
17MAY.
N“現実逃避”君のフェード・カット✂️
マントル対流🌊、そしてN君のクリッピング✂️彡彡彡東京海洋大学のキャンパスには、地球の壮大なダイナミクスと、学生たちのささやかな日常が、不思議なバランスで同居している。今日週末金曜の3限4限はぶち抜きの『基礎海洋学』。正直、私はコレを学ぶために海洋大に入ったとも言える本命核心部の授業。その間の短い休憩タイムのことだった。私の席に、エネルギー学科の陽気な若手3人(ケンちゃん、チヨリ君、N君(芸名:現実逃避君))が賑やかに遊びに寄ってきてくれた。その中のN君が、今日はなんともいつになく違う輝きのオーラを発しているではないか。不意に頭を下げてうなじを私に向けてくる。「中々なもんだねぇ、S君よっ‼️」(→N君のファミリーネームを呼んだ)そこにあったのは、じつにカッコよく、うなじと鬢が見事なグラデーションで仕上げられたバリカンカット(=フェード・カット)だった。私は、刈上げの若者が大好きだ。昔若い頃、私は1年中刈上げスタイルだった。思わず感心した私は、スマートフォンのカメラを向け、そのシャープな仕上がりを写真に収めた。エネルギー学科らしい、どこか直線的で力強いエネルギーを感じさせる一コマだった。☝️チヨリ君 、ケンちゃん 、N“現実逃避”君しかし、4限のチャイムが鳴ると、教室の空気は一変する。引き続き教壇に立つのは、学内イチ優しくてたおやか、そして物静かな牧田寛子准教授。彼女が担当する『基礎海洋学』の時間は、いつも静謐で心地よい。だが、今日の後半に限っては、その穏やかな空気の裏にタフな罠が仕掛けられている。少し早めの前期末テストである。配られた問題用紙を開いた瞬間、息を呑む学生たちの気配が伝わってきた。内容はオール記述式。プレートテクトニクス、岩石組成、大陸縁辺や海溝、海盆、海嶺にわたる複雑な海底地形。さらには海底堆積物の由来と分類、ウェントワース・スケール、アイソスタシー、長大な数式を連想させる炭酸塩補償深度(CCD)………。先日、図書館で興味本位で大学院前期博士課程の専門試験問題をひと通りチェックした。偶然にもそこに並んだ問題に匹敵する、凄まじい難易度の今日の内容である。たおやかな牧田准教授の、研究者としての妥協なき本気がそこにあった。しかし、私の脳は完全に覚醒していた。何より、この分野、私の大好物🍛である。何にも見なくても書けるし、喋れるし、事によっては先生の代わりに教壇で講義もできる。そのくらいの私の唯一最大の武器だ。文章だの文学を脇に置いても、地球物理学と一緒なら心中できる覚悟の私だ。エネルギー学科の仲間と笑い合っていた直前の熱量が、そのまま知的な集中力へと変換される。ペンを握る手に、何らの迷いもない。地球の深淵を抉るような問いに対して、すべての論理を組み立て、完璧に解答を紡ぎ出していく。気づけば、100人近い受講学生の中で、私が最初にペンを置いた。いの一番で席を立ち、解答用紙を提出して教室を後にすることができた。あの圧倒的な爽快感は忘れられない。出抜け際、私は教壇の牧田准教授に向けて、悪戯っぽくウインクをしてみた。超難問を解き明かしたことへの、ちょっとした生意気な挨拶のつもりだった。決して牧田准教授へのからかいなどではなかった。ところが、だ。物静かなはずの彼女が、ふっと微笑み、私がしたのと同じように綺麗なウインクを返してくださったのだ。難解な学問へのリスペクトと、それを完璧にクリアした学生への、言葉なき祝福のおつもりなのか。こういうシャレのわかるチャーミングな大人が教授陣にいるから、東京海洋大学での学びはやめられない。なにか、牧田寛子准教授に仄かな恋心が芽生え出した………いけない、慎もう。ポケットの中で、先ほど撮影したばかりのN君のカッコいい刈上げの写真が眠っている。友人の髪型に一喜一憂する日常のミクロな楽しさと、何億年単位の地球の歴史を解き明かすマクロな興奮。その両方を一気に駆け抜けた、最高にエキサイティングな今日の午後だった。

健康寿命という一番のコストと1ヶ月で手に入れた満足感

週末のこと

仕送りは五万円 節約を頑張る長男と失敗した私