
11JUL.
IGNITE VOICE 西郷碧『戦力になる』
みなさんは、覚えているでしょうか。2025年12月13日。25シーズン、入れ替え戦の日です。もう一度、思い出してください。去年、何があったのか。どうなったのか。そこで何を感じたのか。きっと、一人ひとり違うと思います。だからまずは、あの日、私が何を感じていたのかを共有させてください。3Q。 2点ビハインド。「頑張れ。」「1点取ってくれ。」そう願いながら、私はニューマンを叫び、タイムコールを全力ですることしかできませんでした。ベンチの雰囲気は確かに上がってきていました。それでも、どれだけ全力で声を出しても、それは”個々”の声でした。スタッフとしての無力さを痛感しながらも、「今、この瞬間」に自分ができることだけは全力でやろうと必死でした。4Q。 1点ビハインド。 同点。1点ずつ返していく姿を見ながら、ボックスの中で私はすでに涙目でした。「まだいける。」「みんなならもっと。」そんなことばかり考えていました。ベンチの雰囲気もすごく良かった。それ以上に、外で同期たちがOBの方々と一緒になって周りを巻き込みながら声を張り上げて応援してくれている姿が、本当にグラウンドまで届いていました。あの応援は、間違いなくプレーしているみんなの力になっていたと思います。応援の力ってすごい。「一つになる」とはこういうことなんだ。素敵なチームだな。筑波大学男子ラクロス部に入ってよかった。心からそう思えた瞬間でした。残り1分を切ってからの逆転ゴール。筑波の意地を見せた瞬間でした。でも、それも束の間。学芸はクロスチェックを申請。結果はイリーガル。得点は取り消され、そのままサドンへ。クロスチェックを担当していたのは私ではありません。それでも、「やってしまった」と思いました。今までの人生で経験したことがないくらい心臓が速くなって、手で押さえなくても鼓動が聞こえるような感覚でした。今思い出しても、胸が苦しくなります。1年生だったから。経験が浅かったから。そんなことは関係ない。選手たちは優しいから、「俺らの考えが甘かった」「スタッフちゃんたちは頑張ってくれてたよ」と言ってくれました。でも私は、あの得点を消してしまったのはスタッフだったと思っています。もちろん、新米だった私たちを責めるつもりは誰もなかったのでしょう。傷つけないためでもあったと思います。それでも私は、その優しさがなんだか悔しかった。サドンデス。予想もしなかった形でフリーをつくられ、そのままショット。ゴール。誰かが気を抜いていたわけではありません。だからこそ、あまりにも突然で、衝撃的でした。試合は終了。筑波は、3部へ降格した。思っていた以上に泣きました。あんなに泣く自分がいるなんて、自分でも意外でした。あの時、自分なりにできることはやったつもりでした。でも、それは”やったつもり”でしかなかった。スタッフとしての力が足りなかった。チームの一員として勝利に貢献できるだけの力がなかった。負けたことももちろん悔しかった。でも、それ以上に、自分の無力さが悔しかった。ご挨拶が遅れました。2年AS/MGの西郷碧です。平素より筑波大学男子ラクロス部へ多大なるご支援をいただき、誠にありがとうございます。これから始まるリーグ戦に向けて、今の私が考えていることを、このブログに正直に綴ろうと思います。一年生のみんなにも、このブログを通して、私がどんな思いで部活動に向き合っているのかを少しでも感じてもらえたら嬉しいです。かなり長く拙い文章になります。それでも、最後まで読んでよかったと思ってもらえるよう、一つひとつ言葉を選んで書きました。お時間のあるときに、ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。入れ替え戦。あの日は、本当にたくさんの方が応援に来てくださいました。保護者の皆さま、OBOGの皆さま、関係者の皆さま。テスト期間にもかかわらず、さくらをはじめとする女ラクのみんなも駆けつけてくれました。26シーズンが始まってから審判派遣に行くと、「入れ替え戦の配信見てたよ。」「現地にいたよ。すごい試合だったね。」そんなふうに声をかけていただくことがあります。あの試合は、関係者だけでなく、試合を見ていた多くの人にとっても心を動かす試合だったのではないかと思っています。それだけでも、あの試合には大きな価値がありました。でも、一番多くのことに気づかされたのは、きっと私たち自身です。26シーズンが始まってから、ずっと意識していることがあります。それは、自分自身がチームの「戦力」になることです。そのために取り組んできたことは、大きく二つあります。①審判②スタッフ組織このブログでは、この二つについて書こうと思います。① 審判去年の入れ替え戦を経験して、スタッフも試合に大きな影響を与えると強く思いました。だからこそ、「支える」だけではなく、自分も戦力になれるスタッフでありたいと思うようになった。その一つが、審判です。引退されたななかさんも一度は資格を取得されたそうですが、継続はされませんでした。育成コーチとして関わってくださったひとみさんは審判をされていて、下級生の頃はたくさん走らされていたそうです。今でも人手が足りないときにはグラウンドに来てくださっていて、本当に感謝しています。現在、上級スタッフは私たち5人のみで、もう先輩はいない。元々興味もあったし、これが1番戦力として直結すると思ったから、審判には特に熱を持って取り組んできました。所詮ただの新規三級審判ですが、ありがたいことに、今年は選手たちがスタッフを頼ってくれる場面が本当に増えました。ルールについて聞いてくれたり、意見を求めてくれたり。もちろん、たまにはキャパオーバーになってしまうこともあります。それでも、去年と比べたら本当に幸せな悩みです。スタッフに無関心でいられるより、何倍も嬉しい。だからこそ、私も期待に応えたいと思いました。ルールは徹底的に勉強しました。分からないことは、上級審判の方や一緒に走らせていただいた方へ何度も質問しました。曖昧なまま終わらせたくなかったからです。練習を休んででも派遣へ行くこともあります。その方が、長い目で見ればチームへ還元できると思ったからです。幹部にも相談し、理解をいただいた上で派遣に参加しています。ちなみに、つくばエクスプレスが高すぎるので、派遣費は片道で普通に消えます笑。大赤字です。でも、これはチームへの投資だとも思っています。そうやって続けているうちに、少しずつ審判そのものが好きになりました。上級審判の方々の姿を見て、「かっこいいな」と思うようにもなりました。気づけば、チームへの投資だけではなく、自分自身への投資にもなっていました。だから今は、すごく楽しいです。もちろん、まだまだ失敗ばかりです。ファールを取り逃がすこともあります。ミスジャッジをしてしまうこともあります。それでも、少しずつ成長している実感がある。そして、選手たちと同じように努力を積み重ねられている。その感覚がすごく嬉しい。最近では、「ルールのことを聞くならみどりしかいない。」と言ってもらえることも増えました。66で私がいないと、「みどりはどこ!?」なんて言われることもあります。みゆはいやだったと思うけど笑。でもそうやって必要としてもらえる瞬間がすごく嬉しい。今の私が一番「チームの戦力になれている」と実感できる場所が、この審判というフィールドです。そして、れな、まお、みゆにも、いつか同じような感覚を味わってほしいと思っています。審判がいることで、選手はより実戦に近い環境で練習できます。私がルールを知れば、「なぜこのプレーがファールなのか」を選手へ伝えられる。逆に、選手からも「このくらいなら流れるよ」と教えてもらうこともあります。お互いが学び合える。審判を通して、選手が全力で戦える環境をつくることができるんじゃないかって思ってる。去年の私は、スタッフとしてチームの勝利に貢献するだけの力がなかった。だから今年は、審判という立場から、少しでも勝利に貢献できるスタッフになりたい。選手が勝負に集中できる環境をつくること。その積み重ねも、勝利の一部になってくれると私は思っています。② スタッフ組織正直、26に入ってから一番苦戦したのはここです。そして今でも、「これが正解だ」と胸を張って言える段階ではありません。でも、入れ替え戦の日からずっと変わらず持ち続けている考えがあります。それは、"譲ってはいけないことがある"ということ。これまで私は、「バックグラウンドが違うから仕方ない。」と自分の中で折り合いをつけることが多くありました。でも今は、その”仕方ない”で済ませていた部分と、少しずつ向き合うようにしています。ただ、その"譲れないこと"が何なのかを、自分自身がうまく言葉にできませんでした。つま恋の頃が特にひどくて。「何かうまくいっていない。」それだけは分かるのに、何が原因なのか説明できない。だから周りのできていない部分ばかりが目について、イライラしてしまう。試合の合間も、自チームにいると負の感情ばかりが膨らんでしまう気がして、ひたすら並走に逃げていました。二日目のお昼ご飯は、筑波のみんなと食べてません笑。完全に逃げだったと思います。その頃はみんなから、「みどりが何を考えているのか分からない。」「どんな組織を目指したいのかわからない」と言われました。当然です。私自身が、一番分かっていなかったから。あのつま恋は、正直まったく楽しくありませんでした。本気で、「部活を辞めた方がいいんじゃないか」と思ったこともあります。私がいない方が、この組織はうまく回るんじゃないか。そんなことまで考えていました。でも最近になって、ようやく言葉にできるようになりました。私が譲れないもの。それは、私自身がこれまで教わってきた価値観そのものでした。特別なことではないです。人として。組織として。部活動をする一人として。当たり前に大切にしてきたことです。言葉にできるようになると、不思議なものでした。これまで「一貫性がない」と言われた行動も、「なんでそんなことするの?」と言われた判断も、振り返ってみると、自分の中では全部一本につながっていました。もちろん、周りから見たら違ったかもしれません。でも少なくとも、自分の中ではずっと同じ軸で動いていたんだと気づきました。その過程で、同じAS/MGであるみゆとまおとは随分と揉めたなと思います。何度同じ話をしたか分かりません。きっとこれからも話し続けると思います。でも、前よりずっと、お互いが何を大切にしているのか分かるようになりました。特にみゆとは、本当にたくさんぶつかりました。すぐ反発してくるし笑。私と張り合ってくるし笑。お互い頑固で、どっちも引かない。感情的になるところまでなんやかんや似てます。毎回、れなが仲裁役をしてくれました(ありがとうね)。少し前に三人で改めて話しました。引退するとき、どんなスタッフになっていたいのか。何を目標にしているのか。何だけは譲れないのか。それからあの日を境に、驚くくらいコミュニケーションが変わりました。あの時間は、私たちにとって必要な時間だったのだと思います。私は、スタッフ一人ひとりの「らしさ」を大切にしたい。みゆには、みゆの良さがある。まおには、まおの良さがある。れなにも、さいりにも、後輩たちにも、それぞれにしかない強みがあります。だからこそ、その「らしさ」が活きるための土台だけは、絶対に必要です。今、私が一番力を入れているのは、その土台づくり。強い組織は、強い土台の上にしか成り立たないと思っているからです。私が譲れないこと。それは、特別な能力でも、センスでもありません。「挨拶をする。」「時間・期限・決まりごとを守る。」「広い視野を持つ。」「コミュニケーションを取る。」「意図を持って行動する。」「同じ失敗を、ただ繰り返さない。」どれもめちゃくちゃ難しいことではないと思います。でも、これを当たり前にできる組織は、実はそんなに多くないのではとも思っています。いわゆる凡事徹底。私は、この土台があるからこそその上で思い切り挑戦できると思っています。たくさん挑戦してほしい。たくさん失敗してほしい。そこからたくさん学んでほしい。そして何より、ラクロス部にいる時間を思い切り楽しんでほしい。私も含めて、「筑波大学男子ラクロス部じゃなきゃダメなんだ。」そう胸を張って言える場所を、みんなでつくっていきたい。もし、このブログで書いていることと私の行動が違っていたら、「話が違うじゃん」って遠慮なく言ってください。余裕がなくなると、感情的になることもあります。矛盾した行動を取ってしまうこともあるかもしれません。その時は、本当にごめんなさい。でも、だからこそこのブログに書きました。自分自身への約束でもあるからです。スタッフリーダーもまだ決まっていません。土台もまだ完成していません。私たちは全員未熟です。ユースへ行ったり、他大学のスタッフを見たりするたびに、まだまだだなと思わされることばかりです。気づけば、つい上ばかり見てしまう。でも、今はそこじゃないことも分かっています。私はスタッフリーダーではありません。経験も浅い。本当に未熟です。頑固です。まだまだ成長しなければいけないことばかりで、たくさん周りにも迷惑をかけます。それでも、今年の自分にしか果たせない役割があると思っています。それは、先輩スタッフがいない中でリーグ戦を、大きな問題なくやり切ること。うまくいってもいかなくても、全ては自分の責任だと思って向き合います。それが、今年の私の想いです。できることなら、みんなにも同じ気持ちでいてほしい。もちろん、私たち2年スタッフが勝敗を決められるなんて思っていません。でも。もし私たちがリーグ戦を最後までやり切ることができて、選手が少しでもプレーに集中できる環境をつくることができたなら。それが、ほんの少しでも勝利のきっかけになったなら。私は、それだけで今年のスタッフとしての役割は果たせたと思っています。スタッフも戦力になれることを証明できるんじゃないかなと思います。スタッフは試合で点を取ることはできません。でも、選手が最高のパフォーマンスを発揮できる環境はつくれます。私は私たちはそのためにいます。このブログの最初で、入れ替え戦のときの話をしました。あの日、私は自分の無力さを知りました。「できることはやった。」そう思っていたけれど、それは"つもり"だった。スタッフも、戦力になれる。そう信じて、この一年を積み重ねてきました。審判として。スタッフとして。一人の部員として。まだまだ足りないところばかりです。でもだからこそ今年は去年とは違うって示したい。2部奪還するんですよね。だったら、選手も。スタッフも。全員でやってやりましょう。去年のあの日を、「悔しかった日」のままで終わらせないために。今年は、嬉し泣きしたいです。必ず、2部へ。今年も応援のほど、よろしくお願いいたします。IGNITE

薬学部4年娘、資格取得への準備

大きな紙袋から出てきたお土産。二人暮らしなのに!?

IGNITE VOICE末河翔真『人間は考える葦である。』