛布をこっそり盗みにきていたからひもじくて寒いのならかわいそう、と分けてあげてたし、その後もなんども命を救ってあげて、背負って格納庫をのぼったりもしてあげてたのになにかあればノアも銃で殺そうとしてたとか、ほんと、人間は酷すぎる!ノヴァという名前に聞き覚えありましたが、猿の惑星オリジナルに出てきていた言葉も文明もないこの原始人みたいな女性がたしか「ノヴァ」でした。途中、しまうまの群れと生活していた人間たちはこんな原始的な姿をしていましたが、メイは、とりあえず下はちゃんとした縫製のスリムパンツをはいていました。ポリコレ的な?と思っていましたが、結末への伏線だったようです。彼女はしゃべれるだけじゃなくて、武器を直したり爆弾をつくったりもでき、高度な専門知識をもっているようにも思えます。プロキシマスが「私の手下が、彼らの価値がわからずに殺してしまったのが残念」と言っていたんですが、「彼ら」というのはメイの両親だったのかも。「オリジナル版の自由の女神」に近い衝撃度をめざしたのかもしれないけれど最後のオチ(人間側)はかなり唐突で、ちょっとまだ呆然としています。本作では、「謎の存在」は人間のほうで、グループによって差がありすぎでどういう設定?「それは続編を見てね」ということで、この終わり方なんでしょうが、期待できるのかそうでもないのか、ちょっとまだわからないなぁ。ただ、チンパンジー側の描写はもうカンペキで、「気分は私もイーグル族」!手乗り文鳥にさえ無視される私にとっては猛禽を操れるのなんて、ほんと、憧れです。ノアのことをずっとバカにしていた「サン・イーグル」が最後腕に止まってくれて、力になってくれるところとか胸キュンキュン♡でした。ラカの前では恥ずかしくて歌えなかったノアの「鳥の歌」もよかったな~!最後、高潮(津波?)で溺れる者の多いなか、イーグル族が生き残ったのは、断崖絶壁をのぼれないと一人前と認められない固有の風習のおかげだったんですね。←伏線回収(あのシーン、まだ津波のトラウマのある人にはちょっと警告をだしたほうが良いと思うほど、リアルでした)チンパンジー側の演技はほんとうに自然で服を着ていなくても、誰が誰だかわかるからスゴイ。こういう技術は日本映画ではまだまだでしょうね。最後に、この伝説の長老シーザーのシンボルマークのペンダント。度々大きく映し出されていたので(←その割にネットでは画像が拾えない)この先、このシリーズのマクガフィンとして使われるのかな?と思ったりして・・・七宝柄って、日本人にはなじみ深いですけどね。くら寿司にもちょっと似てる?(笑)

    猿の惑星/キングダム
  4. 流転の地球2019年中国原題:流浪地球 The Wandering Earth原作:劉慈欣監督:郭 帆脚本:王紅衛、龔格爾、厳東旭,郭 帆、葉俊策、楊治学、呉 荑、葉濡暢、沈晶晶製作:龔格爾出演:呉 京、屈楚蕭、李光潔、呉孟達(ン・マンタ)、趙今麦、隋 凱(マイク・スイ)、屈菁菁、張亦馳、楊皓宇、アルカージー・シャログラツキー、李虹辰、楊 軼、姜志剛、張 歓ほか配給:Netflix公開:2019年4月30日技術:カラー時間:125分鑑賞:Netflix/字幕見どころ・あらすじーーーーーーーーーーーーー「三体」が日本でも大きな話題を集めた作家・劉慈欣による短編小説「さまよえる地球」を実写映画化し、中国で大ヒットを記録したSF大作。太陽に異変が起こり、300年後に太陽系そのものが消滅することが判明。この事態に備えて世界の国々は連合政府を設立し、地球ごと太陽系から脱出する壮大な計画を始動する。地上は急激な環境変化のため住むことができなくなり、人類は地下都市で暮らすことに。地表1万カ所に設置された「地球エンジン」によって順調に移動を続ける地球だったが、軌道のずれが生じ木星に衝突する危険性が高まる。衝突へのカウントダウンが始まる中、人類の命運を懸けた戦いが幕を開ける。出演は「戦狼 ウルフ・オブ・ウォー」のウー・ジンほか。Netflixで2019年4月30日から配信。(映画.comより)ーーーーーーーーーーーーー要素アクション  :★★★★★アドベンチャー:★★★★★SF     :★★★★★コメディ   :★★★☆☆ホラー    :★★★☆☆クライム   :☆☆☆☆☆ファンタジー :★★★☆☆バイオレンス :★☆☆☆☆ロマンス   :☆☆☆☆☆メッセージ  :★★★★☆ディザスター :★★★★★★★★★★インプレッション物語:★★★★☆配役:★★★★☆演出:★★★★☆映像:★★★★★音楽:★★★☆☆現実:★★☆☆☆劇場:★★★★☆メモ・『流転の地球 -太陽系脱出計画-』を見たので、せっかくなので過去作を鑑賞。新作の映像のクオリティが凄まじかったので、ちょっと物足りなく感じたけど、コレはコレでかなり完成度は高い。・映像のスケールは最近のハリウッド映画を凌ぐ出来。地球を丸ごと移動させるというのが馬鹿馬鹿しい気もするけど、それを信じて疑わない制作者のブレのなさが最後まで鑑賞をさせる推進力になってる気がする。・メカは日本人好みのデザインになっている気がして、アジアの未来像はある程度共有されているのかなと思ったりもした。映像の話ばかりしたけど、音も素晴らしいので劇場で見たかった。予告編The Wandering Earth | Official Trailer [HD] | NetflixThe Wandering Earth tells the story of a distant future in which the sun is about to expand into a red giant and devour the Earth, prompting mankind to make ...youtu.be

    たくさん共感されています

    【2024映画鑑賞ノート142】流転の地球
  5. 今日2回目です。ダンナが休みなのでコインランドリーで冬用ラグを洗おうとしていましたが、タグを見ると手洗いのみ。しょうがないので湯舟で足で踏んで洗うことにしました。けっこういい運動です。汗かきました。洗濯機で脱水できるか心配でしたがなんとかできました。今日はいい天気なので、ベランダで干しても乾きそうです。一仕事終えてホッとしてます。***姉からラインで、兄が亡くなった事で、書類を頼まれました。こういうのが面倒。地元の姉には世話になるしかありません。しばらくは事務手続きで、頭を悩まされることでしょう。なんでも姉夫婦まかせ。最終的に家の解体までいろいろありそうです。残った土地の雑草の処理もどうなるのか?考えると頭が痛い。地元にいる人に頼むしかないでしょうけど。亡くなった兄は一人暮らしで、保険証書もあちこち探してようやく見つけました。近くに姉がいるんだから、大切なことは言っておくべきですよね。まさかこんなに早く逝くとは自分でも思っていなかったでしょう。人間いつ死ぬかわかりません。他人事でなく終活は考えておかなければいけませんね。あ~、考えることがたくさんあって大変です。見ていただきありがとうございました。

    冬用ラグを洗濯しました*終活*
  6. このドラマ、初回の記事でNHKでしか放送できない攻めた姿勢のテーマについて書きましたが、第2話を見て、このドラマのスゴさはヒロインを取り巻く強烈な脇キャラたちにもあることが更に際立ちました。NHK 火曜22時「燕は戻ってこない」第2話主演…石橋静河脚本…長田育恵演出…山戸結希まず初回から出ているキャラで言うとリキ(石橋静河)の医療事務の同僚のテル(伊藤万理華)。前回は遅刻でしたが、今回は無断欠勤。別れたと言ってたはずのクズな彼氏とヨリが戻ったようで、リキが忠告するのも聞かず、クズな彼氏にまた貢いでしまうようです。リキに薦めておきながら代理母登録もやめてしまうらしく、それをリキがとがめると、「リキの中で風俗はイヤだけど、ブランテならいいやと思ったんでしょう?とにかく私は体は売っても心だけはソム太に捧げてる」いい加減なようで彼女なりの信念があるんですね。魅力的なキャラです。前回、触れませんでしたが代理母を斡旋するエージェントの青沼(朴路美)もいかにもいかがわしく、演じているのが声優さんなので、声に不思議に説得力があり、リキがついその気になっていくのもうなずける魔力があります。この青沼はナイスキャスティングです。コスチュームも周りのセットも毒々しいピンクなのがスゴいです。そして、凄まじいのが忌まわしくも不気味な隣人を演じる酒向芳、こんなヤツがいたらすぐにでも引っ越したくなるホントにスゴくイヤなヤツを怪演してます。今回登場したのは夫の基(稲垣吾郎)が代理出産に突き進むのに戸惑う悠子(内田有紀)の話を聞いてあげる親友のりりこ(中村優子)このりりこの職業がぶっ飛んでいて春画アーティスト。NHKのドラマでそんなセリフ大丈夫なのか?と心配になるくらいエロいことをズバズバ言うキャラで、今後は悩める悠子にどうアドバイスするか楽しみなキャラです。もう1人、今回でもう亡くなってしまい、今後は出てくるか分かりませんが、リキに多大な影響を与えてきた叔母の佳子(富田靖子)リキの郷里である北海道の片田舎で独身のままで一生を終えた佳子は、姪のリキには自分のようになってほしくなくて、東京に行くようにすすめ、結婚して、世の中に取り込まれた方が良いとアドバイスします。リキにあそこの娘はどうの、あの家の娘はどうのと説明するさまは、静かな凄みがありました。田舎の狭い世界観に縛りつけられてきた女性のやるせない哀愁と諦念が迫ってきました。もちろん初回同様に、自分たちの優れたDNAを残したいことにとらわれている千味子(黒木瞳)と基のいかれっぷりも良いです。イカれた役の稲垣吾郎は絶品ですからね。脇キャラが魅力的だと連ドラは面白くなりますから、あえて今回はそちらをメインで書きました。今回の評価は…8

  7. もっと知りたい! 韓国歴史ドラマvol.3 (MOOK21)Amazon(アマゾン)その後の延礽君 (ヨニングン) はイバラの道を歩んだ!? (1)その後の延礽君(ヨニングン)はイバラの道を歩んだ!?(1)[ad#300-250]トンイの放送が終わり喪失感を感じている方もいるのではないかと思います。 そこで、今回は…xn--eckud3f.kjidai.com辛壬士禍 その後の延礽君 (ヨニングン) はいばらの道を歩んだ!? (2)辛壬士禍 その後の延礽君(ヨニングン)はイバラの道を歩んだ!?(2)[ad#300-250]辛壬士禍(シニムサファ:신임사화) 1721年(景宗1)〜1722年に王弟・延礽君(ヨ…xn--eckud3f.kjidai.com西人の分裂 老論と少論、懐尼是非 (フェニシビ)西人の分裂 老論と少論、懐尼是非(フェニシビ)[ad#300-250]ドラマ・トンイでは老論(ノロン:노론)と少論(ソロン:소론)の区別なく西人(ソイン:서…xn--eckud3f.kjidai.com● 拙宅ブログ過去記事 ●遥かなる蕩平 (タンピョン) への道と朝鮮ルネサンス『遥かなる蕩平 (タンピョン) への道と朝鮮ルネサンス【改訂版】。』はるかなる蕩平 (タンピョン) への道老論派によって王位についた英祖だが、老論派のための王になるつもりはなかった。老論派はもちろん、少論派からも認め…ameblo.jp辛壬士禍 (シニムサファ) と思悼世子 (サドセジャ)『辛壬士禍 (シニムサファ) と獄事 (オクサ)【改訂版】。』辛壬士禍辛壬士禍 - Wikipediaja.m.wikipedia.orgその後の延ニン君はイバラの道を歩んだ!? (1)その後の延礽君(ヨニングン)はイ…ameblo.jp米びつ事件 (辛壬士禍)『米びつ事件(壬午士禍)。』壬午士禍(シニムサファ)。英祖/延ニン君/クム 朝鮮王朝史上最大のミステリー。当時、王権は弱体化しており、西人派が分裂した老論派と少論派の政党…ameblo.jp思悼世子 (サドセジャ)『思悼世子 (サドセジャ)【改訂版】。』米びつで息絶えた悲劇の世子■ 待望の跡取り息子思悼世子 (サドセジャ) は1735年1月21日、英祖 (ヨンジョ) と暎嬪李氏 (ヨンビンイ…ameblo.jp

    決定版・英祖  (ヨンジョ)【改訂版】③
  8. こんにちは。ドラマレビューの部分を追記して再送です最近忙しかったので今日はゆっくりのペースでスタートしている休日です。昨年の春から仕事を始めて早1年!(4月の中旬だったかな)週末のラグビーの試合や帰省との兼ね合いでシフトを合わせるのが意外に大変で続けられるか不安でしたがあっという間に時間が経ってしまいました。1年経ったとはいえまだまだ覚えなくてはいけないことはたくさんありおばちゃんの頭では大変ですけど周りの方の優しい教えのおかげでなんとか、なんとかって感じです。変わったことと言えば仕事柄モノトーンの服装で勤務。なので私服に黒系の服が増えたんですよね、、今まで割とカラフルな色を好んでいたので(←と言っても淡い色ですけど)黒が増えると魔女っぽいかな?と思いつつこれも職業病?と思って切り替えるしかないですね。家族や同僚など周りの人たちに感謝しながら2年目も頑張ろうと思います。英語ネタです。firsthandとsecondhandfirsthandの意味は「直接」「直に」「実際の体験、経験などによって」この後に続くのがinformationですと「直接聞いた話、手に入れた情報」また聞きではないので確信がありそうですね!逆にまた聞きでの情報ですとsecondhand informationということで「直接」「間接」で得た情報のことについての表現でした。*ただし「直接会う」という時にはin perdonやface to faceなど、状況に応じて使い分けを^^ではここからはイギリスドラマです。刑事さんたちにとって人々からの聞き込みでfist information,second informationどちらも重要な情報源。そんな警察ミステリードラマです。今回は久しぶりに取り上げるご長寿ドラマ Vera『 ヴェラ〜信念の女警部〜 』のシーズン12です。先日ミステリーチャンネルで最新のシーズン13を放送していましたが今回はその一つ前にあたります。(今年の初めには視聴していたけれどブログに書けずにだいぶ寝かせていました😅)season12の後半、エピソード4嵐に消えた光The Darkest Evening写真とあらすじはミステリーチャンネルより嵐の夜、ヴェラは無人の車に置き去りにされた赤ん坊を発見する。その近くのヴェラの親戚が所有するブロックバーン・エステートで赤ん坊の母親であるローナの遺体が見つかった。若いシングルマザーだったローナの交友関係には謎が多く赤ん坊の父親が誰かも周囲の人々は知らなかった。捜査を進めるうちにローナに車や引っ越し資金を提供していた初老のロナルドや美術教室の教師ジョシュアが容疑者として浮上する。今回のエピソードはゲスト出演者がなかなか豪華(私的には!💕)ここからは追記です~Simon Harrisonさんヴェラの従姉妹の娘の婿マーカス役のサイモンさん。「刑事モース(Endeavour)」ではモースの敵役(しかしそこまでクズの警官でもなかった)のボックス刑事を演じていました。Jack Deamさんジャックさんも警官役が多い!(笑)私が見た中では「アラン・バンクス(DCI Banks)」でアラン警部の部下。この時は女性部下二人の圧がすごくて影が薄くなりがちな役柄でしたが目力と少し薄い頭のおかげで存在感がありました。(演技力もあると思うけど)他、レギュラー出演では「ブラウン神父」ゲスト出演では「リドリー~退任警部補の事件簿(Ridley)」「孤高の警部ジョージ・ジェントリー」「サイレント・ウィットネス」、「ニュー・トリックス」などKevin Doyleさん「ハッピー・ヴァレー」のシーズン2で不倫から殺人に至り悩み苦しむヒロインの上司の役が印象深いです。Stephen Waltersさん「サイレント・ウィットネス」に出演した時がインパクトの強い悪役・・そのせいかいつも犯人の役、または無実だけれど犯人にされる冤罪被害キャラ。さて、今回はどうなのか?こちらが悪役で出演していた時の頃の写真昔とかなり外見が変わっていたのでその先入観にとらわれることは無かったかな。エピソード5「潮が満ちる時」The Rising Tideホーリー島のある家でタレントのリック・ケルサルが首をつって死んでいる状態で発見される。現場に不審な点があることからヴェラは自殺ではなく他殺とにらみ捜査を開始。リックは高校の時の友人4人と集まっていた晩に死んでおりその場に居合わせた旧知の友人たちに疑いの目が向けられていく。またリックの元妻のシャーロットの父親は犯罪組織にからむ人物であり大きな事件に巻き込まれた可能性も浮上する。ゲスト出演は「オックスフォードミステリー ルイス警部」に出演した法医学者のローラ・ホブソンを演じたClareHolmanさん💕人間関係がわかりづらいエピソードでしたが出向で短期間ヴェラのチームに加わったビリーの天然ぶり&少し成長したところは見どころがあって良かったです。さて、このシーズン12をもって、8シーズンヴェラの相棒を演じたエイデン役のケニー・ドーティーさんが降板だったと。。。。最初にエイデンが登場した時には前任のイケメン、ジョー刑事が良かったとそんなに歓迎してなかったのに(ごめん、エイデン)気が付けば8シーズンも。もはやなくてはならないメンバーでしたが次のステップに進んでいくそうです。ということで次のシーズン13では初代ヴェラの相棒、ジョーが戻ってきます。まるでドラマ「相棒」!右京さんの相棒に亀山君が戻ってっきた、みたいな・・ではまた。良い一日をお過ごしくださいね✨

    (追記で再送)イギリスドラマ「ヴェラ」シーズン12後編&仕事を始めて1年経ったのね
  9. ■『鵞鳥湖の夜』☆☆☆☆★[85]2019年/中国=フランス映画/111分監督:ディアオ・イーナン出演:フー・ゴー/グイ・ルンメイ/リャオ・ファン/レジーナ・ワン/チー・タオ■2020年 劇場公開作品 42本目見た「理由」は、映画雑誌『SCREEN』の『SCREEN映画評論家が選んだ 最も優れた映画 2020』の「22位」だったから。「予備知識完全皆無」で「また」、「鶏」は「絶対何が始まったか解からない」。「鵞鳥湖」周辺で「ヤクザ」か? バイク窃盗の大会議で仲間割れが起き、「阿部寛」似「チョウ」「フー・ゴー」と対立。恐るべき「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「妻」「レジーナ・ワン」は「チョウ」「フー・ゴー」と会いたくないが、恐るべき「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「水浴嬢」「グイ・ルンメイ」が会わそうとする。「チョウ」「フー・ゴー」がどうしようもない「ヤクザ」だからか? 恐るべき「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「妻」「レジーナ・ワン」に会えないまま死んだの見て、何が言いたかったのか? 「絶対解からない」。「また」調べる以外「選択肢」はなかった。「現代中国に巣喰う犯罪や社会の底辺で生きる人々の現実をあぶり出すノワールサスペンス」「フィルムノワール」。どうやら「『薄氷の殺人』で第64回ベルリン国際映画祭金熊賞&銀熊賞をW受賞した中国の気鋭監督、ディアオ・イーナン」の最新作が、「第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され話題となった」らしい。「フィルムノワール」だから「犯罪映画」。どうやら「バッドエンド」な「やるせない」「男」の「生き様」「切なさ」を、「極限の美」映像美で見せた映画らしい。「お洒落」「カッコいい」映画。「ジャ・ジャンクー、ロウ・イエ、ワン・ビン、ワン・シャオシュアイらと並ぶ“中国第六世代”の鬼才として注目を浴びる」級「そっち系」映画だと「何一つ殆ど砂粒ほども知らなかった」こと、「今頃」「やっと」「初めて」思い知ったこと「また」「反省」「懺悔」「償い」。「ジャ・ジャンクー監督」かよ…………。「また」「鶏」の個人的「好み」の問題でしかない。『タクシードライバー』を連想させる「最期」「傘」「血しぶき」と、恐るべき「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「妻」「レジーナ・ワン」と、恐るべき「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「水浴嬢」「グイ・ルンメイ」以外、「鶏」の「好み」の印象には残らなかった。■[Previous]■日記「今日見た映画 2020」41『イップ・マン 完結』■日記「今日見た映画 2020」42■日記「今日見た映画 2020」43■日記「今日見た映画 2020」44■日記「今日見た映画 2020」45■日記「今日見た映画 2020」46■日記「今日見た映画 2020」47■日記「今日見た映画 2020」48■日記「今日見た映画 2020」49■日記「今日見た映画 2020」50■[Next]画像 2024年 5月

    日記「今日見た映画 2020」42『鵞鳥湖の夜』
  10.  現在、BSで再放送されているのが2000年の朝ドラ「オードリー」。今年の大河ドラマ「光る君へ」の大石静脚本。京都の太秦を舞台の斜陽になっていく映画界が描かれている。その撮影所で働く助監督として登場するのが堺雅人。これが俳優としては大きく羽ばたくきっかけになった作品。この時は助演も助演。その他大勢に近い役。出演シーンは少ないけど、主人公とは深い関わりを持つ役で印象深い。 さらに2008年大河の大ヒット作「篤姫」も再放送中。宮崎あおいの主演。堺雅人は篤姫と結婚する徳川13代目の将軍・家定。 この家定は「うつけもの」との評判で、かなりの奇人変人。ドラマでは世間の目を誤魔化すためにうつけを演じているという設定。この奇人ぶりを堺雅人は、この上なく、うまく演じている。 ドラマ的には中盤に少しだけ登場する役柄なのだけど、ヒロインが結ばれる将軍という役柄も相まってドラマの中での存在感がすごい。 「オードリー」から8年で「篤姫」その8年後には「真田丸」で見事な主役を演じている。「篤姫」以降「真田丸」の間に「リーガル・ハイ」「半沢直樹」という大ヒットドラマがある。 BSではまさに堺雅人の成長ぶりが確認できる。これほどまでに順調に階段を登った俳優も珍しい。

    BSで見る20年前「オードリー」15年前「篤姫」堺雅人の進化する俳優ぶり
  11. 昭和39年、茨城県石岡市の東小学校で1匹の犬が保護される「タロー」と名付けられたその犬は朝は校門で児童を出迎え、昼は1年生の教室を順番にまわり、その賢い行動ですっかり学校の人気者になるしかし、ある日からタローは石岡駅までの2キロの道のりを往復する日課を始めるようになる駅の待合室でじっと改札口を見つめ、しばらくすると駅を離れて再び小学校に戻るそんな行動を朝と夕方の1日2回、毎日続けた駅の待合室でも駅前の商店街でも多くの人にかわいがられ、17年にわたって駅通いを続けたタローだったが…茨城県石岡市を舞台に1匹の保護犬が飼い主を探すために駅に通い続ける姿や、犬と人々との交流を実話をもとに描いたドラマ脚本・監督は、これまでに短編映画を多数手がけ、本作が初長編作品とった石坂アツシ映画『ハチ公物語』で初めて映画館で涙を流して以来僕はイヌの映画には極めて弱いのですこの映画も、わかっちゃいるけど絶対に涙を流さずにはいられないんだろうなと自覚しつつ、鑑賞に臨みました最初から非常に抑制の効いた演出でこりゃ参ったなあ⤴️、と思いながら観ていましたですが、最後の最後で他にあまたある、そんじょそこらの映画と一緒になっちゃうんだなあ…素人さんといえども、エキストラとなったら皆さんが作品に愛を持って、一生懸命撮影に臨んでいるのかもしれないそれはわかるよ、よ~くわかりますでもねえ、やっぱり素人は素人なんだなあとにかく日本は一応プロ(?)に仕分けられる人達も含め悪いけどエキストラの人達のレベルが低過ぎると思う!この作品と比べるのは悪いなと思いつつ…トム・ティクヴァ監督の『パフューム ある人殺しの物語』(2006)のラストシーンあの、それはそれは大量のエキストラの隙の無さを見ておくれよ!それを考えると、ねえもし、日本のエキストラが『パフューム~』と同レベル、あるいはそれを超えるレベルだったら☆4つ…いや、☆5つだって夢じゃなかったかもしれないよ[私の評価 ☆☆☆★(5つが最高)]

    ☆石岡タロー☆
  12. 「孤狼の血」の白石和彌監督初めて時代劇です。身に覚えのない罪をきせられたうえに妻も失い、故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進。彼は娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしていた。格之進は囲碁にもその人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心がけている。ある日、旧知の藩士からかつての冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は復讐を決意し、お絹は仇討ち決行のため、自らが犠牲になる道を選ぶが…映画を観る前に原案となる落語の「柳田格之進」をYouTubeで観ました。またの名を「碁盤割り」「柳田の堪忍袋」とも言う一席だそうです。浪人の柳田が囲碁仲間質両替渡世の男と懇意になって彼の家に通うようになり、ある日、その家で50両が紛失し、柳田が疑われるが、柳田は身に覚えがない。疑った質両替の主人にもし見つかったら首をもらうと言った柳田は娘を吉原へ入れて、その金で50両を工面し質両替の主人に届ける。しばらくして、質両替の主人は大掃除の際に失くした50両を見つけるが柳田はすでに家にいなかった。柳田と質両替の主人は町中でばったり再会し、50両が見つかったことを柳田に告げると柳田はあのときの約束を果たしてもらうといい、質両替の主人も覚悟するが…というお話で最後は落語らしくハッピーエンドになり、復讐ドラマではありませんでした。映画では格之進が藩を追われ、妻が命を落とす理由が語られ、その敵となるのが藩の上役だった男で、その男への復讐がサブエピソードとなり、50両の濡れ衣を晴らす話と同時進行で展開し、派手なクライマックスを迎えます。落語からの多少の改変はありつつも、基本は落語に沿っていてアレンジの見事さに感心しました。時代劇としての佇まいや見応えも十分で久しぶりにいい時代劇を観た気分です。

    原作の落語からの脚色が絶妙だった「碁盤斬り」
  13. 一円玉天気の己書*蚊っとばし!!*
  14. 「櫂」(かい)櫂 プレビュー1985年1月15日公開。宮尾登美子三部作のひとつ。興行収入:7.5億円脚本:高田宏治監督:五社英雄キャスト:富田岩伍 -緒形拳女衒で芸妓娼妓紹介業を営む。かつては青年相撲の力士で、力士だった岩伍を喜和が見初める。女衒の仕事に対し「貧乏が人を腐らせてるから、人を買って人助けしてる」と誇りを持っている。森山大蔵という大きな後ろ盾を得て、後に高知市立城北診療所の建設資金を半分寄付するまでに大成する。巴吉に自分の子を孕ませて別れた後、綾子の一切の世話を喜和に押し付け、照と関係を持つ。親は床屋を営んでいたが酒と博打で自殺し、母親は岩伍が5歳の頃に家を捨て、若い男と逃げた過去がある。富田喜和 -十朱幸代岩伍の妻。岩伍の行動に振り回されながらも耐えて来たが、徐々に本音をぶつけるようになる。岩伍が女衒の仕事をしていることを良く思っておらず、本心では別の仕事をしてほしいと思っている。岩伍からは陰で「青竹が着物を着た融通の利かない一本木」と評されている。辛抱強いが裏を返せば頑固な性格。子宮筋腫を患い手術に成功するが、毛髪を次第に失ってゆく。岩伍の不始末を押し付けられ全てを背負おうが、岩伍と離縁する。富田家で育つ子供たち(実子以外を含む)菊 -石原真理子幼い頃、中国に売られて六神丸の材料になるところを、神戸で岩伍に10円で買われ、来ていた着物の模様から岩伍が菊と名付ける。子供の頃、ご飯の食べ方すらまともに親に教えてもらえなかったため周りの手を焼かせたが、喜和に一から教えられて気立ての良い娘に育つ。後に竹市とともに岩伍の朝倉町の店に来る。竜太郎 -井上純一富田家の長男。生まれつき病弱で肺病を患ったせいで旧制中学校に上がれず弟に劣等感を持つ。菊を実の妹のように可愛がる。多仁川組の取り仕切る賭博場でトラブルになった健太郎をかばい、喀血して死亡。健太郎 -田中隆三富田家の次男。兄弟である竜太郎とは仲が悪い。高知一中(旧制中学)に進学するが、学校をさぼり放蕩をしている。多仁川組の取り仕切る賭博場で殺傷事件を起こして拘留される。後に出所して喜和と離縁し、岩伍の稼業を手伝う。綾子 -高橋かおり(子役)岩伍と巴吉の間に生まれた娘だが、生まれた直後に大貞と岩伍によって強引に富田家に引き取られ喜和に育てられる。その後天真爛漫な少女に育ち、喜和を実の母のように慕う。最後は岩伍に引き取られる。岩伍と関わる女たち大貞(だいさだ) -草笛光子岩伍と同業で『大貞楼』の女将。岩伍とは大阪にいた頃からの仲で、喜和に対して「男が妾を持つのは当然で、(喜和と)一緒にいるせいで岩伍が肩身のせまい思いをしている」と言い、岩伍の不始末を喜和に押し付けている。なお原作では、大貞の抱えの芸妓が妊娠しても臨月まで客をとらせ、流産しても商売をやめさせないくらいの鬼のような人物。染勇(そめゆう) -名取裕子裏長屋の生まれで、『大貞楼』に預けられる。後に高知一の芸妓になり、豊美から染勇になる。男を手玉に取るのが上手く、男を次々と乗り換えていると地元では噂されている。子供時代に富田家に来た当初は、家族思いの健気な性格だったが成長後は負けん気の強い性格になる。豊竹巴吉(ともきち) -真行寺君枝女義太夫で『巴吉太夫』と慕われ、岩伍の興行で人気となる。女義太夫としての喉の良さには定評があり人気の女義太夫だった“ろしょう”の再来と言われている。後日岩伍の妾となり綾子を身ごもる。松井照(てる) -白都真理元人妻。以前夫は俥の車夫をしており岩伍を乗せていた所、多仁川組の組員に刺殺される。直後に線香を上げに来た岩伍と知り合い、ほどなくして男女の仲となる。喜和の実家小笠原楠喜 -ハナ肇喜和の兄。古道具・古本「楠木堂」を経営。夫婦間でゴタゴタした時に喜和を数日間住まわせたり、助言したりしている。里江(さとえ) -園佳也子喜和の姉。富田の家にもらわれたばかりの菊に幼い娘用の古着をあげたり、その後も喜和のことを気にかける。富田家で働く人々庄 -左とん平岩伍の店の番頭。岩伍の右腕となり外に仕事に出たり、米たちに色々と指示を出す。米 -桜金造岩伍の店の若い衆。女中 -藤山直美富田家の女中。家事をこなしながら喜和の子育てを手伝ったり忙しくしている。その他森山大蔵 -島田正吾四国造船の会長で地元で影響力がある人物。元々女義太夫で人気を博した“ろしょう”のファンで、“ろしょう”に似た巴吉のそのスター性を評価する。岩伍の興行の後ろ盾となる。谷川文造 -成田三樹夫ヤクザ、多仁川組の組長。染勇と親しい間柄。岩伍と興行で対立してたが、後に賭博場での一件で失脚する。さらに手下に体を支えられないと一人で歩けない状態となる。木元武造 -片桐竜次ヤクザ、多仁川組の組員。健太郎に刺殺される。松崎 -成瀬正市場の魚屋で働く。竹市 -島田紳助市場の魚屋で働く。客の菊とは顔なじみで冗談で「一晩付き合って」などと言っているが、岩伍が怖くて実際には手出しができないでいる。後に菊とともに岩伍の朝倉町の店に来る。あらすじ:大正3年、初夏の土佐の高知。縁町界隈で芸妓・娼妓紹介業を商う富田岩伍(緒形拳)は、商用で大阪・神戸をまわって、旅の途中で拾った少女・菊を連れて帰ってきた。富田の家には岩伍と喜和(十朱幸代)の間に病弱な長男・竜太郎、きかん坊の次男・健太郎の息子があり、それに番頭格の庄(左とん平)、女中の鶴、若い衆の米と亀がいる。金使いの荒い岩伍のせいで、人知れず貧乏所帯をきりまわす喜和に、またひとつ菊の養育という苦労が重なった。ある日、喜和は岩伍に命じられるまま、赤貧にあえぐ裏長屋の巻に米を届けた。折悪しくそこは赤痢騒ぎ、しかも巻の無残な死骸を見た喜和は不覚にも気を失って倒れた。死んだ巻の娘・豊美を芸事修業のため、岩伍が大貞楼にあずけたのは、それから間もなくのことだった。大正15年5月。菊(石原真理子)は19歳の美しい娘に成長していた。大貞楼にあずけられた豊美は名も染勇(名取裕子)と改め、高知一の芸者になっていた。健太郎、竜太郎も19歳、17歳とそれぞれ成長していたが、喜和の心痛は竜太郎の病弱、健太郎の放蕩だった。この頃、岩伍は40歳中ばの男ざかり、豊栄座に招いた娘義太夫の巴吉(真行寺君枝)と肉体関係をもっていた。かねてより女衒(ぜげん)という恥かき稼業を嫌っていた喜和はそのことが原因で実家である小笠原家に戻っていたが、そこに大貞楼の女将、大貞(草笛光子)が訪れ、とりなしを計った。巴吉と岩伍は別れさせるが二人の間にできた子供は喜和が育てるべきだと。喜和はあまりの理不尽さに身体がふるえた。喜和が緑町の家に帰ってから間もなく、岩伍と対立する谷川一家の賭場で刃傷沙汰を起こし、弟をかばった竜太郎が多量の血を吐いて息を引き取った。そして一方、岩伍の子を産み落とした巴吉は高知を去り、綾子と名付けられた赤ん坊の育事は喜和の仕事となった。昭和11年5月。綾子は11歳の愛くるしい少女に成長したが、喜和は病いに倒れた。手術の末、奇跡的に命はとりとめたものの、髪を次第に失っていく悲運に見まわれた。岩伍は今では大成し、朝倉町に移っていたがそこに照という女を住まわせていた。ある日、今は父親の仕事を手伝っている健太郎は岩伍の意向で喜和に隠居を命じた。喜和は綾子を連れて実家に身を寄せたが、追い打つように岩伍からの離縁話、そして綾子を返せという達し。今では綾子だけが生きがいとなっている喜和はこれを拒否し、岩伍の殴打が容赦なく飛ぶ。そのとき綾子が出刃包丁で岩伍に斬りかかった。こんな骨肉の争いがあって間もなく、喜和は大貞の意見を入れ、身を切られるような気持ちで綾子を岩伍のもとに返す決心をした。別れの日、橋のたもとで喜和は綾子が岩伍の家に入るまで見送った。喜和はひとり、岩伍の家に背を向けた。コメント:原作は、宮尾登美子の同名長編小説。1972年8月に第一部を自費出版し、1973年の第9回太宰治賞を受賞。同年12月および1974年3月に筑摩書房より上下巻にて刊行された。自らの父母をモデルに、大正から昭和初期の高知の花街を舞台に15歳で渡世人に嫁いだ薄幸の女のひたむきな生涯を描く。大正初期、女衒(ぜげん)の岩伍(緒形拳)と女房の喜和(十朱幸代)の不条理な愛を描く。日本の一世紀前は、男尊女卑があからさまだった。女衒(ぜげん)というのは、山椒大夫に代表される人買いを職業とする人間をいう。極貧の家庭が借金に困り、自分の娘を芸妓や遊女に出す際に、料亭や遊郭への仲介を行う仲買人である。現在の人材紹介業者である。やくざとは異なる。宮尾登美子の自伝的な話である。映画では、女性専門の人材紹介をする女衒とはいえ、岩伍(緒形拳)が人でなしのように描かれている。原作を読むと、岩伍という人物は、近くの貧民窟の長屋に住んでいる最下層の人々を救おうと奮闘する人情豊かな頼れる男という側面も詳しく綴っていて、決して極悪人ではなかったようだ。だが、問題は、妻の喜和(十朱幸代)の目を盗んで、娘義太夫の巴吉(真行寺君枝)と深い仲になり、ついに巴吉を妊娠させてしまったことだ。それを知った喜和が実家に帰ってしまう。その後、岩伍は巴吉と別れる決意をする。だが、条件として、巴吉のお腹の子は岩伍が引き取り、喜和が育てるということになった。つまり、岩伍の実の子として、正妻である喜和が育て上げねばならないという不条理な解決策なのだ。浮気相手が産んだ子を育てさせられるという正妻にとってこれ以上の屈辱はない、さらに、生みの親である巴吉は、出産次第住む家を追われ、生涯親子の名乗りをしないことを強要された。つまりは、男尊女卑の社会にあっては、男の思うがままだったのだ。令和の時代には絶対にあり得ない話だが、妾の子を正妻が育てることは戦前の日本では当たり前だったようだ。五社英雄監督らしく、十朱幸代をはじめ真行寺君枝、白都真理を脱がせている。島田正吾は、森山大蔵という人物に扮している。森山は、四国造船の会長で地元で影響力がある人物。元々女義太夫で人気を博した“ろしょう”のファンで、“ろしょう”に似た巴吉のそのスター性を評価する。緒形拳扮する岩伍の後ろ盾となっている。「ろしょう」というのは、豊竹 呂昇(とよたけ ろしょう)という女義太夫師のこと。明治から大正にかけて女義太夫の頂点にいたという。本作は、『鬼龍院花子の生涯』・『陽暉楼』と合わせ、宮尾登美子原作、五社英雄監督のコンビ作品で「高知三部作」とも呼ばれる。宮尾登美子の原作の刊行順で言うと「鬼龍院」や「陽暉楼」よりも先で、作家の初期にあたる作品。「櫂は三年、櫓は三月、浮かしておけば流される」というこのことわざが映画の冒頭に流れる。原作の小説の中で、この言葉を見つけるのは大変だ。たった一か所にしか出てこないのだ。このタイトルが何を意味するのか。原作をしっかりと2度読んで、ようやく発見できた。原作の第一部の最後の部分にこういう文章が出てくる:「岩伍も喜和も、舟で云えば、漕ぎ抜けて来たあとの櫂を、今はじっと休めている時期なのだとも思われる。舟に委しい誰ぞの言葉のように、櫂は三年櫓は三月、繰りかたをやっと覚えた櫂も、浮かしておけば流される、と云うなら、漕ぎ休めている今の時期こそ、岩伍にも喜和にも大切な月日なのであった。」 「櫂」は見慣れない漢字だし、令和の若い世代の人たちは、それがどんなものなのか知らないのではないだろうか。これは、ボートの「オール」と同じ意味なのだ。「櫂は三年、櫓は三月」というのは、船をこぐ道具では「櫂」と「櫓」では難しさに違うという。「櫂」というのは、水をかいて舟を進める道具。棒の一端を幅広く平らに削ったもの。オール。「櫂」も「櫓」も舟をこぐ道具。「櫂」の方が難しい。己が生きる為に漕ぎ続けなければ流され、手を離せば死が待つ。 理不尽にも、亭主の犠牲になり、他人の為に、己が為の如く櫂を漕ぐ喜和の生き様を「櫂」に例えているのだろう。ヤクザ社会と花柳界という古いしきたりの中で喘ぐ女たちの姿が、より凝縮された形で描かれている。喜和の夫である女衒(ぜげん)の岩伍(緒形拳)という存在は、「鬼龍院花子の生涯」での鬼政に当たる。気に入った女を次々に手篭めにする岩伍。その度に嫉妬と悲しみにくれる喜和。男尊女卑がまかり通った前時代の女の悲しみはこのヒロインの姿に凝縮されている。周囲を彩る女優陣も多彩。岩伍に拾われてきた菊役の石原真理子や、のちに売れっ子芸者・豊美となる名取裕子、女義太夫役の真行寺君枝、岩伍と懇ろになる白都真理などの美人女優達。(十朱幸代)(真行寺君枝)(白都真理)この映画は、Amazon Primeで動画配信可能:Amazon.co.jp: 櫂を観る | Prime Video大ヒット作「鬼龍院花子の生涯」「陽暉楼」に続き、宮尾登美子と五社英雄の名コンビで描く文芸感動巨編。宮尾・五社三部作の完結編となる本作は、大正初期から昭和10年代までの高知を舞台に、女衒の一家とそれに関わる様々な人間を描きながら、ヒロイン喜和の女として妻としての愛と悲しみの30年を浮き彫りにする。出演の緒形拳、十朱幸代のほか、そうそうたる顔ぶれのキャストがそろ…www.amazon.co.jp

    宮尾登美子の映画 「櫂(かい)」 緒形拳と十朱幸代の熱演が光る!
  15. 今回は…前回に引き続き大人気シリーズの第四弾を取り上げます。「 Fast & Furious 」 ( 2009年/邦題「ワイルドスピード・マックス」)二作品降りにオリジナル・キャストがロサンゼルスに集結、レティが殺された(…とされる)真相を追ってメキシコの麻薬カルテル相手に大暴れします。●データ監督=ジャスティン・リン脚本=クリス・モーガン製作=ニール・H・モーリッツ、マイケル・フォトレル、ヴィン・ディーゼル製作総指揮=アマンダ・ルイス、サマンサ・ヴィンセント撮影=アミール・モクリ音楽=ブライアン・タイラー製作費=$85,000,000興行収入=$363,164,265出演=ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、ガル・ガドット、ジョン・オーティス、ラズ・アロンソ、ジャック・コンリー …etc…●あらすじ皆さんご存知だと思いますのでスルーします。●登場銃火器F.B.I 捜査官になったブライアン ( ポール・ウォーカー ) はグロック17を所持していました。(スーツが何故か…似合わない…)敵側のドライバー/フェニックスは派手なメッキ系のM1911A1を使用します。今作品から登場のジゼル ( ガル・ガドッド ) は、SIG Sauer P232(発砲なし)を所持。最後に…ドム ( ヴィン・ディーゼル ) が、終盤に自宅からメキシコに持っていくショットガンはモスバーグ M590 マリーナ でした。●気になった劇中車今回はやはりブライアンのドライブするベイサイド・ブルーのBNR34 GTRでしょう。4~5台の車両が用意されたらしく本物のGTRは1台のみ…(らしい)。あとの車両はベイサイド・ブルーに塗った34型スカイライン・クーペにGTRのボディ・キットを組んだ撮影車である…との事。いや~マジでイカしてます!●総評今までは追われる身だったブライアンも、マイアミでの貢献から警官に復帰。しかも、ロス市警じゃなくて…連邦捜査官である F.B.I に…です!(あり得ないけど)が、しかしラストでミア ( ジョーダナ・ブリュースター ) 達と一緒にドムの護送車を襲撃した為に再び、指名手配犯に逆戻り…となりました。で…点数を付けるなら…95点!やはりワイスピはオリジナル・キャストじゃなきゃ!…と実感した記念すべき作品だからね!…で…次回は再び追われるワイスピ・ファミリーがブラジルで大暴れ…の…。では♪

    「映画 『Fast & Furious』」の巻
  16. 来る5月14日は、ケイト・ブランシェットの55歳の誕生日です。(1969年5月14日生まれ)それを記念して、ケイト・ブランシェットの作品を紹介しています。(過去の投稿の再掲となります)■本作品はケイト・ブランシェット初期の傑作と言っていいでしょう。『ギフト』(2000)監督 サム・ライミ共演 ジョヴァンニ・リビシ、ケイティ・ホルムズ、キアヌ・リーヴス撮影 ジェイミー・アンダーソン【あらすじ】人の運命を見通す超能力「ギフト」を持ったアニーは、占い師として、3人の子供と細々と暮らしていた。彼女のもとには、夫の暴力に悩むヴァレリーなど様々 な町の住人が助言を求めに来ていた。ある日のこと、アニーの息子の教師であるウェインと婚約したジェシカが失踪するという事件が発生する。アニーはその能力を使って事件を解き明かそうとするが・・・。■アメリカ南部とおぼしき、決して豊かでない土地に住む、シングルマザーのケイトは、一度パーティに出るときを例外として、いつも簡素な服を着ています。裁判のときでさえ、カーディガン姿です。その細い足を決して魅力的には見せない、何の変哲もないスカート。身体のラインを全く見せないセーター、ダウン。■しかし、そこでケイト・ブランシェットは崇高とも言える存在感を放ちます。それは、彼女の超能力のせいではありません、敢えて言えば心の美しさとでも言うべきものによります。例えば、裁判を有利に進めるためだけに、デリカシーのかけらもない言葉を放つ、ゲスとしか言いようのない弁護士に静かな怒りを向けるシーン。または、キアヌ・リーヴスの冤罪を晴らそうと、ケイト・ブランシェットが弁護士に裁判のやり直しを要求したところ、「金か?」と言われ、「いや、そんなんじゃなくて・・・真実のためよ」という言葉を飲み込むシーン。こうした人間の尊厳を賭けるあり様は、崇高と思わず言ってしまいたくなります。それは、『裁かるゝジャンヌ』のルネ・ファルコネッティのように、あるいは『無防備都市』のアンナ・マニャーニのように、あるいは『ストロンボリ/神の土地』のイングリッド・バーグマンのように崇高です。#映画好きな人と繋がりたい#洋画好きな人と繋がりたい#映画好き#おすすめ映画 #エレガンス#女優 #女優志願#女優志望#映画鑑賞#オーストラリア女優#女優好きな人と繋がりたい#女優さん好きな人と繋がりたい#女優好きさんと繋がりたい#ケイトブランシェット#actress#elegance#mysterious#cateblanchett

    ケイト・ブランシェットの初期の傑作『ギフト』
  17. WOWOWでエアチェックしておいた「リボルバー・リリー」をまだ見ていなかったので鑑賞する…同名の小説が原作だが未読、映画化決定前から気になっていた作品で、積読本の中にもあって(なんだったら、単行本と文庫…両方ある)読もう、読もうと思ってたけど、なかなか手が出なかった。映画もね…主演が綾瀬はるか、綺麗なおねーちゃんが拳銃ドンパチする系という、まさにオイラ好みのジャンルだったので、劇場で見てもいいかななんて考えた時もあったんだけど…どうやらジャニ案件映画でもあるらしいと耳にしたので、結局スルーしてしまった。幣腹帰還で訓練を受け、五十人越えの殺害に関与した冷酷な諜報員・小曾根百合…通称“リボルバー・リリー”。今は銘酒屋の女将として、働いているのだが…ある日、かつての仲間が、一家惨殺事件に関与して、死亡したというニュースを知り、真相を確かめるために現地へ向かう。その途中の列車内で、陸軍に追われる青年・細見慎太と遭遇、彼を助けることに。やがて…慎太こそ、惨殺事件の唯一の生存者であり、慎太もまた父親・細見欣也に命じられ百合を訊ねようとしていたことがわかる。慎太は父親・欣也から託されたある機密書類を携えていた!夏の終わり頃に、映画評論家の渡辺麻紀さんと柳下毅一郎さんがやってるYouTubeの映画評で取り上げられていて…“一言で「グロリア」です”って語られてたんだけど、本当にその通りだった映画ですね(笑)和製スパイ映画要素もあるので…ホラ、深キョンがメイドさんの恰好してたヤツなんだっけ、そうそう…「ジョーカー・ゲーム」(確か、これもジャニ案件やったな)だ、あの雰囲気にもちょっと似ているかななんて、オイラは思ったけど。麻紀さんと柳下さんも…ツッコミお馬鹿映画(特に男優陣)と評す一方で、女優陣のアクションなどは褒めてたんだよな…。うん、まぁ…確かに、オイラが今まで見てきた“綾瀬はるか映画”の中では、「おっぱいバレー」に次いで、まぁまぁ見れたんちゃうの?ってくらい、楽しめる部分はあった。でも、先述の評論家センセイ方が仰っていた通り…男優陣酷いな。麻紀さんなんかは…他と比べればマシとフォローはしていたけど、綾瀬はるかが助けることになる、キーキャラクターの1人、あのガキンちょを演じたヤツね、あいつ…見てるだけでイライラしてきた。なんか、アイツが何人かいるジャニーズ枠の1人らしいんだ。ヒロインが助ける子供が魅力的でないのはやっぱりマイナスだった。あとは…阿部サダヲが山本五十六という出オチ感満載のキャスティングでわかる通り、重要ポジションの男優陣の演技がなんだかみんな微妙だったな。悪役の板尾創路とかも芝居がコテコテすぎてウザすぎる。評論家先生方が褒めていた女優陣のアクションも…確かにビジュアル的には、けっこう様になってるものの、アクションがめっちゃ迫力あったか、かっこよかったかというと…ぜんぜんそうでもないんだよな。序盤のボートのシーンとか、クライマックスの陸軍VSリリー軍団とか、すごい見せ場になりそうなアクションがショボめであまり迫力なかったよな。あと…中盤、綾瀬はるかたちのアジト、たまり場みたいなところに、陸軍が攻めてくる展開ね。あの銃撃戦のさ中、なぜかどこからともなく赤ん坊が出てくるとか、逆に緊張感を欠く演出が酷かったな。デ・パルマの「アンタッチャブル」の階段を落ちる乳母車くらいの緊張感を出せないものかね?そして綾瀬はるかに敵の銃弾が命中し、弾も撃ち尽くすというピンチが訪れるも、そこでとどめをささず“撤退だー!”の掛け声で引き上げていく陸軍(の指揮官)の無能ぶりに一番、ツッコミを入れたくなった。気が向いたら、原作小説の方をちゃんと読んでみようかな…?監督:行定勲出演:綾瀬はるか 長谷川博己 羽村仁成 シシド・カフカ 古川琴音 阿部サダヲ 野村萬斎 豊川悦司【DVDソフトの購入】DVD リボルバー・リリー人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!

    リボルバー・リリー(2023年)
  18. 「陽暉楼」「陽暉楼」 予告編1983年9月10日公開。宮尾登美子の同名小説の映画化。土佐の高知随一の遊郭・陽暉楼を舞台に様々な人間模様を描く異色作。受賞歴: 1983年 第8回 報知映画賞 助演女優賞(倍賞美津子) 1984年 第7回 日本アカデミー賞 最優秀監督賞(五社英雄) 最優秀脚本賞(高田宏治) 最優秀主演男優賞(緒形拳) 優秀主演女優賞(池上季実子) 優秀助演男優賞(風間杜夫) 最優秀主演女優賞(浅野温子) 優秀助演女優賞(倍賞美津子) 脚本:高田宏治監督:五社英雄キャスト:太田勝造演 -緒形拳女衒。あだ名は「だいかつ」。普段は借金を抱える家の娘たちを芸妓や女郎として欲しがる店に斡旋する仕事を淡々とこなしている。顔に凄みがあり喧嘩が強く、怒らせると手のつけようがない。殺人で前科2犯。稲村から後ろ盾になってやると言われた時は「(組織を作って)いまさら成り上がるつもりはありません」と断り終始一匹狼を貫いている。そのため命を狙われることになる。桃若のことは娘として愛情を持っているものの、桃若の生みの母・呂鶴が死んだ原因が自身にあったり、愛人を作ったりしているため親子関係は上手く築けていない。太田房子(桃若)演 -池上季実子、加藤奈巳子(少女)陽暉楼のNo.1芸妓。女将お袖に「100年に一人出るか出ないかの芸妓」とその素質を高く評されている。ただし陽暉楼や客の一部からは「見かけとは違って情が薄い、冷たい女や」と思われている。佐賀野井の子を妊娠する。勝造によって芸妓となるべく幼いころに陽暉楼に連れてこられた。勝造の命を狙う追っ手によって母・呂鶴が死んだが、桃若にとっては勝造に殺されたようなものとして父に対し激しい憎しみを内に秘めている。母に生写しだといわれるが、生前の母の詳しい話はあまり聞かされていない。『サーカスの唄』(松平晃の歌)が大好きで少しだが歌うシーンがある。豊竹呂鶴演 - 池上季実子(二役)房子の生みの母。娘義太夫。美人で、過去に佐賀野井の父や堀川がのぼせ上がって通いつめたほど。その歌声が絶賛されている。勝造と駆け落ちしたが、まだ乳児だった房子を残して勝造の追っ手によって殺された。珠子演 -浅野温子勝造に囲われていた愛人。大阪で娘義太夫の修業をした後、カフェーの女給になり勝造と知り合った。勝造と別れ、芸妓になりたいと申し出たが陽暉楼の女将・お袖に断られた。その後玉水遊郭の女郎として働き始め、ほどなくして一番の売れっ子となる。気が強くやり手のお袖にも動じずに話をしたり、初対面にも関わらず桃若を筆頭とする芸妓たちに向かって「なんやこれが陽暉楼の芸妓かいな、しょーもな(くだらないの意味)!」と言い放った。桃若を敵視し、挑発的な態度を取る珠子だが、後に、桃若と心を通わせるようになる。胡遊演 -二宮さよ子陽暉楼の芸妓、桃若の先輩。本人によると「金持ちの優しいお爺さんを含めて2、3人の男と付き合っている」とのこと。本気で男を愛したことがないという桃若に本気の恋愛について教える。吉弥演 -市毛良枝陽暉楼の芸妓、桃若の先輩。桃若が本気で男に惚れたことがないと指摘している。仲は悪くはないが桃若について「元々あの人は一皮むけば自分さえ良ければいい人間なんや」と感想を述べている。茶良助演 -熊谷真実陽暉楼の芸妓、桃若の先輩。ダンスホールで佐賀野井からチャールストンのダンスを習っていたところ、踊りの上手い珠子に邪魔をされ佐賀野井を取られた。また桃若が妊娠した時に「産むか降ろすか早く決めた方がいい」と助言をする。助次演 -西川峰子陽暉楼の芸妓、桃若の後輩。作中では「父や母が病気でお金がいる」などと理由をつけては、金を前借りしている。女将お袖について裏では「あの女は鬼かヘビや!」などと嫌っている。14歳の頃から客を取らされており、その割に借金が一向に減らないと勘兵衛に食って掛かった。とんぼ演 -仙道敦子陽暉楼の若い芸妓。桃若を慕っており、色々と気遣いを見せる。〆若演 -山本ゆか里米蝶演 -弓恵子今助演 -林彰太郎勘兵衛演 -花沢徳衛陽暉楼の番頭。店の金の管理、雑用などをこなす。古田徳次演 -木村四郎大阪の天下茶屋で中学校の教師。金を借りるために妻昌江を売ろうとする。勝造から前金の百円を持ち逃げし、まもなくケンカに巻き込まれて死ぬ。丸子(古田昌江)演 -佳那晃子古田の妻。前金持ち逃げの後、夫を亡くし、別の店で芸妓となり売れっ子となる。稲宗組の親分に気に入られる。元々はしおらしい女性だったが、稲宗組と関わる内に性格が豹変する。稲宗組の親分の命で陽暉楼にスパイとして送り込まれ、陽暉楼の主人を誘惑する。お駒演 -上月左知子陽暉楼の芸妓たちの世話をしている。桃若が客に会う前に助言やお願いをしている。仁王の秀次演 -風間杜夫勝造の舎弟。勝造の指示を受け、玉水で女郎として働き始めた珠子を見守る。優しい人柄で、初めての客から逃げ出そうとした珠子に対し、無理に引き戻さず判断を委ねた。後に、珠子と土佐に小料理屋を開く。佐賀野井守宏演 -田村連南海銀行の御曹司。一目見た時から桃若を気に入り好意を持つ。ダンスホールで居合わせた玉水の女郎たちから「ええ男、活動写真のスターみたいやわ」と褒められる。特技はダンスで、チャールストンを踊れる。山岡源八演 -北村和夫陽暉楼を経営。表向きは真面目な商売人だが、博打好き。気の強いお袖の尻に敷かれっぱなしだが、実際には血も涙もない情のかけらもない女だと愚痴をこぼしている。堀川杢堂演 -曽我廼家明蝶銀行協会の会長。桃若の上物の客で、陽暉楼の客の中で特に大事にされている。桃若からは「ほーさま」と呼ばれている。自ら年寄りと認めており、金はあるものの体力的に衰えてきている。綺麗で踊りも上手い桃若が中々客と長続きしないことを不憫に思っている。前田徳兵衛演 -丹波哲郎お袖演 -倍賞美津子陽暉楼の女将。元芸妓。陽暉楼を取り仕切っている。周りから「お母さん」と呼ばれているが、親しみより恐れられている存在。真偽は不明だが「芸妓だった時に陽暉楼の女将になるために蛇神様を祀って先代の女将を呪い殺した」と芸妓たちから噂されている。また三好からは警察も動かすやり手の女として、一筋縄ではいかない存在となっている。金串によると芸妓だった頃勝造と恋仲だった。そのため別れた今でも勝造とは仕事や桃若を通じて親しくしている。桃若を幼いころから立派な芸妓にするため手塩にかけて育てており、そのためなら時に手厳しい言動も辞さないあらすじ:昭和8年、高知随一の遊興の場として名高い陽暉楼。売れっ子芸妓の桃若(池上季実子)は、芸妓紹介業を営む父・太田勝造(緒形拳)に売られた身だ。母親のお鶴(一人二役:池上季実子)は既に死んでいる。陽暉楼の女将・お袖(倍賞美津子)は、お鶴と勝造を取り合った過去を持つが、今は桃若を最高の芸妓に育てようとしている。勝造は大阪に珠子(浅野温子)という女を囲っていた。女義太夫の道を諦めた珠子は、もう一度花を咲かせたいと考える。珠子は勝造に仲介してもらって陽暉楼で働こうとするが断られ、娼婦になることにする。ダンスホールで出会った桃若と珠子は、激しいケンカを繰り広げる。高知進出を狙う大阪の稲宗一家が、陽暉楼を守ろうとする勝造を襲って重傷を負わせる。病院に駆け付けた珠子に、勝造は自分の子分である秀次(風間杜夫)と一緒になるよう勧める。一方、桃若は恋人である佐賀野井(田村連)の子供を妊娠したことに気付く…。桃若は、子供を生もうと決心し、悩んだ末、堀川(曽我廼家明蝶)に子供は彼の子でないと打ち明けた。そんなことは承知で子供は認知しようと考えていた堀川は、自分の気持ちを踏みにじられたことに激怒し、縁切りを言い渡す。珠子は、勝造の希望通り秀次と一緒になり、高知に店を出すことになった。そして、桃若は女の子を生み弘子と名づける。桃若は、子供のために懸命に働くが、ある日、稽古の最中、突然倒れた。結核で身を蝕ばまれていたのだ。病院に見舞った珠子は、弘子を治るまであずかると言うが、芸妓の世界の習いとして、すでに弘子はお袖の世話で里子に出ていた。お袖は、弘子を返してくれとの勝蔵の頼みに、桃若の勝手な振舞いをののしる。桃若の容態は悪化し、臨終の枕もとに弘子を伴って駆けつける勝造。その夜、秀次・珠子の店を勝造が訪れ桃若の死を告げた。その時、稲宗の手下が店を襲い、ドスに倒れて秀次は死んでいった。そして、大阪駅・三等待合室。勝造は切符を二枚珠子に渡し、用事が済むまでここで待つよう言い残し出て行く。勝造は床屋にいる稲宗、三好らを射殺するが、逃げる途中、追手に刺され絶命した。深夜の駅では、いつまでも勝造を待ち続ける珠子の姿があった。コメント:原作は、宮尾登美子の同名長編小説。昭和初期の四国の遊興界における女の人生を描き切った宮尾登美子の代表作。筑摩書房から1976年に刊行された。これは、実在した四国一の一流料亭「陽暉楼」を舞台にした物語だ。五社英雄監督のエロスと任侠の映像化の才能が存分に発揮されている名作である。『鬼龍院花子の生涯』に次ぐ五社英雄・宮尾登美子コンビの二作目で、土佐の高知の花柳界を舞台に生きる女衒の父と芸妓となった娘との愛憎を描く。ヒロイン・桃若を演じる池上季実子が美しい。池上季実子の濡れ場の表情が美しい。初ヌードで、オッパイ、美尻丸出しだ。カメラワークもきれいだし、色彩、演出もすばらしい。やはり、五社英雄監督ならではの映像である。本作の見せ場は、桃若(池上季実子)と珠子(浅野温子)の二人が張り合ってトイレでびしょぬれの大乱闘を繰り広げるところ。この作品最大の、女同士のヘビーな乱闘シーンである。土佐のおなごは気が強いということを象徴している。売れっ子とそのライバルとの戦いというよりも、父親の愛人と美人の母親が瓜二つということで、互いに嫉妬したという背景がある。浅野温子の熱演が光る。ダブル浅野ドラマや踊る捜査線などのトレンディドラマとは全く異なるぶっ飛んだ演技だ。最初から胸を出して、色気満々の痴態をさらしている:緒形拳に侵されるシーンもなかなかの存在感だ:緒形拳は相変わらず渋い重厚な演技を見せる。ヤクザと立ち会う気概を発揮する役柄は、この人がうってつけだ。緒形拳のような骨太な役者が近年めっきり減ったことは残念だ。倍賞美津子の遊郭のおかみ役が板についていてこの映画をしっかり作り上げている。この女優は、色気だけでなく、任侠の世界でもしっかり存在感を示せる演技力があり、頼もしい。この映画の舞台となった「陽暉楼」は、現在も続く高知市の料亭「得月楼」(とくげつろう)をモデルにしているようだ。得月楼は、自由民権運動発祥の地として知られる高知県の中心部・はりまや橋のたもとにあり、明治三年(一八七○年)の創業以来、今日までその歴史と伝統を受け継いできた。数奇屋造りの佇まいから「南海第一楼」と謳われた当時の姿がしのばれるという。幕末の著名な庭師による見事な庭園、文人墨客の書画も多数所蔵していて、宮尾登美子氏の著作「陽暉楼」の舞台として全国的に知られている。この映画は、Amazon Primeで動画配信可能:Amazon.co.jp: 陽暉楼を観る | Prime Video陽暉楼に12歳の少女の時、売られてきた当代随一の芸者・桃若とその父で女衒稼業に生きる勝造との赤裸々な人生を描くwww.amazon.co.jp

    宮尾登美子の映画 「陽暉楼」緒形拳、池上季実子、浅野温子の共演! 土佐の遊郭を描く異色作! 
  19. 「銃声 LAST DROP OF BLOOD」(2003)石橋貴明がかつて属していた組織の抗争劇に巻き込まれるお話をAmazonプライムビデオで観ました。初見。企画・原案・監督・脚本は秋元康。予告編はありません。横浜・中華街の高級中華料理店で、手打ちの会食を行っていた暴力団幹部たちの命を狙った発砲事件が勃発。松和組のトップは死亡。竜成会のトップ小田中組長(松村達雄)は重傷を負います。送り込まれた殺し屋(木梨憲武)は早々に始末されて死亡。集まった竜成会の幹部連中は、関東の暴力団を一掃したい関西勢力の仕業と見て、報復に向けて動き出します。部下の真崎(寺田農)や本山(ガッツ石松)が次々と犠牲になる中、抗争を引き起こしているのは身内の人間だと睨んでいた小田中組長は、信頼できる子分の修司(保坂尚輝)を使って、真の敵が誰なのかを探ります。一方、かつての竜成会幹部で堅気に戻っている萩原正一(石橋貴明)は妻の京子(高島礼子)と慎ましく生活していました。マル暴担当の鶴岡刑事(蟹江敬三)にお前は根っからのヤクザだとネチネチ絡まれても、抗争のニュースを聞いても、関わりを持たないようにしています。その萩原が小田中組長の見舞いに行った時、何者かが護衛の少ないタイミングを見計らって襲撃を狙っていたため、とっさの判断で組長の身を守ります。その後、弟分だった修司と久々に再会。看護師を目指している妹(さとう珠緒)の戴帽式に夫婦で出席することを約束する萩原。やがて、裏で糸を引いていたのは幹部の島津(鶴見辰吾)だと判明すると、修司は組長の命を受けて島津の暗殺を決行します。暗殺は成功するも、島津が前もって手配していたイラン人の殺し屋の銃弾を浴びる修司。その日は妹の戴帽式でした。瀕死の状態で戴帽式に参列した修司は妹の晴れ姿を見ながら、隣にいた萩原にメッセージを残して息を引き取ります。全ての真相を知った萩原は、修司の無念を晴らすために本当の黒幕がいる場所にたった一人で乗り込んでいくのであった・・・というのが大まかなあらすじ。劇場公開は2003年6月14日。レイトショーで限定公開されたみたいです。陰謀、粛清、裏切り、殴り込みといった裏社会の抗争モノによくある風景がヌルイ劇伴をバックにして繰り広げられるクライムムービー。病院で孤立するボスを助ける、メガネを撃ち抜かれる、最初に話を持ちかけてきた男が黒幕だ、などといった「ゴッドファーザー」の名シーンをうっすらとなぞっています。水槽から殺し屋が登場する冒頭の組長襲撃シーン、クライマックスのジョン・ウーの映画っぽい銃撃シーンにはそれなりに趣向が凝らされていて、決めショットもいくつかある(撮影は北野映画でもおなじみの柳島克巳)のに、どこかパっとしません。主演は石橋貴明。鶴田浩二や高倉健が演じていそうなクールな役どころですが・・・、鶴見辰吾や保坂尚輝が良い面構えと迫力で脇を固めているのに対して、アンチヒーロー然とした主役感が希薄で、ただの棒読みの木偶の坊にしか見えません。最晩年での出演となっている組長役の松村達雄よりも覇気がなく、貞淑な妻役の高島礼子の方が、実は強そうです。元来の体の動きの堅さも、スタントシーンの見映えの悪さに影響しています。妻が妊娠を知った頃、刺客に襲われた帰宅途中のバスでご臨終となって映画は終わります。ちなみに、役名が萩原なのは、貴さんがショーケン好きだからかな。さっさと死んでしまう殺し屋役の憲さんは適度な怪演ぶり。周囲を嗅ぎまわってやたらと飲み食いしている蟹江敬三の行動原理がよく分かりません。他に、関西暴力団のボス役で石橋蓮司、警察捜査本部のトップ役で宇津井健、雀荘のオヤジ役で小日向文世、謎の清掃員役で松重豊、廃車置き場のオヤジ役で横山あきおなども出演。「もうハタチですから」と無邪気に話すさとう珠緒(当時30才)がムダに可愛かったです。「アウトレイジ」(2010)並みの配役なのに、凄みや気概を全く感じない残念な映画でございました。銃声 LAST DROP OF BLOODAmazon(アマゾン)

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  20. Netflix「バッドボーイズ2バッド」観た。【アメリカのフロリダ州にある都市、マイアミでは麻薬シンジケートによる合成麻薬「エクスタシー」の密輸が後を絶たないでいた。マイアミ市警の2人の刑事、マーカス(マーティン・ローレンス)とマイク(ウィル・スミス)は麻薬密輸ルート破壊のために麻薬の取引きが行われていると思われるKKKの集会に乗り込むも手掛かりは得られなかった。次に2人は麻薬王が現れるとの通報を受けて出動するがそこでマーカスの妹、シド(ガブリエル・ユニオン)と鉢合わせする。彼女は連邦麻薬取締局(DEA)の捜査官でマーカスとマイクと同じく麻薬王(ジョルディ・モリャ)の接近のためのおとり捜査を行っていた。さらにシンジケートから入手した金を横取りしようとハイチ人ギャング団が襲い掛かり、壮絶なカーチェイスの末、彼らを蹴散らすが多大な犠牲を払う羽目に。だが、2人は麻薬王の正体を掴み、上司から強制捜査の許可を得て犯人検挙に出るが麻薬王に接触していたシドの素性がバレてしまい、彼女は彼にキューバへと拉致されてしまった。2人は国際問題になることを覚悟して彼のアジトがあるキューバへ突入する。】新作の為のお勉強第2弾。前作の実質的続編ってわけじゃない。「エクスタシー」っていう合成麻薬の密輸ルートを突き止める為に捜査に向かう、イカレポンチコンビ、マイクとマーカス。マーカスの妹が組織に潜入捜査として潜り混んでいたが、例によって全てブチ壊す羽目に。しかもマーカスの妹シドの正体が麻薬王にバレた。2人はシドを救えるのか。イカレポンチコンビって書いたけど、イカレポンチなのはマイクだけで、マーカスは危険なことはしないで解決したいタイプ。そんなマーカスだからマイクとバディ組めるのかも(≧▽≦)今回の麻薬王はイカレポンチでは、マイクに負けずとも劣らない(≧▽≦)値切ってきたロシアマフィアの会計係を斬り刻むし、エクスタシーの密輸の仕方がイカれてる。死体の臓器を取り出して、死体の中に麻薬を隠すって寸法。バッドボーイズとのカーチェイスで、運んでた死体がポコポコ車から落ちる、それをマイクが轢く。酷いのは落ちた瞬間に死体の首が切れて身体だけ転がって行った時は、ちょっと笑ってしまった(≧▽≦)正体のバレたシドがキューバに拉致された。この頃はキューバをテロ支援国家に指定してたので、アメリカの国としての支援は無理なので、マーカスとマイクの2人だけで乗込む積りだったが、シドの仲間やキューバ出身の刑事たちも同行。このキューバに乗込むラストは圧巻。麻薬王の最後は見るも無惨。無事にシドを救出出来た(≧▽≦)前作でウィル・スミスをカッコいいって思ったのは、多分両手に銃を持ってぶっ放すタイプに弱かったんだと。「男たちの挽歌」のチョウ・ユンファもそうだった(≧▽≦)でも性格はちょっとね。後1本で新作観れるので、頑張ろう(なにを)(≧▽≦)バディもの好き、ウィル・スミスファンは是非。後銃撃戦好きも(いるのか?)バッドボーイズ 2バッド デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]Amazon(アマゾン)バッドボーイズ 2 バッド [DVD]Amazon(アマゾン)バッドボーイズ 2バッド [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]Amazon(アマゾン)バッドボーイズ 2バッド [Blu-ray]Amazon(アマゾン)バッドボーイズ2バッド 4K ULTRA HD [4K ULTRA HD] [Blu-ray]Amazon(アマゾン)

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